玲子は、知らず肩を並べて歩く恵の手をぎゅっと握りしめた。
カラオケボックスを出た玲子と恵は、人通りの多い繁華街を連れだって歩いている。
また、奥歯はこれでもかというくらいに噛みしめられていた。
それは横を歩く恵も同じだろう。
なにしろ、玲子と恵の股間と乳首には、猛烈な痒みを引き起こす淫乱剤が塗り込められているのだ。しかも、お尻の穴にまでたっぷりとだ。
さらに、乳首とクリトリスには、吸盤型の淫具がしっかりとそれぞれの根元を締めつけている。
それは、真夫の持つリモコンで好きなように振動できるのだが、別に振動されなくても、歩くたびに淫具がわずかに動いて、痒みと疼きでただれている乳首と局部に気持ちのいい刺激を与え続ける。
それが玲子を悩ませる。
また、股に食い込んでいる貞操帯には、ちょうど肛門に当たる部分に丸い突起があり、それがお尻を抉っている。
それも、脚を進めるたびにおかしな刺激を玲子に与え続ける。
カラオケボックスを出たところで、玲子の左手首と恵の右手首には、手錠をしっかりとかけられた。
いまは、真夫はそばにはいない。
並んで歩くように伝えられ、離れていっていたのだ。
後ろからついてきているとは思うが、振り返ることは禁止された。
だから、玲子は恵と並んでただ歩くだけだ。
どこに向かうかは事前に教えられなかった。
それは、乳首とクリトリスの淫具で伝えると言われていた。
繁華街とはいえ、夜道ではよく見なければ、ふたりの女が手錠をしていることはわからないと思うが、さすがに、ふたりが離れれば、ふたりが手錠で拘束されて歩いていることはわかる。
だから、玲子と恵は、手を繋ぐことにした。
スーツ姿の玲子とミニスカートの軽装姿の恵が手を繋いで歩くのは不自然かもしれなかったが、手錠を隠すためにはそれしかなかったし、手を繋ぐことで、恵もまた痒みの苦しさと恥ずかしさに耐えているがわかり、それが玲子の不安を少しは軽減してくれる。
「だ、大丈夫、恵さん……?」
玲子は横を歩く恵に声をかけた。
恵の顔は真っ赤に上気し、眉がひそめられている。
ただ、苦しそうな息がずっと続いていた。
それは、玲子も同じだったが、玲子は自制心を総動員して、懸命に平静を装っている。
カラオケボックスを出るときに、見送りに来た店長にも、身体の異変を少しも感じさせなかったくらいだ。
「だ、大丈夫です……。で、でも、玲子さんは……へ、平気ですか……? こ、この真夫ちゃんの調教……」
恵が少しだけ怪訝な顔をした。
あるいは、恵は、玲子が自分ほど苦しんでいないと思ったのかもしれない。
玲子は思わず、小さく噴き出した。
「へ、平気のわけないじゃない……。か、痒くて、し、死ぬほど苦しいし……こんなことをされて、街を歩かされるのは恥ずかしいわ……。真夫様は鬼畜ね……」
玲子は恵の耳元でささやいた。
すると、恵は汗で前髪が貼りついた笑顔を恵に見せた。
だが、次の瞬間だった。
「うっ」
突然に恵ががくりと身体を沈めたのだ。
「め、恵さん」
手錠で繋がっている玲子は、恵の身体に引っ張られて身体を沈ませかけたが、恵の手を引きあげることで、なんとか体勢を戻した。
恵も脚を踏ん張るようにして、身体を真っ直ぐにする。
「……ひ、左です……。ち、乳首と、ま、前が……」
恵は甘い息を吐きだしながら言った。
玲子はさっと恵の身体を見た。
スカートに包まれている股間はもちろんわからないが、ブラジャーをしていないブラウスの下では、淫具の振動でぶるぶると乳房の先端が揺れている。
それが動き続けているということは、恵の股間でも振動が起こっているということだ。
玲子は恵の腕を自分に引き寄せるようにして、身体を支えてあげた。
真夫に事前に指示されていたのは、左側にいる恵の淫具が振動をすれば左に曲がり、右側の玲子の淫具が動けば右に曲がれと言うことだ。
そして、ふたり同時に淫具が動けば、淫具がとまることで前に進む指示があるか、あるいは、左右のどちらに進むのかが伝えられるまでは、そこに留まれということだった。
つまりは、淫具を使った「リモコン遊び」だ。
もっとも、遊ぶのは真夫であり、玲子と恵は、淫具で操られる玩具そのものになることだったが……。
目の前は交差点だった。
玲子と恵は交差点を左に曲がって道路を渡った。
横断歩道の途中で恵の身体からさっと緊張が解けるのがわかった。
左に曲がったので、「指示」が消えたのだろう。
しかし、恵は振動がとまっても、まだ苦しそうにしていた。
「あっ」
道路を渡り切ったところで、今度は玲子の乳首と股間に吸盤が動き始めた、
思わず空いている右手で股間を押さえかけて、玲子はすぐに姿勢を伸ばした。
「み、右……」
小さく恵にそれだけを言った。
しかし、信号は赤だ。
「んっ」
横の恵が再び小さく呻いた。
玲子の淫具はまだ動き続けていて、さらに恵の淫具も動いたことになる。
つまり、赤信号なので「とまれ」なのだ。
とにかく、道路を青になるのを待つために、ほかの歩行者たちと同じように立つ。
しばらくすると、信号が青になる。
すると、振動がとまった。
玲子はほっとした。
だが、ほっとしたのは束の間だ。
吸盤の振動がとまるなり、これまでとは桁違いの身体の熱さと痒さが巻き起こったのだ。
我慢していた痒さが、振動で一瞬だけ癒されることで、まだ眠っていた痒みの感覚を完全に目覚めさせたのだ。
振動がとまってからも恵が苦しそうな仕草だったのが、これだったのかと悟った。
確かにつらい……。
しかし、ちゃんとしていないと、周りの者が変に見るはずだ。
ただでさえ、恵と玲子が手を繋いで歩いているのは、周囲の気を引いていると思う。
「め、恵さん……し、自然にして……」
玲子は自分自身の表情を取り繕いながら言った。
一方で、ふらつきそうになっている脚に意識を集中する。
真夫の「指示」で進む道は、かなりの若者たちでにぎわうような人混みの通りであり、玲子はその道を局部と乳首を苛まれながら歩くことに、かなりの緊張感を味わわなければならなかった。
横を歩く恵は、どうしても通りすがりの男たちの視線を集めるような可愛い女だし──おそらく、自分もそうなのだろうが──、そのふたりが手を繋いで不自然に歩くことで、そのために往来の人目を集めてしまっている気がする。
そして、これも玲子も同様なのだと思うが、恵の全身からは汗がしたたり出ていて、息を吐くたびに小鼻が開いている。
色っぽすぎるのだ。
いずれにしても、懸命に脚を前に進めながら、玲子はさっきの淫具の振動を待ち望む気持ちになっていた。
この猛烈な痒みを受けながら、これ以上平静を装うのは無理だと思った。
股間の刺激をとめられてもつらいし、動かされてもつらい……。
すでに玲子はすっかりと追い詰められていた。
「ううっ」
「はんっ」
そのとき、玲子と恵の口からは同時に声が迸った。
突然に、予想外の振動が局部と乳首に発生したのだ。
玲子と恵は、その場に立ち止まり、同じように肢体を折って、その場に崩れかけた。
辛うじて、うずくまることを防いだのは、恵と手錠で繋がっていて、座り込めば恵を引きずってしまうだろうという懸念と、周りの視線だった。
なにしろ、ここは交差点でもなんでもない、歩道の真ん中だ。
そこで、強い振動をクリトリスに与えられたのだ。
ふたりの寝具が同時に振動した場合は「とまれ」だ──。
だから、動くわけにはいかないのだが、それにしても振動が強くて長い……。
玲子は思わず空いている手で下腹部を押さえてしまった。
ふと見ると、恵もたまらずにそうしている。
もっとも、いくら押さえたところで、外からの刺激を完全に遮断する革の貞操帯は、玲子が無意識に股間を揉むようにする動作に対して、股間への刺激を完全に防いでいる。
改めて、この苦しみを癒すためには、真夫に頼らないといけないということを自覚せずにはいられない。
「うう、くうっ」
玲子は恵と一緒に、食い縛る歯のあいだから、苦悶の声が洩れ続ける。
ふたりで周りの通行人の注目を集めながら、歩道の真ん中で悶え続けた。
それがどんなにみっともない姿であることであるかも気にならないほど、痒みに襲われている股間と乳首を襲う振動により、全身を駆け巡る感覚は鋭く、甘美な衝撃に満ちている。
やがて、振動がとまった……。
玲子は、恵に声をかけ、いまだに震えている脚を前に進ませた。
とにかく、早く、ここを離れよう……。
思ったのはそれだけだ。
「おおっ」
「んんっ」
しかし、その刹那、またもや振動が起こった。
菊座に食い込んでいる貞操帯の突起だ。
それも動くとは知らなかったが、それが初めて動いたのだ。
叫ぶのは防げたが、玲子も恵も天を仰ぐように全身を硬直させた。
そのお尻の振動は、掻痒感を解消してくれただけでなく、身体を支える腿全体の力を完全に弛緩させるような衝撃を与えていた。
おそらく、長い時間、そのままだったら、玲子は今度こそ座り込んでしまっただろう。
さすがに、往来の男女が玲子と恵の痴態に気がついたのは明白だ。
だが、振動はすぐにとまった。
玲子は恵とともに、急いでその場から離れた。
それからも、玲子と恵のそれぞれ、あるいは、ふたり同時に淫具の振動を“オン”にされたり、“オフ”にされたりするのを繰り返されながら、玲子と恵は目的地もわからず進み続けた。
やがて到着したのは、植え込みの多い大きな公園だった。
相変わらず、真夫の姿は見えなかったが、振動だけが真夫の存在を玲子に伝えてくれる。
この公園は、若いカップルのデートスポットのような場所であり、公園を進みながら、玲子はベンチや草むらに座って身体を接し合っている男女の姿をたくさん見た。
玲子と恵は、その中を淫具の「指示」により、公園内を右に左にと曲がっていく。
そして、数本の樹木が立っている場所に到着した。
ちょうど、公園灯の下であり、羞恥を煽るように周りから目立つ感じだ。
そのときだった……。
「だ、だめえっ……」
「ああ……」
恵と玲子はふたりの手を繋いだまま泣き声をあげてしまった。
微弱だが、乳首と肉芽、そして、菊座の突起のすべての振動が起こったのだ。
「ここで待て」という指示だと思うが、さすがに歩きながら刺激を受け続けた身体は、そんな小さな振動でも全身が砕けるような刺激を受け取ってしまう。
玲子と恵は太腿を擦り合わせながら、懸命に声を我慢して、次の指示を待ち続けた。
公園の灯りがふたりをスポットライトのように、目立たさせている。
真夫の視線は、公園の一角で腰をもじつかせながら立つあさひ姉ちゃんと玲子さんの姿をちゃんと捉えていたが、ふたりからはこっちは見えないようだ。
あさひ姉ちゃんは、諦めたようにただ目をつぶって、加え続けられる振動の刺激に耐えるだけのようだが、玲子さんは、懸命に顔を動かして、真夫を探そうとしている。
それでも、いまのところ、少し離れた草むらの裏のベンチにいる真夫を見つけらないらしい。
まあ、向こうには灯りが当たっていて明るく、こっちは暗い。
それで余計にわかりにくいのだ。
ふたりをあそこに立たせて、そろそろ五分経つ。
真夫は、自分の責めに痴態を示し続けるあさひ姉ちゃんと玲子さんの姿に有頂天な気持ちを味わっていた。
ふたりは、とても色っぽかった。
そのあさひ姉ちゃんと玲子さんをこんな風に夜の街で、好きなようにもてあそぶことができる……。
真夫は、自分の中に、だんだんと冷酷な嗜虐心が芽生えてくるのをはっきりと感じた。
そろそろいいだろう……。
真夫は、微弱を保っていたふたりの身体を責めている振動を一斉に、“微弱”から“強”にした。
「ああっ──」
「んぐうっ」
あさひ姉ちゃんと玲子さんがここまで聞こえるような嬌声をあげた。
同時に、ついに耐えられなくなったように、ふたりともその場にしゃがみ込んだ。
真夫は立ちあがって、ふたりが真夫の姿を確認できる場所に移動して、手招きをした。
ふたりとも、真夫に気がついたようだ。
真夫は、リモコンで淫具の振動を停止する。
ふたりがのそのそ立ちあがって、こっちに進んできた。
ここからふたりのいる場所まで、五十メートルほどだ。
真夫は、ふたりが半分ほど進んだところで、全部の淫具を“最強”にした。
「や、やあっ」
「はんっ」
ふたりが手錠のかかっていない手で股間を押さえてしゃがみ込む。
しかし、真夫はリモコンをとめなかった。
すがるようにこっちに視線を向けてくるふたりに、さらに手招きをする。
“立てないなら、這ってでも来い──。”
身振りで伝える。
あさひ姉ちゃんは、その真夫の「命令」に立ちあがろうとしたが、手錠で繋がっている玲子さんは、もう立てないようだ。
玲子さんの方が気丈なのだが、身体の感度は玲子さんが桁違いに敏感だ。
ここまで受けてきた真夫の責めで、玲子さんはついに両膝に力が入らなくなったみたいだ。
恵は玲子さんの腰を引っ張るようにして、なんとか立ちあがらせ歩いてくる。
進んでくる公園の通りにはベンチが幾つかあったので、そこにもカップルはいたが、ふたりの姿にそれほどに気に留めた様子はない。
数分かけて、ふたりが真夫のいる草むらまでやって来た。
「よく頑張ったね、ふたりとも……」
真夫はふたりを完全な繁みの中に連れ込むと、振動を静止させて跪かせた。
繁みは胸ほどの高さなので、公園のほかの場所からは、立っている真夫の姿は確認できるが、ふたりの姿はこれで隠れる。
いずれにしても、この夜の公園で、ほかの男女に気を取られる者はほとんどいない。それぞれに自分たちのことに集中している。
ここはこういう場所なのだ。
もっとも、それを目当てに覗きをしようとする者はいる。
ただ、そんな覗きからも、この場所は見えにくいところだ。
ふたりにスリルを感じさせながらも、比較的安全に痴態をさせられる。
真夫は、ふたりの手首を繋げていた手錠を外して、それぞれの両手を後ろに回させる。
そして、ふたりの親指の付け根に指錠をした。
あさひ姉ちゃんも、玲子さんも抵抗はしない。
ただ、うっとりとしているような視線を真夫に向けるだけだ。
真夫は、その表情にぞくぞくするような快感を覚えた。
このふたりの美女を支配している。
そのことは、真夫の欲望を完全に満足させるとともに、さらに真夫のやり方で愛してやりたいという黒い欲求を引き起こす。
真夫は電子ロックを解除して、貞操帯を外した。
跪いているふたりの股間から、ぼとりと貞操帯が地面に落ちる。
真夫はそれを拾いあげて手提げ袋に片付けると、ふたりの前にしゃがんで、左右の手でそれぞれの股間にスカートの下から手を触れた。
「あっ」
「ま、真夫ちゃん……」
ふたりが身体をくねらせる。
構わず、真夫は吸盤の淫具の貼りついている場所の下の亀裂にぐいと指を入れる。
「んんっ」
「んはあっ」
指をくねくねと動かすと、あさひ姉ちゃんも玲子さんも、我慢できなくなったように甘い声をあげた。
だが、その声が結構大きかったので、真夫は苦笑するしかなかった。
「ふたりとも声が大きいよ。ここは覗きが多いことで有名な公園だからね。もっと、我慢しなきゃ」
真夫は指を抜いて言った。
すると、恵が赤い顔で恨めしそうな顔を向けた。
「……だ、だって、真夫ちゃんがエッチだから……」
あさひ姉ちゃんは不満そうな口調で言った。
しかし、そのあさひ姉ちゃんがすっかりと、夜の公園で辱められることに酔ったようになっているのを真夫は知っている。
その証拠に、あさひ姉ちゃんの顔は、まるでお酒でも飲んでいるかのように、赤くてとろんとしている。
「……め、恵さん、そんな言葉は……」
しかし、横の玲子さんが真夫に不満を言ったあさひ姉ちゃんをたしなめるような言葉をかけた。
玲子さんは、あさひ姉ちゃんが真夫の責めに文句を言ったと感じたようだ。
真夫はにっこりと微笑んだ。
「いいんですよ、玲子さん……。玲子さんも言いたいことを口にしてください……」
真夫は言った。
しかし、玲子さんは首を小さく横に振った。
「い、言いたいことはありません。どうぞ、好きなように扱ってください、真夫様……」
玲子は言った。
真夫は頷いた。
そして、玲子の頭にそっと手を置く。
「いい子ですね、玲子さんは……。じゃあ、ご褒美です……」
真夫は玲子の口に唇を重ねた。
口の中を舐めまわす。
玲子は鼻息を荒くして、興奮したようにしばらく真夫と舌を絡め合った。
「やっぱり、玲子さんの方が奴婢の心得えをちゃんと身に着けているようだね。あさひ姉ちゃんも見習わなきゃ」
玲子さんから口を離すと、真夫はあさひ姉ちゃんの顔に視線を向けてからかった。
「そんなあ」
すると、あさひ姉ちゃんは、さらに不満そうに頬を膨らませた。
真夫は、その無邪気そうな表情に笑ってしまった。
「さて、じゃあ、奉仕をしてもらいましょうか。ふたりとも俺の性器を舐めてください。俺が射精できたら、振動をとめてあげますね」
真夫はリモコンでふたりの乳首とクリトリスの吸盤淫具に強振動を加えた。
「んふうっ」
「はううっ」
跪いたままのふたりが身体を弓なりにして悲鳴をあげた。
真夫はさらに、ふたりのスカートのホックを外して足首から抜き、ふたりからスカートを強引に奪う。
「あ、ああ、そんなあっ」
「ま、真夫様、それは」
二枚のスカートを手に取る真夫に、ふたりが剥き出しになった腰をくねらせながら、羞恥に悶える顔を向ける。
「スカートを返して欲しければ、少しでも早く俺をいかせることですね。じゃあ、始めてください」
真夫はそう言うと、すっと立ちあがって、ふたりの顔の前にズボンの前から出した性器を突きつけた。