ぼくがビッチになったワケ 作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!
三日間学校を休んだぼくが登校したのは、週末を過ぎた月曜日からだった。
そして――
教室の前に、修羅の深山楓が、肩を怒らせて立ち尽くしていた。
低く、押し出すように言った。
「……少し、お話があります……!」
ぼくは逃げた。
後ろを振り返らず、全力でひたすら走って逃げた。
全ての景色が風のように背後に流れて行く――
「おお、ビッ――」
ビッ、なんだこのやろう。
「おはよ――――」
あっ、葛城。覚えてろよ。
これくらい逃げれば大丈夫、というところでぼくは一息吐き――深山に捕まった。
深山の細く長い指が首に食い込む。首を掴まれた。
「うわああああ!!」
深山はぼくの後ろを走っていたようだった。
「顔を見るなり、一目散に逃げ出す人がありますか!」
「ひぃぃっ!」
あのシュウですら逃げ出す深山の迫力だ。ぼくが逃げるのはむしろ自然の理だよね。
なおも逃げ出そうと身を捩るぼくの顔を、深山が覗き込んでくる。
「だから、逃げないで」
眼鏡の奥の瞳は、悲しそうにひそめられていて。
「これでおしまいなんて、悲しいこと言わないでくださいよ……」
「……」
ぼくは、逃げるのをやめた。
◇◇
始業まで、まだ少しだけ時間があったこともあり、ぼくたちは食堂に移動した。
深山は、ぼくに『よいこ』を奢ってくれた。
「ぷぷ……これがいいんですね?」
笑いを堪える深山と、隣り合って腰掛ける。辺りを見回すと、この朝の一時を食堂で寛ぐ生徒がちらほらと目についた。
ぼくが一口よいこを啜り、落ち着いたのを見て、深山が言った。
「こうやって、時々、二人で会えませんか?」
「……」
「もちろん、お金は払います」
ちょっと分からない事になって来た。
「会うだけでいいの?」
深山は頷いた。
「はい。こうしてお話ししたり、少し寛いだりする時間が欲しいんです」
「それはいいけど……」
お金が貰えるのなら、ぼくに嫌はない。ただ、なんというか……勝手が違う。
ぼくが考え込んでいると、深山が軽く咳払いした。
「夏休み中も、会えます?」
「暇なときなら……」
「それで構いません」
そこで深山は、なんだか落ち着いたようだった。ブラックの珈琲を一口飲み、ほうっと息を吐き出した。
しかし、一瞬後には表情を引き締め――
「そう言えば、秋月さんと同じクラスでしたね」
「あ、うん……」
いつも、ぼくのことを気に掛けてくれた優しいシュウと。
「あの女(ひと)、虎なんですよ……」
「……?」
「まあ、あそこまでとは思いませんでしたけど……」
容赦なく何度もぼくを打ち据える鬼の形相のシュウと。
「あんなことがあった後です。絶対に、二人きりにはならないでください」
どちらが本当のシュウなのだろうか。
「御影くん……?」
深山が思わしげな表情でぼくの手を取った。
「震えています」
「え……?」
ふと見ると、ぼくの両手は小刻みに震えていた。
深山が鋭い呼気を吐き出した。
「わかりました」
懐に落とし込むように。
「もう、わかりました」
深山楓は、頷いた――。
◇◇
昼休みになると、葛城がやって来た。
手にコンビニの袋を下げていて、当たり前のように教室に入って来た。
「お昼、一緒にどうですか? 御影さんのもありますよ?」
中身の詰まった袋を掲げる葛城に、ぼくは頷いて見せる。
「いいよ」
実は一人でどうしようかと思っていたところだったから、葛城の誘いは渡りに船だった。しかも一食浮くのなら、付いて行かない手はない。
「早く早く」
急かす葛城に手を引かれ、教室を出る。
行くとしたら屋上か『奥の部屋』辺りだろうか。などと考えていたら、葛城はぼくの手を引いて、別棟の校舎に入って行く。
こちらには何もない。音楽室や生物実験室、その他の特別教室があるくらいだ。
「ここです」
葛城がぼくを連れてやって来たのは、資料室だった。
ここには生徒の進路指導に必要な資料があるらしいけど、普段は使用しない。まあ未使用の空き教室になる。
葛城が鍵を取りだし、何でもないことのように横引きの扉を開けた。
「鍵、どうしたの?」
「職員室から普通に取って来ましたよ?」
葛城のこのクソ度胸は何処からやって来るのだろう。
背中を押され、資料室に入った。
資料室の中はところ狭しと棚が置かれていて、その棚には古臭いファイルや色褪せた紐綴じの資料が乱雑に突っ込まれている。
「第1資料室です」
「ふうん……」
葛城の説明では、第1資料室は廃棄予定資料の保管場所らしい。
室の奥まった場所には長机があり、ぼくたちはそこで昼食に取り掛かることにした。
「…………」
用意されたサンドウィッチを食べたり、ペットボトルのお茶を飲んだりしている間、葛城は長机の上に肘を着き、何故か微笑みながら、ぼくをじっと見つめている。
「食べないの?」
「食べてます」
などと言う葛城は、やっぱり肘を着いた姿勢で、ぼくを見つめ続けている。
ご飯が用意されてなかったら視姦料を請求しているところだ。
「…………」
第1資料室は、カビ臭いし埃っぽいけど、雰囲気は悪くない。
窓側はよく日が射して暑いけどエアコンがあるので問題ない。床が絨毯敷きなのもいい。よく昼寝できそうだ。
ぼくが食べ終わるのと同時に、葛城が丸めた『それ』を、長机の上に置いた。
「100Kあります」
細長い円筒状のそれは輪ゴムで括られていて、卓上に垂直に立っていた。
葛城が言った。
「一回一回払うの、面倒です。なくなったら、また言ってください」
ぼくは円筒を手にとって、ポケットに押し込んだ。
「……いいけど、葛城。ぼく、おまえには手加減しないよ?」
薄く笑って見せると、葛城は、ぴくんと震え、瞳に怯えの色が浮かんだ。それでも――
「は、はい。お願いします……」
「馬鹿な娘だね。おまえは」
それじゃあ――
「おまえをメチャクチャにしてあげる」
◇◇
絨毯敷きの床に座り、膝の間に葛城を座らせる。
ブラウスの間から手を差し込んで胸を揉み、首筋をぺろりと舐めると、鼻に掛かる喘ぎが上がった。
「……ン、ふっ……」
固く尖った乳首をつまみ、唇を吸い上げてやると、葛城の瞳は早くも蕩けた。
葛城は万歳をするような体勢でぼくの頭を引き寄せ、舌を突き出してより深いキスをねだってくる。
「あ、む……ちゅ……」
葛城は窮屈な姿勢でぼくの唇に吸い付いてくる。
一頻りキスを楽しんだあと、葛城は唇の端から滴る唾液を拭おうともせず、蕩けた目差しでぼくを見つめた。
「し、新城センパイにしてるみたく、してください……」
「いいよ……じゃあ、全部脱いでくれる……?」
こんな場所で全部脱いでしまえば、どんな言い訳も通用しなくなる。
だから――
躊躇う様子を見せている葛城の背中を押してやる。
「カオルはいつも全部脱ぐけど、できない?」
「……!」
葛城は立ち上がると制服を脱ぎ、スポーツタイプのブラも、下のスパッツも全て脱ぎ捨てて見せた。
水玉模様のパンティは、クロッチ部分が濡れて透けている。
それすらも脱ぎ去る。
「脱ぎました……」
葛城は、どうしてもカオルに負けたくないようだ。僅かに寄せた眉の間に、強い覚悟が見え隠れしている。
ぼくも立ち上がり、細い腰を抱き寄せると、行儀よく勃ったままでいた乳首に舌を這わせる。
「は……あ……」
艶のある溜め息を吐き出し、葛城がぼくの頭を抱き締める。
空いた手で、小ぶりなお尻を撫で、後ろから秘裂に指を挿し込む。
やっぱり葛城の中は熱い。
カオルより体温が高いのだろうか。掠れる吐息を耳に感じながら、そんなことを考える。
膣に挿し込んだ指を二本に増やし、そのまま揉むようにして、膣の奥深くまで侵入する。
「フ……んっ!」
腰が僅かに震え、葛城が強く抱き着いてくる。粘る淫液が溢れ出し、太ももまで濡らした。
「ぼくの印、つけるよ……」
「……! はい、アハッ、はい……!」
嬉しそうに笑みを浮かべる葛城の胸にキスマークの花を咲かせる。
「葛城、もう挿れていい?」
葛城の陰裂は涎を垂らしてぼくを待ち受けている。そして、昼休みは『ご休憩』じゃない。ゆっくりしている時間はない。
葛城が途切れ途切れ呟いた。
「御影さん……新城、センパイと同じように、したいです……」
まただ。
……カオルと同じように、か……。
葛城は、カオルになりたいのだろうか。
◇◇
◇◇
要望通り、葛城とは騎乗位の体勢で繋がった。
不慣れな葛城は何度も挿入に失敗した。
何度も膣口に亀頭を擦り付け、狙いを定め、一息に座り込むようにして、漸く願望を達成した。
前回より少し拡がり、滑りの増した葛城の陰裂に、ぼくのペニスが根元まで埋まる。
「くうぅ……!」
挿入の瞬間、葛城は左右に頭を振って陰唇はキリキリとぼくのペニスを締め付けた。
「これ……深……」
膣の最奥に亀頭が当たる。葛城の口元から、だらっと涎が垂れ下がり、その光景は、一瞬、カオルのそれを思い出させた。
その後の葛城は夢中だった。
ぼくにすがり付き、激しいキスを重ね、一心不乱に腰を振る。
カオルが言うには、この体位だと自分のタイミングでイけるらしい。
ペニスで子宮口を磨り潰すように押し付け、亀頭の先まで腰を上げ、一気に突き落とす。
「はんッ、はんッ、はぁんんッ!!」
葛城は貧欲な獣のように嬌声を上げながら、ひたすら、ぼくを貪る。
結合部分が白く泡立ち、粘る淫液が陰嚢を伝って滴り落ちる。時折、動きが鈍り、膣奥が大量の淫液を吐き出す。それでも葛城は夢中で腰を振り続ける。
「んんッ……!……んんッ!」
髪を振り乱し、自ら乳首を捻り上げる葛城の動きに合わせ、ぼくも腰を叩き付ける。
あまりの激しさに、腰の奥が痺れる感じがした。射精の衝動が徐々に競り上がる。
「葛城、まっ――」
制止は間に合わず、ぼくは葛城の膣内に射精した。
半ば意識を飛ばし、半目の葛城は嬉しそうに笑っていた。
◇◇
◇◇
結局、午後の授業は間に合わなかった。
カオルと同じように。
事後、殆んど失神状態の葛城を抱き締め、緩やかな後戯を行う。
首筋に舌を這わせ、優しく胸を揉み、軽くクリトリスを愛撫してやる。
愛液と精液の混じった白濁が膣口から流れ出し、資料室の絨毯に染みを作った。
夢うつつなのか、葛城が半目のままで呟いた。
「……言う、通りでした……」
そして、その後はカオルと同じように、深く息を吐き、寝息を立て始めたのだった。