「えっ?」
京子は、鉄格子の向こうで始まった真夫と玲子の姿に目を疑ってしまった。
なにしろ、この半日、微笑ひとつなく淡々と苛酷な調教を京子に強要してきた玲子が、この少年の一言で一転して雌の顔になり、明らかな欲情に顔を歪めたのだ。
その玲子が真夫の身体の前に跪く。
しかも、両手で自分の身に着けているスーツのスカートの前を掴むと、おもむろにたくしあげ始めた。
その玲子の姿に、京子は唖然としてしまった。
それに対して、真夫は、表情こそこっちに背を向けているのでわからないが、まったく動揺する様子もなく、むしろ、鷹揚に感じる態度で玲子をじっと見定めるような雰囲気である。
真夫の背中から感じるのは、玲子に対する冷酷無比の毅然さだ。
京子から見ても、玲子はとんでもない美女であるし、この若さでこれだけの資本を投じられている巨大学園の理事長代理をするほどの優秀な人材だ。
人里離れた全寮制の学園を舞台にした得体の知れない策謀を企てている悪女だとしても、彼女が非常に有能な女性であることは間違いない。
その玲子が、真夫の言葉ひとつで雌の顔に変わるのを当然のように考えている……。
これは、真夫と玲子にとっては、当たり前のことなのだ……。
京子は悟った。
このふたりに関して、本当にこの男子生徒が「主人」で、玲子はこの真夫の「奴婢」なのだと……。
どうやら、このふたりの関係性について、まったく誤認していたようだ。
目の前の婦たちの姿は演技ではない。
玲子は心から真夫に心服しているのだ。
奴婢として……。
間違いない……。
女の京子には、玲子の表情に嘘がないことはわかった。
理事長代理の玲子だが、確かに、なにかにつけ、この学園で行われていることの黒幕は、目の前の坂本真夫という三年生の男子生徒だということは口にしていた。
しかし、それはなにかのカモフラージュであり、実際のことを表していないと考えていた。
なにしろ、これだけ大規模な女生徒や女教師の監視と監禁施設だ。
背景にいるのは、少なくとも学園規模の組織に決まっている。
そうであれば、それを牛耳っているのが、一介の男子高校生であるというのはあり得ない。
おそらく、玲子はその得体の知れない組織の中で、なんらかの役割を持っている女であり、真夫もまた役割を与えられて動いている少年だと想像していた。
しかも、その上下関係は、玲子が上で、真夫はその管理下なのだろうと……。
ところが、少なくとも目の前の真夫に対して、玲子は完全に支配される女になっている。
真夫が玲子に告げた「奴婢の挨拶」という言葉に、玲子は嬉々として反応している。
「え、ええっ?」
そして、玲子のスカートの中が完全に露わになった。
彼女は下着を身に着けていなかった。また、彼女の股間は童女のそれのように、まったくの無毛だった。
それだけでなく、すでに濡れている……。
たっぷりと……。
驚いて玲子の顔を改めて見る。
上気して赤くなり、瞳を蕩かし、小鼻を少し膨らませた完全に淫情に襲われている表情だ。
唖然とするしかない。
氷のような冷徹さが印象のあの玲子が、まるで少女のように、真夫に劣情を向けているのであるのだから……。
玲子が真夫に恋情を抱いているのは明らかだ。
京子はびっくりしてしまった。
そのとき、ふと違和感を覚えた。
上方に機械音を感じたのだ。
顔をあげる。
「えっ? きゃああ──」
はっとした。
京子は畳一畳分ほどの四周を天井と床を貫く鉄格子で囲まれているのだが、さらに二重に京子を囲むように、身体ひとつ分ほどの円形になっている十数本の鉄格子が天井から下降していたのだ。
しかも、ゆっくりとだが、先端がすでに立ったときの京子の胸付近の高さまで降りている。
「えっ、なに?」
京子は驚いて声をあげた。
「ほら、真っ直ぐに立つのよ、先生。この鉄格子もびりびり来るわ。そんな風に蹲ったままだと身体に当たっちゃうわよ」
白岡かおりだ。
真夫と玲子がいる場所とは反対側で、壁の操作具を動かしている。
電流の流れる鉄格子を自由自在に増やせるとは知らなかったが、すでにそのときには、横に身体をどける余裕を失っていた。
それでも、咄嗟に横に転がって、小さな円形の鉄格子に囲まれるのだけは逃れようと思った。
「逃げちゃだめ──。そのまま真っ直ぐに立ちなさい。床全体に電撃を流すわよ──」
かおりが怒鳴り、恐怖で動けなくなる。
とにかく、おりてくる新たな鉄格子に触れないためには、この場で真っ直ぐに立ちあがるしかなく、鉄格子に触れないように緊張しながら、注意深く立ちあがったときには、先端が床に到達して、鉄格子の小さな円の中に完全に囲み直されてしまった。
また、鉄格子の先端が当たる部分がいつの間にか金属面に変わっていて、鉄格子が床まで届くと、ぶんという機械音が周りから流れた。しかも、金属面が薄っすらと色づく。
鉄格子に電流が流れ出したのだと思って、ぞっとしてしまった。
なにしろ、これまでとは異なり、前後左右の鉄格子との間隙は拳二つ分ほどしかない。
ちょっとでも動けば、どこかの鉄格子に肌が触れそうで、京子は直立不動の状態から身動きできなくなってしまった。
「ひゃんっ、ああっ」
そのとき、体勢が整うのを狙いすましたように、またもや股間の革帯の内側のディルドが大きな振動を開始してきた。
乳首にぶら下がっている重みのある鈴もだ。
ちりんちりんと恥ずかしい鈴の音が鳴りだす。
思わず、がくんと膝を落としそうになり、鉄格子の存在を思い出して、必死にそれを我慢する。
「ふふふ、ちゃんと真っ直ぐに立つんですよ、先生。少しでも身体を揺らしたり、動かしたりすると、電撃ですからね」
横に回ってきたかおりが長い棒の先に付いた鳥の羽根を鉄格子の隙間から差し込んできた。
ぎょっとした。
いつの間に、そんなものを準備したのだ──?
それがさわさわと脇腹をくすぐる。
後手に拘束されている京子にはそれを跳ねのけることはできず、しかも、周囲の電流の流れる鉄格子の存在が身体を避けることさえ許さない。
「ひああっ、や、やめて──、やめなさい──」
思わず身体を反対側に避けそうになり、慌てて身体を硬直させる。
電流の流れている鉄格子があるから、できるのは必死に耐えて身体を動かさないことだけだ。
身動きすることができない京子の無防備な肌の上に、かおりが鳥の羽根で這い回させる。
「ああ、あんっ、ああっ、あああ……、お、お願い──許して──。は、羽根はやめてえ──」
京子は身体をくねらせながら悲鳴をあげるしかなかった。
「ほらほら、頑張って、先生……。それとも、さっさと屈服してね」
羽根が脇腹から太腿の横を撫で、次いで再び上にあがってきた。
しかも、ディルドは激しく動き続けている。
淫具の刺激と、羽根のくすぐりが混ざり合い、もうわけがわからない。
強要される快楽から逃げようがないのだ、
ただただ、刺激を受け続けるしかない。
「ああ、ああ、あああ──」
一気に快感がせりあがり、絶頂感がまたもや襲い掛かる。
力が抜ける……。
だめえ……。
「ひああっ、あああっ」
京子はとにかく、脚と腰に力を入れることだけを考えて、全身を上方に突っ張らせた。
だが、またしても、絶頂寸前で振動が停止する。
「うくうっ、あんっ」
あと一歩というところで炎のような官能の昂ぶりが下降していく。
京子は切なさに、小刻みに身悶えをした。
かおりがすっと鳥の羽根を引く。
だが、すぐに前に回ってきて、正面側の鉄格子の隙間から京子の内腿のあいだに向かって、鳥の羽根を差し入れようとしてきた。
「ちょ、ちょっと──」
慌てて開き気味だった両脚をぴたりと密着させて侵入を防ぐ。
「あれ? ガードが早いですね」
かおりがくすくすと笑いながら、閉ざした腿の表面をさわさわと羽根でくすぐる。
「ひんっ、や、やめて──」
身体を動かすことのできない京子は、懸命に身体を硬直させて、歯を喰い縛る。
「股は避けましたけど、ここは無理よね。じゃあ、こっちをくすぐってもいいですか、先生?」
かおりの持つ羽根が腿からすっと上昇して、鈴をぶら下げられている乳首方向に向かう。
京子は愕然となった。
胸が信じられないくらいに敏感になっているのはわかっている。
耐えられないかもしれない。
「や、やめて──。お願いよ──。も、もう立っているのがやっとなのよ──」
京子は直接不動のまま絶叫した。
かおりの操る羽根が胸の直前で止まる。
「ふふ、すごい悲鳴ね。でも、こうやって苛められると感じるんでしょう。お股がすごいことになってますよ」
かおりが笑いながら鳥の羽根を鉄格子から抜く。
なんのことかと思ったが、自分の下半身を見下ろすと、締めつけられている革の下着でも防げない垂れ流れる愛液が内腿を伝って膝からくるぶしまで届いるのがわかった。
そのことを指摘しているのだと悟った。
羞恥で身体が熱くなる。
「ひあああっ、あああっ」
しかし、思念もそこまでだ。
またもや股間のディルドが動き始めた。
「ああ、いやああ」
京子は首を横に振って泣き声をあげた。
「……ふふふ……、先生、玲子と真夫を見てよ……。玲子が嬉しそうでしょう? あれ、股間の中に淫具を埋められているのよ。それを動かされているの」
かおりが身体を正面から移動させながら言った。
跪いた格好で自らスカートを捲っていた玲子だったが、いまは恰好は同じなのだが、口に真夫の股間を含んで性奉仕をしていた。
それだけでなく、確かにスカートを捲って露出している内腿は、なにかに耐えるようもじもじとに淫らに動いている。
しかも、陰毛のない股間だからわかるのだが、まるで緩んでいる水道の蛇口から水が漏れるかのように、真っ赤になって収縮する花芯から愛液が垂れ流れていた。
その量に、京子は驚いた。
「わかります? あれが雌に堕ちた奴婢の姿ですよ。玲子だけでなく、みんな、真夫に堕ちてます……。玲子のほかにも、あいつの侍女の女子大生の恵……。生徒会長の絹香……。絹香の侍女の双子……。絹香の親友の明日香……。金城家のひかり……。あの美術部の変人の七生……。そして、柚子……。なんだかんだで、全員、納得して奴婢になって、あいつに仕えることに決めたんです。もちろん、わたしもです。そして、先生も選ばれたんですよ。よかったですね。先生は勝ち組ですよ」
「勝ち組って……」
京子は当惑して、かおりに視線を戻す。
すると、さっと、かおりの持つ鳥の羽根が鉄格子に入ってきて、無造作に鈴を横に弾いた。
「ひあああっ」
ちりんちりんという鈴の音とともに、稲妻のような衝撃が走り抜けて、京子は身体をぐんと突っ張らせた。
だが、辛うじて膝は崩さない。
鉄格子に触れることで与えられる電撃の苦痛は、身に染みている。
かおりがすぐに羽根を引いたこともあり、今度もなんとか身体を崩さないで済んだ。
ただ、股間とアナルの淫具の振動は、まだ動いたままだ。
電流の恐怖と気力だけで、脚に力を入れて身体を伸ばし続ける。
「玲子から眼を離しちゃだめでしょう、先生。ほら、真夫が犯しますよ。気持ちよさそうによがっているじゃないですか。一緒に堕ちましょうよ。真夫はなんだかんだで、女には優しいです。鬼畜で、スケベで、意地悪だけど、本質的には女を満足させるのはかなり上手です。そもそも、どうせ堕ちるんですから、さっさと屈してください」
かおりの操る鳥の羽根が、ゆっくりと乳房の表面を動く。
その刺激が股間で跳ねまわるディルドバイブの刺激と合わさり、京子を追い詰める。
「ああ、いやああ、あああ……」
京子にはひたすら悲鳴をあげることしかできない。
一方で、玲子と真夫について、玲子による口奉仕はいつの間にか終わり、玲子は真夫に向かってお尻を向けて、脚を開いて自分の足首を掴む格好をさせられている。
およそ、女としては耐えられない屈辱的な恰好だと思った。
その玲子を真夫が後ろからスカートまくりあげて犯し始めた。
「あっ、ああっ、ま、真夫様……。真夫様、あああ──」
あっという間に、玲子はあられもない声をあげてよがりだす。
ただ、不自然な姿勢を強いられているので、それを保つのが必死そうだ。
いずれにしても、玲子は必死に前屈の身体を支えながら、歓喜の声をあげて激しく腰を動かしている、
気持ちよさそうだ……。
羨ましい……。
自分も欲しい……。
心の中で呟いてはっとする。
なんという浅ましいことを……。
そのあいだも、羽根とディルドの刺激が快感をせりあげ、さらに高みに京子を連れていく。
「んぐうううっ」
京子は絶頂感に全身を震わせた。
だが、またしても、ぴたりと振動が静止する。同時にかおりの羽根も引いている。
「もういやああ」
京子は狂ったように身体を揺さぶって首を横に振った。
一方で、鉄格子の向こうでは、玲子が明らかな女の悦びの姿を身体を震わせながら表していた。
「ほら、玲子さん、もっと脚に力を入れてください。そうですね。三回絶頂してください。三回目に合わせて精を注ぎます」
真夫が玲子の腰を片手で支えながら、すっと親指を玲子のアナルに挿入したのがわかった。
驚いたが、もっとびっくりしたのは、それに対する玲子の反応だ。
一気に快感を上昇させ、あっという間に二度目の絶頂を晒したのだ。
「ひあああ、い、いきましたあ──。あ、あああっ──」
だが、真夫の腰の動きは少しも緩まない。
それどころか、さらに激しくなる。
アナルに挿入した親指もうねうねと動かしているのがわかる。
「ひあああっ、ああ、ま、真夫様──真夫様──ああああっ」
「クリリングも、もう一度作動させます。しっかりと膝に力を入れてください」
真夫がちょっとだけ動きを止めて、手を上衣の内ポケットに入れてなにかを操作すると、再び律動を再開した。
「あああっ、ああっ、そ、それは……。あああっ」
玲子ががくがくと身体を揺らした。
そして、大きく背中を逸らす。
「ほらほら、先生……。三回目の絶頂ですよ。羨ましいですよね?」
ふつふつととろ火のような焦燥感の熱に灼かれている京子に、かおりが揶揄うような言葉をかけてきた。
京子は歯噛みした。
「ひぐっ、ああっ」
その瞬間、またもや、ディルドと乳首の鈴の振動が再開する。
一瞬にして、なにも考えられなくなる。
一気に快感が上昇していく。
「いぐううっ、真夫様あああ──」
「あああ、あん、あああっ」
京子は大きな玲子の嬌声と合わせるように声をあげていた。
頭が白くなる。
今度こそ、いきそうだ──。
京子は快感の津波に身をゆだねる。
「あああ、またああ──」
ところがやっぱり、振動が直前で静止する。
がくりと身体を脱力させる。
「ひああああっ」
一方で玲子は三回目の絶頂を極めながら、真夫の射精を受けとめていた。
真夫の身体の動きで、玲子の中に精を注いだのがわかったのだ。
玲子が完全に身体を崩して前屈の姿勢を崩して、膝をおとした。真夫の怒張がすっぽ抜ける。
驚いたことに、玲子はそのままじょろじょろと失禁を始めてしまった。
「先生、見ましたか? 真夫に完全に屈服すれば、あの快感が待ってますよ。早く、堕ちましょうよ……」
かおりが鉄格子の中にまたもや羽根を差し込んで京子の全身をゆっくりと刺激する。
京子は身体を突っ張らせた。
「ああ、や、やめてえ──。ど、どうして、あなたまで、こんなことをするんです──。あ、あたしにどんな恨みがあるというんですか──」
京子は逆上して叫んだ。
すると、かおりが羽根の動きを中断して、くすくすと笑った。
「先生に恨みなんてあるわけないじゃないですか。これから同じ奴婢仲間になるんですから」
「奴婢仲間って……」
「仲間ですよ。真夫は先生に目をつけて、もう奴婢にすることを決めたんです。だったら、先生には無理矢理にでも、あいつの奴婢になってもらわないと困るんです。それが、あいつが豊藤財閥の次期総帥になるための条件なんですから」
「はああ? 豊藤財閥?」
京子は驚いた。
もちろん、豊藤財閥という言葉は知っている。
国内どころか、世界経済を動かすとも言われる歴史的な大財閥だ。
ただ、その実態は謎に包まれていて、総帥と称される財閥のトップの正体もわからないという。
まあ、京子が知っているのは、その程度の知識だが、その豊藤財閥がどうしたというのだ──?
「あいつは、豊藤の後継者候補なんです。筆頭の……。そして、正式の後継者となる条件が十人の奴婢を集めることらしいです。いま、八人。先生は九人目です。考えてくださいよ、先生。奴婢だろうと、性奴隷だろうと、豊藤財閥の総帥となるあいつの女になれるんですよ。こんな勝ち組ないじゃないですか。だから、さっさと屈服してくださいよ。変に抵抗して、あいつが総帥になれなかったら、わたしが困るじゃないですか」
かおりが再び羽根で京子の身体をくすぐりだす。
そして、もう数十回も繰り返されている淫具による寸止め責めも再開した。
「ああっ、あああっ、はああっ」
京子は眼を見開いて絶叫した。
また、せり上がるエクスタシーの大波とともに、たったいまのかおりの言葉を頭の中で反芻する。
この真夫が謎に満ちたあの豊藤財閥の次期後継者候補──?
信じられないが、合点がいくこともある。
確かに、一介の高校生にしては、この真夫には圧倒的な存在感がある。夕べも、セックスのうえだとはいえ、京子は真夫に屈する言葉を口にしたのは事実だ。
高校生とは思えない圧倒的なカリスマ性……。なによりも、なんかんだで不思議な魅力を持っているのは確かだ。
これだけのことをされながら、心の底から彼を憎む気持ちにはなれない。
どうしてなのかとは考えていた。
本当に、この真夫があの豊藤の後継者候補──?
しかし、そうだとすれば、この学園のそのものが、真夫の支配に陥っているというのはあり得るのか?
豊藤というのは、それくらいの力があるということは耳にしたことがある。
「あぐうっ」
そして、またしても絶頂寸前で寸止めになる。
京子は焦燥感で頭が狂いそうになっているのを自覚した。
「さあ、先生、まだ一時間には早いですが、先生の番ですよ。犯してあげましょう。お待ち同さまでした」
そのとき、下半身を露出したままの真夫が京子に声を掛けてきた。
はっとした。
真夫が壁の操作部に手を触れているのだ。
一番近い円形の鉄格子だけでなく、動く床の運動を強制されていたときから囲まれていた鉄格子も天井に消えていっている。
京子を監禁していた檻が消滅したのだ。
「かおりちゃん、玲子さんとのセックスで汚れた性器を掃除してもらおうか」
その真夫がかおりに声を掛ける。
ふと見ると、剥き出しの真夫の性器はねっとりと濡れ、薄っすらと湯気のようなものまで出ている。
「ほかの女の汁で汚れた性器をわたしに舐めさせるの?」
かおりが嫌な顔になった。
「命令に逆らうの?」
「ふふ、逆らわないわ。喜んで」
かおりが真夫の前に寄っていき跪く。
一方で失禁をしていた玲子が自分が作ったおしっこの水たまりの上で、途方に暮れたように悄然となっているのが見えた。
いましかない──。
咄嗟に、京子は床を蹴った。