※この作品はR-18です。

淫魔王のいる学園【完結】   作:ドン・ドナシアン

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 25話 父来たる

「お、お父さん──?」

 

 恵は狼狽した。

 なんで、ここに……?

 どうして──?

 

 そして、慌てて、真夫と繋いでいた手を離した。

 

「おい、坊主、ちょっと話をするぞ。とりあえず、部屋にあがれや……。恵、鍵を開けな。大家のやつ、俺が恵の父親だというのに、ちっとも信用しやがらねえ。それで朝から、ずっと待つ羽目になったじゃねえかよ」

 

 恵の父は、不貞腐れるように吸っていた煙草を投げ捨てて、足で吸殻を踏み消した。

 

 真夫はなにも喋らなかった。

 ただ、挑むように恵の父親を睨むだけだ。

 恵は、とにかく真夫に迷惑をかけてはならないと思い、前に出た。

 

「……わ、わかったわ……。部屋に入って、お父さん……。それと、真夫ちゃん、悪いけど、先に戻っていて……。あとで連絡するから」

 

 恵は言った。

 

「ああっ?」

 だが、恵の父は不機嫌そうに声をあげた。

「……俺はこの盗っ人小僧に用事があんだよ、恵──。いいから、鍵を開けろ。坊主も逃げんじゃねえぞ。一緒に来るんだ」

 

 恵の父が怒鳴り声をあげた。

 

「お、大きな声を出さないでよ……。と、とにかく、部屋に入って……」

 

 恵はどうしていいかわからず、とりあえず、部屋に父に入れようと思った。

 真夫はこのまま返せばいい。

 考えていたのはそれだけだ。

 真夫に迷惑をかけるわけにはいかない。

 そのとき、いきなり、恵の肛門の中のローターがぶるぶると振動を始めた。

 

「あっ」

 

 恵は悲鳴をあげかけて、慌てて唇を噛み縛った。

 リモコンローターのスイッチをオンにしたのは真夫だろう。

 

 いまは、許して……。

 

 恵は噴きあがりかける悲鳴を必死に噛み殺して、すがるように真夫を見た。

 だが、はっとした。

 真夫は怒っていた。

 こんなに怒った顔をした真夫を見たのは久しぶりだ。

 

 いつも柔和な物腰を崩さない真夫だが、その真夫が一、二度怒ったのを見たことがある。

 まだ施設にいるときであり、真夫は小学生だったが、そのときは歳上の恵でさえもぞっとするような怖い表情をしたのを覚えている。

 激昂して怒鳴るわけでも、乱暴な態度をとるわけでもない。

 ただ静かに怒るのだ。

 そして、次の瞬間、驚くほどに冷酷な行動を起こしたりする。

 

 それがいまの顔だ。

 恵はびっくりした。

 

 すっとローターの振動がとまった。

 恵は、息を整えながら、崩しかけていた膝を伸ばして背筋をまっすぐにした。

 

「んっ?」

 

 恵の父が怪訝な表情になった。

 だが、まさか、恵がお尻に穴に淫具を挿入して、それを刺激されてよがっているとまでは思いもしないだろう。

 

「……ね、ねえ、真夫ちゃん……」

 

 恵は真夫に対して、口を開こうと思ったが、またローターのスイッチがオンになった。

 恵は、また小さな悲鳴をあげて、腰を落としかけた。

 今度はすぐに振動がとまったが、どうやら、喋るなということのようだ。

 仕方なく、恵は口をつぐんだ。

 

「おい……。なんか、変だなあ……。おい、坊主、うちの恵になんかやってんのか?」

 

 恵の父が険しい顔になった。

 気づかれた……。

 恵は全身がかっと羞恥に熱くなるのがわかった。

 

「……あんたの恵じゃない……。俺の恵だよ。なにをしようが関係ない。ただ、これだけは言っていくよ。二度と、あさひ姉ちゃん……いや、恵に近づかないでくれるかなあ、おじさん……。おじさんには、これ以上言うことはないね。じゃあ、帰ってくれる」

 

「なんだと、生意気言いやがって──。誰に口きいてんだ、坊主。俺は恵の父親だぞ」

 

 恵の父が激昂して手を振りあげた。

 とっさに、前に出ようと思ったが、真夫の腕にそれを阻まれる。

 さらに、真夫が恵を庇うように前に一歩出た。

 

「や、やめてっ」

 

 恵は必死で叫んだ。

 真夫が恵の父に殴られる……。

 そんなことをさせたら、恵は真夫に申し訳がなくて、どんなふうに詫びたらいいかわからない。

 だが、恵の父が、振りあげた手をおろすことはなかった。大きな舌打ちをして、その手を下げた。

 

「ちっ、俺が先に殴っちゃ、なんにもならねえか……」

 

 恵の父がひとり言のように呟くのが聞こえた。

 

「お、お父さん、真夫ちゃんは、お父さんの借金を肩代わりしたのよ。お父さんがいまこうやって生きているのは、真夫ちゃんのお陰よ」

 

 恵は早口で言った。

 真夫に黙っていろと言われても、これだけは言わねばならない。

 

「ああ? この坊主が?」

 

 恵の父は一瞬、呆気にとられた表情になった。

 そして、そのまま大笑いを始めた。

 

「なるほど、そういうことか……。どこの坊主か知らねえが、金持ちのお坊ちゃんだったということか。そりゃあ、ありがとうよ。うちの恵に惚れて、恵の身請けをしたということだな。まあ、恵は、借金のかたに娼婦になる予定になっていたからな……。わかった。恵はくれてやるよ。だが、ただでとは言わせねえよ……。恵が欲しければ、俺にも金を払いな、坊主。それで、手を打ってやる。なにしろ、どこの闇金も俺に金を貸してくれなくなって、ちょっとばかり事業の資金が不足しているのよ。五百万でいいや。一千万もの金をぽんと払らったくらいだから、それくらいはまだ出せんだろう、坊主? もう五百万だ。それで恵は完全にお前にものになる。恵に惚れているんなら、あとそれだけ出しな」

 

 恵の父が顔をほころばせて、あの薄笑いを浮かべて言った。

 なんてことを……。

 いくら実の父親でも、許せないことはある。

 

 恵は愕然とした。

 いや、こんな父親じゃない……。

 なにをしに来たのかと思ったら、まさか、真夫に金をせびりに来ただなんて……。

 

 そういえば、玲子さんが、恵の父には手を出さないように、あちこちの闇金融や暴力団に手を打ったと言っていた。それで恵の父は解放されたのだが、一方で、闇金に相手にしてもらえなくなった恵の父は、金の出所を失って困ったのだろう。

 それで、恵が借金を肩代わりしたのだから、今度はその伝手を自分も手繰ろうと思ったに違いない。

 恵は、頬でもひっぱたいてやろうと思って、手を振りあげた。

 

「んふうっ」

 

 だが、またもや、お尻のローターがぶるぶると激しい振動をした。

 恵はぐいと背筋をのけぞらせて、小さな呻き声をあげた。

 そのとき、真夫が首を横に曲げて、恵の父には見えないように、恵ににんまりと意地悪に微笑んだ。

 どきりとした。

 そして、くたくたと力が抜けた。

 同時に、真夫に対する畏敬にも似た感情が噴きあがるのがわかった。

 

 いずれにしても、真夫が恵の父親の出現に激怒しているのは明らかだ。

 それにも関わらず、一方で余裕のある態度で、恵に淫靡な悪戯を仕掛けてくる余裕……。

 なんて人なんだろう……。

 

「さっき言ったろう、おじさん……。俺は失せろと言ったよ。金なんかないけど、あってもおじさんには一円だって払わないよ。それと、もう二度と恵は近づくなよ」

 

「なんだとう」

 

 真夫の胸ぐらを恵の父がつかんだ。

 恵は手を伸ばそうと思ったが、微弱だが意地悪な振動がお尻の中で続いていて動けなかった。

 

「なんだととは、こっちのセリフだよ、おっさん──。俺は、あんたを殺してやろうと思っていた。さっきから、はらわたが煮えくりかえってるのを一生懸命に我慢してんだ。言いたいことは山ほどあるけど、あんたとは口もききたくない。さっさと失せるんだよ。それとも殺されたいか──」

 

 真夫が恵の父親の胸ぐらを掴み返した。

 恵の父にかけた怒声は、大きな声ではなく、むしろ静かな口調だった。

 だが、肚の底から響くような声であり、真夫の怒りそのものが言葉のひとつひとつにはっきりと込められていた。

 恵は、その言葉の持つ不可思議な迫力に、なぜか心の底からの恐怖心が沸き起こってしまい、その場にしゃがみ込んでしまった。

 

「ひ、ひいいっ」

 

 だが、次の瞬間、いまにも真夫を殴るのかと思うような感じだった恵の父が、急に真っ蒼になり、真夫から手を離して尻もちをついた。

 

 恵は父を見た。

 恵の父親は、全身から恐怖心を醸し出して、がくがくと震えていた。

 しかも、口からは泡のようなものまで出ている。

 一瞬にして、ここまで人間が恐怖を覚える情景を恵は初めて目の当たりにした気がした。

 

 だが、いま、真夫はただ、恵の父の胸ぐらを掴んで、罵声を浴びせただけだ。

 その口調もそんなに恐怖心を起こするほどの激しいものではなかった。

 ただ、確かにもの凄い不思議な力のようなものを恵は感じた。

 それで、恵もうずくまってしまったのだ。

 あれをまともに浴びた恵の父は、完全に腰が抜けたような感じになってしまったようだ。

 

 いまのはなに……?

 恵は呆気にとられた。

 

「ひ、ひいいっ」

 

 恵の父が尻もちをついたまま後ずさりをして、すぐに立ちあがって逃げるように走り去っていった。

 

「ま、真夫ちゃん、い、いまのなに?」

 

 やっとのこと立ちあがった恵は、真夫にやっと口を開くことができた。

 でも、真夫は、恵以上に呆然とした顔だ。

 

「な、なに、いまの……? 俺、いま、なにをしたのかなあ……? なんかすごく腹がたって、それであさひ姉ちゃんのお父さんに、その怒りをぶつけようとしたんだよね。そしたら、急に、あさひ姉ちゃんのお父さんの頭の中のようなものが頭に入って来て……」

 

「あ、頭の中……?」

 

 恵は呆気にとられた。

 

「うん……。それはともかくとして、なんか腑に落ちないんだよね。あさひ姉ちゃんのお父さんは、なんで、ここに今日来たんだろう?」

 

 真夫が首を傾げた。

 

「……えっ……。な、なんでって……。お、お父さんは、闇金から解放されて……。で、でも、玲子さんが闇金からお父さんが金を借りられなくしたから……。それで、お金に困って……」

 

「違うよ。俺が言っているのは、なんで“今日”なのかということだよ。あの人は、“朝から待っていた”とは言ったけど、“何日も待っていた”とは言わなかった。だから、待っていたのは、本当に今日の朝からなのだと思う。でも、俺たちがここに、今日荷を取りに来ようとしていたのをなんでわかったのかと思ってね。もちろん、ただの偶然ということもあるだろうけど……」

 

 言われてみれば、確かにちょっとおかしいかもしれない。

 この数日、ずっと恵と真夫は、玲子さんに手配してもらったホテルに泊まっていて、ここには戻っていない。

 今日だって、荷をちょっと取りに来て、すぐに戻るつもりだ。

 どうして、恵の父は、ここで恵たちがやって来るのを待ち構えることができたのだろう……?

 

 だが、恵の思念はそこまでだ。

 もう、我慢できない……。

 とにかく、いまはそれよりも……。

 

「ね、ねえ、真夫ちゃん……。ちょ、ちょっと、お尻の中のもの……。とめて……。さ、さっきから……ず、ずっと、動いているよ……」

 

 恵はしゃがんだまま、小さな声で真夫に訴えた。

 恵の父が真夫の胸ぐらを掴む前にスイッチを入れられて、ずっとオンにされたままになっていたのだ。

 

「ああ、忘れてた」

 

 真夫はあっけらかんと返事をした。

 そして、上着のポケットに手を入れる。

 

「うふううっ」

 

 しかし、恵は思わず声をあげてしまい、慌てて手で口を押さえた。

 お尻に入れられているローターの振動が最大振動に近くなったのだ。

 

「ほら、あさひ姉ちゃん、いつまでも座ってないで立つんだよ。部屋の鍵を開けて」

 

 真夫が鬼畜な笑みををしながら、恵の腕を掴んで引っ張り起こした。

 そして、小さな声で、あるセリフを言えと恵の耳元でささやいた。

 

 それはとても口にできないような恥ずかしい言葉だった。

 だけど、それを真夫に強要されると、口にしなければならない気持ちになってくる。

 

 それに、真夫にそれをしてもらえる……。

 嫌じゃない……。

 いや、むしろ……。

 

 それにしても、さっきの真夫は逞しくて男らしかった。

 あんな父親、いくら血が繋がっていたとしても、親じゃない。

 真夫はそれを教えてくれたのかもしれない。

 

 真夫は頼りになる。

 恵は生れて初めて、縋って生きることのできる相手を見つけた気がした……。

 

 その真夫に苛めてもらえる……。

 それが、嫌なことであるわけがない……。

 

「ま、真夫ちゃん、あ、あたし……の……。い、いえ、め、恵は……お、お尻の穴に悪戯されたい……。恵のお尻の穴を苛めて……」

 

 それはさっき耳元で口にしろとささやかれた言葉だった。

 実際に口にすると、恵は恥ずかしさだけでなく、期待と興奮でぞくぞくとした。

 もう、さっきの恵の父の醜態のことなんて頭からなくなった。

 

 頭に占めるのは、ローターの振動でだんだんと大きくなるお尻の疼きの気持ちよさだけだ……。

 

「エッチなあさひ姉ちゃんだねえ」

 

 真夫はさっき見せた怒りの片鱗が嘘のように朗らかに笑って、恵の腰に手を回して、部屋の前のドアの前に導いた。

 

 


 

 

「まったく役に立ちませんでしたね、秀也さん。せめて、一発で殴られてくれれば、警察に通報して、学園に入る前に、あの坊やを捕まえさせて、うまくいけば、学園に入る前に追い出すことができたんですがね……。そういう打ち合わせをしたんでしたが、すみませんでした」

 

 運転手だが、いまは秀也とともに車両の後部座席に座って、そこに映されている隠しカメラの映像を眺めている正人(まさと)が舌打ちとともに悪態をついた。

 

 秀也と正人がいるのは、住宅街の道路上に駐車させたバンタイプの一般車の中であり、この車は、今日の顛末を見張るにあたって、秀也が正人に命じて準備させたものだ。

 映っているのは、恵のアパートの前に設置した隠しカメラの映像と音声である。同じものを部屋の中にも仕掛けていたが、結局、それらは役に立たなかった。

 

 正人は秀也が部下として使っている二十五歳の男であり、外見は、美人の女と見誤るくらいに線が細くて、女っぽい。

 実際に、性欲は男に対してしかなく、面白いから秀也は手元に置いて便利に使っていた。

 こうやって、秀也のさまざまな工作の手伝いをさせるだけでなく、学園の寮では女の恰好をさせたメイドとしても使っていて、時折は、こいつの珍棒を擦ってよがらせて遊んだりもする。

 女のように感じやすく、実に愉しい玩具だ。

 

 それでいて、武道に通じているので、立派な護衛役もこなす。

 なによりも、秀也に絶対の忠誠を誓っていて、決してそれが揺らぐことはない。

 それが気に入っている。

 この男は、豊藤財閥でも、その総帥の龍蔵でもなく、秀也個人に仕えてる。

 秀也としては、安心してそばに置いておける大切な存在だ。

 

 玲子が追い払ったはずの恵の父親を捕らえて、恵と真夫が今日ここにやって来ることを教え、さらに、ふたりが思わぬ幸運で、恵の父親の借金を無条件で肩代わりするくらいの大金を手にしたはずだと、あの男に仄めかしたのは、正人の仕事だ。

 

 正人はいい仕事をした。

 うまく、あの駄目男の金銭欲を突いて、しかも、恵に男ができたと愚図男に言い、恵の父親に真夫に対する嫉妬の怒りのようなものを燃やさせることに成功していた。

 

 あの男は、事もあろうに、実の娘である恵に、自分の女であるかのような感情を抱いていて、恵に恋人ができたと知ると、まるで女を奪われたような顔をして腹をたてたのだそうだ。

 

 本当にうまく乗せられてくれた。

 玲子は、恵の父に、恵に近づいたら容赦はしないと諭したらしいが、それは玲子の詰めが甘い。

 あんな駄目男は、いくら脅したところで、理詰めで物を考えない。

 そのとき、そのときの感情で動くだけだ。

 だから、ちょっと炊きつければ、恵が手に入れた幸運や恵自身についても、自分の物を奪われたような気持ちになって、のこのことふたりの前に向かっていったというわけだ。

 

 あんな男を本当に排除しようと思えば、ぶち殺すか、それとも、近づくことが物理的に不可能な外国でも放り捨てるしかない。

 さもなければ、いずれは、また恵の前に現れるに決まっている。

 

 いずれにしても、あの男はもう用済みだ。

 今度はこっちに付きまとわれても面倒なので、あれが恵と真夫の前に現れたことを玲子に教えて、今度こそちゃんと始末をさせようと思った。

 

「まあ、真夫については、機会はまだあるだろう。とにかく、あいつは龍蔵が大事に育てようとしている豊藤家の嫡男だしな。今日は、あいつの能力の一端を垣間見ることができた。それだけで十分な成果があった。あの迸るような力は、間違いなく操心術だぞ。おそらく自覚はないだろうが、あの真夫は、操心術で恵の父親の心に、凄まじい恐怖心を植えつけて、それで追い払ったんだ」

 

 秀也は喉の奥で笑った。

 これは面白いことになって来た。

 やはり操心術の遣い手か……。

 

 どうやら、あいつの力は感情をコントロールすることのようだ。

 どちらかというと、秀也は記憶改変が能力の主体であり、一瞬にして、人の感情を変えてしまうというのは、秀也にもできないことだ。

 

 だが、あの真夫は、まだ力の出し方も知らない現段階で、それをやってのけた。

 あるいは、あの玲子があっという間に真夫の軍門に下ったのは、その能力を使われたのではないかとさえ、ちょっと思った。

 

「……今回は残念でしたが、必ず、俺が秀也さんの敵である、あの真夫を追い出してみせます。きっと機会はあると思います。豊藤財閥を受け継ぐのは、秀也さんでしかあり得ません。あんな、突然にやって来た小僧に、豊藤の総領の座を渡すなんて……」

 

 正人が口惜しそうに言った。

 秀也はにっこりと微笑んだ。

 そして、正人のズボンの上からがっしりと性器を掴んだ。

 

「あっ、しゅ、秀也さん……。あ、ああっ」

 

 途端に正人がなよなよと身体をくねりだす。

 まるで女のような悶え声が面白い。

 

「……さっきも言ったが、今日は真夫の力の一部が見れただけで成果があった。よくやった。これからも尽くしてくれ……。これは褒美だ……。ズボンの中でそのまま出せ。ただし、そのまま学園まで、お前のいやらしい愛汁の染みをズボンに作ったまま戻るぞ……。夕方には、玲子が龍蔵伯父貴のところに来ることになっている。そのときには、そのズボンのまま会え。いいな」

 

 秀也は股間を握る手の動きを激しくした。

 正人はますます甘い声を出して悶える。

 車の窓ガラスには、目隠しがついているし、防音にもなっているので、外に正人の姿がばれることはない。

 

「あっ、いく……いきます、秀也さん、ああっ」

 

 正人が女そのものの喘ぎ声を出しながら、ぶるぶると腰を震わせた。

 ズボンの中で勃起している正人の一物から、精液が飛び出した感触がはっきりと秀也の手に伝わってきた。

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