二度目の浣腸液の注入が終わると、顔の後ろのベルトが外されて、口の中の球体が糸を引く唾液とともに外に出された。
そして、一気に倍増した浣腸液による下腹部への異様な圧迫感は、圧倒的だった。
京子は、息をするだけで漏れ出そうな便意を、唇を引き結んで必死に耐えるしかなかった。
「……ああっ……、ゆ、許して……。許して、坂本君……。し、従う……。命令に従うから……」
懸命に便意を抑え込みながら、京子は開脚して膝を床につけている格好で、真夫を見上げる。
「そうです、先生。いまの先生にはなにもできません。いまの先生を支配しているのは俺で、先生は俺の慈悲がなければ、排便の自由もありません。そして。便意の苦痛を助けられるのも俺だけです。哀願する相手は俺です。それを覚えてください。これが調教です……。苦しいですか?」
この苦悶を与える張本人がなにを言うのかと思うが、確かにそうなのだろう。
支配しているのは目の前の真夫……。
自分は支配される存在……。
少なくともいまは……。
京子は覚悟を決めた。
口惜しさなど噛みしめている猶予は存在しないのだ。
「く、苦しいわ……。ト、トイレへ……」
「まだですよ、先生……。もっと苦しみましょう。さっきの条件を覚えてますか?」
「お、覚えている……。や、やります……。そ、その代わりトイレに……」
「俺を満足させたらですね。早くしないと、先生が床に排便を撒き散らすことになりますよ」
真夫が再び、京子の顔の前に性器を誇示するように近づける。
さすがに目の当たりにする本物の男の性器に、京子はたじろぎのようなものを感じた。
しかし、いまこの瞬間にも、刻一刻と便意は限界に近づいている。
京子は大きく口を開いた。
真夫がそのの口の中に男根を挿し入れるようにしてきた。
「んふっ」
生まれて初めて接する男の性器だ。
それを口の中で受け入れるなど……。
とにかく、かずかに震える唇で肉塊を包み込む。
「……んん……、うっ……」
これが男の性器……。
生温かい肉の感触とともに、腐臭のような匂いが口腔を満たした。
だが、なぜか気持ち悪いという感覚は小さかった。
それよりも、不思議な衝撃が京子の五体を駆け抜けていった気がした。
屈辱感や忌避感ばかりではない。
もっと心の根本に通じるような、意思とは無関係の衝動を覚えた。
京子はこのまま真夫の性器をしゃぶることに、危機感を覚えた。
もしかしたら、取り返しのつかないことになるかもしれない……。
そんな予感だ。
「どうしたんですか、先生? 舌を動かさないと始まりませんよ」
頭の上から真夫の揶揄うような言葉が降ってきた。
京子は我に返って、慌てて舌を動かす。
すでに便意は限界を越えて切迫しているのだ。
とりあえず、必死になって舌を口の中の男根に絡ませていく。
「んんっ、んっ、んっ」
だが、真夫に大きな反応はない。
余裕のある雰囲気で腰を京子の顔に差し出すだけだ。
次第に、京子は焦りを感じてきた。
そのあいだにも、どんどんと便意は拡大して、京子を追い詰めていく。
「んっ、んあっ、んんっ」
しばらく、真夫の性器への舌による奉仕を続けた。
だが、やはり一向に真夫が精を出す様子もない。
そもそも、生まれて初めての口吻だ。なにをどうしていいかもよくわからない。どうやら、しばらく舐めれば、勝手に男が射精をするというわけではないということも、やっとわかってきた。
そして、いよいよ我慢の限界が襲ってきた。
「先生、色々やってみたら? 顔を動かして刺激するとか。それとも、口全体を使って刺激するとか。馬鹿みたいに、舐めるだけじゃあ、こいつは射精してくれないわよ」
横で立っていたかおりが声をかけてきた。
「そうなんですか?」
また、いつの間にか復活をしたらしい柚子もそばにやってきた。
京子は女生徒ふたりの視線の中で、一生徒であるはずの真夫の男根を一心不乱に奉仕するという恥辱に、くらくらするような動揺を覚えた。
しかし、なぜか、その恥辱感が戦慄のような疼きを京子にもたらしてもいる。
自分の身体はどうしてしまったのか?
京子は狼狽を覚えた。
とにかく、助言に従い、顔を動かしてみる。
「おっ、少しはましになりましたね、先生。でも、まだまだですよ、頑張ってください」
真夫が笑う、
京子は懸命に真夫の性器をしゃぶりあげ続ける。
しかし、その奉仕に集中すると、便意への備えがおろそかになる気がして、完全には集中できない。
やがて、痛みのような性感の疼きとともに、便意の大波が一気に膨れあがった。
「ああ、無理──。もう無理よ──。お願い──。後でなんでもするから、トイレに行かせて──。出てしまうわ──」
京子はついに、口から真夫の男根を離して叫んだ。
もはや一刻の猶予もないところに追い詰められている。
京子は総身を強張らせて、必死に肛門に力を入れて、便意を抑え込む。
「残念ですね。じゃあ、そのまま出してもらいましょう」
真夫が手元の操作具のようなものを動かした。
両手の鎖が再びあがっていき、膝を床から離される。
「ああ、だめなの──。トイレに行かせて──。お願い──。トイレに──」
引きあがってく身体に、京子は恐怖を感じて絶叫した。
しかし、容赦なく鎖はせりあがる。
だが、完全に身体を真っ直ぐにする前に、両手の引き上げが胸辺りになったところで、鎖の上昇がとまった。
真夫がなぜか、京子の背中側にまわっていく。
「ま、待って──。離して──。トイレに──」
「大丈夫ですよ、先生。ちゃんと、トイレは準備しています。残念ながら、口で精を搾り取るのに失敗したので、罰ゲーム用のトイレになりますけどね……。柚子ちゃん、頼む」
「はい」
柚子が、いつの間かワゴンの下段にあった木桶を手に取った。
京子は目を疑った。
まさか、それに排便をさせようとしているのか?
「ま、まさか、本当にこの場で?」
京子はぞっとした。
顔の血の気が引き、蒼ざめていくのがわかる。
「まさかではないですよ。失敗には罰があります。でも、これはもしかしたら、マゾの先生にとっては罰ではないかもしれませんね。先生が生まれ変わる瞬間になるかもしれません」
「ば、馬鹿なことを言わないで、もう解放して──。このままするなんて、絶対にできません」
京子は声を引きつらせた。
「できないといっても、先生は拘束されているし、便意は切迫している。ここでするしかないんですよ。調教ですしね。それとも、奴婢になることを承諾しますか? だったら、考え直してもいい」
「ひ、卑怯よ──。そんなの──」
「そうですか。じゃあ、その気になったら、言ってください。排便をさせてあげますね……。柚子ちゃん、合図をしたら、すぐにその木桶を先生のお尻の下に当てられるように準備をしておいて」
「はい」
真夫の指示に、柚子が木桶を抱えたままそばに寄ってきて頷く。
一方で、真夫は後ろから京子の腰を掴んで引き寄せ、真夫に向かって腰を後ろに突き出すような恰好にさせた。
ほんのちょっとの動きでも、京子にとっては死活問題だ。
京子は歯を喰いしばった。
もはや、抵抗することもできない。
すると、真夫がお尻越しに、男根の先を京子の花芯にあてがってきた。
京子はびっくりした。
「ま、待って──。なにをしようとしているのよ──」
京子は絶叫した。
慌てて腰を振って、真夫から腰を離れさせようとする。
だが、そのときには、真夫の怒張はずぶずぶと京子の股間に打ち沈めてきていた。
「ひあああっ」
なにもすることはできない。
アナルに力を集中したまま、なすがままに真夫に股間を連ねさせるしかなかった。
生まれて初めての性交──。
だが、それは限界を越えた便意に襲われている状況であり、四肢を拘束されている恰好で、しかも、立ったまま後ろからだ。
京子は狂乱した。
「大丈夫ですよ、先生──。依然として痛覚は一時程に麻痺した状態にあります。破瓜の痛みで苦しませるようなことはしません。しっかりと快感を味わってください」
真夫が一気に怒張を奥まで貫かせた。
股間の中でなにかが裂けた感覚はあったが、確かに痛みはない。むしろ、快感でしかなかった。
全身から噴き出た愉悦は、そのまま昇天するかのように峻烈だった。
「はああっ、ああっ、はあっ」
京子は淫らな声を我慢することはできなかった。
律動されているわけではない。
ただ、奥まで挿入されただけだ。
しかし、信じられないような欲情が四肢を駆け巡り、とめどもなく股間から蜜が噴きこぼれていくを感じる。
「やっぱり、先生はマゾですよ。こういう性交に感じるんです。いずれにしても、最初のセックスがこんな異常な状況なんです。きっと、普通の性交じゃあ、満足できなくなってしまうと思います。もう、先生は、俺たちを受け入れるしかありません」
真夫がゆっくりと男根を出し入れしてきた。
「んああっ、ああっ、だめええ──。こんなのだめえ──。だめええ──。あああっ、ああっ」
いくら歯を喰いしばっても、全身に響き渡る愉悦に身体が反応する──。
強烈な便意に襲われている状況での刺激は、信じられないくらいに京子を感じさせてしまう。
これほどの恥辱──。
これほどの恐怖──。
これほどの快楽──。
「先生はマゾです。それを自覚するんです──。さあ、いきますよ──」
真夫がゆっくりと前後させながら、京子の双乳をわしづかみにし、乳首を指で挟んだまま揉みあげてくる。
電撃のような痺れが腰の芯から迸り、快感が一瞬にして脳天を突き抜けていく。
裸身が跳ねるように震え、快感が貫く。
京子は身体を弓なりにして、がくがくと全身を痙攣させた。
力が抜けて、懸命にすぼめている肛門からついに力が抜け、内側から凄まじい圧迫感が襲い掛かった。
「出しますよ、先生」
一方で真夫が気楽そうな雰囲気で腰を振る。
膣の中に熱いものが噴き出されるのを感じた。
「いやあああっ」
京子は絶叫した。
犯されて精を股間の中に出されたことで、感じたのは凄まじいほどの快楽だ。
京子はマゾであり、奴婢──。
快感で呆けていく頭に、その言葉だけが繰り返す。
生徒である真夫は、おそらく京子を解放することはないだろう。そして、彼の言葉のとおりに、京子をマゾに仕立てて、奴婢という性奴隷にするのかもしれない。
その証が、この便意と快感だ。
彼に仕えて、こんな風に玩具のように毎日凌辱される──。
そう考えると、京子の身体は、大きな黒い悦びに包まれてしまった。
そして、ついに肛門が結界した。
「おっと」
真夫が素早く怒張を引き抜いて、横に身体をずらした。
お尻の下に、柚子が持った木桶が当てられる、
「わっ」
柚子が京子のお尻に木桶を当てる。
黄土色の噴流が木桶の底を叩く。
「ああああっ」
京子は断末魔のような悲鳴をあげた。
「すごい出しっぷりですね、先生。でも、まだまだお愉しみはこれからですよ」
泣きながら排便を続ける京子の股間に手を伸ばして、糞便で汚れるのも厭わずに、真夫が今度はクリトリスを刺激してきた。
それだけでなく、舌で乳首を舐められて刺激される。
「あああっ、いやああっ、ああっ、ああああっ」
京子は強制排便の恥辱を受けながら、同時に信じられないくらいの快感を覚え、続けざまのエクスタシーに、快感を飛翔させてしまった。
そのあいだも、とまることなどないかのように、京子のアナルからは糞便が迸り続ける。
排便をしながらの二度続けての絶頂──。
ああ、なんという恥辱──。
なんという恐怖──。
そして、なんという快楽だ──。
京子は不可思議な幸福感に身体を包ませていった。