ぼくがビッチになったワケ 作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!
このとき葛城と交わしたキスは、何だか優しいキスだった。
カオルは吸い尽くすような激しいキスをするから、ちょっと新鮮な感じ。
そのあと、ヨシコさんが用意してくれた昼食を一緒に食べた。
ヨシコさんの作ったご飯は、はっきり言って美味しくなかった。不思議な不快感があって、それが少し興味深い。
見た目は綺麗に盛り付けてある。彩りもいい。でもこれは……
不思議な食事について考え込んでいると、葛城が言った。
「御影さん、今日はお願いがあります」
見ると、葛城は食事を半分以上残している。謎が深まる。
言いづらいお願いなのか、葛城は俯き、眉を寄せて深刻な表情になった。
「好きなこと言っていいよ。何でもしてあげる」
葛城はお得意様だ。そういう意味で、大切な人間だ。
小さく頷いて葛城は言った。
「き、今日は、恋人みたいに扱ってください……」
「……」
それはやはり、カオルと同じように、という意味だろうか。
「カオルと同じようにすればいいの?」
ぎゅっ、と葛城の眉が寄って険しい表情になった。
「新城センパイは、御影さんの恋人なんですか?」
ツンケンした声。
今日の葛城の趣旨は、この前とは違うようだった。
ぼくは素直に謝った。
「ごめん、でも、恋人なんて居ないから、よく分からないんだ」
「……考えてくださいよ」
「分かった。やってみる」
ぼくは少し考え込んで、その間、葛城はぶすくれた表情で待っていた。
10分ほどして、考えが纏まった。言った。
「じゃあ、トウコ」
その瞬間、葛城がビクッと震えた。
「ぼくのことは、悠希って名前で呼んで」
「うぇ……?」
みるみるうちに葛城の顔は赤くなった。視線を左右に忙しなく泳がせ、コップや食器を意味もなく触りまくっている。
「ゆ、悠希さん、ですか?」
「呼び捨てでもいいし、何だったら渾名でもいいよ」
さて、とぼくは手を打った。
ぱちん、と大きな音がして、葛城が――トウコがまたビクッと震えた。
ぼくは、結局半分以上残してしまった食器を持って立ち上がった。
「トウコ、片付けるよ」
「うぇ? それはヨシコさんがやってくれますよう!」
「……そのヨシコさんが何者かは知らないけど、今日はもういないんだよね?」
「は、はい」
当たり前のように頷くトウコに、ぼくは首を振って見せた。
「じゃあ駄目。さ、一緒に片すよ。食器持って付いて来て」
こうして、ぼくとトウコの恋人ごっこが始まった。
◇◇
◇◇
キッチンの流しで、ぼくが食器を洗っている間、トウコは不思議なものを見るかのように、少しボーッとしていた。
「トウコもさっさと食器出す」
「はっ、はい!」
トウコの食器も手早く洗う。
「トウコは、洗い物したことないの?」
「部活の合宿と、林間学校ぐらいでなら……」
視線を反らすトウコの前で、ぼくは溜め息を一つ吐き出した。
骨の折れそうな話だった。
二人分の食器を洗い、最後に水の散った流しを布巾で拭き上げる間も、トウコはボーッと突っ立っていた。
きゅっ、と布巾を縦に絞って流しの横に干しておく。
トウコが感心したように言った。
「さ、様になってます……。家事が得意なんですか?」
こいつ、お嬢だ。
「これくらいは」
なるほど、と理解する側面もある。無鉄砲に見える判断や生意気な言動も、気儘なお嬢暮らしが原因だろう。
とするとヨシコさんとやらの正体は、お手伝いさんだろうか。
お嬢のトウコは無視して、ぼくは勝手にやらせてもらうことにした。
大きな冷蔵庫の冷凍庫部分を開けてみると、中には冷凍野菜が馬鹿みたいに詰め込んであった。
「なるほど」
不思議と不味い食事の正体はこれだ。
取り合えず、冷凍庫の方から、カップのアイスクリームを二つ取り出した。
「食べようか」
「はっ、はい!」
固さの残るトウコと一緒に、リビングでアイスを食べた。
ぼくが頭の中でこれからの予定を組み立てる間、トウコはソファの上で正座でアイスを食べている。
買い物には後で行くとして、このトウコを何とかする方が先決だった。
トウコは少し男が苦手。自分のテリトリーに、ぼくという異物が入り込んだことで緊張している。
「おいで、トウコ」
「ひゃっ! はいっ!」
ソファの隣を叩いてやって来るように促す。
トウコは、ぼくの隣で膝を抱えるようにして座り込んだ。
身を守っているような仕草。
こういうときの不思議な魔法は、カオルとの経験で知っている。
ぼくはトウコを抱き寄せ、膝枕の体勢になった。
「うひっ!」
「いちいち驚かない。トウコはじっとして」
ガチガチに固まったトウコの頭を、優しく撫でる。
髪を指で研いたり、耳に触ったり。
トウコの髪は細く柔らかで、触っているとちょっと気持ちいい。首筋を擽ってやると、漸く笑みが出た。
ぼくも笑みを返す。
「トウコは可愛いね」
「あ、はい……」
徐々に固さが取れてきた。トウコは深く溜め息を吐き出して、それから身体の力を抜いた。
「トウコ。ぼくは、おまえの恥ずかしいところ、全部知ってるんだから、緊張しないで甘えていいよ」
「……! は、はい……」
トウコは少し驚いて、それから完全に緊張を解いた。
セックスって、ちょっと不思議。したことあるとないとで全然違う。お互いに一つになったって事実が、二人の距離を短くするんだと思う。
膝の上でぼくを見上げるトウコの唇にキスをする。
触れるだけじゃない。舌を絡め、唾液を交換する、ねっとりとした甘いキス。
「…………」
離れると、トウコの顔は上気していて、黒曜石の瞳はしっとりと濡れていた。
「まだお昼だけど、しちゃおうか?」
トウコは嬉しそうに笑ったあと、ぼくに馬乗りになってキスの続きを開始する。
深く舌を挿し込み、音を立てて唾液を飲み込む。トウコの荒い鼻息が耳にかかって擽ったい。
腰に手を回して、トウコの身体を引き寄せた。
「ん……んん……んッ!」
キスが益々深くなる。
お尻に手を触れると、トウコの吐息に喘ぎが混ざった。
薄い胸に手を伸ばすと、熱を持った先端は固く尖っている。
指先で乳首を弄っていると、トウコが焦れったそうにタンクトップを脱ぎ捨てた。
ピンクの乳頭が露になる。
トウコは、下着を着けていなかった。
続けて、スパッツの付け根にある秘裂に手を伸ばす。
ここも、下着の感触がない。じっとりと粘る液体で濡れていた。
「んフッ……フッ……!」
キスしながら、トウコが腰を擦り付けて来る。
耳元で、掠れる声が囁いた。
「悠希さん……自分、もう、我慢できませんから……」
トウコが腰を浮かせてスパッツを脱ぐのに合わせ、ぼくもズボンをずり下ろす。
濡れそぼった陰裂に、ぼくのペニスが触れた。
温い淫液が亀頭に触れる。
トウコが陰茎を指で支え、グッと腰を前に突き出した。
「くぅぅぅ…………!」
ズブズブとペニスが陰裂に埋没する。
やっぱり、トウコの膣内は燃えるように熱い。そこだけが別の意思を持っているみたいだ。
トウコが強く抱き着いて来て、ぼくの頭を胸に押し当てる。
前に資料室で付けたキスマークは、まだクッキリと痕を残していたけれど、ぼくはもう一度そこに吸い付く。
噛みつくように。
消えないように。
ぼくの印を刻み込む。
がくん、がくんとトウコの腰が波を打つ。
ぼくは細い身体を抱き締めながら、滑る結合部分に触れてみた。
強い粘性を持った愛液で、陰毛がぺったりとペニスに張り付いている。
乳首を甘噛すると、トウコは鼻に掛かった喘ぎを上げた。
「はぁぁぁぁぁん……!」
トウコが逃げるようにおとがいを反らして距離を取ると、ぬらぬらとてかる結合部分が露になった。
固く尖ったクリトリスが、包皮にくるまって苦しそうだ。
強いしこりを持つそれに手を回して、不意討ち気味に一気に皮を剥く。
「ぎひっ――」
――イった。
トウコの瞳が、どろりと情欲に蕩ける。
それを確認して、ぼくはゆっくりとした抽送を開始して肉壺の奥を刺激する。
「ぅ――――」
トウコは全身を緊張させ、腰をふるふると震わせている。
ぼくの動きに合わせ、愛液が粘着音を響かせる。剥き出しになったクリトリスを指で転がすと、トウコの喉が、ぐぅ、と鳴った。
とろとろに蕩けたトウコの子宮口が降りて来て、ぼくも抑えがたい射精衝動が強くなってきた。
薄い尻肉を引き寄せ、激しい抽送を繰り返す。トウコの中は熔岩のように熱く、快感に焼き付きそうだった。
「悠希さん! 悠希さん! あぁ!! もう……もう……!」
トウコが赤く紅潮した顔で、押し付けるように唇を重ねてきた。腰が押し付けられ、亀頭が柔らかい壁に触れる。
「ぁぁっ……!!」
トウコが絶頂すると同時に、ぼくも射精した。
いつになく、長い射精だった。
トウコの膣内は熱く、精液を吸いとられているような気がした。