※この作品はR-18です。

淫魔王のいる学園【完結】   作:ドン・ドナシアン

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 77話 老女のお仕置き

「まあ、落ち着けよ……。このところ、構ってやらなかったから、ちょっと血が昇ってんだろう、正人(まさと)。久しぶりに、遊んでやるぜ」

 

 秀也は、正人を跪かせると、拘束棒を使って、足首と足首、膝と膝をそれぞれに棒の両端に装着されている枷に繋ぎとめた。そのうえで、背中側で手錠をかけさせて、手首と手首を繋ぐ鎖に、別の鎖をかけて、足首の拘束棒の中心の金具に繋げる。

 さらに首輪も嵌めて、天井から吊っている鎖に繋げる。

 拘束棒は床の金具にもそれぞれに固定させた。

 これで正人は、脚を拡げて跪いた状態から完全に動けなくなった。

 

「ああ、秀也さん」

 

 早くも興奮状態になった様子の正人が甲高い声をあげる。

 正人は、一年前、玲子を強引な手段で豊藤グループに引き入れたのと同じ時期に、秀也の個人的な付き人として雇った男だ。

 気に入ったのは、その端正な顔立ちと、それに見合わない武芸だ。

 どこで習ったかは知らないが、武器も扱えて機転も利くので用心棒としてちょうどいいと思ったのだ。連れてきたのは龍蔵(りゅうぞう)であり、これからは操心術だけでは身を守ることができないかもしれないので、用心棒を置けと言ってきたのだ。

 

 身元は龍蔵が保証した。

 よくは知らないが、独自の伝手で信頼する筋から雇ったらしい。

 それで、そばに置くことになった。

 実のところ、秀也はこの数年、だんだんと身体が衰えるということが続いていた。身体だけでなく、操心術そのものもだ。

 これまでは、操心術そのものが、秀也を誰にも危害を加えることができない「アンタッチャブル」にしていたが、確かに操心術が衰えれば、あるいは敵意のある存在の接近を見つけるのが遅れるかもしれない。

 とにかく、正人には、操心術で秀也の命を最優先で守るように刻み込み、そのうえで身の回りの世話や小間仕事をさせる付き人として便利に使っている。

 

 だが、なによりも気に入っているのは、この男が重度のマゾであることだ。しかも、女ではなく、男に責められるのを好むのだ。

 普段は凛として、凄みさえ感じるこの正人が、秀也の調教となると、途端に女のようによがるのが愉快で、ずっと気に入ってそばにいさせている。

 正人のような存在は、秀也にはずっといたが、長くても半年しか使用せず、その後は操心術で一切の記憶を消失させ、大金を与えて追い払ってきた。

 用心のためだ。

 同じ人間をずっと使うと、その存在が拉致をされて、工作の道具として使われる危険が発生するからだ。

 しかし、正人をずっと一年以上も使い続けているのは、このマゾの性癖が面白いからだ。 

 

「どら、身体を見せてみな」

 

 そして、秀也は、次いでナイフを取り出して、上衣のシャツを一気に左右に切り割いて左右にはだけさせる。

 ところどころには筋肉はあるが、全体的には色が白くて細い。身体の線も丸くて女のような身体だ。

 体毛も一本もない。

 なによりも、小さいが乳房がある。

 秀也は手を伸ばして、乳首を弾くように弄った。

 

「ああっ」

 

 正人は傷ついたかのように、呻き声をあげて大きくうなじを仰け反らせた。

 顔はすでに火照り、切なそうに左右に激しく動かす。

 

「お前、また女性ホルモンを増やしたか? ますます、女みたいな身体になったな。いっそのこと、玉も切り取るか?」

 

 秀也は正人をからかいながら、正人のはいていた細いズボンをどんどんと切り刻んでいく。あっという間に膝から上が布片になって周囲に散らばった。

 正人のビキニのような下着に包まれた一物は、はち切れんばかりに膨らんでいる。

 

「もう、逞しくしてんのかよ。どれ」

 

 ナイフの刃を差し入れ、さっと切断する。

 正人の一物は、正人自身が趣味で投与している様々なホルモンの影響でまるで小学生のように小さい。だが、完全に勃起している。しかも、一本の陰毛もない。

 陰毛については、秀也が手配して、二度と生えないように永久脱毛させてやったのだ。

 秀也は、正人の陰茎の根元に金属のリングを嵌めて、ぐっと絞った。

 

「あううっ──。しゅ、秀也さん、ああっ……。そ、それはお許しを……」

 

 正人がよがった。

 こいつは、こうやって射精管理の調教をすると、いつも泣きそうな顔になって哀願する。だが、秀也は実は正人がこうやって、股間をいたぶられるのをなによりも好むということを知っている。

 

「お前の好きな油剤を塗ってやるぜ、正人──。今日はちょっとした趣向を準備しているからな。勃起が収まらないようにするための処置だ」

 

 さらに秀也は、正人の小さな怒張に、強力な媚薬を塗り始める。

 秀也の手に包まれると、正人はまさに女のような声を出して身体を淫らに悶えさせる。先端からは早くもねらねらと興奮の樹液が漏れ出てくるが、出てくるのはそこまでだ。本格的な射精は、陰茎の根元の射精止めがしっかりと阻んでしまっている。

 

 ここは、龍蔵の屋敷ということになっている学園に隣接した建物の地下だ。

 龍蔵や秀也、そして、時子が暮らしているこの場所は、地面に出ている部分は単なるカモフラージュであり、実際には、そこから地下に潜って、さらに横に移動した秘密の場所に存在をする。

 いまこの瞬間に、学園に核爆弾が落ちたところで、秀也たちを殺すことは不可能だ。

 ここはそれくらい厳重にされた深い地下に存在しているのだ。

 

 こうやって、今日、昼間から正人と調教することになったのは、ほかでもない。

 正人から連絡が入り、重要案件を報告したいと伝えてきたのだ。

 それで、いつもはこの屋敷の外でしか会わないのだが、手配をして正人がこの屋敷内に来るのを許可した。

 

 そして、なんの報告かと思えば、真夫(まお)のことだった。

 正人によれば、真夫が六人目の愛人、すなわち、奴婢を手に入れたということだった。秀也は別のルートから、既にそれを知っていたが、正人は血相を変えている様子だった。

 

 正人は、龍蔵が真夫を後継者とする条件として、半年以内に十人の奴婢を作れと示したことを承知していて、それから、十日しか経っていないのに、もう六人になったことに危機感を抱いているのだ。

 それで、このままではまずいので、許可を受ければ、阻止するための行動をとると言ってきた。

 秀也の返事は、正人に対する調教の開始であり、少し上がり切った血を覚ませと、こうやっていたぶっているというわけだ。

 

「どら、今度は別の媚薬だ。痒み剤だ。泣き狂うくらいのな。それを尻の穴に塗ってやるぞ」

 

 秀也はゴム手袋を右手に嵌めると、調教具の中からひとつのチューブを取り出して、指の上に載せる。それを正人の尻穴に挿入して、たっぷりと塗っていく。

 

「ああ、それだけはお許しを……。あああっ」

 

 正人が拘束された身体をがちゃがちゃと揺らして泣き喚く。

 だが、構わず、容赦なく正人の女のようなきれいな尻に薬剤を塗っていく。正人は甘い声をあげて、腰を淫らに動かした。

 

 そのとき、部屋に訪問者がやって来たことを告げる呼び鈴が鳴った。

 

「えっ?」

 

 すると、正人がたったいままでの陶酔のような表情が嘘のように、はっとして顔を蒼くした。

 実は、この正人は、いままで秀也とふたりきりのときにしか調教をしてやったことがない。

 マゾの癖に妙にプライドも高くて、自分のよがり姿を第三者に見られるのを嫌がるのだ。

 正人が、自分のよがり姿を他人に見られることを心の底から嫌がっているというのは、秀也は操心術を遣うことで知っている。

 だが、今日はいい機会だから、その殻を破らせてやろうと思っている。

 

「おう、入れ」

 

 秀也は正人の尻穴から指を抜いて、座椅子まで戻ると、肘掛けにある操作具を押した。

 自動扉が左右に開いて、時子が現われた。

 

 右手に乗馬鞭を持ち、左手に首輪に繋いだ鎖を手にしている。鎖に繋がっている首輪を嵌められているのは、龍蔵の新しい愛人のナスターシャだ。

 秀也が手を回して、龍蔵の調教用の奴婢としてあてがってやったフランス女だ。

 豊藤グループの龍蔵に仕える秘書として、国外の企業から推薦があった人材だ。試しに会うと、確かに若くて有能だが、怖ろしく気が強くて、しかも、心の底では東洋人を小馬鹿にしているということがすぐにわかった。

 だから、秘書ではなく、龍蔵の玩具として連れてきた。

 龍蔵は大喜びであり、いまでは、このナスターシャをいたぶって泣かすことに、寝食を忘れるほどに夢中になっている。

 

「そ、そんな秀也さん──。ちょ、ちょっと待ってください」

 

 正人が狼狽して声をあげた。

 だが、完全に拘束が終わっていて、正人には勃起した股間を隠す手段はない。しかも、尻穴には猛烈に痒みを発する媚薬を塗られてしまっている。

 もうどうしようもない。

 

「時子か……。伯父貴はどうした? そいつは?」

 

 秀也は声をかけた。

 時子がここに来ることはあらかじめの事前の打ち合わせの通りだが、ナスターシャを連れてくるということは、事前の話にはなかった。

 最近では、龍蔵は常に自分にナスターシャを侍らせており、それを離すというのは珍しいことなのだ。

 

「龍蔵殿は外出です。どうしても、会わなければならない人がいるということでね。そのあいだ、この雌犬の調教を任されたわ」

 

 時子は言った。

 秀也は驚いた。

 

「おいおい、伯父貴を外出させたのか? 危険だろう」

 

 豊藤グループの総帥といえば、常に国際組織に狙われている暗殺や誘拐の対象だ。だから、ほとんどの時間を、この隠れ処のような屋敷に閉じこもって過ごし、絶対に必要な場合を除いて、部外とは接触せず、ほとんどを映像などで対応している。

 あるいは、この一年そうだったように、玲子のような存在を通じて、指示や報告を交換するかだ。

 

「それなりの処置もしました。傀儡も三人使って欺騙しています。ちょっとわからないように変装もさせました。護衛の手配もしているわ。きっちりと十二時間後には、ここに戻ります」

 

 時子は言った。

 秀也は肩を竦めた。

 まあ、時子が大丈夫というのであれば、大丈夫なのだろう。豊藤グループの総帥の秘書のような仕事を何十年もしてきた女だ。

 その辺に抜かりがあるわけがない。

 

「それにしても、その女は、なんだこりゃあ。いつの間にこんな変態的な奇形にしたんだ?」

 

 秀也は時子が連れてきたナスターシャの姿を見て、呆れて言った。

 ナスターシャは両手を両足を降り曲げられ、四肢のそれぞれをまとめられて、革帯を装着されている。折り曲げた部分に、蹄のようなものがあり、それでないと歩けないという仕組みだ。だから、ナスターシャは、首輪を引っ張られて、四つん這いで歩くしかないということだ。

 また、口には革製の口枷を装着されていて、それが口の中で動いている感じだ。目に涙を浮かべて苦しそうにえずいたりしているので、おそらく、口に中に入っているのは、強制的にフェラチオをさせる玩具だと思う。

 

 それはいいのだが、奇形はふたつの乳房だ。

 まるで乳牛のように、かなりの巨乳になっている。そして、乳首に細い鎖の繋がったピアスが付けてあり、そこにぶら下がった金具が床に当たりながら歩いているのだ。

 しかも、それによって乳首が刺激されるたびに、異常なほどに反応もしている。

 

「ふふふ、驚いたでしょう、秀也さん。先日、龍蔵殿がこのナスターシャの豊乳手術をしたんですよ……。龍蔵殿は、この女の乳首をクリトリス並みに敏感な場所にもしたということよ。かなりの高等の技術が加わっているわ。人工神経もたくさん繋がっています。さらに、こんな仕掛けも……」

 

 時子はナスターシャの横にしゃがんで、無造作に乳首ごと乳房を揉み始める。

 

「んぐうううっ」

 

 ナスターシャが四つん這いの身体を弓なりにして吠えた。

 しばらくすると、時子が揉む乳房から、男が射精をしたように、白濁液がぴゅっと飛び出した。ナスターシャは昇りつめたような仕草で、がくがくと身体を震わせ、そして、脱力した。

 

「へえ、乳で射精をするようにしたのか……。まったく、変態だなあ、あの(じじ)い」

 

 秀也は心の底から呆れて言った。

 正直に言えば、秀也は女でも男でも、いたぶって泣かせるのは好きだが、このナスターシャに施したように、外観を損なう奇形にしてしまうような行為は好きではない。

 まあ、かなりの巨乳に変わったが、まだぎりぎり許容範囲ではあろうが……。

 その時子がナスターシャを引っ張って、正人の前にやって来た。

 

「それにしても、正人、久しぶりねえ。いい恰好にしてもらっているじゃないの。今日は、ちょっと悪いけど、あんたの子種をもらうわよ。龍蔵殿に、このナスターシャを孕ませるようにと命じられているのよね……。ちょっと、このナスターシャとまぐ合いしてもらうわ」

 

 時子が酷薄に笑った。

 正人だけでなく、犬のよう連れられているナスターシャも顔色を変えた。

 

「な、なにを言ってるんだ──。しゅ、秀也さん、そんなことはしないでください。お、俺は……」

 

 正人が顔を真っ蒼にして叫んだ。

 

「無駄よ。秀也さんの許可も貰ってるわ。それに、ちょうど、このナスターシャは今日は危険日なのよ。しかも、豊藤グループの開発した妊娠しやすくする薬剤を大量に投与しているわ。今日、子宮に精を注がれれば、確実に妊娠すると思う。まあ、ちょっと協力してね」

 

「そ、そんな、や、やめてくれ。い、いやだ。や、やめろう」

 

 正人が金切り声で叫んだ。

 女に興味のない正人にとっては、女とまぐ合いをするだけで拷問だろう。

 そのくせ、媚薬を塗られた股間はしっかりと勃起したままだ。そろそろ、尻穴の痒みも猛烈に効いてくる頃だ。

 あの一物を無理矢理、ナスターシャの秘部に突っ込ませ、尻穴を弄れば、正人は狂ったように射精を繰り返すと思う。

 

 それにしても、時子め……。

 正人には、ナスターシャを妊娠させるための処置に、正人を使うことについて、秀也も同意しているというような物言いをしたが、そもそも、秀也はここにナスターシャが来ることすら知らなかったのだ。ただ、今日は、正人の調教を時子がやるということを承知しただけだ。

 まあいい……。

 秀也が正人を裏切ったという図式にしたのも、秀也による真夫への最初の仕打ちについてのお仕置きだろう。

 秀也は苦笑した。

 仕方ない……。話を合わせるか……。

 

「まあ、正人には悪いが、伯父貴の悪趣味を恨め。別にいいだろう。子種のちょっとくらい──。伯父貴はこの毛唐(けとう)を孕ませたいんだとよ」

 

 秀也は笑い声をあげた。

 あまりに、正人の狼狽えぶりが愉快だったからだ。

 

「んふうっ、んふうっ、んん」

 

 一方でナスターシャが激しく首を振った。

 その形相には、心の底からの恐怖が映っている。

 妊娠をさせるなどという仕打ちを受けるのは、たったいま初めて耳にした感じだ。

 

「うるさいわねえ……。静かにしなさい、ふたりとも──。正人、お前もよ──。秀也さんの近くに侍っているせいで、このところ、ちょっと増長しているのは知っているのよ。今日は、お前もただの奴婢にすぎないということを思い知らせてやるわ」

 

 時子が乗馬鞭をナスターシャに数発振るって大人しくさせてから、今度は正人の股間を下からひと打ちした。

 

「うがあああ」

 

 正人が吼えるような悲鳴をあげた。

 あれは痛い……。

 容赦のない時子のやり方に、秀也も思わず顔をしかめた。

 いずれにしても、時子はこの正人が、なにかと真夫にちょっかいを出していたのを知っている。ある程度は、秀也が指示したものがあるが、それ以上に、この正人は強引な手段で真夫の周囲に手を出していた。

 例の朝比奈恵を竜崎という粗暴な男子生徒に襲わせたときもそうだったし、ほかにも、まだ実行には移していないものの、秀也に無断で、いろいろと裏工作を始めようと動いていたのもわかっている。

 

 真夫贔屓(びいき)の時子は、すでに終わった恵のことはともかく、さらになにかを無断でやろうとしているのを知って怒り狂い、今日のことになった。

 あの恵に手を出させたことについては、秀也もまた時子の怒りの対象だったが、今日、正人を差し出すことで許してくれることにもなった。

 まさか、ナスターシャを妊娠させるために、強制的にセックスをさせるとは思わなかったが……。

 

 まあ、悪く思わないでくれよ、正人──。

 秀也は心の中で詫びた。

 

「ほら、口を開きなさい。もう一発、睾丸を打つわよ」

 

 時子は二十センチほどの勃起した男根の張形を正人の口の中に入れようとしている。それはうねうねと振動と蠕動運動をしており、革ベルトで頭の後ろで留めるようになっている。

 おそらく、あれはナスターシャがしているものと同じものだろう。

 

「んぐうう、んぐう」

 

 結局、正人は時子によって、口の中に大きな男根のディルドを挿入されてしまった。

 張形の先端は、正人の喉まで届いているのだろう。

 正人は涙をぼろぼろと流しながら苦しそうに、何度も吐くような仕草をしている。

 

 次に時子は、部屋の隅にあった椅子型の器具を持って来て、四肢を畳まれて拘束されているナスターシャをそこに座らせた。産婦人科の検査椅子のような形に似ている。

 時子がナスターシャの全身を数十本の革ベルトで縛って椅子から離れられなくする。

 腰の中心部の下はなにもなく、左右に尻たぶだけに座椅子があり、両脚は大きく上に拡げて、ハンドルで操作して自在に開くようになっていた。

 椅子全体の高さも角度も自由にできる。

 時子は、膝立ちで拘束されている正人のペニスにぴったりと秘部の位置が来るように、ナスターシャの股間の高さと角度を調整した。

 

「さあ、よろしく頼むわね」

 

 時子が正人の方向にナスターシャを椅子ごと運ぶ。

 椅子には車輪がついていて、簡単に押せるようになっていた。

 

「んんんん」

「んんんぐう」

 

 ふたりが悲痛な顔でそれぞれに首を横に振る。

 しかし、簡単にふたりの股間は完全にぴったりと密着した。

 正人には勃起が収まらないように、特別な媚薬を塗っているが、ナスターシャも同じような薬剤を塗布されていたのかもしれない。

 時子がふたりの腰を革ベルトで縛って離れないようにする。

 

 一方で秀也は、信号を送って正人の一物の根元の射精止めのリングを外した。

 金属音がして、リングが外れて床に落ちる。

 時子はさらに、正人の尻穴に金属の棒を挿し入れて抜けないように固定した。

 棒は背後の機械にコードで繋がっていて、正人を強引に射精させる電流が流されるようになっている。しかも、その電流を腰の筋肉に流し、直接に腰に電気刺激を送って律動運動を無理矢理にさせさえする。

 時子が機械のスイッチを入れると、さっそく正人が吼えるような悲鳴をあげた。

 

「さて、こんなものかしら……。とにかく、真夫坊には、もう手は出させないわよ。あなたにもね──」

 

 隣に腰かけてきた時子が秀也をぎろりと睨んだ。

 

「怖いねえ」

 

 秀也は笑いながら、わざとらしく怯えた仕草をしてみせた。

 

「ところで、秀也さん、真夫坊が面白いことを始めたのを知っていますか? 来月の学園の発表会のときに、例のSS研で発表展示をするそうですよ。あの愛人クラブが初めて、文化部らしいことをするみたいね」

 

 時子が言った。

 

「ああ、聞いている。拷問の歴史だろう。こっちにも、請求書がきているぜ。玲子のやつ、真夫の命令だと必死だな。金に糸目をつけずに、どんどんと言われたものを買い漁っている。あるいは、手を回して、町工場に製造させたりしているみたいだな……。まあ、いくらでも使っていいとは、伯父貴の指示として伝えてはいるが……」

 

 真夫は、SS研の展示として、拷問や羞恥をテーマとして絵画や拷問の図画、あるいは、拷問具のレプリカを展示するつもりらしい。

 なかなか面白いことを考えるものだと思った。

 秀也としても、個人的に見てみたい気もする。

 

「あれは、ただの展示じゃありません。真夫坊が次の奴婢を捕まえるための撒き餌なんですよ。本当に、あの子って愉快な思いつきをするのね」

 

 時子は笑った。

 

「撒き餌?」

 

 秀也は首をひねった。

 そのとき、正人の吠えるような声が聞こえた。

 さっそく、一発目の射精をしたのだろう。

 だが、精を放っても、尻穴に入れた金属棒からの電流ですぐに強引に勃起するはずだ。

 時子のことだ。

 最低十発は出させると思う。まだまだ正人の受難は続くことだろう。

 

「文化部棟の廊下に掲示している絵画に反応する女子生徒を見極めているのよ。つまり、マゾ生徒を探しているのです。あの絵に大きな興味を抱く者には、なにかしらのそういう願望が心の底にあるということだとしてね」 

 

 時子は、正人やナスターシャなど、まったく気にしていない風で言った。

 それにしても、文化部棟の廊下に、拷問や羞恥がテーマの有名な絵画の模写絵を飾らせているのは知っていたが、そんな目的のためにしてるとは知らなかった。

 いずれにしても、真夫は本気で十人の奴婢を集める気になっているということだ。

 

「だが、西園寺(さいおんじ)絹香(きぬか)に次ぐターゲットは、前田(まえだ)明日香(あすか)だろう? わざわざ、そんなことをする必要があるのか。あの女はマゾだ。だから、俺も絹香同様に、SS研に所属させたんだ」

 

 秀也の時代のSS研に所属していた女生徒は二名。

 ひとりが、西園寺絹香であり、もうひとりが前田明日香である。

 この二名を奴婢にするのは、真夫の既定路線のはずだ。

 もっとも、秀也は絹香については、ある程度手を出したものの、前田明日香については、ほぼ手付かずだった。

 明日香は、絹香と仲の良い「レズ友人」であり、そのうちに一緒にいたぶってやろうと思っていたものの、それを処置する余裕もなく、真夫の存在が明らかになり、それどころでなくなってしまったのだ。

 

「前田明日香については、もうそろそろ動きそうね……。なかなかに、ユニークな罠を考えているみたいですよ。それで、絹香の調教を進めているみたい……。それはともかく、あなたの見込みとは違いますわ。真夫坊は女の調教については甘くない。徹底的です」

 

「いや、甘ちゃんだよ。結局のところ、女に気を遣いすぎだ」

 

 秀也はわざと不満そうに鼻を鳴らした。

 だが、一方で、真夫の女に対するやり方が独特ということを認めざるを得ない。

 正直にいえば、秀也は女を手に入れるのに、操心術に頼り切っていた気もする。そうでないのは、この時子だけだ。

 しかし、結局のところ、秀也には誰もいないし、いま存在するのは、時子くらいのものだ。しかしながら、操心術に頼らなかった時子については、いまでも秀也を離れていかない。

 真夫のやっていることが正しいのではないかということは、本音でいえば、認める気になっている。だが、どうしてもそれを口にするのは癪に障る。

 

 だが、そのとき、時子がくすりと笑った。

 この老女は、操心術も遣えないくせに、秀也の心を読んだかのようだ。

 秀也は横を向いた。

 

「……熱心に何度も真夫坊の仕込んだあの絵画に足を運んで眺めている人物がふたりいます。真夫坊もそのふたりに接近を開始している。わたしの勘では、そのふたりが、八人目と九人目ですね。もちろん、七人目は、前田明日香でしょう」

 

「まあ、とにかく、小僧は本気のようだな。十人の奴婢を集める気か……。やれやれ、このあいだは、伯父貴の前で堂々と、俺に跡目を譲ると言っていたのにな」

 

 秀也は、また肩を竦めた。

 

「そうね、本気ね。あなたも覚悟を決めることですね」

 

 時子が笑った。

 秀也は、「そうだな」と軽く応じた。

 それにしても、「覚悟」か……。

 

 まあ、真夫が本気になったのだとしたら、秀也としても、そろそろ準備していることを進めなければならないだろう。

 どっちにしろ、真夫は操心術を遣える。

 その気になれば、十人の奴婢くらい簡単に集められる。

 真夫は甘ちゃんなので、無理矢理に奴婢にするのをよしとせずに、それでマゾの女子生徒を見つけるために、あんな絵画を飾っているらしいが、操心術は心を操る技だ。

 報告を受けている限り、真夫の操心術は急激に成長しているようだ。

 真夫がマゾ十人を見つけることが難しければ、方針を変えて操心術で心を捻じ曲げて、十人の女を集めることもできる。

 

「じゃあ、俺も、そろそろ動くか……」

 

 秀也は言った。

 このままでは、早晩、真夫は十人の奴婢を確保しそうな勢いだ。

 やるべきことをやらないと、間に合わなくなる。

 

「そうね……。わたしも動きます……」

 

 時子が静かに頷いた。

 秀也も頷き返す。

 もっとも、秀也がやろうとしていることについては、そのすべては時子には話してない。無論、そっちも動く。

 時子には悪いが、秀也も、簡単に真夫に次期総帥の座を与えるつもりはない。

 

 すると、またもや正人が泣くような声で呻いて、腰をぶるぶると動かした。

 二発目ということだ。

 また、ナスターシャも今度は精を注がれたのがわかったのだろう。

 こっちは、本当に号泣して、ぼろぼろと涙を流し始めた。

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