155話 突撃、昼ご飯
「
やっと見つけた立花柚子は、生徒用の食堂で食事を載せたトレイを厨房側から受け取って、それをどこかに運んでいこうとしているところだった。
北条麻美は、彼女の行く手を阻むように彼女の前に回り込んで塞ぐ。
すると、両手にトレイを抱えていた柚子がいぶかし気な麻美に視線を向けてきた。
学園における金曜日の昼休みのことである。
この学園には、生徒用に複数の食堂があるのだが、ここはA級生徒以上の生徒用の食堂である。席は五十席ほどあり、厨房に面するカウンターで求める食事を受け取り、それを自由に選んだ席で食べる形式だ。
なにを選んでもいいし、余分な時間はかかるが特別なメニューを注文することもできる。代金は毎月まとめて、保護者に請求がいく仕組みである。
ただし、学園に五人しかいないS級生徒については、別に設けられた特別室があり、そこで昼食をとることもできる。S級生徒には従者もしくは、従者生徒がつくので、自分で食事を運ぶことなく、従者がA級生徒と同じカウンターで食事を受け取って、席まで運んでいくことになっている。
S級生徒用については並ぶこともない。
どんなに混雑をしていても、最優先で食事が準備される。
とにかく、今日から、学園双璧のひとりである金城光太郎の従者生徒になったという柚子なので、もしかしたら、彼女がここに現れるのではないかと思っていた。
その結果、案の定、従者生徒用の灰色の制服に身を包んだ柚子が食事を受け取りに、厨房から食事を受け取ったのを麻美は見つけたのだ。
それで慌てて、麻美は柚子を追いかけてきたというわけだ。
「あら、麻美、どうしたの?」
その柚子がにっこりと微笑んだ。
彼女のあっけらかんとした表情に、麻美は思わずかっとなる。
「どうしたも、こうしたもじゃないわよ──。あたし、朝からずっとあんたにメッセージを送ってたのに、まったく応答もなくて──」
麻美は不平を口にした。
この柚子が誰かに脅迫をされているのではないかと思って、麻美が所属する伊達京子先生を柚子の自室に連れて行ったのは、昨夜のことである。
柚子は否定したが、授業中から柚子の様子が不自然なのは明らかだった。
だから、絶対に、なにかを隠していると麻美は確信をしていた。
しかし、いまにして思えば不思議なのだが、その会話の末に、なぜかA級生徒用の寮内にあるシアター室で三人でカラオケすることになり、その途中でどうやら、麻美は眠ってしまったようなのだ。
だから、あれからどうなったのか、麻美は知らない。
柚子自身は、麻美や京子先生に対して、いじめのようなものを受けていることを否定していたし、表情に深刻なものはなかった。だから、昨夜はあやふやなことになってしまったが、今朝になり改めて、昨夜の話がどうなったのか気になったのだ。
ところが、陸上部の朝練には、顧問の伊達京子先生は現れず、身内に不幸があり、週末まで学園から不在になると伝言があったとキャプテンから伝達されたのだ。
気になって、あれからどうなったのかを柚子に訊ねようとしたが、柚子は今日からクラス替えになり、従者生徒用のクラスに移ってしまっていて、午前中に会うことはできなかった。
それで、スマホの連絡用アプリでメッセージを送ったが、既読すらつかない。
京子先生にしても、個人的なスマホの連絡先を知っていたので、連絡をしようとしたが、そっちについても応答がない。やはり、既読はつかない。
だから、絶対になにかあったと考えて、柚子を探しまくっていたのだ。もちろん、教室にも行ってみた。ところが、移籍したはずの従者生徒用のクラスに姿は見えず、いまやっと、ここなら現れるのでないかと思った昼休みのA級以上の生徒用食堂で見つけたということだ。
「メッセージ? ああ、ごめん。夕べから忙しくて……」
「忙しくてじゃないわよ──。あたし、心配してたんだから──。それで、あれから、どうなったの? あたしが眠ってしまってからも、伊達先生と一緒だったんでしょう? なにがあったの、教えて──」
麻美は、柚子に詰め寄った。
しかし、柚子は困惑した顔になる。
「教えてと言われても……。麻美が眠ったから、そのまま解散したよ。それで終わり……」
「嘘おっしゃい──。先生は、柚子のことで心配して会いに行ったんだから、よく考えれば、それから話をしたに違いないわ──。そして、朝から、その伊達先生がいないの──。きっとなにかあったんじゃないかとい思って……」
「ねえ、柚子、行かないと……」
そのとき、麻美と柚子がいる通路に後ろから女生徒の声がかけられた。
視線を向けると、やはり従者生徒の制服を身に着けてい女生徒がいた。柚子と同じように、食事を載せた大き目のトレイを持っている。
ふたりいて、同じ顔をしている双子の女生徒だ。
麻美は、ふたりを知っていた。
生徒会長の西園寺絹香の従者生徒の一年生の前野
それで気が付いたが、彼女たちがトレイに載せているのは、ひとり分だけでなく、それぞれ複数人数分の食事のようだ。
柚子もまた同じだ。
つまりは、三人で六人分……、いや皿の数をかぞえれば、全部で七人分の昼食を三人で運んでいるところのようだ。ほかに、弁当のような小さな包みもある。
麻美は、それを運ぶのを塞いでしまったみたいだ。
「あっ、ごめん……。もしかして、金城様や西園寺お姉さまの?」
麻美の言葉に柚子が頷く。
確か、柚子は今日から三年生の金城光太郎の従者生徒になったのだ。その彼女が食事を運ぶとしたら、彼のために運ぶに違いない。
また、双子従者の運ぶものは、当然に生徒会長の西園寺の分だろう。
「そういうことよ。邪魔なのよ、あんた」
舌打ちとともに、強い口調でさらに声をかけたのは、もうひとりの双子だ。顔は同じだが、双子のうち、梓は気が強く、渚は大人しい性質だと聞いたことがある。
だから、最初に声をかけたのが松野渚であり、いま声をかけたのは、松野梓だと思った。
「ああ、悪かったわね。でも、あたしは、この柚子に大切な用があって……」
「とにかく、どいて──。これを運ばないとならないの。運び終わって、ひかりが許可すれば、こいつと話せるわ。でも、いまは邪魔しないで」
梓がさらに前に出て、肩で麻美を押し避けるかたちで通路を開けて歩き抜けていった。
それはともかく、いま、従者生徒のひとりの梓が“ひかり”と呼んだのは、金城光太郎のことなのか?
ちょっと、その物言いにびっくりした。
しかし、彼女はそのまま歩き去っていく。
「ごめん、麻美……。というわけで、やらなきゃいけないことがあるから」
柚子もそれを追っていった。もうひとりの従者の渚もだ。
「待ってったら──」
麻美も慌てて、彼女たちの後を追いかける。
柚子たち三人が向かったのは、A級生徒用の食堂に隣接されているS級生徒専用のテラス席だった。
樹木の枝葉を屋根と囲いにしたふたつの丸テーブルに腰掛けていたのは、金城光太郎、西園寺絹香だ。そして、困惑したが、坂本真夫もそこにいた。
あのSS研の人たちだ──。
さらに、坂本真夫の従者の白岡かおりもいる。
柚子たちが、三人の前に運んできた食事を並べていく。
戸惑ったが、麻美は身を引き締めた。
麻美が見た理事長代理の工藤玲子がこの柚子に行った学園内における破廉恥行為──。
不自然な欠勤をしている伊達先生のこと──。
なによりも、最近になって、ささやかれ始めたSS研の黒い噂……。
絶対に、この人たちがなにかを企てているのだ。
「なによ、あんた? ここは、S級生徒用のテラス席よ。A級の一年みたいだけど、S級生徒様の許可がなければ、敷地内に立ち入りできないわよ。間違って入ったなら、立ち去りなさい」
最初に声をかけてきたのは、真夫の従者生徒の白岡かおりである。
学園内で「四菩薩」とも、「新四菩薩」のひとりとも称されている三年生の美少女先輩なので、麻美も顔は知っている。
なによりも、A級生徒なのに、いきなりの従者生徒への降格で、この真夫の従者になったということで、少し有名にもなった。
ただ、面識はない。
上流階級の清楚な令嬢というイメージだったが、いまは随分と当たりが強い口調だった。こういう人なのかと思った。
「い、いえ、間違ってやってきたたわけじゃありません。もともと、柚子に用事があったんですが、先輩方にも用事があります。単刀直入にお訊ねします。この柚子に、なにかをしてますよね──?」
麻美はテーブル席に腰掛けている三人をはじめ、かおりを含む周りの従者生徒たちを睨んだ。
彼らが呆気にとられた表情になる。
また、食事の配膳をやりかけていた柚子たちも、途中で静止してしまっている。
「はあ? なに言ってんのよ、あんた? だいたい、誰よ?」
かおりだ。
面倒くさそうな口調である。
「ちょ、ちょっと、麻美」
柚子が焦ったように声をかけた。
しかし、麻美は覚悟している。
今朝になって急に姿を消した伊達先生が本当に家庭に不幸があって休んだとは思ってない。あまりにも、昨日の今日でタイミングがよすぎる。
おそらく、伊達先生は麻美が柚子について相談をしたことで、やはり、なんらかの動きをしたのだろう。
その結果、囚われてしまったのではないだろうか?
なにしろ、あのとき、柚子を破廉恥にいたぶっていた理事長代理の工藤玲子は、柚子にSS研に連れて行くというようなことを口走っていた。
一連のおかしな騒動には、SS研や理事長代理が背景にあるに決まってる。
「麻美って名前なの? ねえ、柚子、あんたの連れということ? なに、これも、SS研に強制加入させるの?」
かおりがくすくすと笑った。
だが、その言葉に、麻美は引っ掛かった。
「これも、とはどいうことですか、白岡さん? これ“も”と言いましたよね。つまりは、ほかにも強制加入させたものがいるということですよね──。ねえ、今朝から伊達先生が姿を消したんです。もしかしたら、先輩たちは、それについて、なにかを知っているじゃないですか?」
麻美は言った。
すると、かおりが肩をすくめるような仕草をした。
「さあね。伊達京子先生だったら、身内に不幸があって週末まで学園外に出てるんじゃないの? そう耳にしたけど?」
かおりだ。
麻美はその言葉で確信した。
「へえ……。確かに、陸上部の朝練でキャプテンから、そんな伝言がありましたですね……。でも、白岡先輩がそれを知っているのはどうしてですか? 陸上部でもないし、伊達先生は、先輩たちの担任でもないですよね。いちいち、一教師の欠勤の理由なんて、白岡先輩に伝達があるんですか?」
間違いない──。
やっぱり、伊達先生の行方がわからなくなっているのは、このSS研の人たちに関係があるのだ。
「なっ」
かおりが絶句した感じで口を閉じる。
「なにかを知っているなら、すぐに言ってください。さもないと警察に電話します。この学園の上層部が信用できないのは予想がついてます。すぐに、先生を解放してください」
麻美は内ポケットからスマホを出してかざした。
伊達先生がもしかして、監禁のようなことをされたのだとすれば、それは麻美にも責任がある。
絶対に助けなければ……。
「落ち着きなさい、あなた……。北条麻美さんだったわね。陸上部に所属する一年生……。柚子と同じクラスの子ね……。あっ、いえ、同じクラスだったよね。柚子は今日からクラス替えがあったから」
生徒会長の西園寺絹香だ。
麻美は彼女を睨んだ。
「会長、もしも、おかしなことを裏でやっているなら、あたしは絶対に許すことはできません。伊達先生はどこにいるんですか?」
「どこって……。さあ、どうして、わたしたちが知っていると思うの?」
絹香が小さく首を傾げた。
「伊達先生はどこですか──? 白状してください。本当に警察に言いますから──」
麻美はスマホを操作する振りをした。
もちろん、これでなにかが解決できるとは思ってない。もしも、本当に彼らが伊達先生を監禁しているのだとすれば、ここで麻美がなにを言ったところで、認めることもしないし、仄めかしもしないだろう。
でも、もしかして、これでなんらかの反応を示して、麻美までも捕えようとする素振りでもすれば、そのときこそ、確信ができる。
このSS研の者たちが、伊達先生をはじめとして、柚子さえも、なにかの脅迫のようなことをしているのだと──。
「警察に電話って、なにを言うつもり? もしかして、ぼくたちが、その伊達先生を監禁しているとでも? なにか証拠でもあるのかな? もしも、なんの確証もなく、言いがかりで冤罪を訴えるつもりなら、覚悟をすることだね。ぼくのことを知らないわけじゃないわよね? そのときは金城財閥が相手をするよ。それこそ、君の家族を叩き潰す」
金城光太郎だ。
麻美はさすがに躊躇うものを覚えた。
「西園寺家もです。さすがに、不当な言いがかりには、家として対処しなければなりませんから……」
絹香も言った。
麻美は背に冷たいものを感じた。
勢いで迫ってしまったが、確かに確証なんてない。
言われてみれば、いくら麻美が怪しいと思ったところで、金城家の御曹司、西園寺家の令嬢が絡み、学園の上層部がなにかの破廉恥工作のようなことを実施しているなどと訴えたところで、警察はすぐに動くだろうか。
一笑されて終わりだということは容易に想像がつく。
そのときだった。
にこにこと、麻美のことを見守っていた感じだった坂本真夫が急に笑い声をあげた。
「みんな、落ち着きなよ。可哀想に顔を蒼くしているじゃないか。まあ、伊達先生は、この麻美ちゃんという子の所属する陸上部の顧問だったよね。よくわからないけど、多分、急に休みとか知らされて、戸惑ってしまったのかな?」
「えっ、は、はい……。あっ、いえ」
「まあ、それがどうして、俺たちが関与していると思ってしまったのかは不思議だけど、多分、大丈夫だよ……。月曜日には普通に出てくる。そのとき、なにかあったのか直接訊ねればいい」
真夫が言った。
「月曜日って……」
言い返そうとしたが、そのために、真夫の顔を睨もうとして視線が合い、不意にぶるぶると震えのようなものを全身に覚えて、麻美は戸惑ってしまった。
そして、一瞬だけ、頭が白くなり、気がつくと不思議なさわやかさに包まれていた。
さっきまで感じていた怒りのようなものが、突然に身体から喪失しているのを感じた。
「週明けだよ……。それからで遅くはない……。そのときに伊達先生がまだ姿を見せなければ、そのときには、それこそ俺たちも協力しよう。だから、いまは落ち着くといいよ。まだ、なにも問題は起こってないんだから」
真夫がさらに言った。
とても優しい口調だった。
麻美の心に、その言葉が沁みとおるように入ってくる。
確かに、まだ焦るようなことではないし、問題は起こってないのだ。どうして、さっきまで怒りを感じていたのか……。
麻美は、急に恥ずかしくなった。
「そ、その……。申し訳ありません……。あ、あたしったら……」
「わかってるよ……。大切な先生だから、混乱したんだよね。でも、問題ない……。問題はないんだ。月曜日には先生も姿を見せるよ。そうしたら、安心するよね」
「は、はい……。そのときには安心すると思います……。そ、その、皆さん、申し訳ありませんでした……。柚子もごめん……」
麻美はとにかく頭をさげた。
そして、真夫に促され、慌てて、その場を後にした。
「なによ、急に行っちゃったわね……。また、あんた、なにかしたの?」
不審そうに声をかけたのは、かおりちゃんだ。
真夫は肩を竦めた。
ともかく、嵐のようにやってきた突然の麻美という一年生の女性の襲撃はとりあえず終わった。
すでに彼女は立ち去り、完全に姿を消している。
「さあね。真摯に説得しただけさ。知っているとおりに、俺には妙な説得力があるからね」
真夫はうそぶいた。
「なにが説得力よ……。まあいいわ。でも、驚いたわね。まさか、金城家のひかりや、西園寺の絹香がいるのに、後先考えずに、乗り込んでくるだなんてねえ」
「そういう子なんです。真っ直ぐで、正義感が強くて……。でも、申し訳ありませんでした」
かおりちゃんの言葉についで、柚子ちゃんが頭をさげる。
「まあ、これも柚子ちゃんを心配してのことなんだろうね。あの麻美という子が柚子ちゃんが苛めれていると勘繰って、京子先生に訴えたのはわかっているしね」
「はい……。でも悪気はないんです。だから、どうか……」
柚子ちゃんが真夫に訴えるような感じで頭をさげた。
真夫は、内ポケットからスマホを取り出して、柚子に装着させている貞操帯の内側のリモコンバイブを始動させる。
「ひやっ──。あだ、だめです、真夫先輩──」
柚子ちゃんががくりと両膝を折った。
だが、まだ配膳の途中でトレイを持ったままだったが、それについては、辛うじてひっくり返すことなく踏みとどまった。
だが膣奥を淫具で刺激され、切なそうに腰を震わせている。
可愛らしい姿だ。
「だめじゃないわよ。いいから、働きなさい。とにかく、この真夫はそうやって、わたしたちがいたぶられながら、なにかをする姿を見るのが好きなんだから、こいつのために耐えなさい。でも、皿のものはこぼさないのよ」
「で、でも、おまんこが……き、気持ちよすぎて……。だ、だめです……」
柚子だ。内腿を必死に寄せて、一生懸命に身体を真っ直ぐにしようとしている。
まるでおしっこを我慢しているかのような柚子ちゃんの姿に、真夫はほくそ笑んでしまう。
「あら、だったら、もっと真夫様に愉しんでもらわないとね……。絹香、ひかり、あんたらも、余興に参加しなさい」
悩ましい姿でごこちない柚子の一方で、黙々と配膳をしていた梓だ。
一度トレイをテーブルに置き、スカートのポケットに手を入れて、素早く、操作具に触れたのがわかった。
「ひゃん──」
「うわっ、や、やめないか──」
次の瞬間、ひかりちゃんと絹香が同時に身体を突っ張らせて、同じように椅子から腰を落としてしまうような仕草をする。
絹香とひかりちゃんもまた、今日は午前中から淫具をつけさせていたのだ。
絹香については、いわゆる「クリバイブ」というやつでありクリトリスに被せて、リモコンで振動させる刺激具である。
また、ひかりちゃんのは、小ペニスの根元で外れないようにしている微弱な快感電流の流れる振動リングだ。
いずれも、時子婆ちゃんが新しく改良したものとして持ってきてくれたものであり、特に、絹香のものは、ただ振動するだけでなく、内側に細かい繊毛があって、それがクリトリスの表面を柔らかくくすぐる仕掛けのものである。
朝に実験台ということで、このふたりに装着させたのだ。
ペニスがあるのはひかりちゃんだけなので、ひかりちゃんは強制だが、絹香が実験台を受け持つことになったのは、単純に
もっとも、その籤も、梓が準備したので、なにかの仕掛けがあった気もするのだが……。
ともかく、それを操作するリモコンは、真夫が持っているほかには、梓に渡していた。
それを操作したようだ。
「ひあっ、こ、これだめ……。あ、梓──。とめて──。とめなさい──」
「そ、そうだよ……。こ、これ……、し、刺激強い……。で、出てしまう──」
絹香とひかりちゃんは股間を両手で押さえて、真っ赤な顔で悶えている。
真夫はそのいやらしい姿に嬉しくなり微笑んでしまう。
「ねえ、いずれにしても、あの麻美という一年生は危険じゃないの? 玲子に言って、処置させたら? それとも、ひかりを使って、金城家を動かしてもいいと思うし、まあ、おかしなことをしないように手を打った方がいいんじゃない?」
かおりちゃんが真夫に声を掛けてきた。
だが、真夫は首を横に振る。
「問題ない。あの麻美ちゃんについては、放っておいても大丈夫だよ。絶対にね」
すでに操心術で処置した。
彼女がこの件で積極的に動くことはもうない。
「ふうん……。まあ、だけど、あの娘も、陸上部だけあって、いい身体してたじゃないの? いっそのこと、京子と一緒に奴婢にしてしまえば? それでもう危険はないんだから。そもそも、そうするかと思ったわ。あんたのことだから……」
かおりちゃんが揶揄うように言った。
真夫は首を横に振る。
「見境なく奴婢を増やしているように思うかもしれないけど、必要以上に心を縛るつもりはないんだ。全部で十人。四菩薩の京子先生はそれに含めるとして、必要な残りの奴婢はひとり。龍蔵さんに命じられているものはそれだけなんで、基本的にはそれ以上は増やすつもりはないよ」
「残りひとり? まあ、あいつも社長令嬢というわけでもないしねえ。この学園にいるんだから、そこそこの家であるのは確かなんだろうけど……。それで、残りのひと枠として狙っているのは誰よ? やっぱり、少女モデルの加賀まり江? 四菩薩のひとりだし、あいつなら、総帥様も文句は言わないでしょう」
かおりちゃんだ。
「うーん、彼女が入ると十一人目になるかなあ……。でも、十人目はすでに契約が終わってるんだ。学園の生徒じゃないけどね」
真夫は言った。
「契約って? それに、学園の生徒じゃないの? 誰のことよ?」
「さあね。まあ、お愉しにしておこうか。でも、十分に龍蔵さんは満足すると思うよ。なにせ、本物のお姫様だしね」
「お姫様?」
かおりが訝しむ口調になる。
「まあいいじゃないか……。さて、ところで準備も終わったみたいだし、食事にしよう。京子先生も、SS研で待ってるしね。あんまり、置き去りにしたままじゃあ、可哀想だ」
かおりちゃんと会話をしているうちに、柚子と双子がやっとのこと配膳を終えていたのだ。
柚子ちゃん、ひかりちゃん、絹香はまだ淫具の責めでたじたじになっているが、それでも全員が食事をする態勢が整った。
「さて、じゃあ、食べよう。三人もよがってないで、しっかりと食事をするんだよ。さもないと罰だからね」
真夫は食事の開始を宣言する。
「あああ……。で、でも、わたしはだめえ──。気持ちよすぎて、おかしくなっちゃいます──」
椅子に座ったばかりの柚子ちゃんが上半身をテーブルに突っ伏してがくがくと震えた。
軽く達したみたいだ。
「で、出るうう──。うっ、うう……」
「はあああん」
ひかりちゃんと絹香もまた、股間に手をやって身体を震わせた。
特に、ひかりちゃんの小ペニスに装着してもらった根元のリングは、微弱な電流で強制的に射精させる効果があるということだった。しかも振動しているはずなので、もしかしたら、早速、ズボンの中で射精をしてしまったのかもしれない。
ひかりちゃんの席は隣だったので、真夫はひかりちゃんの手を掴んで、ズボンの上からどけてみた。
「あんっ、やっ」
すると、やっぱりズボンの股間部分に丸い分泌液の染みができていた。
真夫は笑った。
「ははは、ひかりちゃん、そのズボンは午後の授業で履き替えるのを禁止するからね。そのまま、教場に行くんだ」
真夫とかおりちゃんは、午後からは研究課題のための時間という名の空き時間だが、ひかりちゃんも絹香も選択科目で普通に授業がある。
そんな染みを作ってしまっては、ひかりちゃんもきっと恥ずかしいことだろう。だから、真夫はそう命令した。
「そ、そんなあ、真夫君……」
ひかりちゃんが泣くような顔になる。
「やっぱり、会ったばかりの頃と比べて、あんたは随分と鬼畜になったわよ」
すると、横のかおりちゃんがくすくすと笑い声をあげた。