つんという刺激臭で京子は目を覚ました。
はっとした。
また、気絶していた──?
朦朧としていた意識がだんだんとはっきりと覚醒してくると、一気に猛烈な痒みが股間から襲い掛かってきた。
「ああっ、痒い──」
京子はなにも考えずに、股間を掻きこすろうと思った。
発狂するほどの掻痒感が股間から全身に突きあがる。
辛うじて記憶が蘇る。
そういえば、京子はSS研の地下に監禁され、逃亡を図ろうとした罰として、床に高尻の姿勢で拘束されて、掻痒剤の媚薬を股間に塗られて放置されたのだった。
そのままひとりにされ、地獄のような痒みで失神し、そして、股間の痒みで覚醒するということを幾度か繰り返したと思う。
そして、いま、再び意識が呼び起こされたのだ。
「ああ、いやあっ」
ところが、股間に持っていこうとした両手は頭の上にあったまま鎖で阻まれてしまった。
それで気がついたが、直前に失神したときと態勢が変わっている。
棒状の拘束具で膝と両足首を挟まれて両端の枷で開脚拘束されているのはそのままだが、後手に革帯で拘束されていた両腕は、いまはそれぞれに手首に革枷を嵌められて、二本の鎖で天井から吊り上げられていた。
また、口に嵌っていたボールギャグはない。
つまりは、京子は今度は脚を開いて床に跪いた格好で、両手を上にあげた状態にされているのだ。
いま、咄嗟に股間に持っていこうとした腕は、天井から繋がる鎖で阻まれたというわけだ。
「気がつきましたか、京子先生。はじめましてですね。
下着姿の女性がくすくすと笑いながら、京子の横に屈みこんでいる。
初めて見る顔だ。
可愛らしい顔をした若い女性である。
朝日奈恵──?
記憶が呼び起こされる。
確か、編入とともに坂本真夫が連れてきた従者女性だ。学園への入寮早々、男子生徒に襲われる災難にあったが、それも落ち着き、学園から毎日のように近傍の教育大学に通っている女子大生のはずである。
美人で可愛いだけでなく、スタイルもいい。
しかも色っぽい。
白い紐パンとストラップのない真っ白なブラジャーだけの姿だが、女の京子でも圧倒されるような妖艶さも感じる。
この人が、生徒たちが「新四菩薩」とか言って噂にしている女性なのかと思った。
だが、そんなことはどうでもいい──。
いまは、この突き抜けるような股間の痒さだ──。
「ああ、痒い──。痒いの──。お願いします。拘束を解いて──。お願いします──」
京子は腰を激しく動かしながら悲鳴をあげる。
だが、脚を開いて跪かされて拘束されているので、股間をこすり合わせることさえできない。
覚醒とともに大きくなる掻痒感は、切実に京子の神経を狂わせている。
「それは無理ですね、京子先生。これは罰ですから」
部屋の隅から男の声がした。
真夫だ。
すぐに首を向ける。
真夫が壁際に置いた椅子に腰掛けて、脚を拡げて座っていた。
そして、その股のあいだには、ショートカットの女性が跪いていて、顔を真夫の股間に密着させている。
どこかで見た気がするが、後ろ姿だけではわからない。
だが、その女性、あるいは少女が真夫の股間を口で奉仕しているのは間違いなさそうだ。
「ああ、さ、坂本君──。か、痒いの──。もう許して──。お願いいよ──」
京子は鎖を引き千切らんばかりに、拘束されている身体を暴れさせながら叫んだ。
「もう少し待ってください、先生。そこで、じっと待っていてください」
「む、無理よ──。もう我慢できないの──」
「でも我慢するしかないですね。ところで、どこが痒いんですか──?」
惚けたような真夫の口調に、京子はかっと腹がたつ。
眉をひそめながら声を絞り出す。
「こ、股間です──。わ、わかっているでしょう──」
「わかりませんね。あさひ姉ちゃん、股間が痒いそうだよ。掻いてあげて」
真夫だ。
横に立っている恵さんが「はい」と返事をして、京子の前に屈みこんできた。
“あさひ姉ちゃん”というのは、この朝日奈恵さんのことのようだが、それはともかく、彼女の手がすっと京子の股間に伸びてきた。
そして、すっと股間の付け根を手のひらで軽く撫でた。
「はあああっ」
京子はもどかしさに腰をほとんど無意識に前に突き出す。
なにしろ、恵さんの手は、本当に痒い女芯やクリトリスを避け、そのちょっとぎぎりぎりのところを軽く撫ぜただけだったのだ。
むしろ、痒みが増大する。
「ああ、そんなあ──。も、もっと強く掻いてください──。それと、ちゃんと股を掻いて──」
京子は腰を突きあげたまま泣き叫んだ。
だが、股間を近づける京子の嘲笑するかのように、恵さんはそのまま手を遠くにやってしまう。
「ちゃんと股を掻きましたよ。ちゃんと掻いて欲しければ、その場所を正確に口にするんです。どのくらいの強さで、どこを掻いて欲しいのか。それを真夫ちゃんに伝えるんですよ……。こう言うんです……」
恵さんがくすくすと笑いながら、耳元で言葉をささやく。
京子はかっと身体が熱くなる。
「そ、そんなこと……」
「だったら、いつまでもそうやって、腰を振り続けるしかありませんね。あたしも真夫ちゃんも、先生の言葉のとおりにしかしてあげませんよ。言えないなら、ずっとそのままです」
恵さんが言った。
微笑んでいるが、その表情と雰囲気に、ぞっとするほどの酷薄さと怖さを感じてしまった。
何者なの、この人──?
京子は、なぜか、目の前の朝日奈恵という女性に圧倒されてしまう。
「先生、あさひ姉ちゃんの伝えた通りです。どこをどうして欲しいか、ちゃんと口にするんです。話はそれからですね。今度は先生が素直になれるように調教していきます」
真夫だ。
「そ、そんな……」
痒みに歯を喰い縛るようにしながら、京子は呻いた。
そんな恥ずかしい言葉を生徒に口にするなど……。
「あら、素直にはなれませんか、先生? じゃあ、お股だけでなく、乳首にも塗り足しましょうね。痒みクリームはいくらでもありますから」
すると、恵さんが銘柄のないチューブをとりだした。
驚愕した。
掻痒剤を乳首に塗り足すなど……。
京子はぞっとなる。
「お、おまんこです──。おまんこが痒いんです──」
慌てて叫ぶ。
それが、さっき恵さんに耳元でささやかれた言葉なのだ。
「はい、よくできました、先生」
恵さんが笑いながら、チューブを引っ込める。
それだけは、ほっとした。
「ははは、だんだん素直になれましたね。じゃあ、待っていてください」
真夫が自分の股間で頭を動かしている少女の頭を持った。
そして、突然に荒々しく彼女の頭を前後に動かし、自分の腰をそれに合わせて前後に振る。
「んぐっ、んげっ、がっ」
彼女が苦しそうに呻いた。
その彼女の口の中に真夫が精を放ったのがわかった。
「全部、吞みなさい、明日香。一滴もこぼさないのよ」
恵さんがその鋭く女性に声をかける。
「んはっ、はい──。んぐ、ぐっ」
真夫の前に跪いている女性、多分、少女だと思うが、恵さんの言葉に急に緊張の態度を示して、跪いたまま背を伸ばして、懸命になにかを咀嚼する態度を始める。
口に射精された真夫の精液を飲んでいるのだ……。
それはともかく、明日香って……?
「……はあ、はあ、はあ……。ぜ、全部、吞みました、真夫さん、恵様」
その女性が息を荒げながら言った。
京子は訝しんだ。
もしかして……。
「ご苦労さん、明日香ちゃん。じゃあ、先生に挨拶だ……。先生は知ってますよね、前田明日香ちゃん。今日も、明日も、地区の女子サッカーのリーグ戦だったんですが、初めての先生の調教ということで、ちょっとだけ応援に来てくれたんですよ」
真夫が言った。
そして、前田明日香と紹介された彼女が振り返る。
「えっ、や、やっぱり、あなたも?」
京子は、振り返って京子に顔を示した女子サッカー部のエースの姿に愕然としてしまった。
「え、ええ、先生。あたしもSS研です……」
明日香が俯き加減に言った。
それよりも、京子は明日香の姿に絶句してしまった。
下着姿の恵さんとは異なり、明日香は全裸だった。
しかも、さっきまで真夫の股間で踞っていたのでわからなかったが、明日香の上半身には菱形に編まれた縄が絡みついていて、二の腕とともに縛られているのだ。
「じゃあ、明日香、先生はおまんこが痒いそうよ。これで掻いてあげなさい。綿毛の方でね」
すると、恵さんが横のトレイからなにかを取り出して、明日香に歩み寄って渡す。
二の腕までは縛られているが、肘から先は自由な明日香がそれを受け取り、やっと恵さんがなにを差し出したのかわかった。
一本の耳掻きだ。
「ごめんなさいね、先生……。でも、多分、後悔はしないと思います」
そして、明日香が寄ってきて、耳掻きの白い綿毛の方で京子の股間をくすぐりだした。
「ひいいいいっ」
京子は全身をひきつらせた。