お花大好きアクトレス少女がチャラ男に摘まれていたお話 作:のぶた
※片想いNTR、失恋
※人物、世界観を把握しきれておらず呼称や設定の誤りはご容赦頂きたい……
(とりあえずお昼、とってこないとな……)
仕事前にコンビニで買っておいたパンを取りに、休憩室へと向かう。
ガラリと休憩室の扉を開けると、部屋の中央にあるテーブルへと足を乗せ、
深々と椅子に腰掛けて本を読む礼儀の全くなっていない男の姿があった。
「お、シューイチじゃん。おいーっす♪」
「……お前、勝手にお昼行ったの磐田さん怒ってたぞ」
髪をツンツンと尖らせ、良く知らない香水の香りを振りまくチャラい男。萩原誠二である。
「え? マジ!? うわぁー、ちゃんと作業全部終わらせたんだけどなぁ……」
焦ったような事を言ってはいるものの、顔には全く焦りがない。
まぁコイツにとってはいつもの事であり、僕や磐田さんにとっても今更な事である。
特に反省しないのも今更判り切っていることなので、特にそれ以上言うこともない。
こんな奴だが、仕事は丁寧、今の所大きなミスをしたこともないんだからなんだかなぁと言った感じだ。
「……ん? お前、その本」
ふと、誠二の持っている本が気になった。
「あぁ、これか?」
そう言って呼んでいた本のカバーをこちらに向ける。
カバーには『花言葉』との言葉がある。どうやら花のそういった事にまつわる本のようだった。
……とてもコイツの見た目とは似つかない、ファンシーなジャンルだ。
「……へぇ、そういうの読むんだ」
「いやー、今まで読んだ事なんてなかったんだけどよ。今付き合ってる子がこういうの好きみたいでさ。読んでみてほしいって渡されたもんでさー」
「付き合ってるって……例の空手やってるって子か?」
記憶によれば、前にそういった子と付き合い始めたと言ってた気がしたが……。
いや今はアナウンサーをやってる子だとか言ってたような気もする。
こんな見た目のチャラ男であり、女関係も非常にだらしないようで、コロコロと彼女を変えているようである。
なんというクズ……本音を言えば少しし……かなり羨ましく思うところもある。
「いやー、その子とは結構前に別れてしばらくフリーだったんだけどよ。最近寂しくなってきてたんで、ちょっといつもと違う感じの子にアタックしてみててさ」
コイツの女性関係など特に興味もないのだが、誠二は勝手に語り出す。
「最初の頃すっげー怖がられて、流石に無理かなーと思ったんだけどなぁ。俺のつけてた香りが彼女の好きな花の香りだったみたいで、そっから打ち解けて楽しく話せるようになってきてさ。こないだオッケー貰えて、そっからはもうラブラブよ。いやーほんと、モテる男は困っちゃうねぇ♪」
「……あぁそう。羨ましいことで」
「その子がすげーエロくてよー♪ おとなしい子ほど、やっぱ興味あるんかね。ちょっと頼んだらコロっとヤらせてくれてよ、今色々仕込んでんだけどコレが中々さぁ……」
「…………」
一々聞いていない、興味のない事をどんどんまくし立ててくる。
このままノロケかイヤミか良くわからない話を延々されてはたまらんと、
置いておいたお昼を回収し、そそくさと部屋から出ていこうとする。
「おろ、どっか行っちゃうの? えぇー! 一緒に食べようぜー! てか外行くならせめて着替えようぜ、汗くさいと女の子にモテないぞ? おーい、おーい!」
等とブーブーと喚く誠二を無視し廊下に出ると、勢いよく扉を閉める。
五月蠅い声が聞こえなくなったところで、どこで昼食をとるかを考えると、
ふと先ほどの本のカバーが頭に過った。
(花言葉か……この時間なら、いるかな)
花という言葉を見て頭によぎった一人の少女の姿を求め、僕は中庭へと足を向けた。
続く