「いやああっ」
対面座位の体勢で床に胡座をかいている真夫の股間に跨がるように座らされ、あゆみは疲労困憊の身体を鞭打つような気持ちで、必死で腰を浮かせて、股間を真夫の腰から離そうとした。
なにしろ、あゆみの女性器そのものに、真夫の男根の先がまともに擦ったのである。そんな場所に他人に身体が触れることなど初めてのことだし、ましてや、男性器そのものだ。
あゆみが恐怖を抱いたのは、本能的なものだった。
「いやっ、いやっ、いやよお──。そんなものくっつけないでくださいまし──」
手首に嵌まっている革枷に繋がる鎖を掴んで、とにかく腰を持ちあげる。
すると、真夫があゆみの腰を左右から掴んで、そのあゆみの陰部をそそりたっている真夫の肉柱の真上に誘導する。
犯されるのだ──。
戦慄が走る。
だが、それ以上はどうにもならない。
「どうしたんですか、あゆみさん? 俺を逆レイプで犯そうとしたあなたが、犯されるくらいで悲鳴をあげるなんて……。もう観念してもいいでしょう」
「レ、レイプなんてするつもりはなかったわよ──。ちょ、ちょっとばかり、調教して立場を強くしようとしただけよ。いやああっ」
あゆみは取り乱してしまった。
「そうですか? なら、その気になるまで、待ってもいいですけどね」
真夫がちょっとだけ身体をずらして、宙吊りになっているあゆみの女性器が真夫の怒張に届かない位置にした。
これなら力を振り絞るように持ちあげている腰を落としても、そのまま挿入はしないだろう。ちょっとだけ安堵したが、ほっとしたのは一瞬だけだ。
我慢できない掻痒感が襲いかかってきたのだ。
「ああ、だめええ、痒いいい──」
気がつくと、今度は腰を前に出して、自ら股間を真夫の下半身で擦ろうとしてしまっていた。
だが、両手を吊っている鎖に引っ張られて、ぎりぎり真夫の下腹部にあゆみの股間が届かない。
「ああ、痒いいい──」
あゆみは腰を前後左右に動かしながら、顎を突き出すようにして悲鳴をあげる。、
「犯して欲しいんですか? それとも、犯して欲しくないんですか? 随分と矛盾してますよ」
真夫が笑う。
あゆみはかっと頭に血が昇った。
「お、犯すってなんですか──。せめて、手を自由にしてくださいませ──」
「手を自由にしたら、また、俺をレイプしようと襲うかもしれないじゃないですか。怖くて、怖くて」
「なにが怖くてですか──。襲うわけなどありません──。と、とにかく、こ、この痒みをどうにかしてくださいまし──」
あゆみは身体を激しく悶えさせながら哀願する。
とにかく、胸や股間に塗られたローションは狂ったような痒みをあゆみに襲いかからせている。こんなの我慢できない。
「へえ、あんたって、興奮すると言葉が丁寧になるのね。ちょっと面白いかも。丁寧言葉というよりは、なんか変な喋り方だし」
横から声をかけて笑ったのは白岡かおりだ。
はっとした。
確かに、もともと、あゆみは京都で生活をしているときには、独特の公家言葉を使っていた。権力も富もないが、格式張ったしきたりや伝統様式にだけは煩いのが九条家のような旧公家たちなのだ。だが、それが時代に合わないおかしな言葉使いだと知ったときには、恥ずかしくて、一生懸命に言葉を直そうとしたものだ。それもあり、首都に越してきたのである。
それはともかく、かおりの揶揄いによって、あゆみは周りにいるのが、正面にいる真夫だけじゃなく、かおりと恵、玲子や京子の四人の女もいることを思い出した。
「えっ?」
そして、周りを見回して目を見張った。。
いつの間にか、その四人の女の全員が大小の筆を持って、あゆみを囲んでいたのである。
「な、なにをするつもりよ?」
あゆみは、はっとして身体を引きつらせた。
「また、言葉使いが乱れたわ。どうやら、こっちの方が作っている言葉使いかな? わざと品の悪さを装っているの? ねえ、真夫ちゃん、やっていい?」
「うん、あさひ姉ちゃん。じゃあ、あゆみさんが素直になるまで、責めてあげて。ほかのみんなもね」
真夫があゆみの腰をがっしりと持って、真夫の膝に跨いでいるあゆみを強く押さえつける。
すると、まずはかおりと恵の持つ筆が左右から、そそり勃つあゆみの乳首を胸のふくらみの裾のからすすっとなぞりあげてきた。
「んふうっ」
まる電気でも帯びたような衝撃で、あゆみは胸を大きく弾ませた。
「ほら、京子も、わたしの真似をして……」
「は、はい」
今度は玲子と京子がやはり左右から、真夫の膝に跨がされて大きく開いているあゆみの内腿を筆で撫であげる。
「ひあああっ、や、やめてください──」
あゆみは全身を突っ張らせた。
「一斉にじゃなくて、順番に襲ってあげてよ。ちょっとでも感じる場所があったら、四人で集中攻撃ね」
「了解よ、真夫ちゃん。じゃあ、まずはこんなところはどうですか?」
恵が片手であゆみの髪を力強く掴んだかと思ったら、顔を動けないようにしたまま髪から覗いた耳に筆先を這わせてきた。
「んふううっ」
耳はあゆみが一番くすぐったい場所だ。
さすがに、そこをくすぐられては、あゆみは身体を大きくよじらずにはいられなかった。
しかし、髪の毛を引っ張られているので、顔が動かない。
この朝比奈恵という、真夫の幼なじみの女子大生は、口調は優しげなのに、やることはかなり乱暴だ。
「あら、耳が敏感なのね、このお公家様は。じゃあ、多分、こっちも弱いのかな?」
かおりが反対の耳を筆で責めてきた。
しかも、執拗に繰り返して……。
「ひんんっ」
「じゃあ、みんなで耳を責めて。どうやら、耳は敏感らしいし」
真夫があゆみの脚を押さえながら笑う。
「そ、そんなこと、ありませんわ──」
あゆみは甲高い声を張りあげた。
「ふふふ、あんた、動揺しているのがわかりやすいのよ」
「ひゃああっ」
だが、容赦なく、耳に筆が襲う。そして、しばらく耳責めを続けられた。
やがて、今度はかおりだけが、筆を首筋から肩に──。肩から二の腕にと、筆先を這わせてくる。ちょっとでも反応をしてしまうと、そこをしばらく集中的に責められるのがわかったので、必死にはを喰いしばって我慢する。
だが、腕など性感帯でもなんでもないはずなのに、こうやって拘束されて筆で優しく刺激されると、まるでそこも性感帯だったみたいに、ぞわぞわと強い疼きを発生させてくる。
「もしかして、我慢してます? ここなんてどうですか?」
すると、かおりの筆が右脇にゆっくりと接近してきた。
「はああっ」
思わず大きく喘いでしまった。
ついに脇の下を筆先が動いたのだ。
「脇も弱点よ。じゃあ、また、左右の脇にしましょうか」
かおりの合図で、再び左右から二本ずつの筆が伸びて、あゆみの左右の脇を同時に襲う。
「いやああ、やめてくださいましいい──」
「また、言葉が丁寧になったわよ」
しばらくの間、また四人がかりで脇を徹底的に責められた。
今度は玲子の筆、乳房を裾野から円を描くように這いあがり、先端の勃起している乳首を押すようにしてきた。
「あああっ」
反応すまいと思っていたが、結局、大きく上体を波打たせて露わな声を放った。そもそも、妖しいローションを塗られて、痒みで疼いていた場所だ。我慢するなど不可能だった。
「ほら、乳首よ──」
四本の筆が一斉に片側の乳首を襲う。
あゆみは悲鳴をあげた。
そうやって、全身を女たち四人から筆責めを受けた。そのあいだ、真夫は微笑みながら、ただ胡座の上で狂い踊るあゆみの痴態を眺めるだけである。
そのことも、激しい羞恥を誘う。
反対の乳首──。脇腹、そして、おへその周りと次々に責められる。
やがて、四本の筆が前後二本ずつに分かれて、真夫の膝の上に乗っている股間とアナルに襲いかかってきた。
「はぐううっ」
筆先が前後から下腹部に触れた瞬間、あゆみの性感は異常なほどに昂ぶらされた。
あゆみはあられもない声をあげながら、自分が股間からどくどくと蜜をあふれさせているのを感じた。
「あれ、なんだか、ねとねとしてきましたよ」
真夫が揶揄ってきた。
もうだめだと思った。
あゆみはついに覚悟を決めた。
「わ、わかりました……。犯してください、真夫さん……。申しわけありませんでした」
あゆみは大きく息を喘がせながら言った。
「あら、もう屈服しちゃうの? もう少し頑張ったら?」
かおりだ。
さっきよりも弱い筆使いで、あゆみの股間に下から筆を差し入れて、擦り撫でる。
「んはあああっ」
あゆみはがくがくと腰を揺すって、身体を弓なりにした。
だが、筆はすっと離れる。
すると、大きな焦燥感があゆみを襲った。
「が、頑張りませんわ──。もう、犯してください──」
もう限界だった。
あゆみは大きく腰を揺する。
「そんなに犯して欲しいですか、あゆみさん?」
あゆみを膝に跨がらせて抱いている真夫が抱き寄せるようにながら、耳元でささやいてきた。
「は、はい……。もう、犯して……」
「奴婢になると誓ってください」
「ち、誓います」
「はっきりと──。なんになるんです?」
「奴婢です。奴婢になります──」
「誰のですか? ちゃんと口にするんです」
「ああ、あゆみは……九条あゆみは、坂本真夫さんの奴婢になります──。心から……。だから、もう犯して──。痒みを決してください──。あああっ」
あゆみは必死に大声で哀願した。
もうなにも考えられない。
頭にあるのは、この狂ったような焦燥感と掻痒感だけだ。
「……じゃあ、口を開いて……」
真夫があゆみの顔に顔を寄せる。
口を開くと、真夫が唇に唇を重ねてきて、舌が口の中に入りこんできた。
舌を吸われて、唇で挟むようにしゃぶられる。
口づけがこんなに気持ちいいものとは知らなかった。
舌を愛撫され、快感の波が次々に全身に拡がっていく。
「んああっ」
真夫の口が糸を引いて離れていく。
我慢できなくて、あゆみは追いかけるようにして、今度は自分から真夫の唇に唇を重ねた。
「んんっ」
舌を舌に絡ませる。
しばらくのあいだ、むさぼるようにお互いに舌をしゃぶり合った。
「そろそろ、俺とのセックスが好きになってきましたか?」
真夫が顔をずらして、今度はあゆみの胸に顔を埋めて、片側に乳首を口に含んで、強く口の中で転がしだした。
「ふううっ」
あゆみは全身を痙攣させて、身体をのけぞらせて悲鳴をあげた。
さらに反対の乳首に真夫の手が伸びて、指で乳首を挟んで、全体を揉んでくる。
衝撃が全身を襲う。
「んぐうううっ」
頭が白くなる──。
気がつくと、あゆみは絶頂してしまっていた。
「胸だけでいきましたか? やっぱり淫乱の素質ありですね。しかも、マゾの淫乱です」
真夫が胸から口を離して、腰を前に出すようにして、あゆみの腰の真下に、改めて自分の腰を完全に入れる。
そして、再び天井を向いている怒張の先をあゆみの花芯の入口にあてがった。
「あああっ、いいいっ」
雁首がずぶりと股間に埋まる。
痛みよりも、痒みがそれで小さくなる感覚が気持ちいい──。
あゆみは我慢できず、自ら腰を落として、最後まで真夫の怒張を股間で受け入れた。
「あああああっ」
激痛が走ったのは一瞬だ。
一番深いところまで真夫の怒張の先端が届いたときには、痛いは小さなものになっていた。それよりも、じわじわと拡がっていく、妖しい感覚にあゆみは戸惑った。
「ローションも使ったし、掻痒感もあったから処女を失う痛みも最小限だったでしょう? それに、いまでもどんどんと汁が出てきますよ。もう痛くないんじゃないですか?」
あゆみを対面で抱いている真夫が言った。
小さく首を左右に振るだけでなにも言わなかった。
また、真夫はそのまま律動をせずに、腰を掴んだまま、回すように腰を動かしだしてきた。
「あっ、ああっ、ああっ」
快感が昇ってきた。
「あさひ姉ちゃん、かおりちゃん、もう一度胸を責めてあげて──。あゆみさんは、マゾだからね。ただ犯されるよりも、たくさんの手で陵辱されるのが好きなんだ」
「そ、そんなこと──。ひゃああ、あああっ」
あまりな物言いに抗議しようとしたが、後ろから胸責めが追加されて、もうなにも言えなくなる。
やがて、再びエクスタシーの波が襲いかかってきた。
「ああっ、ああっ、ま、真夫さん──。あああっ」
「いくときには、いくというんです。それが奴婢の決まりです」
真夫が小刻みに腰を揺らして快感を送り込みながら言った。そして、これまでずっと放っておかれたお尻の穴に指を挿入してきた。
「ひあああっ、い、いぐうう──」
左右の胸と貫かれている股間の刺激、さらにアナルの刺激が加わり、なにかが弾けるようにあゆみは一気に絶頂してしまった。
すると、真夫もまた、欲情の白濁液をあゆみの中に迸らせてくれたのを感じた。
「ああああっ、ああああっ」
あゆみはしばらくあいだ、真夫の膝の上で痙攣を続けた。
そして、身体ががっくりと脱力する。
すると、真夫があゆみの股間から男根を抜いた。
「さて、じゃあ、次からは寝台の上でやりましょう。あゆみさんは、どうやらお尻が弱いようですし、二回戦目からはそっちを集中的にみんなで責めますからね」
真夫が立ちあがりながら言った。
あゆみはびっくりした。
「ま、まだやるんですの──?」
「この好色で絶倫のエス男が簡単に許してくれないわよ。ほら、顔をあげて」
左右から身体を掴まれてから、両手首の革枷から鎖が外れるとともに、かおりが新たに首輪を嵌める。そして、そのままだった手首の革枷についていた金具が首輪の後ろの金具に繋がれてしまった。
「来るんですよ、お公家のお嬢様」
すると、恵がその首輪の前側に別の鎖を繋げて、身体を引っ張りあげた。
「んぐっ、あっ、た、立つから、待ってください──」
あゆみは脱力している身体を無理矢理に立ちあがらるとともに、首輪の鎖に引かれるまま、真夫たちとともに寝台に向かって足を進めた。
*
「気をつけよう 交通事故と コロナ菌」
予防接種は受けていたのですが、ついに私もコロナに罹患してしまい、やっと体調が戻りました。皆さんは油断なきよう……。