ぼくがビッチになったワケ 作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!
智の荒い吐息に混じり、雨の音が聞こえる。
街のほぼ中央にある雑居ビルの三階廊下に寝そべって、ぼくは天井にあるLEDの電灯の数を数えた。
「ああああああああ……またイくまたイく……!」
互い違いになるように馬乗りになった智は、お尻をぼくに向けて激しく腰を振っている。
「ぅぅ……はぁ……い、痛くないやろう……なぁ?」
互い違いになるこの体位なら、体重を掛けられることもないから脇腹は痛まない。智の提案。
「うん、痛くない」
ただ、ちょっと退屈。快楽に崩れた智の顔を見てみたい気もする。
「な、もうちょっと、ここでシていこ? な? な?」
滑る淫液でてかる智の秘裂は妖しく蠢いて、ぼくのぺニスを甘噛みしている。
「……いいけど、もう三回目だよ」
挿入してすぐはぎこちなかった智だけど、コツを掴んでからの腰遣いは荒く激しいものになった。
「あと一回、一回だけやん……!」
そのあと一回が、もう二回続いている。
「い、イかんといてや? 男って、女みたいに何回もイけんのやろ!?」
「……分かった」
カオルだと逆の事を言うんだけど、智の意見は違うみたい。視線を落とすと、白濁した愛液が結合部分で泡立っている。
両足を大きく開いた四つん這いの姿勢になり、智がまた腰を遣い始めると粘着質な水音が通路に響いて行く。
「……こんなん知らん。一人でするんとも夢とも全然違うやん……!」
顔を見られてないせいか智は饒舌で、色々なことを教えてくれる。
「深い深い……めっちゃ奥まで届いてる……」
智のそこは完全に溶けきって柔らかく形を変え、ぼくを根元まで飲み込む。
濃くなった性臭が鼻に衝く。
昨日まで処女だった智のそこは、もう女の匂いをさせている。
「ぁぁぁぁ……あ、あ、あ!」
智は形のいい逆ハート型のお尻を激しく上下させてぼくを貪り、歪んだ肉襞が苦しそうに震えて濁った粘液を吐き出す。
尻肉を左右に割り開き、収縮を繰り返すセピア色のすぼまりに人差し指で触れると、ぎくりとしたように智の腰が止まった。
「……な、なに?」
粘る愛液を押し広げ、それを潤滑油にして指先をアナルに押し込む。
「そ、そこ違――」
身を捩り、僅かに抵抗して見せた智を無視して、愛液の滑りを帯びた人差し指を一気に根元まで突き込んだ。
「ぅぐっ――――」
膣にぺニス、アナルに人差し指を突き込まれ、智は大口を開けたまま、雷に打たれたみたいに固まった。
「ぁ――――」
油断していたのか、挿入時の抵抗は殆どなかった。
「どう? どんな感じ?」
突然の衝撃に呼吸まで止まったのか、大口を開けたままの智は、太腿をブルブルと震わせることで答えた。
人差し指に伝わるのは、生暖かくてツルツルとした腸壁の感触。
薄い肉壁を挟み、指先でぺニスに触れる。カオルの場合――
「そ、それ、いかん……ヤバい……」
カオルの場合、アナルから薄い肉壁越しにぺニスに触られるとすぐイってしまうけど、智にも同じことが言えるみたいだった。
「ちょ、イくって……」
智は呻き、ぼくの足を抱え込むようにして丸くなった。
多少の差異はあれど、女の子の弱点は同じように思う。人差し指を捏ねるようにして腸壁越しにぺニスに強く触れると、智の膣口から大量の粘液が溢れ出した。
「んぐぐ……!」
腰砕けになりながらも、智は我慢の子。思い出したようにアナルが収縮して、ぼくの指を食い千切らんばかりに締め付けてくる。
「智、我慢してると特大のが来るよ?」
同時に子宮目掛け、思い切りぺニスを突き上げると、智はピンと両足を伸ばし、おとがいを逸らして絶叫した。
「▽◇#*〒◯★!」
意味を持たない言葉の羅列を叫び、智は激しく絶頂した。人差し指を食い縛るアナルが戦慄くように震え、膣からは生暖かい潮が勢いよく噴き出す。腰が大波を打ち、開いたままの口から舌が突き出ている。
「ぁぅぁぅぁぅぁぅ……!」
「イってる?」
大きく頷きながら振り返った智の顔は、涙やら鼻水やら涎やらで滅茶苦茶だった。
「あと一回、する?」
「…………」
智は泣き笑いの表情で、黙って首を振る。その顔が一瞬、カオルと重なって――
ぼくは、盛大に萎えた。
◇◇
腰が抜けてしまった智に肩を貸して、薄暗い通路を大浴場に向けて歩く。
智が仏頂面で言った。
「あれ、犯罪やで……」
よく分からない。通路の床が、智の分泌した様々な液体で派手に汚れた事を言っているんだろうか。
「……きっと、あそこを通る度に智の匂いがするだろうね」
そう言うと、智の顔は真っ赤になった。
「お風呂に続くこの道を、智の道と名付けよう」
「……か、堪忍して」
浴場に着くと、既に浴槽からお湯が溢れていた。慌ててお湯を止めようとした智が思い切り尻餅を着くというハプニングがあったけどご愛敬。
智が理性を失うほど期待したお風呂タイム。
湯船に並んで浸かり、智は少し悔しそうに呟いた。
「……怪我がなかったらな……」
ぼくは聞こえないフリをして、額に掛かった前髪を後ろに流した。
大きいお風呂は湯気でいっぱいで、普通のお風呂と比べて不思議な感じ。
「ちょっと、叫んでいい?」
そう言うと、智は目を丸くしてぼくを見つめた。
「いきなりやな。何でそうなるん?」
「音が響いてる。大きいお風呂って、そうなの?」
「……」
智は目尻を下げ、何故か悲しそうな表情になって頷いた。
「……ええよ。好きにしや?」
「ぃやっほう!」
遠慮なくぼくが叫ぶと、智は悲しそうな表情も何処へやら。思い切り噴き出した。
「歌っていい?」
智は笑いが止まらないようで、頷きながら白い歯を見せた。
「た、め、い、き DE happy day♪」
なんとなく思い出した歌は、夏休みに入る前、カオルがカラオケボックスで歌っていた流行りのポップスだった。
「私たちは、アイで結ばれた♪」
「あ、それ知っとる。名前ど忘れしたけど、何とか言うアイドルが歌っとるやつやろ? 御影って、そんなんも聞くんやな」
「あなたと私、もっとギュン(×2)恋しましょう♪」
ぼくは、こんな訳の分からない内容の歌詞の歌は聞かない。そもそも音楽に興味がない。聞いていたのはカオルだ。
「あは、うまいうまい」
何も知らない智は笑っている。
――ユキ、あいしてるよ――
思い浮かんだ言葉を振り切るように、ぼくは歌った。
た、め、い、き DE happy day♪
カオルは確か、なかなか報われない恋を頑張る女の子の応援歌とか言ってた。それが大きなお風呂場の中、エコーして聞こえる。
……離さない。離さないから……
ぼくの耳元で、そう囁いていたカオルの顔は、大量の湯気のせいか、少しぼやけて見えた。