「ああっ、や、やめて……。や、やめなさい──」
あっという間に硬く尖りきってしまった乳首を弾くように舌先で転がされると、次々に鋭い快感が全身を駆け巡っていく。
どうして、こんなに簡単に感じてしまうのか──?
しかも、同時に下着の上から股間をくすぐるように刺激されて、上からの快感と下からの快感が激しくぶつかり、それが全身を席捲してしまう。
「や、やめるのよ──」
京子は必死に身体をよじりたてて、乳房と股間から真夫の唇と指を振り払った。
すると、真夫が顔をあげ、次いで、くすくすと笑い声をあげる。
「先生、抵抗は無意味ですよ。どんなに逆らおうとしても、無理矢理に感じさせられて、屈服するんです。それを愉しんでください」
真夫が一度京子から離れて、部屋の隅にあった車輪付きのトレイに棚に準備していたらしい箱状の籠を乗せて戻ってきた。
そこから鋏を取り出して、胸にまとわりついていたブラジャーの紐を切断して、取り去ってしまう。
「くっ──。あ、あなた、自分がなにをしているのかわかっているの──。あなたを見損ないました──。まさか、女の自由を奪って凌辱するような下劣な生徒だったなんて──」
京子は目の前の真夫を睨みつける。
しかし、はっとした。
真夫の手にしている鋏がすっと京子の下着の横に差し入れられたのだ。
下着を切断される──。
全身にかっと羞恥が走り、そして、それ以上に、大きな恐怖が京子を包む。
「そうですね……。最近は俺もそれを自覚してきました。俺には鬼畜で冷酷で下劣な性質が隠れていたようです。やっぱり、血なんですかねえ……。でも、そういう先生にも隠れている性質があるはずです……。もしかしたら、こんな風に凌辱されて悦ぶ被虐の血が隠れているかもしれませんよ。確かめさせてもらいますね」
ショーツの端が紙でも切るように簡単に切断された。
反対側の縁も……。
京子の足元に布切れとなった下着が落ちていく。
股間を晒されてしまった。
しかも、さっき胸で呆気なく達したばかりだ。
恥ずかしい──。
羞恥が京子を襲う。
「濡れてますね……。そして、随分と立派な陰毛です。とっても淫乱そうだ」
「いやっ」
秘部が外気にさらされる感触に、京子は思わず悲鳴をあげた。
その股間に再び、真夫の指がすっと伸びてくる。
「あっ、やめて──」
京子は懸命に腰を振って、指から逃げようともがく。
すると、真夫の反対の手が京子の乳房を横側からすっすっと撫でた。それだけで、鮮やかすぎる甘美感が身体を貫き、京子は身体をのけ反らせて全身を硬直させてしまった。
「ひあああっ」
その隙を見逃さず、真夫の指が股間の左右の合わせ目からぐっと内側に入り込んでくる。
しかも、二本も……。
「んああっ、やめてええ──」
指が胎内に潜り込み、内側からとんとんと押すように刺激される。
ぞわぞわと重い快感が拡がっていく。
しかも、怖い──。
そんなところには、自分の指さえも挿入したことなどない。
もっとも秘している女の源泉に加えられるおぞましい指の侵入に、京子の声は震えてしまう。
「怖がらなくていいですよ……。痛みなど与えません……。痛覚を一時的に麻痺させましょう……。痛みと恐怖が小さくなれば、残るのは快感だけです。それを愉しむんです……。さあ、俺の眼を見て……」
真夫が花芯に挿入している指をゆっくりと回し、さらに指の腹で肉襞を擦り押すようにまさぐってくる。
「あっ、いや……。や、やめて……」
女の源泉を縦横無尽にまさぐられるのはおぞましいとともに、圧倒的な屈辱のはずだ。
だが、なぜか怒りや屈辱は小さい。
それよりも、甘い疼きがどんどんと拡大して、京子を支配する。
「眼を見るんです──」
真夫が突然に大きな声をあげた。
びくりとして、俯きぎみだった顔をあげた。
視線が合う。
なにか不思議な力が頭の中を襲った気がした。
得体の知れないものを感じて、本能的に視線を逸らそうとした。
しかし、なぜか顔を背けることができない。
眼を閉じることもだ。
視線が不可思議なものに縛りつけたかのように動かせない。
「……ああ、わかりますよ……。もう先生は、俺になにも隠すことはできません……。先生の不安、恐怖……、屈辱……。そういう感情がわかります……。ああ、でも思ったよりも怒りの感情は小さいですね。やっぱり、先生はマゾなのかもしれません……。快感が怒りを打ち消してしまってます」
「な、なにを言っているのよ」
「俺は先生の心に触れることができるということです……。快感も感情ですからね。先生が気持ちのいい場所も、感情に触れながら探せば、すぐにわかります……。ああ、まずはここですね」
ゆっくりと動いていた真夫の指が秘奥の中である一点をぐいと押した。
「ひあっ、いやあ、ああっ」
衝撃が走り、腰ががくんと沈む。
一瞬、全身の力が吸い取られて、腰が砕けたようになったのだ。
紛れもない圧倒的な快感だった。
「気持ちいいでしょう……? 屈服すれば、もっと気持ちよくなれますよ。さあ、誓ってください……。俺の奴婢になると」
真夫が指でさっきと同じ場所をまたもや強く押す。
衝撃が股間に走る。
「ひあああっ──。ゆ、指を抜いて──。指を抜くのよ──」
京子は顎をのけぞらせながら叫んだ。
「どうしてですか? 先生の身体は嬉しそうですよ。どんどんと指に先生の恥ずかしい汁が絡んできます……。先生は多分、マゾです。いままでそれを知る機会がなかっただけです」
真夫が指を一度抜いて、すぐに差し入れてくる。
しかも、さっき触れられて衝撃が走った秘奥の内側の場所を擦るように刺激してきた。
「ひああっ、やめるのよ──」
迸る快感に翻弄されて、京子は首を激しく横に振る。
必死に口をつぐんで、慌てて声を噛み殺す。
それにしても、おかしい──。
こんなに簡単に感じてしまうのはどうしてなのか──?
まるで、全身が性感帯になってしまったかのように、目の前の男子生徒の愛撫に翻弄されてしまう。
すると、真夫が指を抜いてにっこりと微笑んだ。
「先生、勝負しませんか?」
そして、京子の顔を覗き込むようにして微笑む。
「勝負?」
京子は訝しんだ。
すでに肩で息をするようになっていた。
「性の勝負です。俺はこれから、徹底的に先生をマゾ調教します。先生にはいまから三日間、それを受けてもらいます。最後まで自分を保って調教の快感に耐えられたら先生の勝ち。耐えられなかったら負けです。でも、最後まで屈服しなければ、先生を解放して自由にしてあげます。どうですか?」
「た、耐えられたらって……、どういうことよ……?」
「難しいことじゃありません。被虐の快楽に負けて奴婢になると誓ってしまえば、先生の負け。三日後の最後まで拒否し続けることができれば、先生の勝ちです」
「拒否し続ければいいということ?」
「その通りです。屈服して奴婢を誓うか、耐えて拒否するかです。拒否を続けることが解放の条件です。簡単でわかりやすいでしょう? その代わり、三日間は逃げられませんよ。ありとあらゆるマゾ調教を受けてもらいます」
この少年はなにを言っているのか……。
三日後だろうが、十日後だろうが、自ら奴婢を誓うなどあり得ないが、本気でその間、京子を監禁して凌辱するつもりなのか……。
「……三日間ね。三日のあいだにあたしがあなたに屈服したと言わなければ、それでいいのね? だったら誓いなさい──。そのときはあなたが無理矢理に脅迫している女生徒たちを全員解放しなさい。そして、あなたは学園を出ていきなさい。あなたのような卑劣漢はこの学園に相応しくありません──」
「誓いましょう。交渉成立です。じゃあ、調教の時間ですよ、先生」
真夫がにっこりと微笑む。
そして、横のトレイの上の箱からなにかをとりだした。
鳥の羽根?
柄の部分がプラスチックになっていて、操作ボタンのようなものがある。
真夫が柄の部分を操作すると鳥の羽根が小刻みに動きだした。
「わっ、な、なに?」
真夫がその鳥の羽根を京子の胸に近づける。
ぎょっとして、京子は身体を限界まで引く。
「じゃあ、最初の調教だ。先生はこの羽根バイブのくすぐりを我慢してください。くすぐりの刺激に負けて、三回絶頂すれば罰として先生の処女をもらいます。それが嫌なら、耐え続けてください。感じさえしなければ、俺が先生を犯すことはありません」
真夫が羽根の先を乳房に当てた。
「ひいあああっ」
沸き起こった激しい甘美感に、京子は全身を突っ張らせる。
「そうそう。もうひとつ条件です。三日間、決して“やめて”と口にしてはいけません。先生には勝負の条件として、調教を拒否する権限はないんですから。やめてと叫べば、勝負は敗けと見なします」
真夫がいつの間にか反対の手にも持ってた羽根バイブとやらを京子の内腿にも当ててきた。
そして、じわじわと股間に向かって移動させる。
「ああっ、いやあああ」
上下からの刺激に、京子はがくがくと全身を痙攣させた。
「我慢するんだ──。耐えろ──」
真夫が叱咤の声をかける。
京子は歯を食い縛って、快感の大波に耐えた。