絹香の自慰が本格的なものになるのに、それ程の時間はかからなかった。
真夫は、操心術でほんの少しだけ、絹香の抵抗心を削いでやっただけだ。本当に触れるか触れないか程度の改変であったのに、あとは雪崩を打つように、絹香の心が勝手に淫情でいっぱいになった。
絹香は美しい外見と、真面目な優等生としての素行とは裏腹に、その内面にはびっくりするくらいの性欲で溢れている。
しかも、かなりの特殊な性癖だ。
真夫は、それを操心術による読心で理解した。
辱められたい……。
汚されたい……。
支配されたい……。
しかも、徹底的に……。
そんな願望で満ち溢れていた。
そして、その欲望が従者生徒である双子への性的悪戯に発展していたようだ。
いまこそ、わかった。
試すも試さないもない。
ちょっとばかり、脅迫電話と写真で脅せば、絹香は呆気なく、それに屈して……、いや、屈したと自分自身に思い込ませて、およそ、平素の絹香では考えられないような破廉恥な恰好でやってきた。
おそらく、絹香はなにを言われても、なにを命令しても逆らうことはないだろう。
なにしろ、絹香の本当の欲望は、絹香自身を完全に壊してくれることなのだ。
もしかしたら、絹香自身も気がついていないかもしれないが、絹香の平素の姿が、誰もが認める「いい子」なのは、その性癖の代償だ。
いつもの絹香が清楚で有能で真面目そうであればあるほど、壊されたときのギャップが大きい。
絹香は自分を恥辱のどん底に追い込んでくれる存在を心の底から待ち望んでいるのだ。
真夫には、それがわかった。
自虐癖……。
露出癖……。
被虐癖……。
そんなものが絹香の心を支配している。
だから、ちょっとしたきっかけさえあればよかったのだ。
しかし、それだけに、絹香には問題がある。
心の願望が強すぎるようなのだ。
おそらく、自分自身ではストッパーが効かない。
放っておけば、どこまでもエスカレートして、どんどんと歯止めがなくなる。
絹香はそういうタイプだ。
真夫にはすぐにわかった。
だから、こうやって出てきた。
ひとりにさせたら、脅迫のまま、本当に素っ裸で人前で痴態を晒しそうだったからだ。
「あ、ああっ、んふう、ああっ」
いまもだ。
自慰を命じたが、だんだんと声も大きくなっていっている。
人に聞こえるかもしれないという興奮が、却って絹香を大胆にさせている。
なにしろ、これは脅迫だからだ。
言うことをきかないと、破滅させられる……。
そう思い込むことで、絹香は自分自身を解放させているのだ。
いずれにしても、彼女には、ちゃんと支配してくれる「ご主人様」が絶対に必要だ。
さもなければ、おかしな男に捕まり、徹底的に利用されて、骨の髄までむしゃぶり尽くされるのが落ちだ。
変な男が絹香の真の性癖に気がついたら、絹香はいとも簡単に破滅への奈落に転落するだろう。
真夫は嘆息した。
絹香を支配してやるしかなさそうだ。
そして、一度面倒を看たら、最後まで管理する必要もあるかもしれない。つまりは一生だ。
真夫ははっきりと決意した。
「声を我慢しないか、絹香。勝手にいやらしい声を出すな、雌犬。さかりのついた犬か──。この写真や映像がある限り、絹香は俺の言いなりだ。許可なく声を出すな。自慰は続けろ」
真夫は言った。
「は、はい……。ご、ごめんなさい……。はあっ、んん、んんっ」
絹香がぶるぶる激しく震えた。
どうやら、口汚く罵られただけで、本当にいきそうになったみたいだ。
本当に変態なのだ。
真夫はにんまりしてしまった。
やがて、絹香の身体の震えが激しくなった。
真夫はすかさず、絹香の隣の席に移動した。
だが、自慰に没頭している絹香は、それさえも気がつかないようだ。
真夫は、絹香の両手を掴むと、さっと背中側に移動させる。
直前に送った信号で、さっき絹香の両手首に嵌めさせた金属の輪が電子磁石モードになっている。
両手首の金属の輪が絹香の背中でがちゃんと金属音をたてて密着した。
「あっ、そ、そんな」
絹香がびっくりして顔をあげた。
そして、きょろきょろと顔を動かして、真横に真夫を認めて眼を丸くした。
やっと、真夫が隣に座っていることに気がついたようだ。
「なにがそんなだ。誰が勝手にいっていいと言った。奴隷のくせに」
「えっ?」
絹香は呆けた感じで唖然としてる。
まだ、達する寸前で自慰をやめさせられたことに当惑しているようだ。
「なに? まさか、すぐに解放してもらえると思った? 絹香はもう俺の奴隷だよ。徹底的に支配してあげるね」
「ど、奴隷……?」
絹香の顔が驚きで硬直したようなった。
しかし、一方で、絹香の心に大きな期待感と激しい興奮も沸き起こった。
本当に愉しい子だ。
真夫はいままで知らなかった絹香のことが知れて嬉しくなった。
「まあいい。奴隷の作法はゆっくりと教えてやろう。じゃあ、自分の立場を理解してもらうために、絹香には二つの選択肢があることを教えてあげるよ」
「選択肢?」
「ああ……。ひとつは、俺が手に入れた写真や映像を暴露されて、自分の恥部をなにもかも他人に知られて破滅することだ。そのときには、絹香の両親や双子のお母さんにも、すべて知らせてあげる」
絹香が双子を「ペット」にした過程は、玲子さんの調査記録にかなり克明に記録されていた。面白い読み物だったが、あんなものを調べあげるとは、さすがは玲子さんである。
「そんな……」
絹香が顔色を変えた。
もちろん、それは絹香には選択のできない側だ。
それはわかっている。
こういう追い詰め方も、まあ、「プレイ」の一環だ。
「……もうひとつは、俺の肉便器になることだ。俺がしたいときに犯し、やりたい放題に辱める。絹香のことはすべて管理する。着る服も、排便も、セックスも。自慰もね。勝手にいくことも許されない。達していいのは俺が許可したときだけだ。なにもかも管理する。それが肉便器だ。好きなときに、好きな場所で犯し、気が向いたら孕ませるかもしれない。悪戯だってする。俺専用の玩具だ。もう、普通の生活はできないと思ってよね」
絹香は管理してやらなければだめだ。
真夫は本能でそれを感じた。
「あ、ああ……」
絹香がうっとりとなったのがわかった。
本当に困った女の子だ。
真夫は微笑んだ。
「どうするの?」
真夫は写真をちらつかせながら迫った。
「あ、あなたの肉便器になるわ……。い、いえ、なります……」
絹香が言った。
そのとき、絹香の身体が不意にぶるぶると震えた。
どうやら、自分自身の言葉に感極まってしまったようだ。
真夫は、第二ボタンまで外してあったブラウスのボタンをさらに外した。
「あっ、こ、困るわ」
絹香は驚いて上体をよじったが、両手を遣えない絹香には抵抗のしようもない。
一番下のボタンを残して、ボタンを外されたブラウスからは、絹香の大きな乳房とお臍まで覗けた。
真夫は、さらにブラウスを完全にくつろげて、乳房そのものを剥き出しにする。
「や、やめてったら」
絹香は驚愕している。
「さっき約束したばかりじゃないか。これは俺のおっぱいだ。絹香は俺の肉便器なんだしね。絹香にはなにも文句を言う権利はない。そうじゃない?」
それにしても大きいな。
かおりちゃんやあさひ姉ちゃんはもちろんだが、もしかしたら玲子さんよりも大きいかも……。
真夫はそろそろと乳房を裾野から中心に向かって指を動かした。
「ん、んんっ? そ、そうは言ったけど……」
絹香は困っている。
いくら店側に背を向けているとはいえ、こんなところで胸を丸出しにする緊張感と羞恥心は尋常じゃないだろう。だが、その絹香の内心は、激しい欲情と期待感でいっぱいだ。
「水を……」
真夫はわざとウェイトレスを呼んだ。
絹香が目を丸くした。
「ま、待って、ボタンを……」
絹香がはっとしたように言った。
しかし、真夫は素知らぬ振りだ。
一方で、操心術を駆使して、この店の者の意識から絹香の存在を注意深く消していく。おそらく、その場では絹香を「見る」ことはできるが、一度店を出れば、もう思い出すこともないと思う。
そんな風に「処置」した。
また、これも真夫の操心術の練習だ。
先日の玲子さんのときもうまくいったし、おそらく、今回も大丈夫だろう。
完全に野外のような不特定多数の状態では不可能だが、この店内にいる十名ほどの人員であれば、いまの真夫でも細工はできる。
「……お、お願いよ……。ボ、ボタンをかけて……」
絹香が泣きそうな顔で言った。
真夫は無視して、水の入ったコップを飲み干すと、わざと絹香の正面に置く。
やってきたウェイトレスがコップに水を注ごうとして、びくりと竦んだのがわかった。
一方で、絹香は必死に顔を下に向けて隠している。
ウェイトレスの手は一瞬止まり、真夫と、なによりも絹香に対して侮蔑と嫌悪の表情を向けた。
しかし、すぐにその顔が能面になる。
真夫の操心術が影響を及ぼしたのだ。
そして、淡々と水を注いで戻っていった。
だが、下を向いていた絹香には、その変化には気がついていない。
「ひ、ひどい……」
絹香はぶるぶると震えている。
だが、絹香はすごい興奮状態だ。
もはや、操心術で感情を探るまでもない。
短すぎるスカートの裾の内側から伝い流れてきた絹香の愛汁が、すぼめている内腿の内側にまで落ちてきている。
「だけど、絹香はこんなに興奮して濡れている……。これじゃあ、変態じゃないか。ねえ、露出狂で変態の生徒会長さん?」
真夫はスカートをまくって完全に恥部を露わにしてやった。
絹香の無毛の股がさらけ出される。
「あっ、いやっ、も、戻して……。お、お願いします」
絹香が必死で脚で股間を隠そうともがき、懸命に哀願した。後手の絹香にはスカートを捲られても、直すことなどできない。
こんなところで、乳房も股も剥き出しにされて、絹香は全身を真っ赤にした。
「ほら、見てごらんよ。濡れてるでしょう。それともわからない。だったら、理解するまでこうしてるからね」
「み、認めます。認める。ぬ、濡れてるわ。こ、興奮して……。だ、だから、隠して……」
真夫は満足して、スカートだけは直してやった。
その代わり、指をスカートの下に持っていった。
びしょびしょに濡れている絹香の股に指をなぞらせる。
「ひっ」
絹香が思わず声をあげ、そして、必死の様子で歯を食い縛る。
もっとも、真夫の愛撫も本格的なものではない。
その気になれば、我慢できないでもないくらいのものだ。
それくらいで追い詰めるのが愉しいのだ。
「だったら、絹香は変態だね。それとも、まだ、そうじゃないと言うの? だったら、もっとするよ」
真夫は完全に膨らんでいる肉芽を見つけると、ぐいとそこを押した。
「んんんんっ。み、認める……。それも、認めるから──」
絹香が観念したように言った。
「なにを認めるの?」
しかし、真夫はとぼけた。
どこまでも、絹香を追いつめるのだ。
絹香も内心では、それを望んでいることがわかっている。
こんなのは、お互いのプレイの駆け引きの範疇だ。
「だ、だから……。わ、わたしはへ、変態……。み、見られて……意地悪されて感じる……露出狂の、マ、マゾ……。マゾです……」
絹香が必死の口調で言った。
「はい、よくできました。ご褒美だよ。布を噛ませてあげるね」
真夫は持っていたハンカチを絹香の口に押し込んだ。
絹香はわけがわからず、目を白黒させている。
しかし、すぐになんで布を噛ませられたか、理解するだろう。
そのまま抱き寄せて、片手を剥き出しの胸をまさぐりながら、股間をまさぐった。
絶頂させるのを目的にした本格的な愛撫だ。
絹香は抵抗する手段もなく、一生懸命に布を食い縛って全身を反応させる。
そして、絹香が気をやるのはあっという間だった。
「んんんんっ」
布を噛んでいる絹香がぶるぶると震えた。
真夫は絹香を起こした。
汗まみれの乳房をしまって、ブラウスを戻してあげた。
「はあ、はあ、はあ……」
真夫の指で達してしまった絹香が肩で荒い息をしている。
すでに呆然としている感じだ。
だが、すっかりと満足して、口からはだらしなく涎まで垂らしている。
こんな絹香を見たら、平素の絹香とのギャップにみんな驚愕するだろう。
しかし、まだまだだ。
今日は絹香の歓迎式だ。
こんなもので終わるわけがない。
真夫は準備していた掻痒剤を取り出すと、たっぷりと絹香の股間に塗ってあげた。
しかし、絹香はなにかをされているのがわかっていないようだ。
それくらい、ぼうっとしていたらしい。
やっと気がついたのは、すでに真夫の指が離れてしまってからだ。
「あ、あれ、な、なにかした?」
絹香ははっとしている。
しかし、真夫は立ちあがった。
「そろそろ、出ようよ」
真夫は手に取って伝票を持って去ると、絹香が慌てて腰をあげた。
こんなところに、置いておかれては困ると思ったのだろう。
しかし、すぐに竦んだように止まった。
なにしろ、短いスカートは座っていたために、しわでさらに短くなっている。だが、両手が後ろで拘束されているために、絹香は手で引っ張りおろすこともできないのだ。
そのあいだに、真夫はすでに代金を払い終わっている。
決心したように、絹香が真夫のところまで走り寄ってきた。
またまた、店にいた者たちが驚いて絹香の姿を見ているが、それも真夫と絹香が店の外に出るまでだ。
ここで目撃したものを記憶することのできる者はいない。
まあ、そうでないと、さすがに絹香を知らない生徒はいないのだから、明日には絹香がびっくりするような露出狂の姿で店にいたことが評判になってしまうだろう。
店を出る直前に、真夫は念のための絹香が持ってきたつばの広い帽子を被せた。
店の外については操心術は効かない。
だが、そこには、車を横付けしたあさひ姉ちゃんとかおりちゃんが待っている。
「あ、あれ?」
絹香がふたりの存在に気がついて小さな声をあげた。
しかし、そのときには、かおりちゃんが助手席から出てきて、後部座席を開いて、絹香を押し込んでしまっていた。
「ううう、興奮しちゃった……。あんた、ちょっと怖くてかっこよかったかも。どきどきしちゃった……」
続いて真夫が助手席に乗り込むときに、かおりちゃんが太腿をもじもじさせながら言った。どうやら、店の中のことをモニターで覗いていて、かおりちゃんも欲情しちゃったみたいだ。車の中から店のことが眺められるように、隠しカメラの映像と音声を車内のモニターに繋げてあったのだ。
ふと見ると、運転席のあさひ姉ちゃんも顔が真っ赤だ。
「な、なんで……?」
絹香はいきなりかおりちゃんとあさひ姉ちゃんが登場したことに、驚いているみたいだ。
「なんでって、ずっと電話で話していたじゃないのよ。電話をしていたのは、この真夫君じゃないのよ。わたしよ」
かおりちゃんが言った。
絹香は呆然としている。
一方で、かおりちゃんが今度は助手席ではなく、反対側の扉から後部座席に入ってきた。
絹香は左右を真夫とかおりちゃんに挟まれた態勢になる。
「行くわね」
車が走り出した。
「どこに行くの?」
絹香が後ろ手のまま、もじもじして言った。
「あんたが気にする必要はないのよ。だって、変態のマゾなんでしょう?」
かおりちゃんが言うと、絹香が引きつったようになった。
「心配しないで。絹香ちゃん……。あたしたちも一緒だから」
運転しながら、あさひ姉ちゃんが言った。
「そういうことね」
かおりちゃんが絹香に目隠しをする。
「わっ、な、なんで……」
絹香が小さな悲鳴をあげる。
「いいから、いいから、気にしない。あんたはただ、恥ずかしがっていればいいのよ」
かおりちゃんが絹香の服を鋏で切り始める。
普通に脱がしてもいいが、こっちの方が絹香は恥辱を感じるだろうというかおりちゃんの発案だ。
真夫も反対側からじょきじょきと服を切り刻んでいく。
「そ、そんな……。ま、待って、いやよ」
絹香は声をあげたが、その抵抗は小さい。
あっという間に、絹香は生まれたまんまの姿にされた。
靴と靴下まで、かおりは絹香から取りあげた。
「じゃあ、ゲームの続きよ。次のステージは教室だからね。頑張ってね」
かおりちゃんが絹香に言った。
「きょ、教室って……」
目隠しをしている素っ裸の絹香がびくりとする。
しかし、その直後、急に脚を激しく暴れさせ始めた。
「か、痒い──。な、なに、これ? か、痒いよ」
やっとさっきの掻痒剤が効果を発揮し始めたようだ。
必死の仕草で腿を擦りつけ出す。
もちろん、そんなもので、その痒みが消えるわけがないが、真夫はもっと意地悪を準備している。十センチほどの金属の棒の両端についた膝枷を絹香に嵌めたのだ。
がに股で歩けば、歩くことには支障はないが、これで股を擦りつけることはできなくなる。
「じゃあ、あさひ姉ちゃん、しばらく人通りの多いところを進んであげてね」
「はい、真夫ちゃん」
あさひ姉ちゃんは最初からの取り決めによって、真夫の指示とは全然別の、外柵沿いのまったく人の少ない場所に向かう。
しかし、そんなことは、目隠しをされている絹香にはわからない。
びくりと絹香の身体が竦んだ。
「注目されたければ、痒いと大騒ぎしてね、生徒会長さん」
かおりちゃんが意地悪な口調で、窓を開いた。
外気の風を感じた絹香が「ひっ」と小さな悲鳴をもらした。