その日の売春を終えて、自室のベッドで性器のケアをしているとき、膣からどろりと鮮血が溢れ出した。ベッドに付かないように手ですくって、ナプキンを付ける。
今生理が始まったということは、半月ほど前に処女を失ったときは、安全日か……あるいは危険日真っ最中だったわけだ。
(そういえば、今日はなんとなく物足りない感じがしたっけ)
相手は小太りの中年男性だった。精力は普通というところだったのに、正常位で2発、バックで2発も搾り取ったせいで、終わったあと男が立ち上がれなくなっていたほどだ。
疼きはいつものように強くなるのに、子宮に精液を注いだ時の、あの焼けるような快感が薄かった。まるで、薄い膜越しに熱いものに触れているかのような……
「生理は子宮の内側が剥がれる……その直前には当然、触覚は弱くなる、ってことかなあ」
ベッドに座り込みながら、カレンダーに目をやる。ひと月前についた、赤丸。
仕事に影響があるので、生理日につけておいた印だ。休むほどではないが、生理中はなんとなく心が重くなって動くのが億劫になる。こういうものがあったりするから、処女の頃からフォルスは絶対に部屋に入れさせなかった。今はそれどころでない秘密がてんこ盛りにクロゼットの中に隠れているけれど。
処女の頃の自分が付けた印をぼんやり眺めながら、今の自分にとっての生理の意味を考えた。
(赤ちゃん……できちゃうよね)
子供を作ること……子宮の、本来の正しい使い方。今まで毎月してきたように、スピネルの身体が準備を始めている。思えば、初めてのセックスで感じた子宮に注がれる時の焼けるような熱さを、最近感じていなかった。セックス自体の気持ちよさに満足していたからなのかと思っていたが、もっと単純な理由だったということだ。
(さすがに、生理中には『お仕事』できないよね)
ナプキンをつけた娼婦など萎えるだけだろうし、血まみれになって膣につっこみたいという男もあまりいないだろう。
スピネルは下腹部……子宮のあるあたりを撫でながら、
「ああ……早くセックスしたいな……」
お預けを食らった犬のようにつぶやく。
これまでのセックスで妊娠していないという証拠としての生理の意味など、気にもかけなかった。
カレンダーに生理の開始日として今日に赤丸を、そして、約15日後に赤の花丸をつけた。
翌日。夜の街に、紺瑠璃の娼婦がいた。
(だめ……やっぱり我慢できないよ)
生理中のスピネルだ。生理によって血とともに今まで蓄えていた精液もすべてこぼれ落ちることになるので、子宮がさらに疼く。それ以前に、セックスを毎日愉しんだスピネルの身体は、単純に膣が寂しさを感じ、男のペニスが欲しくてたまらない。
身も心もすっかりビッチになったスピネルは、今夜も路地裏に身を潜めてお相手を探す。
経験人数も20人を数える頃になってくると、前に出会った男がこの界隈を歩いているのと出くわしそうになる。
別に出会って悪いというわけでもないのだが、同じ人間と頻繁に会っていると、それだけスピネルのことを知る機会が増える。つまり正体がバレる危険が増えるということになる。
スピネルは、フォルスの恋人だ。
ほかの男のペニスをくわえ込んでいる時以外は。
だから、フォルスを裏切る可能性が高いことはしたくなかった。
幾重にも矛盾を孕んだ思考に従って、スピネルはお口さみしさを解消するために男を物色する。ほかの人間にバレないように声をかけることができる、スピネルと『繋がる』ことができる男。なかなか好条件の男が今日に限って見つからないことにイライラしつつ、20分ほどもの欲しげに道行く男の股間に熱い視線を注ぎ続けた。
「きたっ♪」
やっと見つけたその男は、30歳前後ほどだろうか、仕事のできそうな、女たらしの色男という感じだ。
「おにーいさん♪ わたしとイイコトしませんか?」
スピネルの可愛らしい弾んだ調子の呼び声で、男が振り返る。ベールをしていることに一瞬だけ怪訝そうな顔をしてから、失礼でない程度にスピネルの身体をざっと眺めて、優しげに微笑んだ。
「ふっ……街娼とはやらないと決めていたんだが、君のような美人に誘われては断れないな」
キザったらしい口調で答えながら、自然な動作でスピネルの肩をだく。男の手の力に一切逆らわず、ぴったりと身体を寄せ合った。……相手の男の容姿も気取った口調や、手馴れた肩の抱き方などの言動も、嫌悪も好意も無く、スピネルはにこやかに受け入れる。純粋に、美味しいペニスを確保出来た悦びの笑顔だった。
「えっ? 今生理中なのかい? ……あっ、いや、もちろんそれは……しょうがないことだよね!」
ラブホテルに入ってからスピネルの今の体調を告げると露骨にがっかりし、あわてて立て直す男。それをみて、初めてスピネルはペニス以外で男に好印象を抱いた。
「ごめんなさい……いつもは本番も自由なんですけど、今日はお口と胸と……あ、お尻でもできますよ?」
スピネルがふかぶかと頭をさげて謝ると、男は気を取り直して優しい笑みを浮かべ、スピネルを両腕で優しく抱いた。
「十分さ。じゃあ、まずはその可愛い口でしてもらおうかな」
あごをくいっと指で持ち上げ、スピネルの唇を奪う。わざと半開きにした唇から、すぐに男の舌が進入し、スピネルの口内を優しくなで上げる。
なれた感じの、女を安心させるキスのテクニックを素直に受け入れ、スピネルからも舌を絡めて、愛情たっぷりに男の舌を迎え入れた。
「はぷっ、んちゅ……」
しばらく、ベッドの傍で立ちながら恋人のように抱き合って濃密なキスを交わした。心が繋がってもいないのに、男のペニスが勃起するのを気配で感じてスピネルが優しく股間をなで上げる。それが合図になったかのように、二人は唇を離した。糸を引く唾液を、スピネルが舌を伸ばしてうけとり、こくん、と可愛らしく喉を鳴らして嚥下する。
無言のままにベッドに腰を落とした男の前に跪いて、スピネルは男の股間に顔をうずめた。前に付いたチャックを、口だけでジィィィ、と降ろすと、待ち望んでいた男のペニスの臭気と共に、トランクスを押し上げる剛直がさらに硬く勃起する。
「あはっ、おっきい……♪」
おじ様ほどではないけれど、と一瞬思ってから、スピネルは鼻を鳴らして臭いをかぎ、下着越しのペニスに頬ずりした。その熱さを感じ、うっとりと目を細め、舌なめずりする。
今度はさすがに両手を使って、男のズボンのベルトを緩め、腰を浮かせてもらっている間に下着まで全部ズリ下ろす。
「素敵……」
ラブホテルのピンク色の照明を受けて、男のペニスが照り輝く。大好物を目にしたスピネルは、ぷくりと鈴口から漏れ出て珠を作っている先走りを、そっと舌で舐めあげた。
そのまま、ちゅう、と亀頭に唇全体で吸い付く。ぴくりと震える男のペニスが、快感を物語っている。
スピネルの心を通じ合わせる能力は、セックスをする……ペニスを膣に受け入れてから発動するものだ。しかし、ペニスの反応は男であれば誰でも素直なので、前戯でのフェラにもすっかりなれたスピネルは、男のして欲しいように舐める技量が備わっていた。
砂漠でオアシスを見つけたように、頬をすぼめて一心不乱にペニスをしゃぶりたてる。もどかしげにドレスの上半身部分をはだけて、最近大きくなって谷間が悩ましい胸をさらした。
吸い付きながら、舌はペニスに巻きつくように絡められ、男の亀頭を中心にカリの段差部分をピンポイントでくすぐったり、裏筋に舌全体を使ってざらざらとした刺激を与えたり、工夫を凝らして男に奉仕する。
「くおおっ……可愛い声をして、なんていやらしいしゃぶり方をするんだ……!」
男の『賞賛』に気をよくしながら、ずるる、とペニスを口から引き抜き、また亀頭だけを咥えた状態にもどした。すでに竿の全体にスピネルの唾液がまぶされ、ぬらぬらと光を反射している。
(ああ……これをわたしのマンコに入れて欲しい……)
強くそう思うが、今は駄目だ。頼めばこの男ならセックスしてくれそうではあるが、血と言う証拠を残すことも、ドレスや下着が血で汚れることも、スピネルは嫌だった。
膝で歩いて男に近寄り、殆ど密着した状態になる。首を限界まで下げて、ペニスをしゃぶる口を真下に向けながら、スピネルは胸の谷間に男のペニスをはさんだ。
「おお……」
感嘆する様な男の声を聞きながら、スピネルは一旦口を離して、上を向いて微笑みかける。
「今度は、こっちでしませんか?」
鼻息も荒くうなずいた男に、スピネルはドレスを脱ぐとベッドに上がって仰向けに寝転んだ。
「どうぞ、わたしの上に乗ってください」
胸に手を添えたスピネルに、男が座り込むように腰を下ろす。触れ合った所で脚に力を入れて、スピネルに体重がかからないように配慮していた。
「ありがとうございます。……自由に腰を使っても、いいですよ?」
怪しげに微笑んで、スピネルは胸で男の竿をはさみ、はみ出た男の亀頭をぽっかりと開けた口で包み込む。男はスピネルの胸を性器に、口を子宮に見立てて、その可愛らしい頭を掴んで固定し、腰を振った。
「んっぷ、じゅぽっ、じゅぱっ」
1回ごとに軌道が定まらないペニスに完全に対応し、決して歯が立たないように顔の角度を調整しながら、付きこまれるたびにペニスを吸いあげて男を気持ちよくする。
「うあああっ!? す、すごい……こんなテクニックを……」
夢中になって腰を振る男のペニスが限界以上に膨張する。射精の気配を感じて、スピネルは吸う力を強め、男の鈴口にぐりぐりと舌をねじ込んだ。
「ぐっ、で、でるっ!」
胸から離れてスピネルの口に勢い良くペニスを突っ込み、喉の手前で射精した。喉を叩く射精の感触が、膣内射精で子宮口に叩きつけられるのとは比べ物にならないほどはっきりと伝わってくる。温かさ、粘つき、何より味……
子宮を毒に冒されたスピネルにとって、それは性欲を解消してくれる役にはたたないのだが、スピネルは精飲が好きになっていた。
射精が終わるまで口内で受けきり、尿道に残った精液をすする。そのままぷりぷりとゲル上の精液を口内で撹拌し、空気と混ぜてむせ返るようなその匂いと味を舌に刷り込んでいく。
その淫靡な光景を見て、男が再度勃起を取り戻した。
「その……もう一回、いいかな?」
「もちろんです……貴方の好きなだけ、わたしで射精してくださいね」
こんどは、膝立ちになった男にスピネルが四つんばいで向き合って、首を反らしてペニスを奥深くくわえ込む。イラマチオもありだと言ったスピネルに、そういう酷いことはできないと返した男に対して、さらに喉奥まで使って奉仕するラブマチオを提案した。
男のペニスがスピネルの喉奥に誘い込まれ、強く圧迫される。嫌な顔一つせず、ここまで愛をこめて奉仕されたのは、それなりに慣れた男でも初めてだった。スピネルの喉を傷つけないように、男も快感を求めて腰をほんの少し動かし、ねっとりと口内の感触を味わう。舌も、頬も、喉奥も全てを使った、ハードながらゆったりとした動きで射精感が高まっていく。スピネルは声を上げず、口と喉が男の精を吐き出すためだけの道具のようにしゃぶりあげていく。
「くうぅっ!」
クライマックスもなにもなく、甘やかされるようにスピネルに射精を促され、喉奥に突き刺さったペニスから食道に直接大量の精子を送り込んだ。
(ああ……このきつぅい匂い、酔ってしまいそう……♥)
一度も性器を触ることさえなく、スピネルは射精されることで穏やかな、しかし深い絶頂を覚えていた。
一滴ももらさず精液がスピネルの胃におさまり、子宮とは違った熱い感覚を楽しむ。
「じゅるるっ! んっ、……くちゅ、くちゅ……」
喉まで刺さったペニスを引き抜きながら、尿道の残りを吸い上げ、二度目となる精液のテイスティングを行った。男のペニスは、まだ硬いままだ。
にこりと微笑むスピネルに、男が3度目を頼んだ。
結局射精できなくなるまで、5発もスピネルの口に精液を吐き出した男は、すっきりした顔で料金をはらった。
さすがにいつもの、心を通じ合わせる恋人セックスをした男達よりは額が低いものの、お金がもらえなかったとしてもセックスできれば良いというスピネルは気にしなかった。
それよりも切実なのは、この方法ではやはり『空腹』は癒せないということだった。胃は精液でたぷたぷだが、子宮が普段より強く疼いてしょうがない。やっぱり生理が終わるまでは売春はやめたほうがいいかな、と思ってスピネルは肩を落とした。
帰り道、普通に歩いているだけでも自分の息がかなり精液臭いことを自覚させられる。今のスピネルにはうっとりしてしまうほど良い匂いなのだが、さすがにフォルスにこんな匂いをかがせるわけにはいかない。
「しっかり歯をみがかなきゃ……にんにくの臭いとか、水を飲んだら収まるって言うけど、精液の匂いはどうなるんだろ」
初めて、精液が無く愛液だけでパンツを濡れさせて、スピネルは帰っていった。
翌日から、スピネルの機嫌が何の理由も無く悪い事に動転し、フォルスはシーダに助けを求めていた。持ちかけられても困るんだけど、と呆れながら、2,3スピネルと言葉を交わすと、結論を言いに戻ってくる。
「スピネルな、多分生理だわ」
「ぶうぅ!?」
単刀直入すぎる言葉を可愛らしい少女の口で言って、フォルスを吹きださせた。
「うわっ、きったねーな」
「あっ、アネゴ! いきなり何言い出すの!」
「そうだよ! デリカシーってものが!」
さりげなくフォルスの傍によって、一緒に文句をいうフローテ。2人にうるさげに手を振って、シーダは答えた。
「フォルスはアイツの恋人で、かつ童貞だからな。うっかり妊娠させないように、先輩として忠告しといてやらないといけないな、と思ってさ」
カラカラと笑い、薄い胸を反らした。
「あんたに怒ってるわけじゃないし、むしろ不安になって絡んできたら、いつもより優しくしてやんなよ。女ってのはそういう生き物なんだからさ」
ズバズバと核心を突かれ、フォルスが赤くなりながらもうなずいた。
「うん……分かった。ありがとうアネゴ、やっぱりアネゴは頼りになるなあ」
ふっ、とかすかに笑うシーダと、俯いて服のすそを掴むフローテを背に、フォルスはスピネルに駆け寄っていった。
その背中を、フローテがじっと見つめている。
「フローテ、あんたもよその男にあんまり未練を持つんじゃないよ。……辛いだけ、だからさ」
ぐっ、と叫びを押しとどめてから、フローテは搾り出すように声を漏らした。
「……やだもん」
やれやれ、と首を振って、響友の幼い恋の落としどころを思案するのだった。
夜な夜な男に抱かれる悦びにとり付かれた可愛らしい天使の女と、
露出過多の服装をしつつも純粋で純潔で、未成熟な悪魔の女の子。
あらゆる意味で対称的な二人に好意を寄せられながら、フォルスのセイヴァールでの残り少ない時間は過ぎていく。
そう、フォルスとスピネルの……正確にはスピネル一人だけだが、冥土を消滅させる力を研究させてくれと、世界各国のさまざまな機関に打診されていた件が、ようやく動き出しそうなのだった。あまりに多いのもあって、どこから回るかの順番、また移動と滞在の日程を決めるのも一苦労であるのに加え、二人を誘拐など危害を加える可能性があるかどうか、背後を探るのに手間取ってしまっていた。
デスクワークの苦手なフォルスには割りときつい日々だったが、スピネルといちゃつく時間が増えたためにそのストレスはなんとか爆発しない程度で済んでいたのだった。
一方で、スピネルは、これはチャンスだと思っていた。
(セイヴァールを出る直前に兄さまを契りを交わして……そうしたら、売春は終わり。旅の間は兄さまに毎日子宮を満たしてもらって、全部終わってセイヴァールに戻って来る頃には、紺瑠璃の売春婦のことなんて皆すっかり忘れてるよね)
気がかりなことがあるとしたら、ロレイラルの技術を使って体のスキャンをされることだろう。その時に子宮に異常があることを指摘されるかもしれない。
(でも、仮に子宮に常に精液があったとしても、そんなのを指摘するようなことってあるかなあ?)
貴重なサンプルを相手に、無意味にことを荒立てようとするだろうか。たとえ、淫売なのが真実だとしても。
(弱みを握って、わたしにセックスを迫ってくる人がいたりして♪)
益体も無い妄想をして、緩みそうになる頬を引き締める。どうも、お預け状態であるせいか性欲の歯止めが効いていない。
「さて……スピネル。今日はもう帰ろうか」
もくもくと机仕事をしていたら、いつの間にか仕事上がりの時間になっていたらしい。
「はい、兄さま」
周りはごたついているが、スケジュールを決める話し合いや派遣する組織の裏を洗うことなど、現場の二人にはできない仕事ばかりだ。承諾のサインと、時折の映像通信での顔見せに不定期に借り出される。今日はもうその予定も無いので、二人で連れ立って、帰っていった。
「今日は食材を買い足して帰りましょう」
スピネルがそう言って、食品売り場によっていく。昔から食材を買う時は二人で行っているが、最近になってようやくスピネルから腕を絡めて、若夫婦のようにいちゃつきながらの買い物ができるようになったのだった。
一転して上機嫌になったスピネルにほっとしながら、しなやかに絡み付いてくる腕と、ハリがありながらも肉感的で、むっちりとやわらかいスピネルの胸に顔を赤くしながら、買い物を済ませていく。
さまざまな種族が入り乱れるセイヴァールでは、食材も色々だ。ある種族ではグロテスクとみなされるようなもの、それ以前に食べたら毒になるものもあり、大まかに界ごとに売り場が分けられ、ちょっとしたリィンバウムを取り巻く次元の地図のようになっていた。比較的安心して食べられるのは、やはりリィンバウム産とメイトルパ産だ。肉、野菜……そしてシルターンにもあったらしい、ニッポン人が強く希望したというトーフを買う。ピスタチオのような豆や、にんにくも買った。
実はその殆どが高たんぱくで、いわゆる『精の付く』食材だ。
(これを食べて、兄さまがムラムラしてわたしを押し倒しちゃっても、しょうがないよね♪)
そんないたずら心で、食材を選んでいく。
買い物が終わって、袋につめた食材をフォルスが軽々と運ぶのを、腕を絡めて歩くスピネルがすこし申し訳なさそうに見ていた。
「やっぱり、わたしも持ちましょうか?」
「大丈夫だよ。こういうときは頼りにしていいからさ」
にこやかに笑って、絡めたほうの腕と触れ合っていたスピネルの手を握る。ふにゃ、と照れ笑いながら、指の一本一本を絡めるように握り返し、フォルスに体重を預けた。
「わたしはいつも兄さまを頼りにしてますよ……大好きです、兄さま」
うっとりと目を細め自分を見上げてくるスピネルに見とれながら、フォルスも絡めた手を愛撫するように、優しく握るのだった。
その後も2,3日ほどスピネルは躁鬱が激しかったが、4日目にはぴたりと治まった。当然、久しぶりの売春でたっぷりと精液を子宮に満たしたからだった。