※この作品はR-18です。

ぼくがビッチになったワケ   作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!

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第26話

「……だから、新城は身長(タッパ)あるじゃん。あいつが本気出したら野郎も嫌がるし……」

 

 24時間営業のネットカフェ。

 薄い板で区切られた三畳ほどのスペースで、ぼくと皆川は抱き合うようにして転がっている。

 床には大きなマットが引いてある。

 パッパラパー子は、ぼくの髪の匂いを嗅いだり、頬擦りしたり。

 

「……新城、すっげー変わったじゃん? 以前は仏頂面でさ……んっ、そこ……それが今は、ほんと、よく笑って……」

 

 ぼくの右手はパー子のパンティの中にあって、縦に割れたスリットを上下に擦っている。

 最初はへらへらしてた皆川の息が荒くなる。

 

「……だから、少年ビッチに興味あるやつは、結構……」

 

 固くなったクリトリスを親指で捏ねながら、中指を膣に挿入する。

 皆川の膣(なか)は粘っていて、するりとぼくの指を根元までくわえ込む。

 

「……指、ほっそ……もう、一本……」

 

 横になって足を開く皆川の膣に薬指も挿れる。

 

「……なるほど、新城が……こりゃ、ハマる……」

 

 ぼくは薄い仕切りが気になって仕方がない。皆川の股間は物凄い音を立てていて、煩い位だ。

 皆川が息を荒くして囁く。

 

「キス、なしだった、ね……」

「ごめんね……」

 

 皆川が足をぼくの腰に回して抱き着いて来る。

 

「あは……指だけでイかされるの、はじ、めて……っん……ッッ!」

 

 そんなことを言うパッパラパーの皆川は頑張ったほう。

 指が疲れちゃった。

 皆川の膣に三本目の指を挿れて、Gスポットとクリトリスを刺激する。

 

「……こりゃ、一人占め、したくなる……」

 

 仕切りの狭いスペースで、足を絡ませた皆川が、ぶるっと腰を震わせた。

 

「んふっ……!」

 

 甘酸っぱい匂いが広がって、お喋りパー子は静かになった。

 

「おつかれ、パー子。可愛かったよ」

 

 ゆっくりと皆川の膣から指を引き抜くと、粘りの強い愛液が糸を引く。

 今回は、お試し。

 危なそうだったら口も使うつもりだったけど、手だけで済んだ。

 ぼくは濡れた指先をティッシュで拭いて、脱力して大の字の皆川の股間も拭いてやる。

 

「…………」

 

 皆川は、ぽけっと、ぼくのすることを見つめていた。

 

「……優しいんだ……」

「そう?」

 

 ちゃんとパンティを履かせてから、皆川と抱き合って横になる。

 皆川の匂いが気になって仕方がない。女の子特有の甘い匂いがだだ漏れになっている。

 ……よくこんなとこでする気になったもんだ。

 ぼくは内心、呆れている。

 後は皆川の背中を擦ったり、軽く胸を揉んでみたり。

 皆川は眠たいのか、とろんと眦が下がって来た。

 

「……新城に、気をつけて……」

 

「おやすみ……」

 

 パッパラパー子にメアドを書いた紙を渡して、その場で別れた。

 

 貰った千円は、帰り道のコンビニで、ジュースとお菓子代に消えた。

 

◇◇

◇◇

◇◇

 

 星の瞬く帰り道。

 ぼくと向き合ったカオルは、だらだらと異常な量の汗を流した。

 

 通り過ぎて行く車のヘッドライトの流星が、カオルの琥珀の瞳を照らす。

 吹き出た汗が、頬を伝い落ちた。

 

「…………」

 

 ぼくは空を見上げた。

 

「……思えば、カオルは、すごく優しかったね……」

 

 ずっと解答を避けていたこと。

 

「絶対、ぼくに手を上げなかったし、何かを無理強いしたこともなかった」

 

 本当は独占欲が強い癖に、ぼくを縛り付けることもしなかった。酷いことをしても、一言も責めなかった。呼ばれるまで、家に来なかった。

 

「全部、嘘だったの……?」

 

「――違うッ!!」

 

 それまで黙っていたカオルが、突然叫んだ。

 

「するかッ! アタシはそんなに酔狂じゃない! ただ――」

 

 カオルの顔が悲痛に歪んだ。

 

「ただ、好きで……好きで……どうしようもなくて……」

 

 琥珀の瞳から涙が流れる。それはとても……

 

「アタシのせいで、腕折られたろ……? 誰も助けてくれなくて……皆、yesで……」

 

 カオルがしゃくり上げた。

 

「気になりだしたら、止まらなくて……」

 

 それはとても深刻な――

 

「でも――」

 

 涙に濡れながらも、琥珀の瞳に憎悪の影。

 

「あの女が……道端に落ちてるガムみたいに引っ付いてて……!」

 

 シュウ……。

 

「アタシは、毎日毎日、指くわえて見てるだけで……!」

 

 琥珀の瞳は、憎悪の焔に燃えていて――

 それはとても深刻な。

 

 新城馨の、恋。

 

「――利用した。ものに出来るなら、何でもよかった」

 

「…………」

 

 カオルは、言った。

 

「ボランティアなんかじゃない」

 

 つまり、過去、気性、状況、状態、全て知り尽くした上で、カオルは――

 

「思い出もない。何の積み重ねもないアタシが……」

 

 カオルとぼくとは違う。違いすぎるから。まともに来れば、ぼくは一顧だにしなかったろう。

 カオルが歩み寄って来る。

 

「アタシがユキを手に入れたんだ」

 

 綺麗も汚いもない。あまりにも深刻な、カオルの恋。

 

「もうアイツのものじゃない。アタシが――」

 

 ぼくは、魅いられたみたいに動けなくて。

 

「捕まえた……!」

 

 カオルがぼくを抱き締める。

 

「もう離さない」

 

 ――捕まった。

 ぼくは、カオルに捕まった。

 善悪美醜、全て備えたカオルの恋に、ぼくは捕まった。

 

 最初から、ボランティアなんかじゃなかった。カオルは汚くて、何でもありで、ぼくを毟りとっただけ。

 

「…………」

 

 見上げた空は綺麗だった。

 不思議なことに、悪い気持ちはしない。

 だってこんなにも強く、求められたことなんてなかったから――。

 

 この日、ぼくはカオルに捕まった。

 もう逃げられそうにない。

 

 まいった。

 

 本当にまいった。

 

 もう終わりにしようと思っていたのに。

 

 

 とてつもない、裏切り者の、ぼく――。

 

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