※この作品はR-18です。

【剣盾】ヤリチン女装トレーナーのガラル♥レポート   作:五十貝ボタン

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次の回までの間にあんまりにも話が飛びすぎるので、状況説明も兼ねて総集編気分でお送りします。


19:エネルギープラント(エロなし)

■ナックルシティ エネルギープラント

 

「アニキを助けにいくぞ!」

 意気込むホップと一緒にリフトに乗り込む。プラントで使う大型貨物を乗せるリフトは、ボクたちがふたりで使うにはかなり広い。それに上昇もゆっくりだ。マクロコスモスの大型エレバーターに乗った時とはかなり違う。

 

「……」

「……」

 意気込んだはいいものの、上層に到着するのはかなりかかりそうだ。ビミョーに、時間をもてあましてしまう。

 

「はぁ……。オレ、何がなんだかよくわからなくなってきそうだ」

「今日も色んなことがあったからね」

 ホップの気持ちはよーくわかる。

 ファイナルトーナメントの決勝戦でキバナさんとの対決をボクが制してから、いよいよチャンピオンへの挑戦……というところで、思わぬことがおきた。

 

「ローズ委員長がブラックナイトを始めちゃうなんて」

「で、それを止めるためにオレたち、ハロンタウンまで戻って……」

「まどろみの森で古代のアイテムを取ってきたけど、本当に役に立つかな?」

 ボクたちのカバンの中には、まどろみの森のほこらにあった剣と盾が入っている。朽ちてボロボロだけど。

 かつてブラックナイトが起きた時には、このアイテムが役に立ったらしい……ソニア博士の研究が正しければ。

 

「うーん、まあ、お守りにはなるだろ!」

 開き直るような勢いの親友に、思わず吹き出してしまう。

「変わらないね、ホップは」

「むっ……。これでも、ジムチャレンジを通していろいろ考えたんだぞ」

「うん、知ってる。おたがいにレポートを交換してるもんね」

 

 ボクたちジムチャレンジャーは、旅の記録をつけている(いまきみが読んでるこれだ!)。

 スマホロトムを通じて、バトルの結果なんかは半自動で記録されてるけど、それだけじゃ味気ない。

 考えたことや思ったことを書き加えてるんだけど……

 

「なんか、アンリに見られてると思うと恥ずかしいな」

「そんなことないよ。すっごく真面目に向き合ってるもん」

 ホップのレポートでは、彼の葛藤が克明に記録されていた。バトルメンバーを入れ替えての試行錯誤や、何度もジムチャレンジに挑むなかでの挫折や……

 

「オレ、本当にアニキに憧れてたんだ」

 今はふたりきりだ。薄暗いリフトの中で、ホップがボクに目を向ける。

「アニキは無敵のチャンピオンだろ。でも、オレは最初のバトルからアンリに負けちゃってさ。自信ソーシツだよ。でも、いま考えたらこんなひどいことないぞ。まさか、アンリがトーナメント優勝しちゃうくらい強いなんてさ!」

「さ、最初からそんなに強いわけじゃなかったけど……」

 

「そうだよな」

 ふー、とホップが大きく肩を上下させて息を吐いた。

「アンリはいつもオレよりちょっと強かった。だから、アンリに追いつきたくてオレもここまで来られたんだ。たぶん、ひとりだけでジムチャレンジしてたら……エンジンシティより先に行けたかわからないぞ」

「ボクも、ホップと一緒だから進めたんだよ」

「お、おう……」

 なぜか鼻の下を擦って、ホップが目をそらした。

 

「オレもさ、どうやってこんなに強くなったのかと思ってアンリのレポートを読んだけど……なんで女の子と遊んでばっかりでオレより強いんだって思ったぞ」

「そんなこと思ってたんだ」

「ちょっとだけな、ちょっとだけ! でも、スパイクタウンのあの子……」

「マリィ?」

「そう。マリィだって、アンリに会って、もっと強くなった気がする。たぶん、かのじょもオレと同じなんだ」

 

「同じって?」

 不思議に思って聞き返す。ホップは頭の後ろで手を組んで、リフトの壁にもたれた。

「勝たなきゃ、強くならなきゃって思ってたけど、それだけじゃないと思ったんだ。勝負って、勝つか負けるかだけど、それだけじゃないんだ。相手がいるからできる。勝負もしてもらえないくらい嫌われてたら、勝つことも負けることもできない……だからオレたち、やってよかったって思えるバトルをしたい」

「ホップとのバトルはいつも楽しいし、やってよかったと思ってるよ」

「オレのほうがもっと、もーっと思ってるぞ!」

 ぐっと意気込んで叫ぶホップに、思わず驚かされてしまう。

 

「そ、そんなに?」

「勝てばなんでもいいってわけじゃないんだ。この人に勝ちたいって思って、思われて、お互いが思い合ってのバトルじゃないと」

「エッチと同じだね」

「ぶふっ。い、いきなり何言うんだ」

「だって、ボクのレポート読んでるんでしょ?」

「そうだけど……」

 ホップの言うとおりだ。むやみに戦いたいわけでもないし、勝てれば何でもいいわけじゃない。

 

「とにかく、ブラックナイトを止めないと!」

 なんだか、話をしているうちに気持ちが整理できた気がする。

「委員長はガラルのエネルギーを解決するつもりだったらしいけど、このままじゃダイマックスしたポケモンが暴れまわる怪獣映画の世界になっちゃう」

「アニキが戦ってるはずだ。行こう!」

 ようやく、リフトが減速を始めた。プラントの上層部に着いたみたいだ。

 

「今日はホップと一緒にあちこち飛び回って、楽しかった」

「楽しんでる場合じゃないぞ」

「場合じゃなくても、楽しい方がいいよ」

「うん……。よし、行くぞ!」

 

 かくして、ブラックナイトことムゲンダイナとの戦いにボクたちは挑んだ。

 もちろん、ホップがいてくれてよかった! ボクたちふたりと、伝説のポケモンの力を借りてようやく食い止めることができたくらいだった。

 

 巻き込まれたダンデさんがケガをしてしまったのだけど、三日で完治したらしい。丈夫な人だ。

 そういうわけで、中止になっていたチャンピオンとの戦いに、ボクは挑むことになったのだった……。

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