※この作品はR-18です。

お花大好きアクトレス少女がチャラ男に摘まれていたお話   作:のぶた

4 / 8
※注意:オリジナル登場人物
※片想いNTR、失恋
※人物、世界観を把握しきれておらず呼称や設定の誤りはご容赦頂きたい……


第4話

「……それでですね、そのときの綾香ちゃんとむっちゃんがとっても面白くって……」

 

中庭にあるベンチに二人で腰掛け、お喋りをしながらお昼を過ごしていた。

話している間にもどんどん表情が変わり、沢山の顔を見せてくれる。

正直あまり女性と話す事には慣れていない僕だが、彼女とはあまり緊張する事なく話す事ができる。

……逆に言えばこんな中学生の女子以外では緊張してしまう。恰好悪い話ではあるが。

 

彼女と出会ったのは僕がここに入って間もないころだった。

業務に慣れず失敗ばかりで、磐田さんから怒られ落ち込んでいた日の事だ。

人気のない所を求めた僕はこのベンチで、ただ何をするでもなく俯いていた。

そんな僕に声をかけてくれたのが彼女だった。

 

『あの……大丈夫ですか?』

『えっとその、凄く……落ち込んでいるように見えましたので……』

『あ……っ! そうだ、ちょっと待っててください!』

『はぁ……はぁ……あの、良ければこのお花をどうぞ……凄く、落ち着く香りがするんです』

『凄く綺麗に咲いたので、事務所に飾ろうかと持ってきたのですが……もしかして、お花はあまり好きじゃなかったですか?』

『……本当ですか? よ、良かったです……!』

『お花には幾つかの花言葉があるのですが。このお花には"成功"という花言葉があるんです』

『もし何かに失敗して落ち込んでるようでしたら、これで元気を出して貰えればなと思いまして……す、すみません偉そうな事言ってしまって』

『……よ、良かった~。優しいおにいさんで良かったです。あ、自己紹介がまだでしたね』

 

『わたし、相川愛花と言います。わたしはよくここにいますので、もしよければまたお話してくれませんか♪』

 

(……あの時愛花ちゃんが声をかけてくれなかったら、どうなってただろうなぁ……)

 

彼女と出会った日の、お日様のような笑顔を思い浮かべていた。

あの日から、この場所へと度々足を運ぶようになり、彼女とよく話すようになった。

彼女と出会った事で、アクトレスとして戦う少女たちの力になりたいと強く思うようになった。

そう思えるようになったからこそ、自分は今ここにいるのだと、彼女を見るたびに強く心に思い直す。

 

(……絶対に彼女たちを……彼女を傷つけさせやしない!)

 

密かにそう決意を燃やしていると。

 

「……しもし……もしも~し……おにいさん、聞こえてますかぁ~?」

 

「……へ?」

 

ふと気付けば、僕の顔のすぐ目の前に、横からのぞき込むように顔を出した、愛花ちゃんの顔があった。

 

「……う、うわぁっ!?」

 

あまりの近さに驚き、素っ頓狂な声を上げ大きくのけぞると。

 

「きゃっ!!」

 

僕の驚いた反応に、彼女を驚かせてしまったようだった。

 

「……び、びっくりしたぁ~」

 

「ご、ごごめん! 少しボーっとしてた!」

 

「いえ、わたしの方こそすみません。面白く……なかったですよね」

 

きっと自分の話が退屈だったせいだと、そう思ってしまったのだろう。

しゅんと落ち込んでしまう彼女を慌ててフォローする。

 

「ち、違うよ! 話が面白くなかったとかじゃなくて、ちょっと昔を思い出してただけで……三人とも本当に仲が良いんだね。凄く羨ましいよ」

 

彼女の先ほどまでの話に相槌を打つ。綾香ちゃん、むっちゃんというのは彼女がアクトレスでチームを組んでいる二人の事だ。

愛花ちゃんを含めた三人は、アクトレスの活動の一環としてアイドルユニットを組んでいたりもする。

改めて思うと、人類を救う象徴であり、アイドルでもある女の娘。そんな子と二人きりで並んで楽しくおしゃべりだなんて。

昔は夢にも思わなかった光景だなぁだなんてしみじみと感じる……と、いかんいかん。今は目の前の彼女に集中しなければ。

 

「はい、そうなんです! 二人とも、とっても仲良くしてくれるんです。わたしの最高のお友達なんです♪」

 

そういいながらパァっと明るい笑顔を取り戻してくれる少女。

 

「そうなんだ……もしかして今日の午後も皆とどこかに出かけるの?」

 

今日は午後から休みだと言っていたことを思い出し、彼女たちと出かけるのかと思ったが。

 

「……あ、いえ。今日は皆とではないのですが。近くでお花の展覧会があるので、それを見に行く予定でして……」

 

そういって照れ臭そうに少し俯く彼女。仕事を休み遊びに行くことが、少し気まずいと感じたのかもしれない。気にする事はないのに。

 

「……愛花ちゃんは本当に花が好きなんだね」

 

「……はい♪」

 

そういってまた笑顔を取り戻してくれる彼女。

……うん、やっぱり愛花ちゃんには笑顔が一番だなと思う。

この楽しい時間がずっと続けばいいのに……そう思った矢先

 

「おーっ、シューイチじゃん! うーっす!」

 

少しかん高い男の声に、至福の時間が邪魔される。

 

「ッ!?」

 

(……あれ?)

 

その声に反応したのか、隣にいた愛花ちゃんが少しだけピクリとした反応を見せたような気がした。

 

(気のせい……かな?)

 

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