「どうするんだ?」
椅子に座って脚を開いている真夫がにっこりと微笑んだ。
さすがに躊躇するものがあったが、いずれにしてもアナルの痒みを解消してもらうには、指示に従うしか選択肢はない。
いまこの時点でもじっとしているのが苦しいほどのお尻の痒みなのだ。昼休みまで放置など受け入れられるわけがない。
だが、柚子が真夫の指示に従って、真夫の股間を口で奉仕しなければ、真夫は許すことはないのだろうと思った。
それは真夫の表情を見て感じた。
「や、やります……」
柚子は真夫の脚のあいだに跪いた。
「そうか。じゃあ、任せようか」
真夫が腕組みをする。
「えっ?」
柚子は困惑した。
「どうしたんだ? 時間は限られているぞ。とりあえず、性器を外に出さないと、口に含むことさえできないぞ」
真夫が微笑んだまま言った。
柚子はちらりと壁の時計に視線をやる。一時間目が終わるまで、残り十五分を切っている。
確かにまごまごする余裕はないのだ。
「は、はい……」
柚子は真夫のズボンに両手を伸ばして、ベルトを緩めてホックを外してチャックをさげる。
さらにトランクスをゆっくりと押し下げていく。
すると、真夫が少しだけ腰を浮かしてくれ、ズボンと下着を膝まで下げることができた。
「うっ」
目の前に跳び出てきた真夫の男根に接して、柚子は思わず息を詰まらせてしまった。
自分がかなり性欲が強いことは自覚はしているものの、男性経験などはない。生まれて初めて見る勃起している男の股間に、さすがに本能的なおののきを覚えた。
「どうしたんだ? 始めないのか?」
真夫だ。
柚子は緊張で口にたまった唾を呑み込んだ。
「し、します」
直立する真夫の男根をおそるおそる握ると、口をいっぱいに開いて男根の先を口の中に入れていく。
これが男の性器……。
頭の中で想像している以上に迫力があって太かった。
柚子の小さな口では、精一杯に開かなければ、入らないような気さえした。
「んふっ」
むっとするような精液の香りが口の中に拡がり、鼻の奥側に伝わってきた。
もっと臭くて耐えられないものかと思ったが、そうでもない。
いや、匂いは強烈なのだが、嫌悪するような匂いではなかった。むしろ、興奮する。
やっぱり自分は淫乱の性質があるのだろう。
真夫の男根の熱さと硬さといやらしさに、くらくらするような性感の昂ぶりを柚子は覚えてしまった。
ただ口の中に男の性器を入れただけだ。
それだけで、柚子は全身を柔らかい羽毛でねっとりとくすぐられたような快感に包まれた。
もっと……。
柚子はさらに深くまで男根を呑み込んだ。
思わず、嗚咽が込みあがったが、その苦しさがぞくぞくするような甘美感の戦慄に変化した。
舌先で先端を舐めていく。
どうやるのが正しいのかという知識は皆無だ。
遠慮がちに舌を真夫の性器に絡ませていく。
すると、ちょっとだけ先端から汁のようなものがにじむ出たような気がした。これを続けていけばいいのだろうか。
それにしても、さらに匂いが強くなる。
頭がぼうっとなるような興奮に包まれる。
しばらくのあいだ、柚子は先端をそうやってしゃぶり続けた。
真夫の男根の先からは、ちょっとずつ染み出るように精液が出ている。真夫も感じてはくれているのだ。
苦くて舌にまとわりつくような粘性……。
口の中から快美観が全身に拡がる。
多分、自分はこうやって真夫の性器を舐めるのが好きになると思った。
いや、すでに好きになっている……。
アナルの痒みのこともあり、柚子は真夫の股間を奉仕しながら、知らず腰をもじもじと動かし続けていた。
「そんな大人しいおしゃぶりだと、いつまで経っても射精させることはできないぞ。唾液をたくさん出して、激しく擦るんだ。音を立てるくらいにね。時間切れになるぞ」
真夫が揶揄うような口調で声をかけてきた。
唾液は十分なほどに出て気いる。
柚子は慌てて、口の動きを速くした。
顔を前後斜めに激しくスライドさせる。
「んほっ」
たまらず声が出た。
顔の小さい柚子にとって、真夫の性器は十分以上に大きくて迫力がある。
苦しいがそれを遥かに快感が上回る。
いや、苦しいからこそ、こんなにまで欲情するのかもしれない。
まるで未知の性感を口に作られていく心地だ。
「速度が落ちた。時間切れになるぞ。そして、音も立てるんだよ。そうやって、俺を愉しませるのもコツだ」
はっとした。
いつの間にか、残り時間が五分を切っている。
だが、疲労も覚えてきて、確かに勢いがなくなっている。
とにかく、音が出るほどに強く男根をすすりあげる。
「……速さも大切だけど、もっと喉の奥までのみ込むんだ。口全体で包んでごらん」
そう言われて、柚子は本当にぎりぎりまで喉の奥に真夫の性器の先端を押し込む。
喉元にずんずんと性器の先が当たる。
「んごっ、ごっ」
またもや、えずいてしまうが、同時にそんなところにも性感が潜んでいること知った。
一気に快感が駆けあがる。
だが、真夫は射精をしてくれない。
ついに、時間切れになり、部屋にあるスピーカーから一時間目が終了したことを示すチャイムが鳴り響いた。
「時間切れだな。いつでも挑戦していいけど、さすがに授業の合間は無理だろう。次はやっぱり昼休みかな。それとも、二時間目と三時間目の休みは二十分で少し長いから、そのときに来るか?」
真夫が柚子の口から男根を引き抜いた。
「ああ、そんな……。でも、お尻が痒いんです。せめて、革ベルトを外して、お尻の中のものを抜いてください──」
「そればできないな。ご褒美は俺を気持ちよくさせたときだと言ったはずだ。それに、まだ淫具が嵌っているから我慢できるんじゃないのか? それとも、全部外してもらって、授業中にアナルでオナニーをするつもりか?」
「そ、そんなことは……」
「とにかく、お預けだ。頭のいい柚子だから、どうやれば効果的にフェラができるか反省してみるんだ。まあ、せめてもの情けで次の中休みには、柚子のクラスの真下にあるLL教場で待っていてやるよ。ここまでくる移動時間は節約できる。さあ、教室に戻るんだ」
真夫がズボンと下着を引きあげた。
「む、無理です。痒みが限界なんです──」
「そうか。じゃあ、次こそ頑張れ」
真夫が柚子の腕を掴んで部屋から出ようとする。
「ま、待って──。次の授業も出なくていいです。ここで続きをさせてください。今度こそ、真夫さんを気持ちよくします──」
柚子は真夫の腕を掴んで、部屋から出させまいと踏ん張った。
その直後、突然にお尻の中の淫具が緩やかな蠕動運動を開始した。
「あおっ」
柚子は思わずスカートの上から両手でお尻を押さえて、その場にうずくまってしまった。
「もしも、二時間目に授業に出てなかったら、昼休みどころか、明日の朝までそのままにするぞ。さあ、教室に戻れ」
真夫が愉しそうな口調でそう言い、柚子の頭をなでると部屋を出て行ってしまった。
すると淫具の振動がなくなり、刺激が消滅したことで、狂うようなお尻の痒みがまたもや襲い掛かってきた。
二時間目の授業が終わると、すぐに柚子は教室を出た。
授業中に失禁をするという失態を犯した柚子だったが、二時間目の授業が始まる直前に戻った柚子にクラスメートたちが話しかける時間はなかった。
そして、その授業の内容も全く覚えてない。
記憶しているのは、アナルに塗られている掻痒剤の痒みに耐えて、必死に腰を動かすのを我慢している自分の状態だ。
そして、いまもそうだが、頭を占領しているのは、アナルに襲っている激しい痒みと疼きだけである。とにかく、授業のあいだ、柚子は椅子の板にお尻をつけ、擦りつけるように小刻みに動かしながら、必死にアナルの中の淫具を締めつけ続けた。
しかし、クラスメートがいる教室の中なので、大きく動かすことができず。それで得られる刺激は微々たるもにすぎた。
だが、それがあったからこそ、まだ我慢することができたのだ。
真夫の言葉ではないが、もしも、アナルの中に淫具がなければと想像するだけでぞっとなった。
一方で、これこそ、そうやってじわじわと柚子を追い詰めて、柚子を淫乱なマゾに調教しようとしている真夫の責めなのだということも悟った。
とにかく、すっかりと柚子は追い詰められている。
いまは、すでにアナルを犯されることに恐怖はない。
この痒みが消えるのであれば、どんなことと引き換えにしてもいいと思っている。
友人が心配そうに声を掛けてくるのを振り切って、柚子は指示をされたLL教室に入った。
人気のない空教室に、真夫が待っていた。
今度は、柚子が着せられている従者生徒用の灰色の制服を身に着けている女生徒と一緒だった。
綺麗な人であり、面識はあまりないが、彼女のことは知っている。
真夫の従者生徒の白岡かおりである。
「ふふふ、顔が真っ赤よ。かなりこいつに苛められているみたいね」
そのかおりがくすくすと笑う。
「早いな。どんな気分だ? まあ、時間が惜しいだろうから、続きをしてもいいよ。ただ、俺たちも授業があるから制限時間は残り十分間かな」
柚子は躊躇うことなく、真夫の前にしゃがみ込み、真夫のズボンのベルトを外し始める。
さっきは二十分以上の時間があったけど、結局真夫の性器から精を出させることはできなかった。今度は十分しかない。
そして、これに失敗すれば、次のチャンスは昼休みしかないだろう。
急がなけければ……。
一秒たりとも無駄にはできない。
今度は真夫は仁王立ちしたままだ。
柚子は膝立ちしたまま、下着をズボンをさげて真夫の性器を露出した。
すでに隆々と勃起している真夫の怒張を目の当たりにして、柚子は自分がかなり限界に達していることがわかった。
すぐに口を開いて、股間を咥えようとした。
「待ちなさい。性奴隷がご主人様のお道具をおしゃぶりするときには、まずは挨拶の口づけをするのよ。先っぽにね」
すると、かおりが口を挟んできた。
「あっ、はい」
言われた通りに真夫の性器の先端に口づけをする。
本当に奴隷になった気がして、ぞくぞくとなった。
「それと、奉仕のときには両手は後ろよ。こいつは、どエスだから、そっちの方が興奮してもらえるわ」
「は、はい」
両手を背中に回して、左手で右手首を掴む。
それだけで不思議な快感が柚子に襲い掛かった。
そして、改めて口を開いて真夫の怒張を口に含んでいく。
「んんっ、んっ」
むっとするような精の香りが柚子の嗅覚を刺激する。
同時にゆらりと視線が歪むほどの快感が柚子の中に拡がった。
奴隷として支配されて躾けられる……。
それがこれほどの欲情を呼ぶとは知らなかった。
この人は柚子のご主人様……。
とにかく、精を出してもらわないと……。
柚子は一心不乱に舌と口を動かした。
しかし、結局のところ、真夫から精を出せることはできなかった。
見守っていたかおりが、時間切れを宣言する。
「残念だな。じゃあ、次は昼休みだ。今度はSS研の部室だ」
真夫が腰を引いて、怒張をしまう。
「ま、待って──。も、もう少しだけさせてください。か、痒いんです──。お願いします」
お尻の痒みは限界に達していた。
昼休みまでこのまま放置など無理だ──。
「悪いけど、俺たちも授業があってね。昼休みだったら、十分に時間があるだろう。次こそ、成功するさ」
「じゃあね」
だが、無常にも真夫とかおりは、またしても柚子を置き去りにして立ち去ってしまった。
うう、痒い……。
三時間目の授業が始まっている。
数学の教師の言葉はまったく頭に入ってこない。
とにかく、時間が過ぎてくれるのを願って、机に顔を伏せて、スカートの上から太腿に爪を喰い込ませる。
そうでもしないと、痒みに追い詰められて、この場でお尻で自慰をしそうなのだ。
「……じゃあ、今日は二十二日だから、出席番号が二番、十二番、二十二番の人は前で問題を解いてください」
そのとき、数学を教えていた男性教師がそういうのが聞こえた。
柚子は二十二番だ。
慌てて顔をあげる。
すでにほかの二人の生徒は席を立って前に進みだしていた。
ホワイトボードには問題が書いてあり、どうやら柚子は一番左の問題を解答しなければならないみたいだ。
授業は聞いてはいなかったが、すぐに解き方は頭に浮かんできた。
だが、この状態でとても前に進んで解答をすることができるとは思えなかった。
「どうしたんだ、立花さん? 気分が悪いのか?」
中年の男性である数学教師が訝しむような視線を向ける。
確かに顔を真っ赤にして、汗びっしょりとなって、虚ろな表情をしている柚子は、ちょっとまともには見えないのかもしれない。
かっと羞恥に襲われる。
とにかく、誤魔化さなければ……。
考えたのはそれだけだ。
「だ、大丈夫です……」
立ちあがって、前に向かう。
ホワイトボードの前に立ち、ホワイトボードマーカーを握る。
すると、貞操帯が喰い込んでいる股間の部分から愛液が漏れて、つっと太腿の内側を伝い落ちるのを感じた。
柚子は慌てて、脚を閉じてそれを隠す。
そのときだった。
突然にアナルに埋まっている淫具が激しく振動を開始してきたのだ。
「んぐううっ」
柚子はその場で膝を折りそうになってしまった。