※この作品はR-18です。

ぼくがビッチになったワケ   作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!

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第96話

 嵐の気配を含む濡れた空気。台風を控え、レインコートを着たカナメが外から家を見て回っている。

 この四日間、ベッドの上がぼくの定位置。寝室の襖はいつも開いたままになっていて、回りはいつもミサキやシオリが動き回っていて少し騒がしい。

 

「……このボロ家、大丈夫かよ……」

 

「今まで大丈夫だったし、一応葉桐が点検してるから多分……」

 

 そのカナメだけど、今日は妙に大人しい。少し聞いてみるか、なんて事を考えているとシオリがやって来た。

 

「ユキさん。今日からお風呂解禁ですよ」

 

 この四日間、身体を拭くだけで入浴は許してもらえなかった。ぼくは頷いて、内心で快哉の声を上げた。

 

「あたしも付き添いますんで、そのつもりで」

 

 この四日間、シオリには随分世話になった。口移しで薬を飲ませてくれたのも彼女だし、お尻に座薬だって入れられた。今さら抵抗するのは馬鹿らしい。

 

「シオリも入るの?」

 

「ええ。中で貧血起こしたりしたら大変ですので」

 

 ナースの言うことは聞くもんだ。ぼくは大人しく頷いた。

 

「それと、夜はミサキ行かせますんで、抱き枕にでもしてやって下さい」

 

「……えっと、それは……」

 

 嫉妬深いシオリは、そういうのは嫌がるだろうと思っていたから、ちょっと不思議。言葉を詰まらせるぼくの前で、シオリは軽く頬を掻いた。

 

「……ここに居る間、あたしとミサキは自由にしてもらって構わないので……」

 

「ぼくに課金する?」

 

 悪戯っぽく言って見せると、シオリは少しムッとして睨み付けて来た。

 

「そういうのと一緒にしないでほしいですね」

 

 カナメとはどうか知らないけど、ミサキとシオリに限ってはお互いに話は着いているようだ。こちらからは何もしないけど、ぼくから来るのなら拒絶はしない、そういう意思表示。カオルやトウコとは違う。手を出すのは、あくまでもぼく。課金システムはなし。それが二人の希望。

 

◇◇

 

 お風呂の中で、シオリは一切身体を隠さなかった。

 

「……お互い様ですよ」

 

 そんな事を言うシオリだけど、流石に恥ずかしいのか、耳も首筋も真っ赤だった。

 肉付きのいいシオリはDカップの半球型おっぱい。ちょっぴり鳩胸。智の派手な身体に慣らされたぼくには、少し地味な身体に見える。

 

「……あんまり見ないで下さい」

 

「ごめん」

 

 でも、おっぱいって不思議。女の子によって色々違いがある。どれも魅力的に見えるのは、それが男にはない部分だからだろうか。

 

 逆三角形に生えた陰毛。閉じた秘裂を見て、シオリが処女なのはすぐ分かった。この分だと、一緒につるんでるミサキもそうだろう。二人は割と固い方なのかもしれない。

 

「ぼくのナースだから、遠慮なく甘えるよ」

 

「……!」

 

 その瞬間の変化は劇的だった。

 緊張に強張っていた身体から力が抜け、肩がすとんと落ちる。微笑みすら浮かべ、シオリが言った。

 

「はい。ユキさん専属ですよ」

 

 掛け湯をして、さっと身体を流した後は二人で湯船に浸かった。

 シオリは後ろからぼくを抱いていてくれて、色々なお話をしてくれた。

 

「……ユキさんに目を付けたの、ミサキが先なんです。知ってました?」

 

「そうなんだ」

 

「優しくしてやって下さい。荒いとこもありますけど、あれはあれでいい娘なんです」

 

 シオリは少し、ミサキに遠慮しているみたい。

 

「ここら辺、結構いい所ですね。ウチの田舎に少し似てます。晴れたら、散歩なんてどうですか?」

 

「うん、いいね……」

 

 ぬるま湯と柔らかいおっぱいの感触が気持ちいい。話している内にすっかり緊張が取れたのか、シオリがあちこち撫でて来るけど、それすら気持ちよかった。

 

「……身体にダメージが残ってます。絶対に無理はしないで下さい」

 

 ぼくの耳を舐めながら言っても、あまり説得力は感じない。もう少し体調が良かったら、ここでシオリとしてたと思う。

 

「……シオリ。キスして……」

 

 何度か口移しで薬を飲ませてもらった事はあるけど、まともなキスはしてない。

 背後から抱き締められたまま、振り返るようにしてシオリとキスをした。

 

「ん……」

 

 智みたいな派手さはない地味な身体だけど、それが却って落ち着く。

 田舎の娘って、皆こうなんだろうか……。

 シオリは世話焼きだけど、控えめで押し付けがましくはない。ぼくはそこが気に入っている。彼女のキスはソフト。優しく舌を絡めて来て、弱っているぼくはそれだけで骨抜きになりそうだった。

 

 ぼくは、大人しくて静かなシオリのファンになった。

 

 たっぷり五分間はキスして離れると、羞恥に頬を赤くしたシオリが目を逸らした。

 

「……なんて顔してるんですか……やめて下さいよ……」

 

「キス……上手いね……やられちゃいそう……」

 

 そう言うと、シオリの身体が熱くなったような気がした。

 

 弱ってる時に優しくされるのって、凄く効く。ぼくは身体の力が抜けてしまって、くったりとシオリに身を任せた。

 

「……ミサキは親友なんです。壊さないで下さい……」

 

 シオリは、ぎゅっとぼくを抱き締めて離さない。おそらく――

 ぼく次第なんだと思った。

 気紛れな行動一つ。言葉一つで、シオリとミサキの関係は壊れる。

 

「……分かった。大事にする……」

 

「……はい。助かります……」

 

 ほんの少し、残念そうに眉を寄せたシオリの目尻は、今にも泣き出しそうに下がっていた。

 ぼくが求めれば、シオリが応じるのは分かっている。でも――

 強く風が吹き、カタカタと雨戸が揺れる音が聞こえる。身体が溶けてしまいそうなほど火照ったシオリの情欲に包まれたまま、ぼくはずっと、動かないでいた。

 

◇◇

 

 その後、柔らかいボディスポンジで丹念に身体を洗い流された。

 

 シオリの目は潤んでいて、首筋から胸元まで真っ赤だった。物凄く興奮している。指先でぼくの身体に付いた古い傷痕をなぞり、時折舌で舐め上げた。頼みもしないのに陰茎を口に含み、自分の胸を揉みながら自分自身を慰める。

 

 途中でスポンジを投げ出したシオリは、ぼくの全身を舐めて洗った。ぺニスは勿論、手や足の指、お尻に至るまで全て。

 ――強い崇拝の思いを感じた。

 傷が入って力が上がった。黒岩英雄はそう言っていたけど、ぼくにはよく分からない。思い出したのはミサトの言葉。

 

 ――ダイヤモンドは、傷付けられて輝くんですよ。

 

 傷つけられて形を変える。磨かれて輝きを増すダイヤモンドの物語。その硬さで。その美しさで。

 ダイヤモンドは何をする訳でもなく、ただそこにあるだけで大勢の人間を魅了する。傷付けられたダイヤモンドの物語。

 

◇◇

 

 そんな、大層なもんじゃない。

 

◇◇

 

 お風呂から出て、シオリが準備した浴衣に着替えた。

 

「……………………」

 

 シオリは、ボーッとして、ぼくを見つめている。

 

「なに?」

 

「いえ……素晴らしいです……」

 

 よく分からない返事をするシオリの前で、ぼくは小さく欠伸した。

 長湯して、少し疲れてしまった。

 シオリは煙草を吸わないし、女の子らしい身体は柔らかくていい感じ。抱き枕にするなら断然彼女だけど、壊さないって約束なので、ミサキが居るだろう居間に向かって歩いた。

 

 優しくしろ。贔屓するな。公平に扱え。奪るならミサキから。はっきりと口には出さないけど、それがシオリの意思。きっと義理固い娘なんだろう。

 

「あ、お帰りなさい」

 

 居間に戻ると、何故かミサキは正座して待っていた。

 この娘がぼくに向ける感情は、ちょっと分からない。シオリの言い分を信じるなら、ぼくを気に入ってくれているんだろうけど、怯えを含んだ子猫のような視線を向けられると、少し考えてしまう。

 

「そりゃっ」

 

 と、ミサキの低い鼻を摘まみ、ぐりぐりと左右に振った。

 

「ひた、ひた、ひたたたた……」

 

 鼻声のミサキは困るだけで、やり返すどころか逃げる様子すら見せない。この娘がぼくに向ける感情は他の誰とも違う。

 ……恐怖。

 ぼくの額の傷を、じっと見つめているミサキの瞳には、強い恐怖の色が浮かんでいる。

 

「……」

 

 変化を求め、がら空きになったミサキの首に地獄突きを入れようとしたところで、シオリに腰を抱き上げられた。

 

「何をやってるんですか……」

 

 シオリは案外力持ち。ぼくを小脇に抱え、呆れたように言った。

 

「ミサキ。ユキさん眠くてぐずりだしたから、寝かし付けてきて」

 

「うぇ……?」

 

「あたし、ちょっと葉桐の様子見てくる」

 

 追い詰められると『キレる』タイプ。爆弾、赤瀬岬。本気を出すとあのカオルですら手を焼くらしい。

 

 ――すぐビビる癖によ、キレると厄介なんだ――

 

 良くも悪くも、カオルはリーダータイプ。俯瞰で物を見れるのが強み。ミサキにシオリを引っ付けたのは差配の妙手。二人は何かとウマが合い、以降は上手くやっている。

 

 シオリが行ってしまうと、ミサキはあからさまにぼくを持て余し、視線を泳がせた。

 

「……ゆ、浴衣、超似合いますね……」

 

 そんな事を言うミサキは短パンにタンクトップの超部屋着。格好は寛(くつろ)いでいるのに、ぼくを見る視線だけは妙に落ち着きなく揺れている。

 

「シオリが準備してくれたんだ。割と着心地がいいよ」

 

 ここ数日、雨が続いたお陰で暑くはないけど少しじめじめしている。通気性のいい浴衣は気持ちよかった。

 

 壁に凭れ掛かり、ほうと一息着くとすかさずやって来たミサキが団扇で扇いでくれた。

 髪の毛がサラサラ揺れて気持ちいい。

 

「……ユキさん。身体、大丈夫っすか?」

 

 ぼくは目を閉じ、そのままで小さく頷いた。

 

「うん、大分落ち着いた。ミサキもありがとうね……」

 

 智ほどじゃないけど、ミサキもかなり過保護の部類に入る。泣き出しそうな声で言った。

 

「……随分、痩せちゃいましたね……」

 

「そうだね……」

 

 体調は四割といったところ。動かないでいる場合はいいけど、立つと目眩がするし、妙に疲れやすい。ここ最近で随分痩せてしまったから、カオルやトウコは驚くと思う。

 

 ……そろそろ、これからの事を考えなきゃいけない。残念なことにぼくは生きていて、明日も明後日も人生は続く。

 

「ああ、涼し……」

 

 シオリ曰く、ここ数日の天気はいい感じ。湿度こそ高いものの、気温は低めで落ち着いている。衰弱したぼくには過ごしやすい。

 

「あっ、あの……あたし、その……!」

 

 団扇を振るミサキは、正座の姿勢を崩さない。ぼくと二人きりなのは酷く緊張するみたい。

 

「あたし、その、すげー雑な女で……だから、その……」

 

「うん。聞いてるから、焦らなくていいよ……」

 

 ぼくは少し眠くなってきた。

 しょぼつく目を向けると、ミサキは慌ててぼくから目を逸らした。

 

「……ぼくが、苦手……?」

 

「そ、そんな事……! だから、あたし、すげー雑な女で……だから……」

 

 ぼくは衰弱しているけど、それでも自信のないミサキは、シオリを先に行かせた。

 ミサキは、へらっと笑った。

 

「あ、シオリどうでした? あいつ、結構胸デカいですよね」

 

 ――すぐビビる。

 カオルの寸評は正しい。ミサキはビビり屋で、かなりの馬鹿。こういう娘は相手にしたくないけど、よくしてくれたシオリの事を思うと、大切にしなきゃいけない。

 さて……

 

「ミサキ。膝枕してあげるから、おいで……」

 

「えっ!? えと、あの、それは……」

 

「嫌なの……?」

 

 この娘と話すのは疲れる。でも優しくするって決めたから、ぼくは辛抱強く反応を待った。

 

 やがて団扇を振る手が止まり……ミサキは、そっとぼくの膝に頭を載せた。

 

「……またピアノが聞きたい」

 

「は、はい! 学校始まったら、いくらでも……!」

 

 ……学校、か。

 今のぼくには、どうでもいい事の一つ。そういうのも、もうやめるつもり。

 

「……ユキさん、眠いんすか……?」

 

 おっかなびっくり、ミサキが小声で尋ねて来て、ぼくは目を閉じたまま小さく頷いた。

 

「……少しね。大丈夫、ミサキのこと、教えて……?」

 

「は、はい……!」

 

 それからミサキは、辿々しい口調で自分の事について教えてくれた。

 

「……ウチの母ちゃん、すげー高い声が出て……」

 

 赤瀬岬は母子家庭。

 母親は若くしてミサキを産んで、若くして離婚した。人より高い声が出て、それは類い稀な才能であるらしく、オペラ歌手として優秀だった。引退した今は音楽学校をやっていて、生徒の何人かが海外の有名な音楽学校に進んだ。ぼくは知らないけど、地域の新聞なんかにも載ったらしい。

 

「……持って生まれたモノが違うんすよ……」

 

 誰もが闇を抱えている。

 母親には生まれた時からあった才能が、ミサキにはなかった。

 

「あ、あたし、失敗作で……あはは……」

 

 すごく眠かったけど、ぼくは時々、ミサキの髪を撫でたり、頬を擽ったりしながら黙って話を聞いていた。

 

「……」

 

 目を閉じて遠く、雨の音を聞いていた。

 思い出したのは、梅雨時のカオルのこと。授業をサボり、二人でしけこんだ旧陸上部部室。『ヤリ部屋』で過ごしたいつもの日常。

 

「……!」

 

 ぼくは優しい気持ちになって、そっとミサキに口付けした。

 

「……ごめんね。嫌なこと、話させちゃった……」

 

 この娘は、まだ痛いんだと思った。やっぱり、ナースの言うことは聞いておいて正解だった。

 ミサキは身体を起こし――

 ぐいっとぼくを引き寄せ、荒っぽく抱き締めた。

 

「……」

 

 こういう時、言葉はいらない。

 いつだってそう。治らない傷に付ける薬はないし、掛ける言葉だってない。優しさと静けさと。ぼくの大好きなそれだけが慰めだ。

 

 ぼくを強く抱き締めたまま、ミサキの身体は、弱々しく震えていた。

 

◇◇

 

 眠気に目を擦るぼくの手を引くミサキと一緒に、寝室に移動する。

 

 ベッドに腰掛けたぼくの目の前で、馬鹿なミサキは素っ裸になって正座して、ぺこりと頭を下げた。

 

「……あ、あたし、シオリみたいに胸ないし、瞳子みたくルックスも良くないし……すげー雑な女で……ユキさんはすげーおそれ多い人で……だからこんなこと……」

 

 こういう自己評価の低さは、カオルと通じるものがある。だからカオルはこの娘を手元に置いたんだろう。でもミサキのそれは、カオルのものと違って、うんと深刻。

 

 浅黒い肌。Aカップのおっぱいは貧弱で、お尻も小さい。それでもカナメよりは女の子らしい身体をしているけど、ミサキが凄く自信がないことだけは分かる。

 

 そんなミサキにとって、ぼくは高嶺の華。

 ――ピピッと来た。

 一見、チョロそうなミサキだけど、少し突つけば『キレる』。全身コンプレックスの塊。

 誰とも比べてはいけない。追い詰める時は、優しく丁寧に。残酷に、執拗に。このタイプは徹底的にやっておかないと、却って後が面倒臭そうな気がした。

 

「……ん、分かった。ミサキ、おいで……」

 

 頭を上げた時、そばかすの浮いたミサキの顔は羞恥で真っ赤になっていた。――危ない兆候。この娘はもうギリギリだ。

 古い家屋の匂いに混じり、女の子の匂いが揺れて漂っている。ミサキが手を掛けると、木製のベッドが軋んだ音を立てた。

 

「ど、どうすればいいっすか……?」

 

 シオリは凄く勉強していて、ぼくをリードする気満々だったけど、ミサキはそうじゃないみたい。確かめるまでもなく、処女剥き出し。

 

「……ごめん、ちょっと脱ぐの手伝って……」

 

「は、はい……」

 

 おずおずとした手付きのミサキに浴衣を脱がせてもらいながら、ぼくはほんの少しだけ考える。

 

 シオリは最後までしないで温存してくれたけど、ぼくのぺニスは元気なく萎れたまま。

 

「ミサキ、キスして……優しくて、うんとHなやつ……」

 

「……! は、はい……」

 

 ミサキは、ぎょっとして、それからゴクリと息を飲み込んだあと、ぼくをそっと押し倒した。

 あ、頑張った。

 そんな事を考えるぼくにミサキが唇を押し付けて来る。こちらから舌を絡めると、ミサキは荒い鼻息を吐き出して――後はもう夢中だった。

 舌を吸い上げ、湧き出した唾液を飲み下す。腰に手を回すと、ミサキの全身はしっとりと汗をかいて湿っていた。

 

「ユキさん……ユキさん……!」

 

 荒っぽいキス。これじゃ、シオリの半分も点をやれない。でも、拒絶するとキレる気がしたから、ぼくは暫く好きなようにさせた。

 

 唇だけじゃなく、ぼくの顔を唾液まみれにして、漸くミサキが離れた。

 

「あ、ご、ごめんなさい……!」

 

「……落ち着いた?」

 

「は、はい、すみません……」

 

 押されれば退き、退けば押す。そんな事を考えながら、ぼくはミサキの胸に吸い付いた。

 

「あ……! そ、そんなにないですから、あの……!」

 

 うるさい。シオリは殆ど満点だったから、どうしても比べてしまう。

 口の中で尖った乳首を転がすと、ミサキは擽ったそうに身を捩った。――ここじゃない。

 

「んふふ、かわいい……って、ひゃっ!」

 

 細い腰を引き寄せ、小さいお尻を撫で上げると、ミサキは小さく身体を震わせた。

 ここでもない。続いて脇腹、内腿、探るように触れて行く。

 

「……あっ!」

 

 反応があったのは首筋、鎖骨部分。舌を這わせると、ミサキは甲高い声を上げて、自分の声に驚いたようだった。

 

「あっ、あっ、あっ……!」

 

 ここ。耳に噛み付き、お尻に回した手で秘部に触れると、粘った熱い液体の感触があった。

 

「ひあっ、ちょっ、ユキさん……!」

 

 がくがくと腰砕けになりながら身体を引こうとするミサキを引き寄せ、耳元で囁いた。

 

「……ここだね」

 

 粘る体液を指先で弄びながら、膣口を擽る。同時に舌を耳に差し込むと――

 

「――はぁんっ♡」

 

 甘い声を上げて、小さい絶頂を迎えたミサキの目尻がとろりと下がった。

 ……ぼくの方は六割。

 先にミサキを奪らないと、シオリは奪れない約束。もどかしい。でも、贔屓しちゃ駄目だっていうのは分かる。

 やっぱり、両方欲しい。

 ミサトもそうだけど、馬鹿な娘ほど可愛い。

 

「あ、あぁ……」

 

 ミサキの膣から垂れた半透明の液体が、ぼくの腿の辺りを濡らしている。膣を触って確かめると、膨らんだ襞が開き始めていた。

 

 ぼくの左足を両足で挟み、四つん這いの姿勢で何度もキスを繰り返すミサキの頬に、熱い涙が伝って落ちる。

 

「ゆぎざん……もう、じだいです……」

 

 涙と羞恥に染まった顔に、ヤりたくて堪らないって書いてある。

 

 ……この娘で何人目だろう。ミサキには見えないように、指折りして考える。

 カオル、シュウ、トウコ、ユキナ、智、ミサト、カナメ、そしてミサキで八人目。シオリはもう唾を付けているから、十人の大台まであと一人。

 

「ミサキ……ぼくも、して……」

 

 掠れた声で言って見せると、強く頷いたミサキはぼくを跨ぎ、シックスナインの態勢でペニスにしゃぶりついた。

 ……大胆! ちょっとびっくり。

 不勉強なミサキだけど、まるっきり知識がない訳でもないようだ。ぼくにも舐めろって事だろうけど、体格差があって無理。小さいぼくにとって、ミサキのあそこは近くて遠い場所にある。

 

「んふ、ふっ……ちゅ……♡」

 

 ミサキは小さいお尻をふりふり、ぼくのペニスをしゃぶっている。驚いたのは割と上手い事と、シオリのやり方と全く同じだった事。

 

 ……仲がいいのはいい事だけど、そういう知識を共有するのはどうかと思う。

 

 目を上げると、濡れそぼったミサキの陰裂が丸見えだった。糸を引く愛液が垂れ、ぼくの頬に落ちる。

 手を伸ばして襞を割り開くとサーモンピンクの肉壁が露になり、処女の証が目に入る。固く勃起したクリトリスは淫らに蠢き、ヒクヒクと収縮を繰り返していた。

 

「んぐっ、ぐっ……♡」

 

 反射すら抑え込み、ミサキがぼくのペニスを喉の奥深くまで飲み込む。ねっとりとした感触に、腰の辺りが熱くなった。

 行ける、かな……。八割。やっぱり本調子じゃない。

 そう思ったのと、ミサキが身体を起こしたのは殆ど同時だった。

 

「……ミサキ?」

 

 返事をせず、ミサキは黙ってぼくに馬乗りになった。左手で自らの襞を割り、右手でぼくのペニスを支え、亀頭を膣口に押し付け――

 

「待っ――」

 

 止める間もなく、ミサキは強く押し付けるようにして腰を落とした。

 陰茎が狭い膣道を押し開き、処女を引き裂いて進む。情緒もへったくれもない。軋む膣肉が痛みに戦慄きながらぼくを締め付ける。

 

「バカ……」

 

 溜め息混じりに首を振るぼくを見下ろし、涙を流すミサキは嬉しそうに笑っていた。

 

◇◇

 

「ヤった、ヤった、ヤった……♡」

 

 ミサキは馬鹿みたいに繰り返し言って、馬鹿みたいに腰を振った。

 

「ユキさん、膣にください。大丈夫、ちゃんと薬飲んでますから♡」

 

 キレるタイプ。まさか、こういう形で来るとは思わなかったから後手を踏んだ。

 

 粘る水音。僅かに香る血の匂い。益々濃くなる性臭。

 

 ペニスには固い感触があって、乱暴な挿入はぼくの方も痛みを感じるくらいだった。

 

「減点百億点」

 

 ぼくは言って、ミサキの低い鼻を捻り上げて左右に振った。

 

「痛(ひた)いでふ。痛(ひ)たたた……」

 

 ぼくの手に合わせて首を振りながら、それでもミサキは腰を振るんだから筋金入りだ。

 

「もう……」

 

 呆れたけど、傷付けたっていう罪悪感は少なく、どこか気楽に感じる。そう思うとはね除けるほどでもない。

 後は身体の力を抜き、ミサキのやりたいようにさせた。

 

「ユキさん、ユキさぁん♡」

 

 ミサキは何度もぼくの名前を叫び、激しくお尻を振りながら気をやる。狭い膣道が滑りを帯び、ペニスに絡み付いて来る。そうなると益々ミサキは腰を振り立て、覚えたての快楽に嬌声を上げた。

 

「すごい、すごいよう……♡」

 

 言葉とは裏腹に、ミサキは苦しそうに表情を歪め、絞り出すようにして強い絶頂を迎えた。

 

 浅黒い肌に幾つもの汗の玉を浮かばせた裸身はぬらぬらとてかり、たまらなく淫らだった。

 

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