「あ、あああ」
「ああ、あああっ」
窓のない隠し部屋の中で、ふたりの女生徒の嬌声が響きわたっている。
いま真夫たちがいるのは、学園内で文化部が集まっている棟の一角であり、ここは真夫たちが所属している「SS研」の部室である。
ある梅雨空の日の昼休みのひと時だ。
あられもない悲鳴の正体は、
ただ、ふたりのこの学園における立場は、かなり異なる。
絹香は、真夫と同じ特別待遇生徒であり、全寮制であるこの学園内でかなりの特権を持っている、いわゆる、「S級生徒」だ。
しかも、女生徒会長としてかなりの人望もあり、さらに「四菩薩」のひとりとして、男子生徒たちからは、学園を代表する美少女と、かなりの人気があるらしい。
だが、真夫は、絹香の心に宿るマゾ性を見抜いて、強引な手段で、密かに奴婢にした。
まだ支配に陥らせたばかりだが、すでに真夫から離れられないくらいに心を縛っている。
また、絹香の隣で同じように嬌声に喘いでいるのが、真夫の従者生徒のひとりになった白岡かおりだ。
もともとは、S級生徒に次ぐ、特権階級であるA級生徒だったが、真夫を痴漢の冤罪に仕立てた罰として、この学園の新しい理事長代理となった
紆余曲折あったが、かおりもまた、真夫に服従する奴婢だ。
真夫や絹香のような特別待遇生徒には、全寮制である学園に従者を連れ込むことが許可されている。この学園に来るまでは、孤児として身寄りのなかった真夫に仕える奴婢として、財閥令嬢であるかおりちゃんが真夫に仕えることになったということだ。
すでに、かおりちゃんの「罪」と処分理由は学園内に公開されていて、令嬢としての社会的立場は地に落ちている。
玲子さんの仕掛けもあるが、実家からも見放されており、ほとんど勘当同然の状況のようだ。
真夫が面倒を看なければ、令嬢として甘やかされてきたかおりちゃんは、生きていくことさえも難しいかもしれない。
それはともかく、そのふたりが隠微な仕掛けにより昼休みに責められ、それを真夫から調教役を指示された
「お姉様たち、ちょっとは慎んでくれませんか? そんなことで、文化部展示館のときに我慢できるんですか? そんなにいやらしく喘いでいたら、スカートの中でなにをされているかモロバレじゃないですか。これは訓練なんですからね。もうちょっと回転を速めますよ」
ふたりの横で意地悪く話しかけたのが、本来は絹香の従者「奴隷」だった梓だ。
絹香のもうひとりの従者生徒である
絹香を奴婢として支配するにあたり、真夫は絹香の被虐癖と梓の「女王様」の性格を見抜き、絹香の性癖を満足させる「調教役」に梓を指名したのだ。
思ったとおりに、なかなかの嗜虐ぶりであり、自分が仕える主人の絹香をこうやって冷酷に責めたてる。
まだ数日でしかないが、真夫は、この梓を真夫の助手の責め役として、重宝に感じるようになってきていた。
いまも、さすがな鬼畜ぶりだ。
まだ、十五歳の一年生とは思えない。
なお、真夫もそうだが、絹香もかおりちゃんも、この学園では最高学年である三年生である。
さて、この「SS研」は、表向きには、“Social・Science(社会科学)研究部”ということになっているが、実際には、真夫の愛人クラブである“Secret・SM(秘密SM)部”である。
これも色々あって、真夫が部長として引き継ぐことになった。
現在の部員は、真夫のほかに、白岡かおり、西園寺絹香、松野梓、そして、梓の妹の
これに、学園の理事長代理であり、国際的な大財閥である豊藤グループの顧問弁護士のひとりでもある工藤玲子と、真夫の恋人である
真夫は、父親だと教えられた豊藤グループの総帥の
それが、玲子さんを奪わない条件であり、総帥の座に興味はなかったが、玲子さんを失いたくない真夫は、龍蔵の示した条件を達成するために、真夫が覚醒した能力を使うことを決心した。
真夫の能力というのは、「操心術」だ。
豊藤家の嫡子のみに遺伝するといわれる特殊能力であり、他人の心を支配する超能力だ。
また、龍蔵は、特殊な帝王学の持ち主であり、多くの奴婢を支配することで、他人を支配することを覚えさせるのだという。
つまりは、真夫がこのSS研という場所を利用して、十人の奴婢を集めるのは、龍蔵の教育の一環ということだ。
そして、玲子さんを失わないためには、真夫の力を示して、残りの奴婢を集めるしかないということだ。
それはさておき、いまはたまたま、部員たちと集まった昼休みの部室であり、さらにここは、廊下に接する通常の部室から隠し通路で入る奥側だ。
来月の上旬に学園の「文化部発表会」があり、真夫はSS研の展示研究として、「拷問の世界史」の研究展示を発表することにしている。
そのため、部室には真夫の依頼によって玲子さんが集めまくった絵画の模写絵や拷問具のレプリカがたくさん置いてある。
そして、集まった「部員」の中で真夫が指名し、その拷問具のレプリカのひとつに体験として座らせられているのが、絹香とかおりちゃんということだ。
試しとして選んだ拷問具は「三角木馬」だ。
真夫は、当日は、ただ展示するだけでなく、時間を決めて、奴婢たちに、集めてもらった拷問具の体験展示を交代でやってもらおうと思っている。
さすがに、堂々と破廉恥なことはできないので、制服を身につけさせたままの予定だが、美少女たちが拷問具に実際に拘束させられる展示は、きっと学園中の話題になることは間違いない。
もっとも、ただの見せかけであり、本当に拷問を受けてもらうわけではない。
絹香とかおりちゃんが座っている「三角木馬」だって、本来は尖っている頂点部分は両端のみであり、ふたりが座っている部分は尖った部分が平らな革椅子になっていて、痛さは感じないような仕掛けになっている。
しかし、彼女たちが座ればスカートで平らな座椅子の場所が隠れるので、見学者には、彼女たちが尖った三角木馬に座らされているように見えるということだ。
だが、それだけでは面白くない。
真夫は、玲子さんに、さらに仕掛けを作ってもらった。
ふたりが座る平らな部分に穴をつけてもらい、そこに直径が十センチほどのプラスチック製の球体を三連とりつけてもらったのだ。
さらに、球体には刷毛がついていて、その刷毛に液状の媚薬が染み込み、それが回転して股間を刺激し続けるという仕掛けにしたのだ。
スカートで頂点部分が隠れる代わりに、スカート内の隠れている股間が媚薬付きの刷毛責めになるということだ。
まあ、これも立派な拷問だろうが……。
とにかく、ふたりにさせているのは、そのテスト体験だ。
木馬にまたがっているふたりの両脚は、足首から脚の付け根まで片脚につき、七箇所をベルトで固定されており、腰をあげることはおろか、前後にも左右にも、ずらすことができないようになっている。
その状態で、さっきから、ふたりはこの木馬の仕掛けの餌食になっているというわけだ。
「な、なに言ってんのよ。こ、こんなの我慢できるわけが……ああああああっ」
「ああっ、あ、梓、もう許して──。ま、真夫さん、無理です。こんな体験展示なんて、ぜ、絶対無理です、あっ、あああっ」
梓がリモコンのスイッチを操作することにより、「木馬」の背中部分にある羽根つきの球体の回転が速まったのだろう。
木馬に乗せられているかおりちゃんと絹香の悶えと悲鳴が大きくなった。
「無理は困るなあ。じゃあ、本番のときには、さるぐつわでもする? 顔を隠す仮面はさせるつもりだから、その下で緘口具を装着するのはできると思うよ。だけど、一応は真面目な拷問歴史展示だからね。そんな風にあからさまに悶えられると困るんだよね」
真夫はふたりの正面に設置している机で昼食の弁当を食べながら言った。
この学園で、真夫の従者として同居することになった恋人の
特別待遇生徒として、学園から給付金も受けている真夫は、この学園内の食堂で高級料理を配達させることもできるのだが、どうにも、豪華すぎるメニューは、まだ受け付けず、真夫は食事のほとんどは、あさひ姉ちゃんの作った料理ですませている。
「無理いいい、おろしてええ」
かおりちゃんが身体をがくがくと震わせながら叫んだ。
その隣の絹香は必死に歯を喰いしばっているが、かなり苦しそうだ。
まあ、無理もないだろう。
とにかく、「木馬」に座っているふたりの股間部分で、催淫剤をたっぷりと塗っている刷毛がずっとふたりの股間を苛んでいる。
外観は、制服姿のまま縄で後手縛りにはされているものの、しっかりと木馬部分はスカートの下に隠れているが、その内側は下着を外させられ、剥き出しの股間を容赦なく責めたてられて、ふたりとも嬌声を我慢することができなくなっているというわけだ。
もっとも、これでも最初の五分くらいは、ふたりとも、必死に声を押し殺して我慢していた。
しかし、それを過ぎると、媚薬が浸透してしまって、いまのように派手に喘ぎ声をあげるようになってしまった。
「まあ、昼休みが終わるまでには、拘束を開放するよ。だけど、確かに、これじゃあ、一般生徒の前で展示はできないか……。梓、速度を最弱にしてやって」
真夫は声をかけた。
梓はにやりと微笑むと、真夫の指示に従い球体の回転を遅くした。
絹香とかおりの身体ががくりと震える。
もっとも、遅くしたらしたで、これもまた苦しいのを真夫はわかっている。
午前中は、この梓に任せた遠隔調教によって、さんざんにディルド付きの貞操帯の振動でいたぶられた。
そして、昼休みになったところで、やっと貞操帯を外してもらったものの、こうやって、真夫の注文によって玲子さんが手配した「調教木馬」の試しをやらされることになり、すっかりとふたりとも息も絶え絶えに追い詰められたのだ。
回転が遅くなれば、全身を襲っている妖しい痺れから開放されず、生殺しの状態に陥ることだろう。
「ああ、いやああ……」
「だ、だめええ……」
ふたりとも制服を汗びっしょりにしながら、全身で悶え始める。
「真夫様、このお姉様たちに、利尿剤入りの水を飲ませていいですか? そして、木馬からおろすときに、貞操帯を装着させ直します。おしっこは五時限目の後にしましょう。あたしの教室から、お姉様方を迎えに来ますので」
すると、梓が笑いながら言った。
「ば、馬鹿じゃないの──。そ、そんなこといやよお、ああああっ」
かおりちゃんが激昂した様子で声をあげた。
絹香も顔色を変えて、必死に首を横に振っている。
「面白そうだけど、それをするとしたら、かおりちゃんだけだな。俺が支配する奴婢だけど、絹香にはしっかりと勉強をしてもらって、最高学府に入ってもらい高級官僚として、俺を支える役目を担ってもらう予定だ。だから、絹香の調教は、勉強を妨げない範囲内だ。だけど、かおりちゃんは、どうでもいいぞ。財閥の力で大学は、玲子さんが責任を持って準備するそうだ。受験勉強はしなくても問題ないらしい」
「なんでよおお」
かおりちゃんが絶叫した。
「許可がでたわ。じゃあ、渚。利尿剤入りの水差し持ってきて」
「じ、冗談じゃないわよおお、ばかあああっ」
かおりちゃんが悪態をついた。
一方で、名を呼ばれた渚は、おろおろするばかりだ。
同じ顔だが、梓とは異なり、平凡的な性癖しかない渚は、大人しい性格もあり、真夫たちの「遊び」にはまだ慣れない。
それでも、「受け」のときには気分に浸るが、梓のように責め役など無理だ。
「えっ、えっ、えっ?」
いまも、ただ水差しを運ぶだけなのに、おろおろしている。
そのとき、この隠し部屋に誰かがやってくる信号が灯った。
すぐに、ただの壁だった場所が左右に開いて、アタッシュケースを抱えている女性が入ってきた。
玲子さんだ。
「やっていますね」
玲子さんが絹香たちを一瞥すると、微笑みながら真夫に声をかけた。