※この作品はR-18です。

ぼくがビッチになったワケ   作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!

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第37話

 朝、目が覚めると時計の針は午前9時になろうとしていた。

 カオルは長い手足をぼくの身体に絡ませ、抱き枕にして、すうすうと寝息を立てて眠っている。

 

「カオル……」

 

 呼び掛けても返事はない。

 茶色の長い前髪が目を隠すように下がっていたので、そっと手櫛でかき上げた。

 

「カオル?」

 

 おっぱいをふよふよと揉んで見るが、やはりカオルは無反応だった。

 室内は寒いくらいエアコンが効いていて、カオルに抱き枕にされているのが気持ちいい。

 ガウンを捲って、直にカオルのお尻に触れる。

 大きくて柔らかいお肉をさすっていると、カオルは鼻に掛かった声を上げた。

 

「……んっ……」

 

 反応あり。

 長い脚の間に前から手を差し込み、さらさらとした草むらを掻き分けてあそこに触れる。

 流石に濡れてない。

 でも、膣に指を一本挿し込んでみると、内部はぬめっていて、簡単にぼくの指を飲み込んだ。

 

「は、あぁ……ん……」

 

 悩ましいカオルの吐息を感じながら、ゆっくりと膣の粘膜を刺激する。

 昨夜のローションが膣(なか)に入っていたのか、少量だけどとても粘りの強い液体が滲み出して来た。

 挿入した指を二本に増やし、親指でクリトリスを転がしながら、Gスポットの壁を撫でる。

 

「……んっふ……」

 

 いやらしいカオルは眠ったまま笑みを浮かべて、ぐっと腰をぼくに突き出して来た。

 とても触りやすくなった。

 粘りの強い愛液を潤滑油替わりにして、スローペースで指を抜き差ししていると、徐々にカオルの体温が上がり始めた。

 

「ふぅ……ッんっ……ユキぃ……」

 

 吐き出す息も熱く、だんだんと湿りを帯びて来た。

 カオルはまだ眠っている。

 ぼくは愉快になってきて、最後までしてもカオルが起きないかどうか試したくなった。

 ゆっくり、しかしカオルを起こさないように膣の愛撫を続ける。

 

「ぁ……ぁ……ん……」

 

 喘ぐカオルの表情が、徐々に苦しげなものになってきた。シーツ越しに粘着質の水音が聞こえ、体臭が濃くなる。

 これまでの経験からして、カオルはそろそろイきそうだ。

 調子に乗ったぼくは、大きく指をグラインドさせて強めの刺激を送り込んだ。それでもカオルは足りないのか、少し腰を揺すっている。

 カオルが、ぎゅっと眉間に皺を寄せた。

 ぎりっと膣が締まり、とろっと粘性のある濃い液体が溢れ――

 

「ふッ……ん!」

 

 カオルは、ふぅっと大きな息を吐き出した。

 すっきりした……そんな心の声を聞いたような気がした。

 そして、カオルは何事もなかったかのように、またすうすうと寝息を立て始めた。

 

 本当、いい根性してる。

 

◇◇

 

 ぼくはベッドから抜け出して、ルームサービスのモーニングセットを二つ注文した。

 こういう場所の食事と言えば、割高なイメージがあったのだけど、ここは泊まりの客には無料で提供している。場所によって違うのだろうか。

 

 携帯をチェックすると、深山からメールが入っていた。

 

 ――電話していいですか?

 

 ぼくは携帯を持ったまま、トイレに入り、そこでOKと返信した。

 

 送信から少しして、深山からの着信。出る。

 

「……もしもし」

 

『深山ですけど……なんで小声なんですか? ……というより、今何処にいます? 音が響いていますね。トイレですか? なんでそんな場所から。誰と一緒に――

 

 ぼくは通話を切った。

 詮索好きの深山にはペナルティとして三回目の着信拒否設定。

 深山に代わって黙り込む携帯に言っておく。

 

「学ばないね、おまえは」

 

◇◇

 

 深山との不毛なやり取りの後、5分ほどして、カオルが目を覚ました。

 

「おはようさん」

 

「……ぅん」

 

 カオルは起きた瞬間から挙動不審だった。

 シーツにくるまり、ゴソゴソと股間の辺りを探っている。

 

「どうしたの、カオル?」

「あ、いや……」

 

 カオルは頬を少し染めて、恥ずかしそうに言った。

 

「夢の中でもユキとヤってて……あそこがぬるぬる……」

 

 ぼくは吹き出しそうになった。

 

「すっげーよかったんだけど……シーツまで垂れてる。洩らしたみたい……」

 

 それから、ぼくら二人はカウンターに隣り合わせに座って朝食を食べた。

 

「カオル、椅子の上で膝立てないで。見えてるから、パンツくらい履きなよ」

 

 ちなみに、昨夜からカオルは履いてない。

 

「それと、このコーヒー苦いから飲んで」

 

 カオルが寝過ごしたせいで、今朝はバタバタ。チェックアウトまで後、15分もない。それでもカオルは、殆ど全裸でニコニコと嬉しそうに笑ってる。

 

「何、笑ってんのさ。だから、あそこ見えてるって」

「へへ……見せてんの」

「変態っ!」

 

 結局、部屋を出たときは午前10時を少し過ぎてしまった。

 ぼくは知らなかったけど、こういうのって、5分くらいなら超過しても問題ないみたい。大目に見てもらえた。

 

 それから、またぼくたちは車に乗って。

 見知らぬ街を通り過ぎ、緩やかに曲がりくねった道を、尾根伝いに進んだ。

 

 峠を超え、暫く行くと突然視界が開け、ぼくはその光景に絶句した。

 

「……」

 

 尾根に沿って波うつようにうねる緑の草原が広がる。目に映るものは全て巨大で、360℃の自然のパノラマ。

 カオルが笑ってる。

 

「すげーだろ?」

「……うん」

 

 草原は所々、白い岩が生えていて、遠目に見える黒い点は……

 

「生牛……!」

 

 ついにこの目におさめたり。

 カオルが稜線を指した。

 

「風車」

「おお……」

 

 感心しきりのぼくに、カオルは、あの風車が発電装置であると蘊蓄を語った。

 

「ふええ……」

 

 ここは、確かに日本に見えなかった。

 少し寂しい感じはしたけれど、全てが雄大で、自然の息吹きを感じる。

 カオルは、ずっと笑顔。

 

「もう少し登ったとこにゲレンデがあるんだ。お昼はそこでバーベキューにしよう」

 

「B B Q!!」

 

 前以て予約が必要だけど、ゲレンデでバーベキューが食べられるらしい。

 小さなトンネルを抜けると、大きな高原に出た。

 キャンプ場の近くの駐車場に車を停め、ぼくらは遊歩道を歩いてゲレンデにあるバーベキュー会場に向かった。

 

「生牛、食いたい」

 

「ぶぷっ、これから食えるよ」

 

 真夏の盛りに関わらず、とても涼しい。

 遊歩道では森林浴を楽しんだ。爽やかに吹き抜ける風が心地いい。

 

「……ありがとう、カオル」

 

 感謝の言葉が、素直に口を衝いた。

 カオルはニコニコと上機嫌だ。

 

「いいよ。喜んでくれて、計画した甲斐があった」

 

「ぼく、一生忘れないから」

 

「……」

 

 カオルは立ち止まり、ぐっと唇を噛み締めて、空を見上げた。

 

「……また来ような」

 

「いいね」

 

「今度はゲレンデにあるホテル取るよ。冬場はスキーが出来るんだ」

 

「スキー、したことない」

 

「アタシが教えるよ。一緒に遊んで、いっぱい滑ろう」

 

「ぼくみたいな小さなヤツで、恥ずかしくない?」

 

「笑ったヤツは、片っ端から山の中に埋めてやる」

 

 カオルはまた泣いている。

 

「アタシが幸せにするから」

 

「あんがとね」

 

 ぼくは笑った。

 カオルは力強く頷いて。

 

「ユキは笑うんだ。それだけでいいよ」

 

 肩を震わせて、言う。

 

「それだけでいいんだ……それだけで……」

 

 ぼくとカオルの、夏の一ページ。

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