※この作品はR-18です。

ぼくがビッチになったワケ   作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!

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第98話

 ぼくにとって、葉桐要はお客様だ。深刻な意味でのお客様。彼女は唯一の性の捌け口として、ぼくを必要としている。

 

「……暫くしてないから、溜まってるんじゃないの? 平気?」

 

 固くなったカナメのクリトリスが、ぼくの腰に押し付けられている。

 

「ん……じゃ、頼めるかな……」

 

 浴槽に腰掛け、脚を開いてぼくを見下ろすカナメの瞳は潤んでいる。

 ぬらぬらと妖しくてかるいやらしい肉の芽は包皮から剥き出しになっていて固く尖り、何だかちょっと苦しそうに見えた。

 

「……つっ!」

 

 その先端部分を軽く指先でなぞると、カナメは僅かに腰を引いて眉を寄せた。

 敏感な器官。少し痛かったみたいだ。

 

「ごめん」

 

 言って、ぼくはカナメのそこに頭を埋め、肉の芽を口に含んだ。

 

「んうっ、つ、すご……」

 

 苦しそうに呻いたカナメだけど、今度は逃げなかった。どの女性にとっても敏感な器官。そこがこんなに大きいカナメは苦労するだろう。なんて事を考えながら、愛撫を続ける。

 カナメが腰をくねらせ、ぼくの髪を撫でた。

 

「うああ……ちょ、ユキくん、もっとゆっくり、ゆっくり……!」

 

 強すぎる刺激はNG。形状こそぺニスに似ているけど、そこまで大きくないし、感覚は非常に鋭い。よく慣らしておかないと、舐められるだけでも痛みを感じてしまう。

 入浴中の為か、匂いは殆どしない。膣に指を挿し込むと、抵抗なくぬるりと奥まで入って行った。

 

「……はッ、はッ、はッ……んぐぐ……」

 

 荒い息を吐き出すカナメは、自分の頭を抱くみたいに髪をクシャクシャにして唇を噛み締め、唸り声を上げてぼくの愛撫に抵抗していた。

 

 反射的に閉じそうになる両膝を自ら押し開き、カナメは何度も腰を震わせた。その都度、きゅっと膣口がぼくの指を締め付ける。

 カナメの膣は、ちょっと造りが小さいだけじゃなく、未成熟な構造になっている。

 挿入して気付いた事だけど、奥行きが浅い。よく濡らして慣らしておかないと、奥深くまでの挿入には痛みを感じるだろう。そういう意味では、膣よりアナルの方が挿入に向いている。

 滑る愛液を潤滑油にして、アナルに指先を押し込んで行く。

 

「……ユキくん、そこ、ちょっと待って……」

 

 その掠れた声に拒絶の色を見て、すかさず手を引っ込めた。

 

「ごめん、嫌だった……?」

 

 湯船に引っ張り込む形でカナメを引き寄せ、抱き締める。ぼくの存在意義の一つ。

 

 カナメは、ぼくの胸に顔を押し付け、緩い笑みを浮かべて首を振った。

 

「ああ……ごめん、そういう意味じゃないんだ。もう参っちゃいそうだったから、その……欲しくて……」

 

「そっか」

 

 ぼくは小さく頷いて、何処かしら幸せそうに微笑むカナメの髪を撫で続けた。

 初めの時もそうだったけど、カナメは挿入される事に拘る。僅かな間のお遊びでも、そうしなきゃ納得できない。

 向かい合う形でぺニスを挿入すると、膣内が少し軋むような感じがして、カナメの顔がはっきりした苦痛に歪んだ。

 

「まだ痛いよね……大丈夫?」

 

「うん……すごく痛いけど、満たされるんだ……」

 

 そんなに解してないし、今のカナメが膣で絶頂を迎えるのは難しい。快感より、気持ちの上での納得を選択したカナメの心理は分からない。ぼくは動きを止め、これ以上傷付けてしまわないように注意しながら、カナメの薄い胸の尖りを口に含んだ。

 

「……あは、クソすげー。こんな気持ち初めてだ……」

 

 ……してる最中にクソとか言わないでほしい。ふと視線を落とすと、あれだけ大きくなっていたカナメのクリトリスは小さく萎んでいた。

 カナメは口元に涎を垂らしながら、だらしなく微笑っていた。

 

「……気持ちいい。空飛んでるみたいだよ……」

 

 よく分からない。肉体的な反応はそうじゃないけど、カナメは強い快楽を感じているみたいだ。

 奥行きのない膣が頑張ってぼくを受け入れている。ぺニスの先に、降りてきた子宮口の少し固い感触があった。

 

「ああ――――――――」

 

 ぼくらは五分ほど抱き合っていて、カナメが腰を震わせた。細く長い息を吐き出して、とても静かなオーガズムだった。

 

 行為が終わっても、暫くカナメはぼくと繋がったままでいた。仄かに桜色に染まった全身を弛緩して、膣口だけが時々思い出したようにぺニスを締め付ける。

 

 お仕事終了。

 その後、妙に上機嫌になったカナメが身体を洗ってくれた。

 牛乳石鹸の甘い匂いに包まれ、泡まみれになったぼくは気持ち良くなってカナメに身を任せた。

 カナメは鼻唄混じり。ぼくを洗うのが楽しいみたいで、自分の身体を洗うより余程丁寧にぼくの身体を洗った。

 

「神木と赤瀬、どっちが良かった?」

 

 気持ちが良かったぼくは、うっかり口を滑らせた。

 

「……シオリとはしてない。ミサキは赤点だね……」

 

 カナメはケラケラ笑って、温かいお湯で何度もぼくの身体をゆすいだ。

 

「そうなんだ。ワタシはどう?」

 

「…………悪くない……」

 

 これは本音。意外と優しくて、カナメとのセックスは悪くない。特徴のある身体も新鮮。フェラも上手いし、元気ならそれなりに楽しめたと思う。

 

「……今度、マナとヨリも可愛がってやってよ……」

 

 背後から抱き締められ、耳元で囁かれる声に、ぼくは酩酊する思いで小さく頷いた。

 

「……考えとく」

 

 没個性の双子。この数日、二人を見かけない。何処で何をしているんだろう……

 ぼんやりと考えていると、不意に、カナメが真剣な口調で言った。

 

「……神木とは早く寝た方がいい」

 

「なんで……?」

 

「アイツは厄介な女さ。嫉妬深くて蛇みたいにしつこい。おまけに残忍だ。ユキくんに参ってるから今は静かなだけで、でもそれもそんなに長くはもたないよ」

 

「……」

 

 おそらく、ぼくよりも正しい人物評。

 

「赤瀬より神木に気を付けるんだ。いいかい、徹底的に垂らし込むんだよ」

 

 結構経験を積んだつもりでいたけれど、こんなことを言う女の子は初めてだ。彼女は痺れるようなワルで、ぼくの中にある『悪』を刺激する。

 

「赤瀬も神木もドMだから、皆川さんみたくペットにしてあげればいいよ。きっと喜ぶ」

 

「カナメは……そういうの、気にしないの?」

 

 鼻で笑って、カナメは片方の眉を上げた。

 

「ユキくん次第さ。想像以下なら……頭から取って食べちゃうよ」

 

 面白くなって、ぼくも笑った。

 

「うふふ、それは怖いね……」

 

「あはは、ワタシは怖い女なんだ」

 

 性悪(ビッチ)なぼくと、悪党の葉桐要。彼女とのやり取りには、奇妙な心地好さがあった。

 

◇◇

 

 お風呂上がり。

 少しのぼせてしまったぼくだったけど、カナメは丁寧に身体を拭いてくれた。手つきは柔らかで、口振りこそ雑だけど、なんというか紳士的。ぼくのような弱者には加減する事を知っている。おそらく、彼女は魅力的な悪党なんだろう。双子が付き従う訳が何となく分かる。

 

 居間に帰ると、全裸のミサキとシオリが無言で髪を引っ張り合いながら激しく揉み合っていた。

 

「……二人とも、何をしてるの。本当に……」

 

 カナメがニヤニヤと笑いながら、ぼくの耳元で小さく囁いた。

 

「……ほらね。長続きする訳がないんだよ」

 

 ぼくは物凄く嫌な気持ちになって、今も睨み合う二人に視線を向けた。

 

「……あ、お、お帰りなさい……」

 

「…………」

 

 その場に正座して、気まずそうにぼくを見るミサキとは裏腹に、シオリは険しい表情でそっぽを向いた。

 

「……ごめんね、シオリ」

 

 話を聞く必要はない。どうせ、ミサキが無神経な事を言ってシオリが腹を立てたんだろう。

 

「……なんで、ユキさんが謝るんですか……?」

 

 乱れた髪を直しながら、シオリは困ったように目尻を下げた。

 

「ユキさんは悪くないです」

 

「……」

 

 ぼくは首を振って否定した。

 ミサキが馬鹿で無神経なのは知っていたし、必要性を感じていながらも、ぼくの対応は徹底を欠いた。

 

「ミサキ……」

 

 未だ服も着ず、ニコニコと笑顔を浮かべて全裸で正座しているこの馬鹿をお仕置きしなきゃいけない。じゃなきゃ、益々図に乗るだろう。

 

「……お馬鹿さん」

 

 ぼくはミサキの低い鼻を掴み、引っ張り寄せながらその場に座り込んだ。

 

「痛(ひ)たた……ユキしゃん、ひたいれす……」

 

 更に鼻を引っ張ると、ミサキは抵抗らしい抵抗もせず、ぼくの膝の上にお腹を載せて寝そべる格好になった。小さいお尻が引っ叩き易い場所に来たのを確認して、手を振り上げ――

 ぼくは、思い切りミサキのお尻を張った。

 

「ぎゃんッ!?」

 

 ミサキが悲鳴を上げたけど、続けて容赦なく、五回連続でお尻を引っ叩いた。

 

「何で服を着ないんだ」

 

 ミサキは少し痛そうにしながらも、口元には嬉しそうな笑みが浮かんでいて――

 ……ナメてる。

 ぼくは本格的にムカついた。

 

「ユキくん、これ使いなよ」

 

 そう言ってカナメがぼくに差し出したのは、二つに折った革製のベルトだった。

 

「ちょ、おま、それはシャレになんない――」

 

 最後まで言わせない。ぼくは受け取ったベルトで、手加減なくミサキのお尻を引っ叩いた。

 バシンと大きな炸裂音がして、今度こそミサキは本気の悲鳴を上げた。

 

「シオリに何を言ったの?」

 

「痛ぅ……何って、シオリとはヤってないんすよね? ビビったんだろって――」

 

 帰って来た予想通りの答えに問答を打ち切って、ぼくはミサキのお尻を十回連続でぶっ叩いた。

 

「ぎゃっ! ひぎっ! いだっ! ぎゃんっ!」

 

 革のベルトは破壊力抜群。ミサキのお尻は瞬く間に真っ赤になった。

 

「ビビってたのは、むしろミサキだよね」

 

「そ、そんな事ないです。あんなのチョロいっす。シオリとは違います」

 

 ミサキは目尻に涙を浮かべながらも、まだ強がるのをやめない。

 嘘つきのお調子者。

 ぼくはこういうヤツが嫌いだ。

 

「……まだ言うの。そろそろ本気だすよ?」

 

 ぎゅっと眉を寄せて睨み付けても、ミサキは肩を竦めただけで、ヘラヘラと愛想笑いを浮かべている。

 

 OK、ここまでナメられたのは久し振りだ。

 

 ベルトを投げ捨て、ぼくは赤く腫れ上がったミサキのお尻を優しく撫でた。

 

「――ひっ」

 

 小さいお尻を強張らせ、引きつった声を上げたミサキは、優しく撫でたにも関わらず、先程よりもずっと恐怖を感じたみたいだ。

 

「……?」

 

 不意に、視線を感じて顔を上げると、壁際に腰を下ろしニヤニヤ笑うカナメと、頬を赤くしてゴクリと息を飲むシオリと目が合った。

 

 つ、とミサキの背筋を指先でなぞる。

 

「ひゃっ……」

 

 お尻の割れ目に指先を挿し入れると、膣口に微かな滑りを感じる。

 

「あ、ちょ、ユキさ、ん……?」

 

 振り返るようにしてぼくを見つめるミサキの目は、羞恥と僅かな期待からか、少し潤んで見える。

 

 ぼくにとって、ちょっとした肩慣らし。ちょっとした憂さ晴らし。

 さてここから――

 

「メチャクチャにしてあげる」

 

 ギターやピアノよりも、いい音色で甲高く鳴け。

 

 ぼくは嘲笑った。

 

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