ぼくがビッチになったワケ 作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!
大きいお風呂は湯気がいっぱいで、何だか雲の中にいるような気がして不思議な気分だった。
「な、こっちにおいでや……」
雲の中の世界で、そう言ってぼくを引き寄せた智が唇を寄せてくる。
熱を持った脇腹はじんじんと、湯気に蒸された額の傷はじくじくと痛んだ。
「ん……」
舌を絡ませながら、智がぼくの上に胡座(あぐら)をかくようにして馬乗りになった。湯船の中にいるお陰か、あまり体重を感じない。
「……なぁ、めちゃ好きや」
そして智は何度も口付けを繰り返しながら、胸焼けがするような甘い言葉を囁き続ける。
「私がここまでするん、御影だけやで……」
湯気でぼやける世界の中、ぼくは再び智の中に招き入れられた。
「あは、暖か……」
ぼくの目を覗き込む智の膣(なか)は程よく蕩けていて、少しひんやりする。
「なぁ、何処の大学行くん……?」
「……父さんの地元」
「私も、付いていってええやろ?」
その問いには答えず、腰を引き付けて奥深くぺニスを挿入すると、智は鼻に掛かった声を上げた。
「んっ……あんまり動いてないのにイってまいそう……おっぱい吸ってや……」
固く尖った乳首に吸い付くと、智は、ぼくの頭を抱き寄せ、悩ましい溜め息を吐き出した。
「……悠ちゃんって、呼んでええ……?」
「子供っぽいから嫌だ」
「ええやん、なぁ……」
掠れる声で囁き、前後に腰をグラインドさせる度に、智の溺愛の性分は加速して行く。
「悠ちゃん……悠ちゃん……」
湯船の跳ねる音に混じり、智の荒い吐息が徐々に浅く早いものになる。胸元に耳を当てると、心臓が早鐘のように鳴っていた。
「好き、好き……」
智は熱に浮かされた人のように何度もぼくの名を呼んで、激しく腰を擦り寄せる。
「あぁ……もうイきそう……」
お湯が跳ねる音が大きくなり、ぼくの腰に足を絡ませる智が舌を伸ばしてキスをせがむ。
「……のぼせそう……」
「うん、ごめん……もうちょっと、もうちょっとやから……」
舌を絡め、ぼくの唾液を飲み下す智のブレーキは完全崩壊。固く勃起したクリトリスを押し潰すように腰を擦り付け、息継ぎの間さえ惜しんで口付けを交わす。
その激しさに、ぼくもむず痒いような射精衝動を覚えた。
だらしなく唇の端から涎を垂らした智が笑った。
「悠ちゃん、イきそうやろ? 膣でぴくぴくしとる。ええよ、一緒にイこう……?」
「ん……」
朝から何度もしてるのに、今日はまだ射精してないことを思い出して、ぼくは身体の力を抜いた。
「あは、そうそう。思い切り射精してや? 一緒にイこう?」
蒸した空気を吸い込むと息苦しく感じた。目元まで赤くしてお尻を振る智のそこは、お湯の中ですっかり煮崩れてしまったのか、柔らかい肉の壺になってぺニスに纏わり付いてくる。
「あぁ……すご……奥まで悠ちゃんきてる……」
ぼくの首筋に強く吸い付き、智は一層強く腰を押し付けてくる。
「イく……悠ちゃん、いつでも……いつでも……!」
ぼくは頷き、呻く智の腰を引き寄せ、亀頭を子宮に擦り付けた。
「んんぐっ……!」
瞬間、智は身体を震わせ、滑る蜜壺から生温い液体を吐き出した。
――イった。
ぎゅうっと膣が収縮してぺニスに吸い付く。殆ど同時に、ぼくも射精した。
浴場の熱気と吐精後の脱力も相俟って、大きく息を吐くぼくの耳元で智が囁く。
「……あいしてる」
あぁ――それがいつだって、ぼくを弱くする。智のそれは、カオルのそれよりも、ずっと重くて暑苦しい。でも全然嫌じゃなくて。
ぼくは…………
◇◇
その後、盛大にのぼせたぼくは目を回し、脱衣場にある布張りの長椅子で横になった。
そして焦った智は半泣きになって、あっちこっちと忙しない。
「ああ、もうまたやん! 私……私……!」
智は大袈裟うるさい。
息切れ、動悸、目眩、発汗。一過性の不快感に耐えながら、ぼくは力なく呟く。
「……冷たい水飲みたい」
「分かった!」
頷くや否や、智は素っ裸のまま脱衣場から飛び出して行った。
……我慢して我慢して、それでも耐えきれず、結局は流されてしまう智はとても可愛らしく感じる。目を閉じると、火照った身体が長椅子に張り付いているような感じがして心地いい。
寝転がり、荒れた呼吸を整える間に様々なことを考える。
肌を重ねる度に智の『愛してる』は強くなる。そろそろ、ぼくの手に負えなくなりそうだ。
智の身体と心は、ぼくに馴染み過ぎる。
他の子なら生々しく感じるだけの行為も、智となら悪くないと思うぼくがいる。
「帰った!」
素っ裸の智がペットボトル片手に帰って来た。
「スポーツドリンクでええやろ? こっちの方が吸収しやすいんやって!」
「……ん」
心配顔の智からペットボトルを受け取り、中身を煽る。
「ごめんな……私、本当に、その……」
軽く頭を振り、目眩を追い払ってから、ぼくは頷く。
「いいよ。それより、身体洗ってないからまた入るよ」
「…………」
「疲れたから、ぼく洗って」
しゅんとしていた智は、きょとんとして不思議そうな表情でぼくを見つめ、それから小さく頷き返した。
「…………分かった」
◇◇
もう一度お風呂に入ってからの智は、うんと優しくなった。
柔らかいタオルでぼくの身体を洗ったあと、ぺニスは念入りにフェラ。
「その、これはそういうんやなくてやな……」
「勃っても挿れない?」
「……あ、いや、それは……」
ホント、スケベじゃなかったら最高だったのに。
智はぼくのぺニスに興味津々。
たっぷり十分はフェラしたあと、まじまじと観察して、軽くしごいたり、陰嚢の部分に触れてみたり。
そうこうしているうちに、すっかり回復したぼくのぺニスが元気を取り戻し、固くそそりたった。
智は不思議そうな表情。
「……なぁ、これって何回かに分けて大きくなるもんなん……?」
「ならない」
「ウソやん。最初、そうでもないのに、私がイきそうになったら奥までガッツンガッツン来るやん。あんなん我慢できる訳ないし、めっちゃズルい」
「それは……」
そう言えば、カオルやトウコも似たようなことを言っていたけど、ぼくは第二形態があるどこかの宇宙人とは違う。それは準備ができた女の子の方で迎えに来ているだけだ。
でも、ぼくは女の子じゃないから智のその感覚は共有できない。
「……どう説明したらいいんだろうね……」
ぼくが考え込んでいると、智はしたり顔で笑みを浮かべた。
「今度から、あれ禁止な?」
「分かった」
勘違いしている智は可愛いし、説明するのも面倒なので、そういうことにしておいた。
髪の毛を洗うのは少し面倒だった。
額の傷は無視して、そのまま洗っていいと言うぼくに、智が頑なに反対したせいだ。
「ばい菌入ったらどうするん」
「オキシドールか何かで消毒すればいいんじゃないの?」
ぼくがそう言うと、智は両肩を抱いて震え上がった。
「な、何を言いよん! そんなんしたらやな……」
智が言うには、オキシドールやアルコールでの消毒は傷回りの細胞を破壊してしまうため、痕が残る原因になるから駄目らしい。
結局、ぼくが顔を両手で覆うようにして傷口を隠している間に手早く洗髪するという方法を取った。その後、傷口は軽く水で流すだけに留める。
「朝、シャワー浴びたやん。本当はそんなんもいかん。化膿せんでも痕になったらどうするん」
どうでもよかった。
◇◇
緩やかな時間が流れる。
大きなお風呂は蒸気でいっぱいのせいか、身体が冷え込むこともなかった。
智はぼくを洗うことにご執心で、肝心の自分はカラスの行水。
「汚い子は嫌いだよ」
「わ、わかっとるっ!」
視線を泳がせる智の手は、ぼくのぺニスから離れない。
「どうだか。ぼくが洗ってあげるから――」
「嫌や! そんなん言うて、また私のことメチャクチャにするつもりやろう!」
ここまでで学習した智は、ぼくに身体を触られることを極端に嫌がった。
「……つまんないの」
「面白うされて堪るか!」
廊下とお風呂でHして気が済んだのか、智のブレーキは復活していつもの耐久モード。ぼくらがお風呂に入って既に二時間が経過していたし、そろそろお開きの合図。
ぼくは最後にもう一度湯船に浸かり、縁の部分に凭れかかるようにして、身体を洗う智を眺めていた。
「その、お風呂上がったらマッサージしたろうか……?」
智はHしたいんじゃなくて、理由は何でもいいから、ぼくに触れていたいだけ。それが伝わったから、ぼくは黙って頷いた。
ウルフカットのショートレイヤー。活発なイメージのある智には似合っている。髪を洗っている間は無言だった。
円錐形のおっぱいはツンと突き出ていて暴力的。ぼくが知っているおっぱいの中では一番の破壊力がある。
たっぷりのボディソープで泡まみれになった智は身体を洗いながら、何か言いたそうな視線を送って来る。
「……あの、な……私の身体、その、どう……?」
智には全てバレていると思った方がいい。カオル、シュウ、トウコ、ユキナ。他の娘を意識しての言葉だということはすぐ分かった。
ぼくは微笑んで見せた。
「智は? ぼく、どうだった?」
「えぅ、と、あの、それは……」
忙しなく身体を洗っていた手を止め、智は真っ赤な顔になって俯いた。それでも――
消え入りそうな声で答えてくれた。
「……想像してたんの、百倍よかった……」
「ありがとう。ぼくも、すごくよかったよ」
「ほ、本当か? その、私って……体質みたいで、鍛えたら痩せるより筋肉付くんよ……」
ぽつぽつと言う智の表情は、まるで不治の病を告白する重病人みたいに絶望に溢れていた。
「気にしてるの?」
「……女らしくないやろ……」
頷いた智は、みるみるうちに俯き、肩をすぼめて小さくなった。
鍛えたら鍛えただけ強くなる。アスリートとしてはこれ以上ない資質だと思うけど、智にはそれが強いコンプレックスになっているみたいだ。
ぼくは小さく欠伸した。
「大丈夫。智は、すごく女の子らしかった。ぼくが保証する」
カオルやトウコよりも随分と腰遣いが荒かったことは言わないでおく。
「ほ、ホントか?」
いつも自信満々の智だけど、その事だけは自信がないのか、遠慮がちにぼくを見つめている
「本当。今からでも、できるし」
「…………」
「もう一回だけ、しちゃう?」
ぼくがとびきり悪い笑みを浮かべて見せると、ぱっと頬が紅潮した智の喉がゴクリと鳴った。
「……うん、する……」
打たれ強くない智にはフォローが必要。もう1ラウンド追加のお知らせ。自分から誘っておいてなんだけど、ちょっとしんどい。
「……おいで、智」
求められれば何度でも。
ビッチのお仕事、その日のうちに。
そんな風に考えて、ぼくは微笑った。