ぼくがビッチになったワケ 作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!
朝、目が覚めると時計の針は午前9時になろうとしていた。
カオルは長い手足をぼくの身体に絡ませ、抱き枕にして、すうすうと寝息を立てて眠っている。
「カオル……」
呼び掛けても返事はない。
茶色の長い前髪が目を隠すように下がっていたので、そっと手櫛でかき上げた。
「カオル?」
おっぱいをふよふよと揉んで見るが、やはりカオルは無反応だった。
室内は寒いくらいエアコンが効いていて、カオルに抱き枕にされているのが気持ちいい。
ガウンを捲って、直にカオルのお尻に触れる。
大きくて柔らかいお肉をさすっていると、カオルは鼻に掛かった声を上げた。
「……んっ……」
反応あり。
長い脚の間に前から手を差し込み、さらさらとした草むらを掻き分けてあそこに触れる。
流石に濡れてない。
でも、膣に指を一本挿し込んでみると、内部はぬめっていて、簡単にぼくの指を飲み込んだ。
「は、あぁ……ん……」
悩ましいカオルの吐息を感じながら、ゆっくりと膣の粘膜を刺激する。
昨夜のローションが膣(なか)に入っていたのか、少量だけどとても粘りの強い液体が滲み出して来た。
挿入した指を二本に増やし、親指でクリトリスを転がしながら、Gスポットの壁を撫でる。
「……んっふ……」
いやらしいカオルは眠ったまま笑みを浮かべて、ぐっと腰をぼくに突き出して来た。
とても触りやすくなった。
粘りの強い愛液を潤滑油替わりにして、スローペースで指を抜き差ししていると、徐々にカオルの体温が上がり始めた。
「ふぅ……ッんっ……ユキぃ……」
吐き出す息も熱く、だんだんと湿りを帯びて来た。
カオルはまだ眠っている。
ぼくは愉快になってきて、最後までしてもカオルが起きないかどうか試したくなった。
ゆっくり、しかしカオルを起こさないように膣の愛撫を続ける。
「ぁ……ぁ……ん……」
喘ぐカオルの表情が、徐々に苦しげなものになってきた。シーツ越しに粘着質の水音が聞こえ、体臭が濃くなる。
これまでの経験からして、カオルはそろそろイきそうだ。
調子に乗ったぼくは、大きく指をグラインドさせて強めの刺激を送り込んだ。それでもカオルは足りないのか、少し腰を揺すっている。
カオルが、ぎゅっと眉間に皺を寄せた。
ぎりっと膣が締まり、とろっと粘性のある濃い液体が溢れ――
「ふッ……ん!」
カオルは、ふぅっと大きな息を吐き出した。
すっきりした……そんな心の声を聞いたような気がした。
そして、カオルは何事もなかったかのように、またすうすうと寝息を立て始めた。
本当、いい根性してる。
◇◇
ぼくはベッドから抜け出して、ルームサービスのモーニングセットを二つ注文した。
こういう場所の食事と言えば、割高なイメージがあったのだけど、ここは泊まりの客には無料で提供している。場所によって違うのだろうか。
携帯をチェックすると、深山からメールが入っていた。
――電話していいですか?
ぼくは携帯を持ったまま、トイレに入り、そこでOKと返信した。
送信から少しして、深山からの着信。出る。
「……もしもし」
『深山ですけど……なんで小声なんですか? ……というより、今何処にいます? 音が響いていますね。トイレですか? なんでそんな場所から。誰と一緒に――
ぼくは通話を切った。
詮索好きの深山にはペナルティとして三回目の着信拒否設定。
深山に代わって黙り込む携帯に言っておく。
「学ばないね、おまえは」
◇◇
深山との不毛なやり取りの後、5分ほどして、カオルが目を覚ました。
「おはようさん」
「……ぅん」
カオルは起きた瞬間から挙動不審だった。
シーツにくるまり、ゴソゴソと股間の辺りを探っている。
「どうしたの、カオル?」
「あ、いや……」
カオルは頬を少し染めて、恥ずかしそうに言った。
「夢の中でもユキとヤってて……あそこがぬるぬる……」
ぼくは吹き出しそうになった。
「すっげーよかったんだけど……シーツまで垂れてる。洩らしたみたい……」
それから、ぼくら二人はカウンターに隣り合わせに座って朝食を食べた。
「カオル、椅子の上で膝立てないで。見えてるから、パンツくらい履きなよ」
ちなみに、昨夜からカオルは履いてない。
「それと、このコーヒー苦いから飲んで」
カオルが寝過ごしたせいで、今朝はバタバタ。チェックアウトまで後、15分もない。それでもカオルは、殆ど全裸でニコニコと嬉しそうに笑ってる。
「何、笑ってんのさ。だから、あそこ見えてるって」
「へへ……見せてんの」
「変態っ!」
結局、部屋を出たときは午前10時を少し過ぎてしまった。
ぼくは知らなかったけど、こういうのって、5分くらいなら超過しても問題ないみたい。大目に見てもらえた。
それから、またぼくたちは車に乗って。
見知らぬ街を通り過ぎ、緩やかに曲がりくねった道を、尾根伝いに進んだ。
峠を超え、暫く行くと突然視界が開け、ぼくはその光景に絶句した。
「……」
尾根に沿って波うつようにうねる緑の草原が広がる。目に映るものは全て巨大で、360℃の自然のパノラマ。
カオルが笑ってる。
「すげーだろ?」
「……うん」
草原は所々、白い岩が生えていて、遠目に見える黒い点は……
「生牛……!」
ついにこの目におさめたり。
カオルが稜線を指した。
「風車」
「おお……」
感心しきりのぼくに、カオルは、あの風車が発電装置であると蘊蓄を語った。
「ふええ……」
ここは、確かに日本に見えなかった。
少し寂しい感じはしたけれど、全てが雄大で、自然の息吹きを感じる。
カオルは、ずっと笑顔。
「もう少し登ったとこにゲレンデがあるんだ。お昼はそこでバーベキューにしよう」
「B B Q!!」
前以て予約が必要だけど、ゲレンデでバーベキューが食べられるらしい。
小さなトンネルを抜けると、大きな高原に出た。
キャンプ場の近くの駐車場に車を停め、ぼくらは遊歩道を歩いてゲレンデにあるバーベキュー会場に向かった。
「生牛、食いたい」
「ぶぷっ、これから食えるよ」
真夏の盛りに関わらず、とても涼しい。
遊歩道では森林浴を楽しんだ。爽やかに吹き抜ける風が心地いい。
「……ありがとう、カオル」
感謝の言葉が、素直に口を衝いた。
カオルはニコニコと上機嫌だ。
「いいよ。喜んでくれて、計画した甲斐があった」
「ぼく、一生忘れないから」
「……」
カオルは立ち止まり、ぐっと唇を噛み締めて、空を見上げた。
「……また来ような」
「いいね」
「今度はゲレンデにあるホテル取るよ。冬場はスキーが出来るんだ」
「スキー、したことない」
「アタシが教えるよ。一緒に遊んで、いっぱい滑ろう」
「ぼくみたいな小さなヤツで、恥ずかしくない?」
「笑ったヤツは、片っ端から山の中に埋めてやる」
カオルはまた泣いている。
「アタシが幸せにするから」
「あんがとね」
ぼくは笑った。
カオルは力強く頷いて。
「ユキは笑うんだ。それだけでいいよ」
肩を震わせて、言う。
「それだけでいいんだ……それだけで……」
ぼくとカオルの、夏の一ページ。