ギッ………ギッ…………。
微睡の中聴こえてくる微かな音に俺は目を覚ます。
「……ん?………んん???」
そして起きて目にした光景に思わず頭の上に?マークが飛び交う。
「ウチの地下室…じゃない?」
彼の目に入ったのは昨日弟と共に逃げ込んだコンクリート剥き出しの地下室でなく木板の貼られた立派な部屋と寝心地の良いベットだった。
「いやいや!?おかしいだろ!?昨日寝る前まで地下室にいたんだぞ!?おい!弟よ起きろ‼︎早く起きろって‼︎」
そんな混乱する思考の中で近くに寝ていた弟を揺すって叩き起こす。
「……っ!?ちょっ!?なんなの兄さん!?」
寝ている中いきなり叩き起こされて少し不服そうな顔をする弟に兄が周囲の状況を話す。
「よく聞け弟よ……如何やら俺達はウチの地下室から何処ぞの誰かにこの部屋に運ばれたみたいだぞ?」
「(周囲を見て)……マジか(シロメ)でもどうやって?ウチの地下室ってかなりセキュリティーしっかりしてたはずだよね?モンスターに無理矢理破壊されるならまだしも僕達に気付かれず拐うなんてできるのかな?」
「それができてるから今俺達はこの部屋にいるわけなんだがな…」
「ですよね〜(シロメ)」
「しかし誘拐か拉致にしろ随分丁寧な扱いはされてるみたいだがな?このベットとかウチで使ってるのよりよっぽど高級品だぞ?」
「凄くフカフカで気持ちいいよね」
「あと分かる事って言えば体の揺れ具合からして俺達は船に乗せられてるって事くらいか?」
「流石、元自衛官よく分かるね」
「まぁ〜そこら辺の感覚は慣れだからな」
さてこれからどうしたもんかと考えているとドアの方から話し声が聞こえてきた…如何やら俺達を拐ってきた張本人のお出ましのようだ。
「さて…鬼が出るか蛇が出るか…」
ガチャリと勢い良く扉が開き現れた人物達に兄弟は思わず目を見張る。
「あら?思ったより御早いお目覚めのようですわよメアリー?」
「だから僕はもっと早く行こうって言ったのに…折角マスターと添い寝するチャンスだったのに…」
「そんなに拗ねなくってもこれからいくらでもチャンスはありますわよ」
「え?……アン・ボニーにメアリー・リード!?」
「お主ら早いとこマスター達に現状を説明してやらぬか?マスター達が驚いておるぞ?」
「それに水着のスカサハさん!?」
兄弟は彼女達を知っていた…何故なら彼女達は兄弟がよくプレイするソシャゲ(FGO)に登場するキャラクター達だったからだ…それもそれぞれの推しキャラとなればなおさら混乱は必須と言える。
「そうですわね…何処から説明いたしましょうか?」
「できれば全部最初から説明して欲しいんだけど…?」
「ふむ、そうさな…でわまずこの世界にモンスターや魑魅魍魎供が現れるようになったのは知っているな?」
「ああ」
「その原因はある1柱の女神が1人の男を我がモノにしようとしてこの世に降臨した際に神秘が溢れたからだ」
「はぁ!?」
「マジですか…」
「残念ながら事実ですわ」
「更に言うとアレはワシですら勝負にならん…たった1柱で世界を改変するなどデタラメにも程がある。あれはもはや『人型をした災害(ワールドクラス)』と思った方が良いな」
「スカサハさんが戦いを避けるとかどんだけヤバイんだよ(シロメ)」
「それにボク達はその女神様に感謝すらしてるよ?敵対する気なんてサラサラないさ」
「感謝?」
「そうですわ……私達がどんなに手を伸ばしても触れられなくて……欲しくて欲しくてたまらない
アンとメアリーがうっとりとした表情で兄に身体を密着し始め、スカサハも弟を抱き寄せた。
「我らはな其方達のカルデアからまかり越したのだ…その意味が分かるか?」
「僕達のカルデアって…まさか!?」
「私達に沢山の種火、聖杯、夢火にフォウ君もくれましたわよね?」
「マジかよ…Σ(゚д゚)」
「世界を越えてようやくマスター達に逢えるキッカケになった女神に悪感情なんで抱くはずがありませんのよ」
「「……(唖然)」」
「まぁ〜驚くのも無理はないがな…改めて自己紹介しよう。ワシの名はスカサハ(水着姿)、愛しいマスターは弟殿じゃ…これからよろしくな兄上」
「私の名前はアン・ボニー(水着姿)ですわ」「ボクはメアリー・リード(水着姿)」「「私達の愛するマスターはお兄さんですわ(だよ)これからよろしくね弟くん」」
「「よ、よろしくお願いしま…す?(色々当たって柔らかくて大変なんですけど〜!?)」」
「そろそろ説明を続けるぞ?現界したワシ達はすぐさまマスター達の家に向かったわけだが余りにもよく寝ておったのでそのまま眠りのルーンも使って今乗っているのアンとメアリーの海賊船キャリコ・ジャックまで運んだんじゃ」
「そこで起こすって選択肢はなかったのかよ!?ってか俺達ガッツリ拉致されてね?」
「拉致とは酷い言われようですわ…ね?メアリー?」
「そうだよ、ボク達は海賊だよ?海賊なら欲しいモノは奪って自分達のアジトに隠さなきゃ!」
「それなら今はそのアジトに向かってるって事ですか?」
「正確には此奴らのアジトでわないがな」
「今向かっているのはスカサハの影の国ですわ」
「か、影の国!?」
「うむ、ワシの国の無人島を1つ此奴らと兄上に進呈しようと思ってな?いつぞやらのイベントで生活したようにのんびり暮らすのも悪くなかろう?」
「それでいいのかよ女王様…」
「気にするな、生活に入りそうな物は片っ端からルーンで作成すれば事足りる」
「でもなんでスカサハさんの国にわざわざ行くんですか?」
「それはこれから起こる事にマスター達が巻き込まれない為だよ」
「なにが起こるって言うだよ?」
「わたくし達以外にも沢山のサーヴァントがそれぞれの大切なマスターの元へ召喚されているって事ですわ」
「そうなると派閥争いやら勢力争いなんぞにマスター達を巻き込まれかねん…そんなくだらぬ事にワシらといる時間を削られるなど看過できん」
「だから誰の手も届かない影の国に隠す事にしたのさ」
「だからね?マスタ〜」
「うふふふ、マスタ〜」
「これからたっぷりとワシらを楽しませてくれよ?」
そこには御馳走を目の前にした肉食獣のように飢えた目でそれぞれのマスターを舐めるように見る3人の女性がいた。
話がなかなか進まない…(シロメ)。
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