※この作品はR-18です。

淫魔王のいる学園【完結】   作:ドン・ドナシアン

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 95話 勝負の決着と怒りの女

「はあ、はあ、はあ……」

 

 明日香は、二回目のシュートを蹴り終わったら、その場にしゃがみ込んでしまった。

 だが、すぐによろよろと立ちあがった。

 いまだに股間の淫具は淫らに動いて、明日香の股間を苛んでいるはずだが、大した自制力だと思った。

 

 その明日香が三個目のボールをカゴから取って地面に転がす。

 後手に拘束されている状態では、随分とやりにくいだろうが、身体を倒してボールを後ろ手で取ってカゴの外に出し、シュートをする位置にそのボールを足で移動させたのだ。

 だが、ずっと振動が続いているので、真っ直ぐに立つのも苦しいのか、膝を密着させて腰を中腰に曲げた状態で脚を震わせている。

 だが、それなのに、いざシュート態勢になると、淫具に苛まれていたとしても、急に真っ直ぐになるのだ。

 すごい集中力だと思った。

 

「すごいわね、明日香。素晴らしいわ。あとひとつね……」

 

 とりあえず、絹香は明日香の股間に嵌めている淫具の振動を止めた。

 明日香が微かに脱力して気を抜いた感じになる。

 媚薬で発情されている身体に受ける刺激は、やはり、平静を保つにはかなりの気力を有するのだと思う。

 しかし、振動を止めると、極限までに張られていた気が少し緩んだみたいだ。

 絹香は、それを確認すると、間髪入れずに、すぐに振動を再開した。

 

「ひあああっ、ああっ」

 

 明日香が悲鳴をあげてしゃがみ込む。

 リモコンで操作できる明日香に嵌めさせている帯帯の内側についている半球体の突起は、全部を一斉に振動させることもできるし、一部分のみだけ振動させることもできる。

 自由自在なのだ。

 いまは、それまで動かさなかったアナル近くの球体を初めて激しく動かしたのである。

 

 真夫から受け取ったものであるが、かなりの高性能なものであり、絹香も実験として嵌められたが、あれから受ける快感を我慢するなど普通は無理だ。

 それなのに、明日香はあの状態でシュートを決めてみせるのだから、本当にすごいとは思う。

 でも、どうしても、明日香には屈服してもらわないとならないのだ。

 

「絹香様、時間を稼ぎなさい……。明日香さんの気を逸らせて……」

 

 梓が耳元でささやうた。

 絹香は小さく頷く。

 

「キーパーを交代します、明日香さん──」

 

 そして、梓は、明日香に声を掛けてから、渚のいるゴールポストに向かってゆっくり歩いていく。

 それに合わせるように。絹香は明日香に寄っていった。

 明日香は蹲ったまま、身体を俯かせて身体を震わせ、必死に口をつぐんでいる。多分、口を開くと声が出そうなのだろう。

 絹香もそうだった。

 

 リモコンの振動を止める。

 蹲ったままの明日香の前に立った。

 

「ねえ、明日香……。一緒に真夫さんの女になろう……。彼に支配されるのよ……。同意して……。彼は……わたしたちの心を解放してくれるわ……」

 

 絹香は言った。

 

「やっと言ったわね……。でも、馬鹿みたいね。男の子に支配されたいの……? それで、あたしもって? ご主人様から、あたしも連れて来いって命令されたんでしょう? それでずっと無視してたのに、突然に接触してきたのよね……」

 

「彼は、わたしたちにとって、必要な人なのは確かよ」

 

「あなたにとってはね……。でも、あたしを巻き込む必要はないでしょう……」

 

「お願いよ。一緒に堕ちて……。悪いようには絶対にならないから……」

 

「あ、あたしも、彼に犯されろってこと? それが親友に告げる言葉?」

 

「だからこそよ……。だって、恋人だと思っているもの……。そうじゃないの……? だったら、一緒でいいじゃないの……。同じ男に支配されて……。でも、わたしたちは恋人で……」

 

 そのとき、梓と交代してこっちにやって来た渚が、すでに配置されているボールの前にきて、急にしゃがみ込んだ。

 明日香は背を向けているから気がついていない。

 

 絹香は、とりあえず、それから気を逸らさせるために、誘うように明日香に手を伸ばした。

 それはともかく、目の前の明日香に、百合愛を教え、そして、女同士で情欲を交わし合うことを教えたのは絹香だ。

 その絹香が突然に、男にのめり込んで関わらなくなったら、怒るのは当然だ。

 しかし、明日香のことを忘れたわけじゃない。いまも前も、明日香に対する気持ちに変化はない。

 ただ、別のものが混じっただけだ。

 でも、明日香が大切な人であることはなにも変わりないのだ……。

 

「絹香の恋人は、あの坂本真夫なんでしょう──?」

 

 明日香は拗ねたように言った。

 それでも、絹香に伸ばした手をとった。

 絹香はくすりと笑う。

 可愛らしい嫉妬だ。

 

「明日香も、彼の女になって──」

 

 絹香は後ろ手に拘束している明日香を抱きしめた。

 明日香は抵抗しない。絹香が抱き締めるがままになる。

 

「お断りよ」

 

 しかし、首を横に振った。

 本当に強情……。

 絹香は苦笑してしまう。

 

「それが答えということ?」

 

「そうよ──」

 

 明日香が腕の中で絹香を睨む。

 

「じゃあ、わたしの奴隷になりなさい」

 

 絹香は言った。

 明日香は眉をひそめた。

 

「はあ? 絹香は彼の愛人になったんじゃないの?」

 

「そうよ。だから、明日香は、真夫さんの奴隷になった私の奴隷なるの──。もちろん、わたしは真夫さんの奴隷なんだから、明日香も真夫さんの奴隷よ」

 

「嫌だって言ってるでしょう──」

 

 明日香が怒鳴った。

 

「だったら、仕方がないわね……。明日香にひとつだけ教えてあげるわ」

 

「教える?」

 

「同意がなくても支配できるってことよ」

 

 絹香はポケットのリモコンに触れると、全ての球体を一斉に最大限で振動させた。

 

「ひゃあああ、あああっ──」

 

 明日香がまたもや、その場に崩れ落ちる。

 しかし、これまではなんだかんだで、制御をしていた。だが、今度は一切の手加減なしの最大刺激だ。おそらく、明日香の中の芯になるような支えが砕けてしまうほどの衝撃のはずだ。

 絹香もそうだった。

 

「ううあっ、あっ、あっ、止めて、これはだめ、止めてええ──。は、早くよ──」

 

 膝だけでなく、頭まで地面につけるようにして、搾りだすように明日香が呻く。

 

「一緒に堕ちてよ、明日香──」

 

「う、うううっ、と、止めってからあ──」

 

「誓いなさい──」

 

「んぐうう──」

 

 明日香が必死の様子で首を横に振る。

 なんて強情なんだろう──。

 絹香は呆れてしまった。

 明日香の腕を強引に掴んで立ちあがらせる。

 まだ、振動はそのままだ。

 明日香の胸を服の上から揉みあげ、お尻をぐいと絹香の腰に押しつける。明日香の乳首は完全に勃起していた。

 これだけ欲情させられているのに、いまだに強情を張るのだと思った。

 

「あっ、あん」

 

 明日香が甘い声を出して悶える。

 絹香の手を払いのけようとはしない。それどころか、もっと刺激して欲しいかのように、絹香の手に胸を押しつけてきさえする。

 

「明日香、わたしと一緒に──」

 

 絹香はそれだけ言って、明日香の唇に唇を重ねる。

 すぐに、明日香は舌を差し入れてきた。

 しばらくのあいだ、唾液と舌を絡め合う。

 絹香は、口づけを交わしながら、明日香の股間に手を当てて、ぐっと持ちあげる感じにした。

 すごい振動だ──。

 当てている絹香の手に激しい振動が伝わってくる。

 

「んんんんっ──」

 

 絹香の腕の中の明日香が全身を突っ張らせて、がくがくと痙攣する。

 そして、絹香から口を離して、身体を大きく反り返らせた。

 

「んぐうう──」

 

 達したのだ。

 絹香は明日香を離してから、全ての振動を止めた。

 明日香が再び崩れ落ちる。

 

「……あなたの答えを待つわ。わたしと一緒に堕ちるなら、三本目のシュートは入れないで……。でも、もしも、あなたが勝てば、二度とわたしはあなたと関わらないわ」

 

 絹香は言った。

 

「えっ、どういうこと……?」

 

 明日香は驚いたような表情を見せた。

 達したばかりの明日香の顔は、唾液に濡れた唇をしどけなく開き、顔はまだ恍惚とした感じだ。

 しかし、絹香の言葉にちょっと驚いた感じだ。

 

「……だって、あなたの要求は、明日香が勝てば、真夫さんと別れること……。だったら、そのときには、二度と明日香にはかかわらない。だって、住む世界が違うということだもの」

 

「ちょ、ちょっと意味が……。つまり別れないってこと……? それじゃあ、約束が……」

 

「でも、確かなことは、明日香が負ければ、確実に明日香はわたしと一緒ということよ──。だって、わたしの奴隷になるんだもの」

 

 絹香は明日香を遮って、はっきりと言った。

 ちょっと明日香の顔に動揺が走るのがわかった。

 

「よく考えて、三本目に臨んで……。じゃあ、始めましょう……」

 

 絹香は明日香から離れた。

 かなり迷っている雰囲気になった明日香がしばらくしてから立ちあがる。

 達したばかりでまだ腰はふらついているし、息も荒い。

 それでも、明日香は腰を少し屈めて、シュートを打つ態勢になって、ゴールに視線を向けた。

 絹香は明日香の股間の振動を開始する。

 

「ひんっ」

 

 明日香ががくんと膝を折った。

 しばらく、そのまま足を震わせている。

 さっきは、それでも間髪打入れずにシュートをしたのに、今度は動くことができない様子だ。

 

「早くしなさい──。そして、外しなさい──。わたしと別れたくないなら、シュートを外しなさい──」

 

 絹香は怒鳴った。

 明日香の返事はない──。

 なんとか、身体を真っ直ぐにした明日香の左脚が後ろに引きあげられる。

 そのとき、ボールがゆっくりと右に転がるのがわかった。さっき渚がボールに向かってしゃがみ、なにかの操作をしている気配だったが、これがそうなのだろう。

 遠隔でボールを動かすための、なにかをしたのだと思う。

 明日香がボールに向かって左脚を振り抜いた。

 

「あっ」

 

 明日香が声をあげた。

 ボールが動いたことで、ボールは明日香の足にまともに当たらず、ゴールポストから遥かに離れた斜めに転がっていったのだ。

 明日香は、ショックを受けた感じだったが、すぐに諦めたような表情になり、その場に跪いた。

 シュートの瞬間にボールが少し動いたことについては、気がついた様子はない。

 

 いずれにしても、これで決着だ。

 

「じゃあ、行くわよ、明日香」

 

 絹香は、明日香のもとに向かい、グラウンドに蹲ったままの絹香の腕をとった。

 

「……い、行くって、どこに……?」

 

 明日香の表情は虚ろだ。

 すっかりと気力を失ったようになっている。まるで、張っていた心の糸が切れてしまった感じだ。

 

「質問はなしよ。奴隷は黙って従うのよ。着替えも荷物のそのままでいいわ。グラウンドの片付けも……。それはこっちでやっておくから、気にしないで」

 

 明日香を立たせる。

 梓と渚に頷く。

 ふたりがボールの片付けと、多分部室に置きっぱなしの明日香の着替えなどを取りに行くのを手分けして行うために動き出した。

 絹香はグラウンドの外に向かって、後ろ手に拘束したままの明日香を引っ張っていく。

 

「ま、待ってよ、絹香。どこに行くのよ?」

 

 明日香が腕を引かれながら絹香を見た。

 

「だから、質問はなしって、言ったでしょう。そこに車があるでしょう。まずは、それに乗るのよ」

 

 グラウンドの横には、勝負のあいだに移動してきていた一台の自動車が待っていた。

 恵さんの運転をする車だ。

 そこに、車があることに気がつかなかったらしく、明日香ははっとしている。

 

「ま、待ってよ。指を解いて──。あそこにいるのは誰よ──?」

 

 車の横には恵さんが立っている。

 初対面の明日香には、恵さんのことはわからないだろう。彼女がそこにいたことにも気がつかなかったと思う。

 かなり動顛した感じだ。

 

「学園に戻ってくるのは、日曜日の夜になると思うから、そのつもりでね……。外出届けは処置してもらっているから心配しないで」

 

 絹香は言った。

 

「な、なに言ってんのよ──。日曜日の夜って……。あたしは、明日も、明後日も練習が……」

 

「それは諦めるしかないわね──。部員とは問題ないように処置してくれるわ。明日香については、二日ほど練習しないくらいで、リーグ戦に影響があるわけでもないでしょう。さあ、そこよ」

 

 グラウンドから通り側に出る通用門のところまで来た。

 門を開いて、明日香を外に出す。

 すると、恵さんが寄ってきて、明日香の腕の反対側を掴んだ。

 

「どうだったの、絹香ちゃん? 勝負の結果は?」

 

 恵さんだ。

 

「明日香の負けです。三本目は入りませんでした」

 

 絹香は言った。

 恵さんは今回の工作のことは知っている。作戦というほどではないが、明日香を真夫の奴隷になることを承知させるための今回のやり取りは、恵さんを含めての処置だ。

 恵さんの役割は、このグラウンドにおける勝負が終わったら、自動車で明日香や絹香を連れ出すことである。

 

「そうなの? よかったわ。じゃあ、彼女も真夫ちゃんの奴婢ね」

 

 恵さんがにっこりと微笑んだ。

 そして、自動車の後部座席の扉を開く。

 まずは、絹香が乗り、その後に明日香を押し込む。

 

「ちょ、ちょっと、この人誰なのよ──? ねえ、絹香?」

 

 明日香はやっと我に返った感じになり、抵抗の素振りを示しだす。

 すると、恵さんが外から手を伸ばして、明日香の身体を座席シートに押し倒すように強く押す。

 その勢いが激しかったので、明日香だけでなく、絹香も驚いた。

 

「あたしは朝日奈恵よ。この前、この学園の編入してきた坂本真夫ちゃんの侍女……。あなたが、前田明日香ちゃんなら、ひとつだけ聞きたいことがあるんだけど、答えてくれる?」

 

 恵さんの口元は微笑んでいるが、眼は笑っていなかった。

 真夫の横でいつも笑っている恵さんしか見たことがなかったので、絹香はちょっと驚いた。

 もしかして、明日香に対して、なにか腹を立てている?

 

「真夫の……あっ、いえ、真夫君の侍女って……。ああ、あの……。でも、なんですか……?」

 

 後手に指縛りされたままの明日香は、ちょっと不安そうな感じだ。

 

「今日の昼間の学園の図書館のこと……。あなたが真夫ちゃんのことを孤児って馬鹿にしたって本当ね?」

 

 恵さんが言った。

 そういえば、そんなことがあったと絹香も思い出した。

 あれは、かおりと絹香が真夫と一緒に、SS研の展示につける題名を考えていたときだろう。

 この明日香が、突然に乗り込んできて、真夫に因縁を吹っ掛けたのだ。

 だが、どうして、そのことを知っているのか……?

 

「あ、ああ……、あれ……。それは、確かに……」

 

 明日香も思い出したみたいだ。

 また、絹香はどうして、恵さんが明日香に腹を立てたような態度なのか見当がついた。

 誰から聞いたかわからないが、恵さんは明日香が真夫の悪口を言ったと耳にしたのだろう。だから少し腹をたてているのかもしれない。

 

「絹香ちゃん、リモコン貸して」

 

 すると、恵さんが絹香に手を伸ばす。

 リモコンというのは、明日香に装着させている淫具の操作具のことだろう。

 絹香が恵に手渡す。

 

「ああっ、やっ」

 

 明日香ががくんと身体を折った。

 淫具が動き出したのだろう。

 恵さんが操作したに違いない。

 

「……だったら、まずは、お仕置きしないとね……。真夫ちゃんのこと、舐めんじゃないわよ──。真夫ちゃんが優しいからって、つけあがるんじゃない──。そこで、しばらく悶えてな──。到着したら、まずは折檻よ。覚悟しな──」

 

 恵さんが明日香の襟首をつかんで、強引に身体を起こさせて、明日香の顔に詰め寄って怒鳴った。

 どうでもいいが、恵さんって、こんな人だったのか?

 とにかく、初めて見た恵さんの啖呵に絹香は驚くとともに、その迫力にぞっとしてしまった。

 

 でも、真夫が優しい……?

 ただひとつ、恵さんのその物言いには疑念がある。

 

「な、なによ……。ああっ、ああっ」

 

 一方で、明日香は恵さんに怒鳴られて顔を引きつらせるとともに、股間に刺激に身体を震わせだした。

 

 やがて、双子もやってきた。

 梓が絹香と明日香の座っている後部座席に乗り込み、渚は助手席に座った。

 恵が運転手側に座り、自動車はすぐに学園の外に出る門に向かって動き出した。

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