月明かりが眩しい夜空の下、桜才学園の校舎にて。
「なんだか、緊張しますね」
場所は、音楽室。胸に手を当てて、深呼吸をしながら五十嵐カエデは呟いた。
桜才学園にてハロウィンイベントが開催された今日。最終日の夜中には、校舎内に人の気配は無い。生徒の中でこの場にいるのは、生徒会副会長と風紀委員長の2人だけ。
そして、カエデが身につけている衣装がまた人目を引くものであった。妖精の衣装として、ライトブルーを基調とした色っぽいドレス。胸元や肩が露出しており、イベント中は随分と男の視線に晒されてしまった苦い思い出だ。
そんな時間も、終わってしまえば恋人が独占できる。そして、それはカエデが望んだ事でもあった。
「俺も、こういう事は初めてです。なんだか、イベント会場のカメラマンになった気分で」
スマートフォンを片手に、津田タカトシは微笑する。彼自身も緊張はしているはずなのだが、カエデよりもずっと落ち着いているように見えた。
彼女が言い出した事とはいえ、やはり緊張してしまう。なぜなら、これから2人っきりの撮影会なのだから。
男性恐怖症の彼女が、不特定多数の男達に晒し者にされた時間を払拭するために。タカトシだけがこの姿を記憶に納められない事実が耐えられないというカエデの望みのため。
これから迎える、2人だけの撮影会なのであった。
もう一度、深呼吸。背筋を伸ばし、カエデはタカトシが向けるスマートフォンのレンズに意識を向けた。
「タカトシ、お願いします」
「はい」
――私に、他の男の目に晒された事実を忘れさせてください。
それ以上は、言葉なんて要らない。とうにスマートフォンを撮影モードに切り替えていたタカトシは、月明かりと夜間撮影モードの機能を活かしてシャッターを切る。
津田タカトシと五十嵐カエデの撮影会が始まった。カエデはできる限り微笑むように意識をし、時折控えめながらもポーズをとってくれる。
タカトシは、いろいろな角度や自分なりに映える撮り方を考えつつ、撮影を続けた。
遠慮していたのは、初めの数分間だけ。次第に、タカトシは遠慮なく近寄って顔のアップを撮影するようになる。カエデも、嫌な顔をすることもなくモデルに徹した。
カエデは時折視線を逸らしつつ、笑顔で小首を傾げて見せた。それがまた、なんとも愛らしい。まるで、本物の妖精かと錯覚するほどであった。
「カ、カエデさん。今の、こっちに顔を向けて、もう一回お願いします」
彼女は恋人の純な反応に内心で舞い上がりつつも、言われた通りに。少なくとも、5枚以上は撮られただろう。
フラッシュ機能がたかれ、夜の闇に目が慣れた状態では少しだけ眩しく感じる。それでも、この高揚感の前では気にもならない。ニュースなどでたまに見るイベント会場に参加するコンパニオンも、もしかしたら同じ気持ちなのかもしれなかった。
「じゃあ、今度はこうしてもらえますか」
タカトシも、ポーズの要求を始める。彼もまた、この撮影会が楽しくなってきた証拠だ。たった2人きりだというのに、まるでアイドルの撮影会のような雰囲気である。
よくよく考えてみると、やっぱりこの衣装って目立つのよね……
恋人が望むままレンズに視線を送りつつ、自分の格好を改めて考えてみる。
シンプルでそれぞれの肩から胴体に向かうライトブルーの布。胸元で交差した衣装は、下半身を隠すフレアースカートに変わる。ベルト代わりに同じ布で作られたリボンの結び目は、腰周りを愛らしく纏めてあった。おまけにスカートから伸びている色白の足の先には、お洒落なサンダルという、作った者のセンスを褒めると同時に難色を示したかった。
単調ではあるがゆえに女体のS字を目立たせる腰周り。脇の下はかなりの露出を見せており、屈んだ表紙に胸元を覗き込まれれば、深く刻まれた谷間の奥まで見えてしまうだろう。
さすがに、見えちゃってるかな……
今のカエデは、音楽室の机の上に手を置き、少しだけ前かがみになるポーズをとっている。斜め前から撮影を続けている彼には、胸の谷間などとうに見えていることだろう。
世間の男子の中ではかなり理性的な部類に入るタカトシも、さすがに意識せざるを得ない。愛しい恋人が望んだ撮影会。これでは羽目を外すなというのが無理な話だ。
明らかに、遠慮がちな視線を向けているのが分かる。スマートフォンを操作している指は、撮影範囲を拡大している時の操作。どこを、とは訊くだけ野暮というものである。
カエデはそのポーズのまま、背後からも撮影された。ややお尻を突き出す格好だったため、かなり色っぽいアングルで撮られたに違いない。
少しだけ視線を投げてみれば、少しだけ気まずそうに顔を背ける。どうしましたとワザとらしく言ってみせると、何でもありませんと一言。後ろめたさでも感じているのだろう。
怒ったりしませんよ。私が言い出した事なんですから。
その場の空気に背中を押され、ついスカートの裾を摘んでしまう。下着が見えるほどではないものの、白い太腿が月明かりに照らされた。
「カ、カエデさん……いいんですか?」
息を呑むタカトシに、カエデは微笑みで返す。一瞬だけ硬直するものの、さらにカメラ機能をフルに使い始めるタカトシ。
「そ、それじゃあ……」
「もう。そんな撮り方……」
いよいよ誘惑に負け、体勢を低くしてローアングルでの撮影を試みる副会長。白く伸びた2本の足が強調する画像が山ほど撮れるだろう。
前にかかった三つ編みを後ろにかきあげつつ、小さな溜息を吐く。
一層のフラッシュの瞬きに、視線がだんだんと雄の色を浮かべてくるタカトシの目。その事実に、次第に身体が熱くなってくる気がした。
少しずつではあるが、タカトシの撮り方も次第に遠慮がなくなっている気がする。ここぞとばかりに露出の胸元や、スラリとした脚とその奥をおさめはじめていた。
そして、その勢いはカエデも同じだ。胸元を撮られていることを知りつつも、腕を胸の下で組んで、少しだけ乳房を持ち上げるようなポーズをする。普段なら絶対にできない行為も、今だけはタカトシの反応がどうなるかという好奇心のほうが優先されてしまうのだ。
押し上げられたグレープフルーツのような胸が自己主張する。傍から見れば、触ってもいいよと言っているかのように。
「タカトシ……ちゃんと撮れていますか?」
「は、はい。もちろんです」
「よかった……」
2人の顔は、薄暗い中でも分かるほど赤い。窓から見える夜空に雲は無く、見慣れているはずの音楽室の一角は不思議な幻想に包まれた空間と化していた。
それは、本物の妖精と戯れている少年の図そのもの。美しい妖精と1人の人間の、不思議な出会い。
その刹那の時間を、無為に終わらせようとする者がどこにいるというのか。スマートフォンをグッと強く握ると、ポーズを変えるために背を向けたカエデの背中に詰め寄る。トップスのように背中が開いている衣装が月明かりに照らされるのと同時に、タカトシは頭が半分真っ白な状態のままでスマートフォンのレンズを上向きにした。
そう。カエデの、フレアースカートの中に向かって。
フラッシュがたかれる。そこで、遅れて自分がなにをされたかに気づいた風紀委員長。驚きの色を浮かべて、タカトシを肩越しに見つめた。
「あっ……」
言葉になる前に、タカトシのもう片方の大きな手がカエデの細い肩に乗せられる。硬直し、身動きができないカエデ。
シャッター音が、スカート越しにくぐもった音で聞こえる。今、タカトシはカエデのスカートの中を盗撮しているのだ。
「あ、あの……タカトシっ」
「なんです?」
惚けているのか、後ろめたさを感じない声で返される。口元をきゅっと結び、スカートの裾を押さえるしかないカエデ。
こんな盗撮行為はさすがに咎めようと思ったカエデだが、それよりも先に肩に置かれた暖かい手が、攻撃的な態度に出る事を躊躇してしまう。なんとなく、宥められている気がしたのだ。
「お願いです……本当に、撮った画像は誰にも見せないでください」
結局、非難の声の代わりにでた言葉は懇願。もちろん、即答するタカトシ。
「もう……タカトシって、こんな事をする人だったんですね」
「……今日だけは、どうかお願いします。カエデさんだから、ですよ」
「本当?」
「本当です」
「じゃあ……今日だけ、ですよ?」
しばし躊躇していたものの、抑えていたスカートからそっと手を離すカエデ。今のうちといわんばかりに、タカトシはレンズをフロントに向けていった。
しばらく、無言でシャッター音だけが響く。微妙に角度を変えて撮影しているのが、視線を向けなくても理解できた。
――今日は、白のレースでしたっけ……
今日の朝に履いてきた下着を思い浮かべる。ややハイレグタイプで、白い花の刺繍が入ったレース柄。自分も持っている中では、割と可愛いと思っているタイプだ。
それを今、彼に撮影されている。今や遠慮もなく、彼の持つスマートフォンに記録され続けているのだ。おそらく、くびれたウエストと一緒にやや鋭角に切れ込んだレッグラインを。
頬を手で押さえるカエデ。何をしているのだろうか、自分達は。男に盗撮行為をされて、それを黙って受け入れている女なんて。
「や、やっぱりダメっ」
言葉に言い表せないほどの背徳感に耐えられなくなり、カエデはタカトシの腕を離れて窓際までよろめいた。机二つ分程度の距離で、ライトブルーの妖精は肩で息をする。
タカトシは追わない。静かに彼女を見据えている。その視線はいつもの彼らしくなく、どこか美術品に心奪われている芸術家のようでもあった。
暗闇に浮かんでいる時計だけが、この場の時が流れていることを示している。
「……カエデさん」
そんな静寂を破るように、タカトシは躊躇いがちに口を開いた。
「見せてください。自分で」
「え……っ?」
「スカートをめくって、俺に見せてください」
「そんな……」
普段は紳士的な彼から告げられた、あまりにも大胆すぎる要求。言われた彼女のほうは、ただ羞恥と戸惑いに頬を染める。
「素直になってください。今度は、自分の意思で見せて欲しいんです」
「……」
少しだけ強めの口調で言われて、潤んだ瞳を向けるカエデ。
「できないなら、俺の方から」
副会長はそっと近寄る。ゆっくりとスカートに伸ばされた手から逃げることも無く、戸惑いがちにタカトシの顔を見つめていた。
やがて指先が妖精のフレアースカートを摘む。カエデは言葉もなく、僅かに指先を見下ろしただけ。
少しずつスカートを捲り上げていく。ふわりとした裾がスルスルと上がってゆき、白い滑らかな布地で覆い隠されている神秘の部分が見え始めてくる。
「い、いや……」
「だったら、抵抗してください」
カエデの呟きに構わず、さらにスカートを捲ってゆく。
やがて、ストッキングも履いていない生の純白パンティが露呈する。華の刺繍が入った薄布が、下腹部の柔肉に吸いついている。
「ほら。ここからはカエデさんが」
「は、恥ずかしい……」
困り果てた表情を繕いながらも、僅かに滲み出る女としての悦び。その変化を、タカトシは見逃さなかった。
チラチラとタカトシの顔に視線を送り、自身のスカートに手を伸ばすカエデ。両手の指先で裾をつまみ、促されるままにフレアースカートを捲ってゆく。
恥ずかしげに白い太腿をこすり合わせながら、それでいて大胆にウエストまでスカートを捲り上げる。純白パンティが完全にあらわになった。
「こ、こう……です、よね」
「ええ。色っぽくて素敵です」
上ずりがちの声に、タカトシは軽く頷く。そこで、スマートフォンのカメラを再び向けた。
再び、シャッター音の嵐。カエデは身を捩じらせながらも、スカートを下ろす事ができない。
やがて、タカトシは撮影を続けながら、ゆっくりとカエデに近寄ってくる。彼女の足元にしゃがみこみ、レンズはカエデのパンティを直視するアングルになった。
20センチと無い距離から見つめれば、カエデの大事なところから漂うメスの香りまで鼻孔をくすぐってゆく。
「少しだけ、脚を開いてくれますか?」
カエデは言われたとおりに、スカートを捲ったまましどけなく脚を開いてみせた。同時にタカトシの顔が股間へと近づいていく。
「きゃ……な、なにを……」
小さな悲鳴をあげる前に、彼の鼻先がパンティ越しに股間へ押し付けられる。
瞬間、タカトシは彼らしからぬ下品な音を立てて、鼻から息を吸い込んだ。
猛然と襲いかかる若い牝の香り。汗の香りと、ほんの少し女特有の酸っぱい匂いに、タカトシの顔が歪む。
生のまま、洗剤の匂いも香水の匂いも無い、そのままの彼女の体臭。それは、なんと淫猥で心地よい香りなのだろうか。
「い、いやっ。やめてっ」
「で、できません。凄く、いやらしい匂いがするんです」
これが、カエデさんのスカートの中なのかと、内心でとてつもない感動が生まれる。それでもいくらか深呼吸をした後、若干の名残惜しさを感じつつもスカートから顔を出した。
「さあ、今度はこっちも……」
そっと両手でカエデの肩紐に指をかけ、スルリと肘まで下ろす。白い肌に、たわわな胸元がタカトシの目に披露された。
カエデの胸には衣装のデザインの関係上、普通のブラを着けてはいなかった。あるのは、ヌーブラと呼ばれる紐の無いタイプの下着である。淡いココア色の、シンプルなデザインの胸当て。
それでも見られる事には、当然羞恥を感じてしまう。両腕で庇うように上半身を抱くが、タカトシは容赦をしなかった。指先で摘むと、まるでシールを剥がすかのようにカエデの胸元をあらわにする。
「ああっ、見ない、で」
手を伸ばしてブラを取り返そうとするが、手首を掴まれる。遅れて、彼の目の前で上半身を裸にされている事実に気づき、真っ赤な顔で絶句した。
タカトシの眼は、隠すものが何一つ無い果実のような乳房を凝視している。小さなサクランボのような色の乳首は、硬くなりながら存在感を主張していた。
魅惑のふくらみが、誘うようにプルンと揺れる。身体を隠そうと抵抗しているのだ。だが、もう遅い。
手を伸ばし、豊満なふくらみをむんずと掴んだ。手のひらで辛うじてつかめる大きさのソレは、五本の指を使ってカエデの乳房で這いずり回る。
極上としか言いようのない感触。柔らかいふくらみを揉みしだくと、お椀型の胸がタカトシの手で淫らに形を変えていく。それを、何度も繰り返す。
片方だけでは我慢できず、両手で乳房に触れた。そのままひたすら揉み続ける。指先で硬く尖った乳首を弄くりつつ、一心不乱に揉み続けていく。
「は、あっ……あっ」
うっとりと熱い吐息を出しているカエデに、タカトシは目の前に立つ妖精のスカートを捲り、純白のパンティの中に手をスルリと差し入れた。
「きゃっ」
と可愛らしい声を出し、ブルリと上半身を震わせた。中指が、彼女の薄い陰毛の狭間にあるクリトリスに触れたのだ。
右手の指で下半身の小さな豆を弄りつつ、左手の乳首をつまみ、転がしていく。
二箇所の愛撫に、半裸の妖精が甘い喘ぎをもらす。タカトシを見つめる視線に、明らかな色香が含まれてきた。
クリトリスを弄っていた中指が、割れ目へと伸びる。純潔のソコを傷つけないようにしながらも、ヌルリと恋人の中へ入れていった。
「はあんっ」
カエデの中は熱かった。分泌された粘膜と相まって、つい何度か無意識に出し入れをしてしまう。
「すごく濡れてますよ……カエデさん」
「い、言わないで……」
カエデが力なく、額をタカトシの肩に乗せた。あまりの恥ずかしさに、顔を合わせられなくなったのである。それでも、彼の愛撫は止まらない。
彼の人差し指は、カエデの愛液でねっとりと滑っている。水を弾くような音が股間から聞こえているのは、きっと気のせいではあるまい。
乳房を揉む手を止め、代わりに指でカエデの顎へ。口を突きつけられる格好になった彼女は、彼の唇から抗う術はなかった。
「ふぅ、ん……」
お互いの舌を絡め、唾液を交換する。時間が空けば、2人きりでいつもしていた行為だった。
目線が合う。もうここまで来れば、言葉にせずとも分かっていた。
「いくよ」
唇を離したタカトシが、それだけを言って彼女の身体を長机の上に横たえた。
「はい、タカトシ……」
半裸の妖精は小さく頷く。夢見心地のまま、恐怖さえほとんどない。まるで、2人だけが違う世界に行っているかのようだった。
そして、初体験への淡い期待。
タカトシがズボンとトランクスを引き下ろし、下半身を剥きだしにした。カエデの前に、剛毛に覆われた股間が姿を見せた。
「ひっ……」
小さな妖精の顔に驚愕の色が走った。グロテクスな男根の形状に、怯えが湧きあがる。
無理もない。タカトシの男性器は日本人の平均値を大きく超えている。巨根といって差し支えないほどの鋭さと太さは、まるで肉の槍を思わせた。
恐る恐るタカトシを見つめる。さすがに不安になったのだろう。安心させるために、妖精の髪飾りのついた彼女の頭をそっと撫でる。
「大丈夫。俺に任せてくださいね。すぐに……」
そう言いながら、タカトシはカエデの腰をつかむ。両足のふくらはぎを肩に乗せる格好で、男根の先端を濡れ光る秘部の入り口に、そっと押し当てた。
「んっ……」
小さく呻いて、カエデが唇をかみ締める。きつく目を閉じ、両手で彼の腕を掴んだ。恐怖に耐えられず、親の手を掴む子供のように。
タカトシは腰を落とした。男根の先端が、秘裂を押し広げて進んでいく。
「ああっ、入ってるっ!」
カエデが甲高い喘ぎ声を迸らせ、半裸の肢体を痙攣させた。タカトシも、そのキツさから僅かに顔を歪める。
腰を引くわけにはいかない。タカトシは、さらに腰を勧める。肉の某に絡みついた熱い柔肉が、おののくように収縮した。
溢れ出た愛液が、男根を濡らしながら長机に伝い流れていく。
「ああ……タカトシと、ひとつに……」
カエデは破瓜の苦痛を感じながらも、タカトシを両腕で抱きしめた。彼もまた、同じように愛しい恋人の身体をそっと抱く。
腰と腰がぴたりと密着していた。ざわついた陰毛同士が擦れ合う。互いに正面から向かい合っているのは、対面座位の体位だった。
「全部、入りましたよ」
「……うん」
「カエデさんの奥まで、届いているのが分かります……」
「わ、私も……です。タカトシって、本当にたくましくて、優しくて……」
泣きたいほどの幸福感が心を満たした。カエデの潤んだ瞳から涙が頬を走る。
「動いても、良いかな?」
「は、はい……でも、できたら……ゆっくりと」
「もちろん」
根元を立ち上がる角度が直角に近いまま、カエデの腹をかき混ぜる。太く突き上げ、恐ろしいほどの威圧感を感じた。
「痛かったら、すぐに言ってください」
どこまでも大事に扱うタカトシに、カエデは首を縦に振る。気恥ずかしさが隠せないまま、彼の腕に身を任せた。挟まれた乳房は平たく潰れ、横に丸くはみ出している。ピンと尖った乳首も、互いの呼吸に合わせてしっとりと擦れ合った。
「息を吐いて。少しは楽になるから」
「はあ……はあ……」
カエデは言われた通りに息を吐き、ゆっくりと腰を回した。結合部がミシミシと軋むようだ。
いつしか、巨根を加えている子宮の感触が滑らかだった。膣洞に力を入れても、軋みが感じられなくなってくる。余裕ができたと見て、タカトシの腰使いが鋭くなっていく。
ズンと鈍い衝撃が身体を貫いた。タカトシが下から腰を跳ね上げ、存分に恥骨を打ちつけたのだ。目の前で銀の火花がきらめいていく。
汗で濡れた乳房に指を食い込ませ、タカトシは柔肉を揉みしだく。腰の動きに合わせてカエデの胸が上下すると、それに合わせて彼の手つきもいやらしくなっていった。
そして両手を横から当てて挟み込み、腰を根元から突き上げる。ブルンブルンと乳房の動きが激しくなった。
そして、今やカエデもまた彼の動きに合わせて自らの細い腰を動かしている。意識しているのではなく、本当に勝手に動いているのだ。快感に喘いでいるカエデには、もうそれを不思議にも思わなかった。
「もう、痛くないですよね」
亀頭の先で、子宮の奥が押される。カエデは呻いた。めくるめく心地よい意識が、ゆっくりと高みへと押し上げられていく。彼と共に向かう先は、果てしない快楽の世界であった。
ズン、とひときわ強く突き上げられて、カエデは喉をさらして背をたわめた。
「ああっ!」
視界が真っ白になる。信じられない快感に、カエデは翻弄された。初体験のはずだというのに、もう破瓜の痛みなど記憶の彼方だ。
そんな荒ぶる波に懸命に抗おうと、せわしなく息を吐き、肢体を強張らせた。肉壁がうねり、膣が引き絞られる。
タカトシもそんな彼女の反応に答えるように、腰の突き込みの速度をさらに上げた。そのたびに、彼女の身体もガクガクと揺れる。
息を吐いたタイミングで、タカトシが腰を突き上げた。カエデの体内を雷に打たれたかのような鮮烈な衝撃が駆け上がる。
「愛しています、カエデさんっ……愛しています……!」
このタイミング。なんて卑怯なのだろうか。カエデはその魔性の囁きに、膣の力をより強める以外になかった。
「き、来て、くださ、い……タカトシ、愛しているタカトシ……一緒に……」
カエデはしがみついたまま身体を震わせた。弾ける波に手足をとられ、もみくちゃにされる。
苦しいまでの絶頂であった。
「だ、出します……カエデさん。このまま、中でっ」
「ひうっ、ああっ……だ、出して、くださいっ。このまま、私の、中に……出してっ」
カエデは喉を振り絞り、絶頂の声を音楽室に響かせた。男の色に染められた妖精は、全てが真っ白になった思考のまま、長机の上で痙攣する。
「かっ……カエデさん……っ!」
「あああああっ!!」
愛しい女性の中で、男の全てが発射された。全身をガクガクと痙攣させながら、カエデははるかな最果てへと身を投げる。眩い光をまとって、どこまでも明るい場所へ。
愛する男に処女を捧げた女は、初めてのアクメに身を焦がした。
津田タカトシと、五十嵐カエデ。
2人の肌が織り成す濃厚な夜は、まだ始まったばかりであった。
終
ここだけの話ですが、本編のタカトシ君とカエデさんはここで初体験を経験してはおりません。あの時間軸で行われた撮影会は、あくまでもカエデさんがグラビアのようなポーズをしまくって、タカトシ君は色々なアングルで撮りまくって、最後に濃厚なキスで〆ただけですので、まったくもって健全な撮影会でした。