ぼくがビッチになったワケ 作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!
シュウは、泣いていたように思った。
肩を怒らせて仁王立ちのシュウを残し、ぼくと新城は『奥の部屋』に向かった。
放課後になってまだ早いお陰か、今日は一番乗りだ。
奥の部屋は三畳ほどの座敷がある。
後はロッカーに座布団、ちゃぶ台。少人数で寛げるようになっている。
ぼくは座布団を出し、そこに新城を座らせた。
新城は少し頬を染めて、何だかご機嫌だった。
「御影って小さいけど、やっぱ男なのな」
「当たり前でしょ。それより、新城。ポケットの中のもの全部出して」
「ん、いいよ……」
新城は座布団の上で胡座をかいた姿勢のまま、ポケットの中身をちゃぶ台に並べた。
タバコ、ライター、ヴィトンの財布、それから――バタフライナイフ。
やっぱり持ってた。
ぼくはバタフライナイフを手に取った。
刃渡り12cm というところか。人一人殺傷するには充分だ。尖った刃先を触りながら尋ねる。
「新城、これ、本気で使うつもりだったろ?」
「あ、あぶない……御影、返して……!」
テンパる新城の様子に仕方なく、ナイフを返す。
新城はそれを下に向け、やたら真面目な表情で柄を折るようにして刃先を閉じた。
「あのな、御影。このナイフって、すげえ危ないから、絶対自分に向けちゃ駄目だぞ?」
何だか、ぼくは疲れてしまった。
「その危ないのを持ち歩いてる新城に言われたくない」
「アタシはいいんだよ」
「いい訳ないだろ、バカ」
ぼくは新城の琥珀色の瞳を見詰める。
「そのナイフで刺すつもりだったのか?」
これでも新城とはヤりまくった仲だ。本気か、そうじゃなかったかくらいは見れば分かる。
新城は、ムッとして目を逸らした。
「だったら悪いんかよ」
「当たり前だろ。何考えてんだ」
へっちを向く新城の頭を捕まえ、視線を合わせる。
ややあって、ぽつぽつと話し出した。
「あいつ……秋月は、強いよ。たぶん、デタラメ……」
「だからナイフなの?」
「……」
新城が視線を伏せた。
「アタシはさ、いいかげんなヤツさ。でも、譲れないものもある。負けたくないときだってあるんだ」
「でもナイフは駄目だ」
「だから、あいつにはそれくらいやんないと通用しないって……」
「通用しないでいい。新城は女なんだからケンカなんてするもんじゃない」
新城は本物のバカだけど、ぼくの為にそうするというなら、ぼくは本気でこれを止めなきゃならない。
「あのね、新城。ぼくは、新城を犯罪者にしたくない」
ぼくが原因の刃傷沙汰なんて冗談じゃない。売りが学校にバレたらどうするんだ。
クサマン新城め。
「わ、分かった……御影がそこまで言うなら、ナイフは持たない」
「うん、ならいい」
ぼくは新城の頭を抱き寄せ、茶髪を撫でた。
「約束だよ」
「分かった。絶対」
新城は瞬きもせず、じっとしている。
思い出したように、言った。
「アタシ、御影以外とは付き合わないから。今日は冷やかしてごめん」
「うん、分かった」
まぁ、ぼちぼちで新規開拓と行きますか……。
新城が泣きそうな顔で言う。
「あの……今日は300円しか……」
「いいよ、タダで。ぼくも少し意地悪し過ぎたし」
本音を言えば、少し新城から巻き上げ過ぎた。犯罪に走る前に、ここらで躾する必要がある。
そんな心配をしなきゃならないくらいには、新城はぼくにハマってる。
バイトでもさせるか。
そんなことを考えた。
◇◇◇◇
新城が、ぼくの上でゆっくり腰を振っている。
「当たってる……御影のが、欲しいところに当たってるよう……!」
今日はタダだし。ぼくは動かずにいて、天井の染みを数えたりなんかしてる。
新城がいつものようにキスの雨を降らせて来る。だらだらと涎を溢すので、ぼくの顔はベトベトだ。
生唾って、乾くとすごく臭い。
「御影、動いてよう……!」
新城の褐色の肌をさする。おっぱいは釣鐘型の手のひらサイズ。カップはCくらい。
新城が一番感じるのはGスポットの辺りで、ここを強く擦るように突き上げるのがポイント。
尻たぶを揉みながら、ゆっくり腰をグラインドさせると、新城は込み上げる快感を噛み締めるように動きを止め、四つん這いの姿勢で深いキスを求めてくる。
指と指を絡め、舌を吸い上げると、新城の腰が大きく震えた。
だらっと陰嚢の裏を新城の分泌液が流れ落ちる感触。
荒く、熱い吐息を漏らす新城の頬に涙が伝う。
新城が、イった。
◇◇◇◇
深いエクスタシーの後、新城は必ず泣く。
胸がいっぱいになるんだと言っていた。
一方、ぼくが射精に至るのは3、4回に一度くらい。これは、ぼくにとってビジネスで、快感を得るのが主目的じゃない。
ぼくの上でさめざめと泣く新城の背中を擦る。後戯は超重要。頬に軽くキスして、それから耳を甘噛みする。
新城は時折、思い出したようにピクリと震え、小さな喘ぎを漏らす。この時点で盛り上がれば、またする。
新城が、またゆっくりと腰を振り始めた。
「御影、もう一回、もう一回……」
ぼくは新城の緩やかな動きに合わせるように、腰を突き上げる。ねちゃっと大きな水音がして、独特の臭気が鼻を衝く。
イカ臭い。
新城以外の女の子は臭くないんだろうか。
新城が強く抱き付いてくる。
立て続けにイってるのか、腰が大波を打っている。
ちゃぶ台の上に置いてある時計が5時半を指していた。
(父さん、もう仕事に行っちゃったな……)
「イぐ、イぐうううう……!」
新城がゴリゴリと腰を押し付けて、大きな絶頂に達した。
ぼくはまた後戯を開始する。
だって、ビッチだもん。
お客さんは大事にしないとね。
ぼくの上でまた泣き始めた新城の熱い吐息を感じる。
「ううう……! 御影となら何度でもできる、怖いよ……!」
因みに、二回目からは有料になります。