学園は街を見下ろす小高い丘の上にあり、学園の外門から丘の麓に向かう車道も、実は学園の敷地内である。つまりは、街と学園を繋げる道路の学園の管理する私道ということだ。
道路灯もあり、大型バスが離合できるくらいに整備された道路なのだが、学園に出入りする業者か学園関係者かしか、ほとんど使用しない。
従って、いまは時間も時間だし、絹香たちが乗っているこの車以外には走っている車もない。
恵さんは、自動扉になっている外門を通り抜けたあと、しばらく走ってから車を路側帯に寄せて停めた。
運転席から出て、車の後ろに回ってバックドアを開く。
「真夫ちゃんは優しいから、なにも言わずに受け入れるかもしれないけど、奴婢になりたいなら、真夫ちゃんのことを孤児だって馬鹿にしたことに対する躾はしないとね」
そして、リアスペースからスポーツバッグを取り出して、それを明日香を挟んで座っている絹香たちに手渡す。
それにしても、やっぱり勘違いをしていると思う。
決して、真夫は優しくはない。
絹香を脅迫し、強引に奴婢にして毎日破廉恥で恥ずかしい調教を課してくる真夫に、一番似つかわしくないのが“優しい”という表現だろう。
「こいつに装着して。それと、その鋏で着ているものを剥ぎ取ってくれる。切れ端は鞄の中に突っ込んでおけばいいから」
恵さんが言った。
言われるままバッグを開けると、中に入っていたのは、ボールギャグと鋏だ。革枷もいくつか入っている。
さらに、バッグの中に入ってたものとは別に、恵さんがリアスペースにあったものを外で組み立てて渡してきた。
五十センチほどのアルミ棒の両端に革ベルトが付いている膝枷だ。
「な、なによ、あんた──? さ、さっきから……。い、いい加減に止めなさいよ──。くっ、ああっ、あっ」
振動する股間ベルトに苛まれている明日香が真っ赤な顔で、後部ドアから顔を覗かせた恵さんを睨む。
「こんなことで音をあげてたら、真夫ちゃんの奴婢は務まらないわよ。真夫ちゃんの責めはきついから」
「つ、務まらなければなんなのよ──。止めてったら──。あ、あたしは、坂本真夫なんかに、好んで抱かれるつもりはないから──。ましてや、奴婢ってなによ──」
すると、恵さんが突然に右手を明日香の脇腹に押し当てた。
「ほごおっ」
明日香の身体が大きく跳ね、眼が大きく剥く。
驚いたが、恵さんは手にペン型のスタンガンを握っていたのだ。
それを発動させたのだとわかった。
「さっさと拘束具を付け直して──。こいつを運ぶわよ──。それにしても、あたしの大事な真夫ちゃんを“こいつ”呼ばわりしたわね──。絶対に許さないわ──」
恵さんがすごい剣幕で怒鳴る。
とにかく、その迫力がすごいので、さっき渡された膝枷やボールギャグを慌てて明日香に装着する。
横を見ると、最近すっかりと傍若無人になっていた梓も、ちょっと顔を蒼くしていた。
それは絹香も同じだ。
いつも優しくみんなに接し、特に真夫の前ではにこにこと微笑んでばかりいる恵さんの豹変には呆気に取られている。
一方で、明日香はいまだにぐったりとなっている。気を失ったようだ。
かなり強力なスタンガンなのだろうか。
「それにしても、さっきのグラウンドでこいつに、真夫ちゃんの奴婢になることを納得させたんじゃなかったの?」
恵さんが絹香に訊ねてきた。
一方で、手は動かしていて、さっきのスポーツバッグの中から鋏を取り出して、じょきじょきと明日香の襟もとから鋏を入れて、ユニフォームを切り裂いている。
「それが……。わたしの奴隷になるのは承知させたんですけど、真夫さんの奴隷になるのを承知させるのはまだで……」
「ふうん……。まあいいわ。だったら、徹底的に追い詰めて、真夫ちゃんが合流するまでに承知させるだけだし……」
恵さんは、さらに短パンにも切り込みを入れて、あっという間に明日香の腰から取り去ってしまった。
そのあいだに、絹香と梓は、明日香の膝を拘束して手首に革枷を装着し直し、ボールギャグを嵌めた。
そして、恵さんがリモコンを取り出して操作した。
がちゃんという金属音がして、下着の上から装着させていた淫具が外れた。それも明日香の股間から外す。
「濡れ濡れね」
明日香のボクサータイプの下着の股間は大きな丸い染みができている。
恵さんは、その下着も切断して取り去った。
明日香の股間が露わになり、陰毛に覆われている股間は、溢れた樹液でねっとりとぬめ光っていた。
まだ、少し上半身に布片が残ってはいるが、いまだに失神したままの明日香がほぼ裸になり、ボールギャグと膝枷が装着される。膝には金属の棒が挟まって、脚を拡げたまま閉じることができないようになった。
「続きはお願い。あたしは仕上げをするわ」
恵さんが梓に鋏を渡した。
残りの布を取り去れということだろう。
梓が上衣やスポーツブラを切り取っていく。
一方で、恵さんは自分の上着のポケットから平たい丸型の缶を出した。
はっとした。
その缶の中身がなんであるかは、絹香にもわかったのだ。
塗り薬タイプの強い媚薬であり、局部などに塗られると、もの凄くそこが疼くとともに、耐えられないくらいの痒みが襲っているやつだ。
よく真夫や梓が絹香に使うので、その効果は絹香も十分にわかっている。
それを恵さんは明日香の股間に塗りだした。
「ふふふ……。施設のときには、あたしの許可なく真夫ちゃんに近づく女の子に、こうやって折檻したものよ……。そのときに使ったのは山芋だったけどね。女の子のお仕置き用に、よく何人か連れて山芋を探しに山に入ったものよ」
恵さんはいまだに意識を戻さない明日香の股に、その掻痒剤を執拗に塗っている。
「折檻って、恵さんがですか……?」
絹香は訊ねた。
「昔の話よ。だって、そうでもしないと、真夫ちゃんに近づきたがる女の子がいっぱいて制御できなかったんだもの。だから、あたしの許可なく真夫ちゃんにちょっかい出さないように命令してたのよ」
恵さんがあっけらかんと言った。
「えっ、恵さん、昔はスケバンだったんですか?」
梓が口を挟んできた。
「スケバンって古い言葉ねえ……。でも、あたしはスケバンなんかじゃなかったわよ。でも、あたしたちのような施設の子供はよく苛められるし、街中で絡まれることが多いしね。だから、お互いに守り合うようにチームは作ってたわ。あたしは、そのチームのリーダーはしてたわね……。あっ、でも、真夫ちゃんには言わないでね。恥ずかしいから」
恵が笑った。
それをスケバンというのではないかと思ったが、絹香はそれ以上は黙っていた。
そのとき、やっと明日香が身じろぎしだした。
そして、眼を開く。
すぐには、自分がどういう状況にあるのかわからなかったみたいだが、すぐに車の中で素っ裸にされ、改めて拘束され直している自分に気がつき、目を丸くした。
「んんんっ」
そして、暴れ出す気配を示した明日香を絹香は梓とともに左右から押さえつける。
すると、恵さんが明日香の顎をぐいと掴んで自分に向かって顔を向けさせた。
「さあ、覚悟しなさい。真夫ちゃんのことを馬鹿にした罰を受けてもらうからね。そして、二度と真夫ちゃんのことを馬鹿にできないように、たっぷりと調教してあげるわ」
恵さんが明日香を睨む。
やっぱり、すごい迫力だ。
絹香は、改めて、恵さんが本当は怖い人なのだということを悟った。
恵さんが明日香から手を離して、再び運転席に向かう。
すぐに、再び車が走り出す。
「んんっ、んあっ、んああっ」
そのとき、ボールギャグを嵌めている明日香のボールギャグから、急に悲鳴のようなものが迸った。
さらに、拘束されている裸体を狂ったようにのたうたせる。
いよいよ、掻痒剤の効果が本領を発揮しはじめたのだろう。
明日香の全身が真っ赤になり、もの凄い量の汗が肌から噴き出し始めた。
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短いですが、今日はここまでです。