ぼくがビッチになったワケ 作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!
美里は少し足を開いた『休め』の姿勢で、じっとぼくを見つめている。その無駄のないほっそりとした身体は、智の言う通り肋が浮いていて、痛々しく映る反面で何処か清らかにも映る。
「御影先輩……」
涙を浮かべ、殆ど泣き出しそうに言う美里の股間から糸を引く愛液が垂れ落ちていなければ、ぼくはこの健気な後輩の言うことを何だって聞いてやっただろう。隣に視線を向けると、値踏みするように、半目で美里を睨み付けていた智がこちらに向き直った。
「どした? 悠ちゃん」
ぼくは俯き、智の視線を躱して考える。
はっきりいって、幼さの残る美里の身体に性的な魅力は感じない。そもそもぼく自身、セックスは好きなほうじゃない。ここで嫌だと拒絶するのは簡単だ。智も、ぼくが嫌がって見せれば無理強いはしないだろう。でも……ここでの拒絶は、深刻な意味で美里を傷付ける。
「智は……本当に、いいの?」
この厄介な問題を押し付けると、智は不快感露に、ぎゅっと眉根を寄せた。
「ええワケない。でも……悠ちゃん、川村に冷たくできんやろ。陰でこそこそされるんは嫌やし、それやったら目の前でされた方がよっぽどすっきりするわ。それに……」
「……?」
そこまで言って、何故か智は困ったように目尻を下げた。
「……興味がある、って言ったら、悠ちゃん引くか?」
「興味?」
「うん。その、あの……私、アレのとき、止まらんようになるやん?」
「それは……」
それはきっと、あいのモンスター。ぼくの全てを求めて、離さない。誰にも制御できないモンスター。智もその存在に気が付いている。
「……知りたいんよ。私に何が起こっとるか。何でそうなるんか」
そのモンスターが、いずれぼくを殺す事に、気が付いている。
「……そう。分かった……」
智は、まだ変化の途上にある。自分の中に棲むモンスターの正体を見極めようとしている。そんな智にとって、セックスはそれほど重要なパーツじゃない。少なくとも、彼女はそれが一番じゃない。ぼくが美里に魅力を感じていない事を条件に、この一件が成立している。これからも、ぼくと一緒にいる為に、智があのモンスターを制御する方法を模索している事が分かった。
「御影先輩……」
美里が情けない鼻声で呼んで、ぼくは居たたまれない気持ちになった。
「まったく、もう……」
この子の卑屈な態度にも問題がある。見ない間に、きっと自信を喪失するような出来事があったんだろう。
「……お許しも出たし、いいよ。おいで……」
溜め息混じりに言って、ぼくはもう一度智に視線を送る。
目の前で美里をバラして見せれば、智は納得するんだろうか。
「知らないよ。怒らないでね……」
「……」
美里が、へらっと笑った。惨めで情けない仕草。直さなきゃいけない。この子は少し、壊れている。
「怪我しとるけん、そっとな」
「は、はい。分かりました……」
智が僅かに身を引くと、おずおずと美里がベッドによじ登り、四つん這いでにじり寄って来る。
細い腰に手を掛け、美里を抱き寄せると、肉感的な智とは対照的な感触。骨張っていて、軽い。酷く興奮しているようで、全身にしっとりと汗が滲んでいた。
◇◇
ぼくに馬乗りになる形の美里を、智は無表情で観察している。
顔を上げると、目元を赤くして瞳を潤ませた美里と目が合った。
「き、キスしたいです」
「嫌だ」
ぼくがバッサリ切り捨てると、堪えきれずに智が吹き出して、美里は口をへの字に歪ませて半泣きになった。
「そんな情けない顔しない。せっかくの美人が台無しだ」
ぼくのリップサービスに、美里は頬を赤くする事で応えた。本日限りの出血大サービス。今日のビッチはレベル1。安全で初心者向け。
「いちいち聞かないでいいよ……」
耳元で小さく囁くと、美里のゴクリと息を飲む音が聞こえ、ベッドに押し倒された。
最近は押し倒す方が多かったから、ちょっと新鮮。首筋に舌を這わせる美里の薄いお尻を撫でながら身を任せると、荒い吐息に混じり、ピチャピチャと鎖骨の周りを舐め回す音が聞こえた。美里の乳首は硬く尖っていて、ぼくの身体に当たる度に、感度のいい身体がぴくりと跳ねる。
「んっ……」
自分から来るだけあって、積極的。ぼくが小さく呻くと、美里は真っ赤になった顔を上げて唇を寄せて来る。
「んん…………」
美里にキスされながら、ぼくは少し焦りを覚えた。
勃ちが悪い。昨夜智に搾り取られた事とは関係なく、『ぼく』は元気なく項垂れている。
(まいったな……)
美里は積極的で、初めてにしては頑張っている。でも、智が隣にいる状況で臨戦態勢に入るほど、ぼくは節操なく出来てない。左手で美里のお尻を撫でながら、やむを得ず、智のむっちりとした太腿に右手を伸ばした。
「……」
無表情でぼくらを観察していた智の眉が震えた。
ぐっと美里の腰を引き寄せると同時に、智の滑りを帯びた膣に指を挿し込む。
「……」
美里と舌を絡めて深い口付けを交わしても、智は逃げもしなければ、抵抗する事もしない。寧ろ、ぼくが触りやすいように足を開いてくれた。
「川村……悠ちゃん、退屈みたいやから頑張りや?」
「……!」
その言葉にむきになり、美里はぼくに抱き着いて激しく唇を求めて来る。あまりに近すぎて、荒い息を吐く智の異変には気付かない。
美里の股間に触れると、秘部は漏らしたみたいに濡れていて、膨れ上がった襞が少しはみ出ていた。
「くぅぅううん!」
鼻に掛かった嬌声を上げながら、美里が擦り付けるみたいに激しく腰を振るのを見て、智は苦しそうに笑った。
「……ほら、もっとや。もっと……!」
そう言って、智も腰を押し付けてくる。二人とも、凄く濡れていた。鼻に衝いたのは快楽に乱れた女の子の匂い。似ているようでいて、僅かに違う。
シーツ越しに、智の膣が湿った音を立てていても、夢中の美里は気付かない。
「く……」
智は小指を噛み、眉を寄せた苦しそうな表情で声を堪えている。それを横目に、硬く尖った美里のクリトリスを指先で擦り上げながら、キスを深くして美里を本格的に侵食する。
「ぅんっ、んあっ……!」
美里が身体を逸らして喘ぎ、智は開いた足を閉じ、赤くなった顔を背けた。二人の膣から粘液が溢れる。殆ど同時にイった。智の膣がぼくの指を食い縛り、美里もガクガクと腰を震わせる。
「……みかげせんぱぃ……もぅ……」
熱っぽい吐息を吹きかけて、美里が懇願した時には、『ぼく』も準備が終わっていた。
◇◇
三角座りになった智は膝の間に顔を埋め、膣でぼくの指を強く締め付け、肩を震わせているけど、意地でも声を出さない。
その必死な姿に、ぼくは思わず笑ってしまいそうになった。悪い癖。女の子が我慢しているのを見ると、残酷な気分になる。
硬く勃起したペニスが、シーツ越しに美里の秘部を押し上げている。
「……みかげせんぱぃ、して……してくださぃ……」
情欲に染まった美里は目尻を下げ、期待に瞳を潤ませている。しとどに濡れた膣口に指を挿し込み、僅かな抵抗を振り切って奥に進めても痛みはないのか、逃げる素振りは見せなかった。
これなら行けそうだ。
二人の膣から同時に指を引き抜くと、二人とも同時に強く身体を緊張させたので、ぼくは笑いを堪えるのに必死だった。
シーツを捲り、そそりたったペニスを晒すと、美里は一層眦を下げて期待感を現した。
「~~~~っ」
美里は堪らなくなったのか、早速挿入を試み、ペニスの上に跨がろうとした。
「……こ、こら、まだ早い。されるばっかりか? 悠ちゃんにもしてあげないかんやろう?」
逸る美里を制し、智がすり寄ってくる。そして自然な動作で、ぼくのペニス咥えた。
「あ……」
「……ああっ!」
ぼくの間抜けな声の後、美里が悲鳴に近い驚きの声を上げた。
「ズルい! 黒岩先輩ズルい!!」
「んふ……っ、やかまし。早い者勝ちやん……んむ……ん……」
智の慣れたねっとりとした舌の動きに、ぼくは思わず呻き声を上げた。
「……つっ、智……」
もう、智には完全に弱点を捕まれている。カリ首を舐め上げられ、亀頭をじんわりと吸い上げられると股間に血が集まり、ぼくのペニスは益々硬くなった。
「ズルいズルい! 私にもさせてくださぃい!!」
切羽詰まった美里が、フェラの真っ最中の智を押し退けようとしてみっもなく叫んだ。
「……じゅる、んふふ……ちゅ、んふふふふ……はいはい、しゃあないな……」
笑いながら智が離れると、唇とペニスの間に唾液が糸を引いていて、それが堪らなくいやらしかった。
「……ゆっくりな。歯、絶対当てたらいかんで」
「……はい……」
美里は恨めしそうに智を睨み付けた後、改めてぼくのペニスに視線を落とした。
「……みかげ、せんぱいの……」
サイズは標準。自慢できるものでもないから、じっくり見られると少し恥ずかしい。
「……うん? せんのんか? なら私が続きを……」
「あーーっ!」
美里がまた悲鳴を上げ、ぼくのペニスを、まるで宝物を守るみたいに抱え込んで智から遠ざける。
「うーーっ! うーーっ!! しますします! 今だけは私のなんですから、黒岩先輩は来ないで下さい!」
「……なんやの、あんた」
智は笑いながらぼくにしなだれ掛かり、そのままベッドに押し倒してキスをせがんでくる。
殆ど同時に、股間に生ぬるい温度を感じて視線を落とすと、美里が小さい口でぼくのペニスを頬張っていた。
「あむ、んん……ん……!」
「何をやっとん。ゆっくりて言うたやろ……」
智は思い当たる節があるのか、嗜める声量は少し小さかった。
「んふっ、ふっ、はぃ……」
素直に頷く美里の長い髪が腿に当たってくすぐったい。ペニスを深く飲み込むと、すっぽりと髪の毛の間に股間が埋まって変な感じだった。
智と唾液の交換をしながら、美里にフェラされている。物凄く不道徳。ぼくのビッチもここに極まった。
上下の感覚に、頭がクラクラする。美里は智の最初より筋がいい。随分上手い。時々身体を震わせて反応するぼくを見て、智は面白くなさそうだ。
「も、ええで」
智が軽く肩を叩くと、美里が顔を上げ、ぼくは一先ず息をつく。射精の予兆に腰の奥が痺れる。二人に攻められ、さすがに限界を感じていた。
「……さてと」
智は軽く言って、ごくごく自然にぼくに股がった。あまりに自然過ぎて、美里も止める間がなかった。ぼくのペニスを右手で支え、左手で自らの襞を開き、そのまま腰を落とした。
「……んくっ、すご……かた……」
そんな事を言う智も割と余裕はないみたい。誂えたようにぼくを飲み込んだ滑る肉壺は、挿入の瞬間から強い悦楽に痙攣している。
「…………」
ぽかんと大口を開けた美里は、ぼくと智の結合部分を凝視していた。
「だ、大丈夫か、悠ちゃん。痛ないか?」
キツそうに片目を閉じ、ぼくを気遣う智だけど、問題はそこじゃない。……ヤバい、出そう。
「くろいわせんぱぃ、じゅるい……」
辿々しく弱音を吐く美里の目から、ぼろっと涙が溢れた。
「あはは……こんなん我慢できる訳がないやん……ん……っ!」
リズミカルに腰を振り、快感に浸る智には罪悪感の欠片も見受けられない。
「ああ、これ、すご……昨夜より固うて……こんなん……」
ぱちゅん、と粘っこい音をさせて、智は腰を震わせた。
……これで美里の初体験は、全部智に先を越された形になる。
そんな可哀想な美里の事に関心のない智の口元がだらしなく緩み、つうっと涎の筋が伝った。
「……ごりごりくる……たまらんわ……」
口元の涎を拭った智は、ぼくをベッドに押し付けた四つん這いの姿勢で動きを止めた。
「はあああ……もぅ、あかん、すぐイッてまいそう……悠ちゃんも、ちょっと動かんとっ――ヒぎあッ!」
動きを止めたかと思った智だったけど、突然腰を押し付け、絶叫した。
吃驚して顔を上げると、眦を釣り上げて怒りに震える美里と目が合った。
美里の両手が鷲掴みした智のお尻を、強くぼくの腰に押し付けていた。
「……かわむ、ら……お、おまえ……」
「……!」
美里は、ゆっくりと智のお尻を持ち上げ、ペニスが抜けそうになってから、再び強烈に押し込んだ。
「――ぎッ!!」
みるみるうちに智の顔が紅潮し、鼻孔から鼻水が吹き出した。
「――死ねっ、エロ岩死ねっ!」
そんな事を叫びながら、美里は強烈に智の腰を揺さぶって猛烈なピストン運動を強制するから、ぼくも堪ったもんじゃなかった。
「ちょっ、美里――」
「御影先輩、すぐです! 今、エロ岩のヤツぶっ殺しますんで、ちょっとだけ我慢して下さい!」
度重なる智の暴虐に、とうとう美里は切れてしまったようだ。
「せいっ、せいっ!」
「がッ! んぐッ! あはぁッ!!」
美里の強烈な押し込みに絶叫した智は、もはや喘ぎ声ですらない悲鳴を上げた。
ペニスの先に物凄い圧力を感じた。亀頭が膣奥に突き当たり、弛緩した子宮口を抉る。その強すぎる刺激に、智は口から小さく泡を噴き、ペニスを突き刺さされた膣は白く濁った愛液の飛沫を撒き散らしている。
「そいっ、そいっ! エロ岩死ねえぇっ!!」
「んぎぃッ! ぎゃッ! ぁがッ!!」
絶頂寸前のタイミングで、『ぼく』という凶器で猛烈に責め立てられた智は反撃すらままならない。そして――
「最後だッ!」
その掛け声とともに、美里が一層強烈に智のお尻を叩き付け、亀頭がゴリゴリと子宮を抉る。瞬間、下半身に生暖かい感触が広がって、同時にぼくも射精した。
「―――――――――――ぁ」
痛みを感じるほどの律動と共に精液を吐き出し、智もそれが最後の駄目押しになった。短く呻いた後失禁して、ぼくの上でがくりと力尽きた。
「と、智……?」
「……」
返事がない。ただのしかばねのようだ。
「うーーっ!」
ぼくが射精してしまった事に気付き、泣きべそをかいた美里にお尻を強く張られても、気絶して完全にのびた智は身動ぎ一つしなかった。
「うーーっ! うーーっ!!」
完膚なきまで智をやっつけた美里だったけど、少しも気が済まないみたいだ。唸り声を上げながら、長い髪を掻き回した。
「く……」
美里は山姥のように髪を振り乱して怒り狂っていた。我慢しきりだったけど、初体験を台無しにされて、さすがに怒ったようだ。
転がるようにして智を押し退け、ペニスを引き抜くと、がぼっ、と凄い音がして、智のあそこから精液が流れ出た。
完全ノックアウト。
智は時折痙攣して、開ききった膣から、白濁した大量の液体を垂れ流している。
「……智。智……?」
薄目を開いたまま、ぼんやりと虚空を見つめる智は、完全に失神していた。軽く頬を張ってみたけど、無反応。
さて、この事から智は何かを学ぶ事ができただろうか?
何もないような気がする。でも、美里には発奮材料になったようで何より。卑屈で居るより、癇癪を起こして突っ張っている方が余程いい。いじめ甲斐がある。
ぼくは無責任に考えながら、身体を擦り、ダメージがないことを確認して、射精後の怠さが残る腰を軽く叩いておく。
「……まったく、何をやってんだか……」
様々な体液に塗れて眠る智の惨状を見下ろし、ぼくは溜め息を吐き出した。