「あ、あああっ、ああああっ」
光太郎は股間の「男」の部分を強く刺激されて、切羽詰まった声をあげてしまった。
あっという間に射精感が込みあがり、男の部分の先端から精が飛び出しそうになったのだ。
身体全体はほとんど女なのだが、そこだけは男の性を持っている。
光太郎もこの年齢なので、どうしても性欲が沸き……。いや、もしかしたら、人よりも性欲が強いのかもしれないけど、とにかく、オナニーの経験はある。だが、女の方でしか自慰はしたことがない。
そんな恥ずかしいことをひそかにしているなどというのは、光太郎の絶対の秘密だが、初めて、男の部分に与えられる他人からの刺激は、とてつもなく気持ちがよかった。
あっという間に射精感が込みあがる。
「出そうになったかい、ひかりちゃん?」
坂本君が光太郎の男根を激しくしごきながら言った。
「で、出る──」
光太郎は頭が白くなりかけ、わけがわからなくなり叫んだ。
しかし、坂本君がくすくすと笑って、ぴたりと手をとめる。しかし、ぐっと強く握られたままであり、それでも、射精感は続く。
ああ、出るよ──。
「うあっ」
光太郎は身体を突っ張らせた。
「そうはいかないよ、ひかりちゃん……。ここから先は、SS研に入ることを納得してからだ」
しかし、坂本君が射精寸前の光太郎の怒張の付け根を握っていた手をぱっと離す。
刺激がなくなり、飛びだしかけていた射精がそこで強引に中断されてしまう。
「ああっ」
射精しかけてきた精の上昇がとめられてしまった。
激しいもどかしさが襲ってくる。
光太郎は情けない声をあげてしまった。
「お預けだよ」
坂本君が前にまわってきて、台に固定されている光太郎の顎を上にあげさせた。
「ああ、いやだあ……」
ぎりぎりのところで強引に快感を制御されてしまって、光太郎は、切なさに身体を震わせていた。
「まったく……。あんたって、鬼畜ねえ……」
すると、まだ磔台のこちら側にいる白岡さんが呆れたような声をあげた。
「そうかもね……。ねえ、ひかりちゃん、SS研に入って、俺の愛人になる気になった?」
「あ、愛人て……。俺は男だし……」
「いや、この光太郎の身体を見て、男だと思う者はいないと思うけどね……。どこからどう見ても可愛い女性だよ。ちょっと特別な場所はあるけど」
「まあ、確かにね……。それに、男だとしてもいいんじゃないの? 男と男というのも、最近は珍しくはないわよ。それだけ女らしい身体なら、まあ、ありね」
白岡さんが同意するように応じる。
「と、とにかく、ぼくは男だ──」
激情が光太郎を襲った。
光太郎は絶叫した。
「そうかな?」
すると、坂本君が再び男根を刺激し始めた。
光太郎は悲鳴をあげた。
自分が人と異なるとわかったのは、十一のときだ。
もちろん、光太郎が「それ」であることは、両親は知っていたし、財閥の総帥である祖父もわかってはいたのだろう。
大財閥の金城家の宗家ともなれば、主治医もいる。幼い頃から定期的な検診は受けているし、気がつかないわけがない。
だが、少なくとも光太郎には教えられなかった。
自分は男だと思っていたし、ちゃんと男の子の性器もあるから、それを疑ったこともなかった。
それに、いまでは自分が男である必要があったことは、明確に理解している。
納得いくかといえばわからないが、とにかく必要なことなのだ。
金城家は江戸時代から続く名家であり、財閥解体を乗り越えて存続しているこの国でも有数のグループ企業体である。
財閥の総帥には、代々の宗家の男が継ぎ、それは一度として途切れたことはない。
一度もないのである。
おそらく、江戸時代から続く名家がいくらもあるが、男系の血がずっと続いている家は、金城家を除けば、皇室くらいだと言われている。
宗家に生まれた男子が代々当主を継いでいるというのは、金城家の誇りであり、大きな自慢なのだ。
光太郎は、そんな金城家の宗家の嫡男として生まれた。
父親は光太郎が母親の胎内にいるときに事故死をしたらしいが、光太郎が無事に生まれ、さらに男の子であったことは、一族を大いに安堵させるとともに、また、不安にもさせた。
なにしろ、若くして亡くなってしまった光太郎の父親は、その世代で残っている唯一の金城家の宗家の血を引く男子であり、ほかに男系の血を継ぐ者はなかったのだ。
そんな金城家の宗家に誕生した光太郎は、唯一の男子であり、生まれながらにして、金城家の総帥を継ぐ者として定められただけでなく、光太郎になにかがあって、命を失うことがあれば、その時点で金城家の血は途切れてしまうのである。
また、光太郎が総帥に相応しくない者だったりしても、その代替はもういないのだ。金城家の血を引いていた父は死んでいて、母親が再婚して子を作ったとしても、その子は金城家の血が流れておらず、総帥になることはない。
総帥になれるのは、光太郎ただひとりだ、
一族の将来と歴史が、光太郎ただひとりの肩に乗るということなのだ。
幸いにも、光太郎は大病にもなることなく、すくすくと成長した。
考えられる限りの過保護にもされたが、金城家ほどの家ともなれば、そんなものかとも思ったし、別段、光太郎も自分を守る者たちを無視して、あえて危険に近づこうと考えたこともなかった。
また、金城財閥を継ぐ者として、光太郎は努力を惜しまなかった。
幸いにも、才能にも恵まれたらしく、周囲の者たちを満足させる結果は出し続けている。
そんな光太郎だったが、唯一悩みとして抱いているのが、自分の身体のことだ。
幼い頃には気がつかなかった。
その時代では、そもそも、男も女も変わりはないし、男女の違いの知識もない。
光太郎の中では、自分は間違いなく男だった。
だが、小学校に入り、さらに高学年になると、だんだんと自分はほかの男の子と差異があることに気がついてきた。
しかし、あえて気がつかない素振りをしていた。
気がつくのが怖かったのだ。
そして、中学校生になった。
決定的なことがあった。
その日は朝から身体が重く、気分が悪かった。
だが、授業を休みたいとは思わず、家人には言わずに、いつもの通りに送迎車に乗って学校に向かった。
その車内で、光太郎は失禁したのである。いや、失禁だと思った……。
そして、温かいものが大量に股間を濡らすのを感じた。
それがズボンの内腿を伝い濡れてくる。
そして、光太郎は失禁だと思っていた「下り物」に血が混ざってることに気がついた。
動顛して、運転手に命令して屋敷に戻らせた。
屋敷内で診断を受け、人払いをされてから、幼い頃から光太郎についている侍女で老女の花江と主治医に告げられたのは、それが「初潮」だということだった。
愕然とした。
初潮があるということは、光太郎は女であるということだ。
しかも、子を成せる可能性もあるということだ。
だが、光太郎には、男の性器もある。
それくらいの性知識もあり、これはなんだと訊ねると、そういう身体の者もまれに存在するのだそうだ。
「両性具有」というらしい。
男と女の両方の性器を持つ者だという。
光太郎は、まさにそれであり、これまでの検査の結果から、むしろ「女」に近いという。女の身体に男の性器がついているというのが、もっとも現状を正確に表現する言葉であって、存在する男性器以外は、ほとんど女性だという。
しかも、光太郎にある男性器は、本当の男のものに比べれば、かなり小さいらしい。
さらに、男というのは、おしっこをするときは、その男根の先から尿を出すらしい。
光太郎は違う。
尿道は女性器側にあり、そこからおしっこは出る。
男根から出るのは、そのときにはまだだったが、精液のようなものだけだ。しかし、それは実際には子宮から出るものが繋がっていて、それが出ているのだそうだ。
それもまた、光太郎が本来女性であることの証拠だと言われた。
それから、まる一週間以上、光太郎は部屋に閉じこもって誰にも会わなかった。
花江も遠ざけた。
自分は男ではない──。
女だった──。だけど、女でもなく……。
男ではなく、女である──。
同じことを繰り返しながら、ベッドの中で身悶えをして、突然に起きて泣いた。
最初の三日は食事もしなかった。
水だけを飲んでいた。
不浄の始末はひとりでやった。
布に汚れる血は、光太郎が女であることを否が応でも知らしめた。
だが、一週間もすれば疲れた。
拒んでいた診断も受け、花江も部屋に入れた。
身体に問題はなく、今度も案じることはないだろうと言われた。
その報告を聞いたのか、祖父が突然に訊ねてきた。
会話というよりは、一方的な命令だった。
光太郎は、今後とも男として過ごすように命令された。
金城家には、ほかに血を継ぐ男子はいない。
だから、光太郎には、このまま嫡男として生き、総帥となり、金城家の宗家を引き継ぐように言われた。
だが、多分、光太郎には、男として子を作る能力はないだろう。
光太郎が男として宗家を継いで、女性と結婚したところで、男系の子は作れない。
それを口にすると、すでに婚約者を準備したことを告げられた。
ある家から因果を含めさせた娘を将来の妻としてあてがうのだそうだ。だが、当然ながら、本当の夫婦関係は結べず、仮初の関係として生涯を生きることになる。
そのあいだに、光太郎にはひそかに体外受精により子を成してもらい、その子を夫婦の子として届けるという。
光太郎は唖然としてしまった。
拒絶の機会は与えられなかった。
祖父は、命令のみを告げると、そのまま部屋を立ち去ってしまった。
気がつくと、光太郎が初潮をしたときに運転をしていた家人、ズボンの血を唯一見ている家事手伝いの女性、さらに主治医の姿が消え、全員、別の者と入れ替わっていた。あとで調べたが、彼らがどこに行ったのかまったくわからなかった。少なくとも、それぞれの家族のもとに戻ったわけではないことだけが確認できた。
光太郎は呆然となった。
中学校を卒業して、高校生になると、いよいよ光太郎は変わってきた。
肌は滑らかに艶を増やし、髪の毛の量は増えた。腰回りから太腿にかけての肉付は女性そのものだったし、大きくはなかったが胸も膨らんできた。
そんなひとつひとつを光太郎は呪った。
本物の男ではないので、名前だけの許嫁を与えられ、将来は、姿もわからない男の精で子を作り、女であることを隠して生きることになるのだ。
しかし、光太郎の身体はどんどんと女性らしくなっていった。
声は太くならず、いつまでも甲高い。だから、できるだけ他人とは喋らないようにふるまった。
手足も細く、髭はまったく生えない。せめて髭だけでも思って、剃れば濃くなると耳にして、毎日剃ってみたが無意味だった。
男らしさの欠片もない女性らしい顔があるだけだ。
そして、なによりもショックだったのは、光太郎が女性ではなく、男性に惹かれることに気がついたことだ。
好ましく思うのは男の子ばかり……。
最近、特に気になるのは、目の前の坂本君で……。
彼を見ると、どきどきするし……。
恋などできない身体なのに、性欲は強かった。
悶々として眠れないこともある。
それは、他人とは異なり、ふたつある性器のせいかもしれない。
だけど、そんなときに弄るのも、女の側の性器だけだ。
男の側の性器で自慰はしたことはない……。
でも、気持ちいい……。
「また、射精しそうかい?」
坂本君が根元から先端に向かって、光太郎の男根の部分をこする。
再び、どんどんと射精感が込みあがって……。
なによりも、これが坂本君の手であることが興奮して……。
やっぱり、不思議な男の子だ……。
なぜか、惹かれる……。
こんなことをされているのに、どうしても怒れないし、憎しみも沸かない。
それよりも、気持ちよくて……。
「あ、ああっ、出る……」
光太郎は声をあげた。
「だめだ」
そのとき、突然に、男性器の部分の根元になにかを嵌められた。またもや、射精がぎりぎりで中断される。
しかも、びりびりという電気が流れるような小さな痛みがそこに走る。
それでいて、根元を強く圧迫されてもいた。
「ひああっ」
光太郎は甲高い声をあげてしまった。
なに──?
なに──?
なに──?
「な、なにをしたんだ──?」
びっくりして言った。
なんだこれ──?
なに──?
気持ちの悪い感触……。
無理矢理に勃起を引き起こされるような気持ち悪さだ。
光太郎は苦しいのか、気持ちいいのかわからずに、完全に狼狽えてしまった。
「特殊な電気信号を流して、勃起状態が鎮まらないようにしたひかりちゃん用の淫具だよ。作らせたんだ。それでいて、根元を搾られるから射精もできない。射精寸前の状態でそれを嵌められたら、結構効くだろう?」
坂本君が再び前に回ってきた。
「そ、そんなあ……、ああっ」
光太郎はぐっと歯噛みした。
自分が追い詰められているのはわかる。
光太郎の男の部分に嵌められた淫具のことだけじゃない。
下手に刺激をされて身体の官能が燃えあがったこともあるのだろうが、気が狂わんばかりの痒みがどんどんと強くなっていっている。
総身がますます熱さを呼び、乳首も股間に刺激を求めて痛いくらいにじんじんとしている。
とんでもない掻痒感だ。
必死に身体の火照りを押さえようとも思うが、なにひとつとして抑え込めない。
熱い──。
痒い──。
「我慢できるものじゃないだろう、ひかりちゃん? 口づけを自分からしてごらん。枷を外してあげるよ」
「ほ、本当か──」
「ああ」
固定されている枷の前に立つ坂本君がにっこりと微笑んだ。
しかし、すぐに我に返った光太郎は、歯を喰いしばる。
絶対に嘘だ。
光太郎は固定されている首を左右に振る。
それにしても、さっきから〝ひかりちゃん〞、〝ひかりちゃん〞って……。
女を呼ぶような口調で……。
恥辱のはずなのだが、なぜか、それが光太郎の不安を除くような感覚もして……。
なんかおかしい……。
光太郎は首を横に振る。
しかし、とにかく痒い……。
血がにじむほどに、枷で固定されている手を握る。足枷の嵌まっている足の指を動かす。
全身を突っ張らせる。
奥歯を噛みしめる。
「ああああっ」
今度は叫んだ。
一生懸命に気を散らそうと試みる。
だが、痒みは全く小さくならない。
「ほら、枷を外してもらいたくないの、ひかりちゃん。口づけだ……」
坂本君が光太郎の唇に唇を重ねてくる。
意思を総動員して、顔を横に避ける。
しかし、とんでもない薬剤だ。
時間とともに、どんどんと痒みが拡大する。
「いいのかい、ひかりちゃん」
まるで操るような坂本君の声……。
再び、坂本君の唇が迫る。
今度は拒否できなかった。
唇と唇が重なる。
わけがわからなくなって、口の中に入ってきた坂本君の舌に自分の舌を絡ませる。
光太郎のファーストキスだ。
坂本君の舌が口の中を這いまわる。
気持ち悪いという感覚はない。
むしろ、ぞくりとした甘い快感に見舞われた。
はっとして、それから逃れようと舌を引っ込めようとするが、ゆっくりと坂本君に口の中を舐められていくと、ぞわぞわと痺れるような得体の知れない感覚が込みあがる。
そして、思考力が消えていく……。
苦しい……。
いや、気持ちいい……。
「あはあっ」
坂本君の舌が一瞬離れ、それとともに、自分の口から昂ぶった声が迸った。
いまの甘い悲鳴が自分?
信じられなくて、わずかに残る理性で愕然とする。
「ほら、被虐の快感を認めるんだ……。気持ちいいだろう、ひかりちゃん……」
坂本君が再び唇を重ねる。
被虐の快感……?
なんだ、それ……?
坂本君の舌がまたもや口の中を這う。
気持ちいい……。
気持ちがいい──。
「んあっ、んんっ」
光太郎は荒い息を洩らして、気がつくと自分も舌を舌に巻き付けていた。
驚くような快感が口から脳天に駆けあげってくる。
芳烈な官能のうねりが、脳の中で満ち溢れていく感じだ。
「はい、よくできました。約束だ。枷は外してあげるよ」
坂本君の口が離れた。
天井から金属の輪がついたの二本の鎖がおりてきて、枷に固定されている両手の手首に金属環が嵌まった。
坂本君が枷を外して、やっと首を自由にした。
しかし、同時に二本の手首が鎖で引きあげられて、光太郎は万歳をする格好になってしまった。
「ひ、卑怯だよ」
やっと気がついて抗議した。
しかし、坂本君は素知らぬ顔だ。
晒し台には台車でもついていたのか、坂本君が横に押すと簡単に、光太郎の前から横に移動してどけられる。
「卑怯に決まってんでしょう。まあ、さっきも言ったけど、さっさと屈服すれば? 金城家でも、豊藤財閥にはかなわないでしょう。あんたが屈服するということは、金城家が豊藤の傘下に入るってことにもなるから、案外悪いことじゃないかもよ」
晒し台が横に移動したことで、やっと白岡さんの姿が視界に入る。
白岡さんは、光太郎が足首を固定されている足枷の横に胡坐で座り込んでいた。裸体に革の貞操帯だけをしている扇情的な姿だ。
「かおりちゃん、ひかりちゃんの股間を舐めてあげてよ。ただし、先っぽだけだ。幹の部分には触れないでね。先っぽだけじゃあ、男は絶対にいけないから、凄く苦しいんだ」
「えっ、本当なの? だったら、今度、あんたで確かめさせてよ。わたしたちばっかり苛めるんじゃなくて、あんたもこういう苦しさをちょっとでもいいから味わってよ」
「まあいいけど……。その代わり、ひかりちゃんに屈服してもらうのを手伝ってね」
「約束よ」
白岡さんが光太郎の股間の前に移動してきて、男の部分を舌で刺激してくる。
たちまちに快感があがる。
しかし、根元は絞られているし、気持ちいけど切なさの方が大きくて苦しい。
光太郎は快感の苦悶に首を左右に振った。
「お尻も気持ちいいよね。前立腺の刺激というのをやってあげよう。ここでいいのかな?」
潤滑油でも塗っているのか、坂本君の指がお尻の中に簡単に侵入してきた。
ぐいとお腹側を押される。
いきなり強い射精感がやってきた。
「ああ、ああああっ」
光太郎はがくがくと身体を震わせた。
だが、男の側の性器の根元にある輪っかが射精を阻止する。
光太郎は射精できない苦悶に身体を震わせた。
それにしても、自分の身体がこんなに敏感なのか信じられない。
しかも、さっきから口から出る声は、とても男の声とは思えない完全に欲情した女の声だ。
やっぱり、どんなに頑張っても……虚勢を張っても、自分は女か……。
光太郎は思い知った。
「自分が女として苛められて、欲情しているのがわかるよね? 実はひかりちゃんは、こうやって苛められると快感を覚える性質なんだよ……。だから、責め絵を見て、とても興味を引かれた。実は自分があんな風に苛められることを想像して欲情してたんだ……」
坂本君が耳元でささやきながら、白岡さんが奉仕を続けている光太郎の股間に手を伸ばした。
そして、光太郎の秘所に指をあてる。
女の部分だ。
「くあああっ」
ちょっと触っただけなのに、腰の芯まで焼け落ちるような甘美感が光太郎を襲った。
さらに、坂本君の指が刺激を続ける。
「んあああっ、おおおおっ」
光太郎は全身を突っ張らせるようにして、身体を激しく反り返らせてしまった。
「うわっ」
そして、あまりにも光太郎が激しく動いたので、白岡さんの顔を光太郎が腰で弾くようにしてしまった。
白岡さんがびっくりした声を出した。
「ははは、かおりちゃん、やめたら、だめだろう。罰だね」
坂本君がいつの間にか持って来ていた横の台からリモコンみたいなものを手にとった。
「んふううっ、そんなのないじゃない、ああああっ」
途端に白岡さんがその場で絶叫した。
両手を股間に当てて、がくがくと腰を震わせだす。
貞操帯の淫具を動かされたのだろう。
しばらくのあいだ、白岡さんはその場でのたうつような仕草をしていたが、やがて、絶息するような息を吐いて、全身を突っ張らせた。
達したみたいだ。
股間に両手を当てたままがっくりと脱力する。
「休む暇はないよ、かおりちゃん。続けるんだ。今度失敗したら、今度はお尻だよ」
「こ、この鬼畜ううう──」
白岡さんが険しい顔で坂本君を睨み、再び光太郎の男の部分の性器の先に口をつけてくる またまた、切なくて苦悶の快感がせりあがってくる。
「うああっ」
光太郎は声をあげた。
「それよりも、これを見てごらん、ひかりちゃん。ひかりちゃんの女の部分だ。君の本性だよ」
坂本君は光太郎の股間の中の女の亀裂の部分からすくった愛液を光太郎の顔の前に示した。
いやらしい匂いが拡がる。
「くっ」
光太郎は歯噛みした。
苦しいのだ。
得体の知れない薬剤を塗られた乳首と股間の掻痒感が、淫靡な匂いと、なによりも男の部分に刺激を受け続けていることによって、どんどんと増幅されていく。
光太郎は身悶えた。
「SS研に入ると口にするんだ。触って欲しいと哀願するんだ……。そうすれば楽になる……」
坂本君が再び耳元でささやく。
「ああ、わ、わかった……。は、入る……。SS研に入るから、もう許して──」
光太郎は泣き声をあげた。
もう限界だ。
「よく言った。ようこそ、SS研に」
坂本君がお道化たように言った。
屈辱よりも屈服感が大きい。
しかし、不思議に悪い気持じゃない。
坂本君に屈服した瞬間、不思議な安堵感が光太郎に襲い掛かってきてもいた。
「さて、じゃあ、今度はひかりちゃんがSS研に入ることを申し出たご褒美だ。かおりちゃんも、もういいよ。次は、ひかりちゃんに目隠しをしてあげてよ」
「本当にあんたって、意地悪よねえ。まだ苛めるの」
「当たり前だよ。まだ、はじまってもいない」
「ふうん」
白岡さんが立ちあがって、どこかに向かう。
しかし、すぐに戻ってきた。そして、光太郎の顔に目隠しをして視界を塞いでしまった。
「ああっ」
光太郎は恐怖で声をあげてしまった。
「さあ、じゃあ、次は嗜虐の快感をその身体に植えつけてあげるね」
坂本君が言った。
なにをされるのかわからず、光太郎は身をすくませた。
「よりにもよって、それ? あんたって、意外にえげつないのね」
「俺がえげつないことを知らなかった?」
「知ってたわよ」
呆れたような白岡さんの声──。
えっ、なにをされる?
えげつないものって、なに?
次の瞬間、すっと乳首を柔らかいもので撫でられた。
「ひいっ、あひいいい、くうっ」
光太郎はすさまじい刺激に、身体をびくびくと躍らせて、激しく裸身を揺すりたてた。
なんだ、いまの──?
いまの、なに──?
「痒い場所をくすぐられるのは効くでしょう。ここなんてのも、どうかな?」
もしかして、筆──?
坂本君が愉しそうな口調でそう言って、光太郎に再び近づく気配がした。
「ひっ、いやっ」
なにをされるのかわからず、光太郎は知らず声をあげていた。
すると、右の脇の下を筆ですっとくすぐられた。
「はううううっ、いやあああ」
光太郎は必死に身体を捩じってそれを避けようとした。
「逃げられないよ」
すると、坂本君の操る筆が脇の下を追いかけてきた。