「あっ……は、はい……。わ、わかり……ました……。で、では……あ、明日……」
震えるような声と息を洩らしながら、あさひ姉ちゃんが携帯を切った。
そして、すぐに携帯電話を床に放り捨てる。
あさひ姉ちゃんがかかってきた携帯電話で話をしているあいだ、真夫はずっと怒張をあさひ姉ちゃんの股間に挿入して、ゆっくりとした律動を続けていたし、時折は乳首や首筋に舌を這い回らせたりして、会話の邪魔をしていた。
あさひ姉ちゃんは、必死になって快感を噛み殺して、平静を装って電話を続けた。
その一生懸命さが可愛くて、真夫はついつい意地悪を続けてしまったのだ。
「ひ、ひどいわよ、真夫ちゃん」
あさひ姉ちゃんが顔を真っ赤にして覆い被さっている真夫の背中を両方の拳でぽかぽかと叩いてきた。
だが、それが本気でないことはわかる。
あさひ姉ちゃんの顔は、すっかりと妖しい淫情の色に染まっていた。
「でも、興奮したでしょう? あさひ姉ちゃんがだんだんと欲情していくのが、はっきりとわかったよ」
「もう、ばか──」
あさひ姉ちゃんは拗ねたような表情になった。
真夫は、貫いたままだった男根をあさひ姉ちゃんの股間から抜いた。
抜かれるときに、あさひ姉ちゃんは、艶めかしい声をあげた。また、真夫自身が呆れるくらいの量の精が流れこぼれた。
随分、出したな。
まあ、溜まっていたし、相手は大好きなあさひ姉ちゃんだし……。
とりあえず、一度あさひ姉ちゃんの上半身を抱き起して、脱げかけている上衣やブラジャーを全部脱がせた。
真夫自身も素裸になる。
「布団を敷くね、あさひ姉ちゃん。ご飯は、もう少し落ち着いてからにしようよ」
真夫は言った。
「真夫ちゃんは、まだ、落ち着かないのね」
あさひ姉ちゃんが股間で勃起を保っている真夫の股間を眺めて、赤い顔で笑った。
その表情がなんともいえず可愛い。
もう二十一歳のあさひ姉ちゃんを可愛いと思うなど、変かもしれないけど、こうしていると、最初は大人と感じていたあさひ姉ちゃんが、歳下の女の子のようにしか思えなくなってきたから不思議だ。
自分が敷くというあさひ姉ちゃんを留めて、真夫は和室に入り、押し入れを開けた。
あさひ姉ちゃんは、まだ身体が気だるそうだ。
押し入れの下半分には衣装ケースと小さな本棚があって、上半分に一組の布団がある。きちんとした性格のあさひ姉ちゃんらしく、押し入れの中もちゃんと片付いていた。
真夫は、小さなテーブルを部屋の隅に寄せて、とりあえず敷き布団だけを敷いた。
そのとき、下の段の押し入れの奥の隅に、小さな段ボール箱があることに気がついた。
段ボール箱といっても、側面には花柄の紙が貼ってあり、上の部分を切り取って、別の段ボール細工で蓋が作ってある。
なんとなく、なにかを隠している予感がした。
あさひ姉ちゃんには悪いが、真夫はそれをさっと外に出して、蓋を開けた。
「あっ、そ、それ、だめえっ」
あさひ姉ちゃんが奇声をあげて、素っ裸で台所から飛んで来た。
しかし、もう遅い。
真夫は、開いて中身を見てしまった。
「ああ、恥ずかしい。だめえっ」
あさひ姉ちゃんが箱の蓋を閉めようとしたのを真夫は笑いながら制した。
中身は、たくさんのエッチグッズだった。
真っ赤な色をした首輪や手錠──。
SM用の縄束──。
きちんと容器に入っているローターまである。しかも、リモコンで操作できるものだ。
さらに、縄束や枷で拘束された女性が載っているSM写真集もある。
「あさひ姉ちゃんのひとりエッチのグッズだね」
「ううう……。恥ずかしい……。誰にも言わないでね……」
あさひ姉ちゃんは、両手で胸と股間を隠しながら全身を真っ赤にしている。
「確かにね。でも、ローターは開いた形跡もないみたいだね。ロープも封がついたままだ」
「怖くて使えないよ。ただ想像するだけなの……。ねっ、内緒にしてね」
あさひ姉ちゃんは必死の口調で言った。
かなり焦っている感じであり、本当に面白い。
「さあ、どうしようかなあ……。へえ、あさひ姉ちゃんって、こんなの持ってんだ。どこで買うの?」
真夫は首輪を取り出しながらからかった。
「通信販売よ──。ねえ、お願いだから、誰にも言わないでね、真夫ちゃん」
あさひ姉ちゃんが泣きそうな顔になった。
真夫は、持っていた首輪をすっと、あさひ姉ちゃんの首に近づけた。
あさひ姉ちゃんがびくりと身体を震わせた。
「いいよ。俺とあさひ姉ちゃんの秘密にしよう……。その代わり、この首輪を嵌めてくれたらね」
真夫は言った。
あさひ姉ちゃんがちょっと驚いたような表情になり、すぐに、ふっと口元が緩んだ。
そして、ちょっとはにかんだようなあさひ姉ちゃんが、目を細めてぺろりと唇を舐める。
「い、いいわよ……。も、もちろん……」
あさひ姉ちゃんの髪は肩に触れるか触れないかくらいの長さだ。あさひ姉ちゃんは、両手で髪を上にあげるみたいにした。
真夫は、赤い首輪をあさひ姉ちゃんの首に嵌める。
そのとき、首輪の後ろの留め具のような金具が装着していることに気がついた。
なるほど……。
真夫はさらに箱の中から革枷の手錠を取り出した。
これも赤い色の革だ。首輪と対になっているものだとわかる。
つまり……。
「あさひ姉ちゃんは、この手錠と首輪で拘束されることを想像して、エッチな気分になっていたんでしょう? 正直に言ってよ」
「うう……。そ、その通りよ……。も、もう苛めないで。死ぬほど恥ずかしい……」
首輪を嵌めたあさひ姉ちゃんが両手で顔を覆った。
真夫はその手首を握って、自分の方に引き寄せる。
「えっ?」
あさひ姉ちゃんが声をあげた。
真夫が手錠をあさひ姉ちゃんの両手首にがちゃりと嵌めたからだ。
そして、鍵は箱に戻す。
これであさひ姉ちゃんは、真夫が鍵で外すまで手錠を取ることができない。
さらに真夫は、あさひ姉ちゃんの両手を頭の後ろに曲げさせて、手錠の鎖を首輪の後ろの金具に嵌めた。
これは、本来こうやって使うものなのだろう。
あさひ姉ちゃんは、両手を頭の後ろに置いたまま動かせなくなった。
「明日の朝になったら外してあげるね、あさひ姉ちゃん。それまで、おしっこも、食事も全部そのままでするんだよ。あとでお風呂にも入ろうね。あさひ姉ちゃんの身体は、俺が隅々まで洗ってあげるからね」
「そ、そんなあ、困るわ」
あさひ姉ちゃんは驚いたような声をあげた。
「だめ、だめ、これはエッチなあさひ姉ちゃんの罰だよ。それに、こんな風に拘束されることを想像して、エッチな気分になっていたんでしょう?」
真夫は敷いてある布団の上にあさひ姉ちゃんを押し倒した。
そして、両手を塞がれているあさひ姉ちゃんの股間の亀裂にすっと指をあてて動かす。
「んふうっ、ああっ」
あさひ姉ちゃんは、それだけでびくりと身体を跳ねあげた。
さらに乳房を吸いながら、黒い恥毛をくつろぐように上下に優しく動かす。
「あうううっ」
あさひ姉ちゃんの脚ががくがくと震えて、力がくたくたと緩んだみたいになった。
真夫はあさひ姉ちゃんが気持ちよくなる場所を探って、股間をまさぐった。
でも、あさひ姉ちゃんは、真夫にどんな風に触られても、気持ちがいいようだ。探す必要などなさそうだ。
「だ、だめえっ、こ、こんなの感じすぎる。また、口になにか押し込んで。ねっ、お願い。押し入れの一番下の引き出しにタオルが入っているから」
あさひ姉ちゃんが必死の口調で言った。
「駄目だよ。恥ずかしい声を響かせたくなかったら、我慢してね」
真夫は構わず、舌を乳房から脇の下に動かしながら、一本の指であさひ姉ちゃんの膣を掻きまわしてやる。
あさひ姉ちゃんの秘肉の奥は、おびただしい量の蜜で溢れていて、しかも内側の粘膜が指に絡むように吸い付いてくる。
「んふうっ、ふうっ、あっ、ああっ」
指を深く、浅く、抽送する。
あさひ姉ちゃんは、懸命に歯を食い縛ろうとしているようだけど、どうしても我慢できないらしく、いやらしい声がだんだんと大きくなっていく。
もう、どこをどうすれば、あさひ姉ちゃんが感じるのかを思い出してきた。
真夫は、指を二本に増やして、あさひ姉ちゃんの感じる膣の奥の場所を強く弱く刺激した。
「はあああっ」
いきなり、あさひ姉ちゃんが悲鳴のような声をあげた。
さすがに慌てて真夫は口を塞いだ。
あさひ姉ちゃんは、理性を失ったように、激しく腰を動かし始める。
絶頂はもうすぐのようだ。
真夫は、指の動きをさらに加速させた。
あさひ姉ちゃんの身体の悶えが激しくなる。
「んふううっ」
手で押さえている口から大きな声が迸り、あさひ姉ちゃんの身体が弓なりになった。
だが、真夫は指の動きを不意に緩やかにした。
すると、あさひ姉ちゃんが物欲しそうに腰を振り立てた。
しかし、無視する。
そして、たっぷりと時間を開けてから、改めて激しく指を動かした。
でも、また達しそうになるのを見計らって、刺激をやめてしまう。
あさひ姉ちゃんは、緩急のたびにもどかしそうに身体を悶えさせ、ときには、焦れったそうに鼻にかかった息をあげる。
同じことを五回繰り返した。
「ま、真夫ちゃん、意地悪しないで。お願いよっ」
あさひ姉ちゃんは、切羽詰まったように叫んだ。
「俺の雌犬になると誓えば、本物をあげるよ、恵」
わざと言った。
「ああっ、なる。なります。真夫ちゃんの雌犬に。ああ、う、嬉しい……」
すると、あさひ姉ちゃんが感極まったように声をあげ、そして、まるで気をやったようにぶるぶると震えた。
ちょっと驚いた。
「脚を開いて、恵……」
真夫は言った。
あさひ姉ちゃんが素直に大きく脚を開く。
真夫はそそり立っている怒張をあさひ姉ちゃんの中に貫かせていった。
「んあああっ」
あさひ姉ちゃんが激しく腰を突きあげた。
首輪と手錠で拘束された状態で犯されることで、あさひ姉ちゃんはすごく欲情しているようだ。
細く高い声を出して、身体全体で愉悦を表現しながら、まずます色っぽく身体をくねらせる。
だが、真夫はさっきの指で焦らしたときのあさひ姉ちゃんの狂乱したような仕草がもう一度見たくて堪らなかった。
幸いにも、さっき一度出したから、真夫はかなり自制ができる状態だ。
それに比べて、あさひ姉ちゃんがすっかりと追い詰められているのは明らかだ。
真夫はさっきと同じことを続けた。
怒張で激しく突きあげながら、あさひ姉ちゃんが絶頂しそうなところで、律動を中断して少し落ち着くのを待つのだ。
実際にやった。
いきそうになってはやめ、やめては突くということを繰り返した。
五回を超えたところで、あさひ姉ちゃんは泣きじゃくりだした。
十回になると、あさひ姉ちゃんはがくがくという身体を震えがとまらなくなり、しゃくりあげるような嗚咽とすすり泣きを繰り返すようになった。
股間はまるでおしっこでも洩らしたように蜜が垂れ続ける。
「真夫ちゃん、もう、お願い」
十五回目であさひ姉ちゃんが泣きながら言った。
もう、あさひ姉ちゃんの身体は汗びっしょりで、眼は朦朧としている。
真夫は、律動を激しくした。
あさひ姉ちゃんの裸身が跳ねあがる。
「んふうう、あああっ」
そして、あさひ姉ちゃんは、もう声を抑えることを忘れて、吠えるような声をあげながら絶頂した。
真夫は、今度は逆に、あさひ姉ちゃんに休む間を与えないように、股間を突き続けた。
限界を超えた焦らしで、あさひ姉ちゃんは膨れあがった快感の袋のような状態になっていたようだ。達したばかりだというのに、それに重なるようにすぐに絶頂の反応を示した。
そして、二度目の絶頂……。
間髪入れずに、三度目──。
「も、もう、無理いいっ」
あさひ姉ちゃんが悲鳴をあげた。
「お、俺も……」
真夫もこれ以上は自制は無理だった。
全身を限界まで弓なりにして、がくがくと身体を震わせるあさひ姉ちゃんに、真夫はありったけの精を注ぎ込んだ。
「ああ……、ま、真夫ちゃん……」
精を注ぎ込んでいる途中で、急にあさひ姉ちゃんが脱力したのを感じた。
ふと見ると、眼が閉じられて完全にぐったりしている。
どうやら、軽い気絶状態になったみたいだ。
「あ、あさひ姉ちゃん?」
びっくりして、あさひ姉ちゃんから怒張を抜いた。
とりあえず満足した真夫の男根は、やっと落ち着きを取り戻したところだ。
「あさひ姉ちゃん、ご、ごめん……。大丈夫?」
施設にいた頃には、あさひ姉ちゃんだけでなく、同じ施設の女の子をたくさん抱いたけど、エッチの最中に気を失われることは初めてだ。
ちょっと驚いてしまった。
だが、あさひ姉ちゃんは、すぐに眼を開けた。
真夫はほっとした。
「……はあ、はあ、はあ……。も、もう、動けない……はあ、はあ、はあ、ちょっと……休ませて……。だ、だめ、あたし、真夫ちゃんだと……か、感じすぎちゃう……」
あさひ姉ちゃんが荒い息をしながら、うっとりとした視線で真夫を見上げた。
その色っぽさに、真夫はどきりとした。
「か、身体を洗おう、あさひ姉ちゃん……。お風呂沸かしてくるね」
真夫は立ちあがった。
「あっ、あたし、入れるわ……。こ、これ、外して、真夫ちゃん……。また、嵌めてもいいから」
あさひ姉ちゃんが身体を起こした。
だけど、あさひ姉ちゃんの両手は、手枷で首輪の後ろに固定されたままだ。
「駄目だよ、あさひ姉ちゃん、明日の朝までそのままと言ったでしょう。待ってて」
「そ、そんなあ、うう……」
あさひ姉ちゃんが裸身を恥ずかしそうにくねらせる。
真夫は笑いながら立ちあがった。
そのとき真夫は、あさひ姉ちゃんが首輪や手錠をしまっていた箱の中に入れてあるSM写真集のあいだから、紙片が挟まれて出ていることに気がついた。
小さな写真にも見える。
「なあに、これ?」
真夫はもう一度腰をおろして、箱から今度は写真集を出した。
「ひいっ、そ、それは、やめてっ。み、見ないで」
あさひ姉ちゃんが絶叫した。
見るなと言われれば、余計に見たくなる。
真夫は、写真集を開いた。
「ああ……開けちゃった……。ご、ごめんなさい、真夫ちゃん。ごめんなさい……。ごめん……」
あさひ姉ちゃんが泣くような声で謝りだす。
その理由はすぐにわかった。
そして、驚いた。
SM写真集に紙片が挟まれているように見えたのは、あさひ姉ちゃんが写真集に張っていた小さな顔写真が剥がれて、写真集に挟まれたようになっていたのだ。
顔写真は、施設にいた頃の真夫の顔だった。
しかも、そのページに限らず、写真集に映っている責め側の男の顔の全部に、それをコピーした真夫の顔写真が貼ってあった。
これはあさひ姉ちゃんがエッチな気分になったときに使うものだと思うが、つまり、あさひ姉ちゃんは、これを真夫の顔を貼って使ってくれていたのだ。
あさひ姉ちゃんが、真夫に責められることを想像して、ひとりエッチをしてくれていたのかと思うと、真夫は有頂天になった。
自分の恥部をあっさりと真夫に見つかってしまったあさひ姉ちゃんは、完全に意気消沈している。
「謝ることないよ、あさひ姉ちゃん……。そして、ありがとう。俺も本当のこと言うね。この二年間、寮でひとりエッチするときは、いつもあさひ姉ちゃんと愛し合ったときのことを想像していたよ。本当だよ」
「うう……ありがとう、真夫ちゃん。嘘でも嬉しい……」
あさひ姉ちゃんは言った。
「嘘じゃないよ」
真夫はにっこりとあさひ姉ちゃんに微笑んだ。
あさひ姉ちゃんは、ちょっとだけほっとした顔になった。
真夫は両手を頭の後ろで拘束されているあさひ姉ちゃんを引き寄せると、あさひ姉ちゃんの唇に口を重ねた。
すると、あさひ姉ちゃんの舌がすぐに真夫の口の中に入って来て、むさぼるように舌を吸い始めた。