※この作品はR-18です。

ぼくがビッチになったワケ   作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!

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第45話

 激しい吐息とともに全身を朱に色付かせ、漸くシュウは脱力した。

 

「すごかったよ……御影……」

 

 完全に気の抜けた掠れ声で囁いて、シュウは深い息を吐き出した。

 

「ん……ぼくも……」

 

 シュウの胸に抱かれながら、ぼんやりと考えたのは、これまでのこと。

 高校に入って、ぼくの青春のようなものがあったとして、その全てのページに秋月蛍という女性がいたということ。

 彼女は、ぼくみたいなやつに気さくに声を掛けてくれたし、友人としても良くしてくれた。時には言い争いをしたこともあったし、いがみ合ったこともある。

 いつだってシュウは、ぼくに全力でぶつかってきた。身売りなんていう馬鹿なことをしなくても、彼女とは必ずこうなっただろう。

 だからこそ、違和感なくいられる。傷付けることを躊躇せずにいられる。

 シュウは膣にぼくを収めたまま、言った。

 

「御影……いや、悠希」

「……うん」

「どうして、売春なんてことをするんだ?」

「……お金が欲しい」

 

 ぎゅっと眉を寄せ、シュウは険しい表情になった。

 

「なんでそうなんだ?」

 

 こんなことになっていても、それとこれとは違う。納得できないという表情。

 

「…………」

 

 ぼくは一つ溜め息を吐く。

 話そうと思っていたことだ。これがいい機会だった。

 

◇◇

 

 そこでぼくは、色々と家庭の事情を話した。

 

 血の繋がらない母に、長い間、虐待されて育ったこと。

 3年に及んだ長期の入院。

 絶望視されていたけれど、父さんの献身的な介護で奇跡的に回復したこと。

 身体が成長する見込みは薄いこと。

 

 その間も、ぼくとシュウは繋がったまま。

 シュウは黙って話を聞いている。

 

 続いて、ぼくはウチの経済事情を話した。

 

 父さんは頑張っているけれど、経済的には、ぼくが大学に進む余裕はないこと。

 いずれ父さんは無理をして、破滅する可能性が高いこと。

 

 ……その時も、父さんはきっと笑っている。笑って、ぼくの為に破滅する。

 

 ぼくは気が付くと泣いていて、シュウは優しく背中を撫で続けていてくれた。

 

「……ぼくは、このお話の最後を書き換える……これだけは……これだけは……」

 

 でも、どうしようもなかった。

 父さんに黙ってアルバイトしようとしたけど、身体が小さすぎて雇って貰えなかった。

 家出中学生だろう、と言われたこともあった。

 時間ばかりが無為に過ぎて行く。お昼ご飯を抜いたり、交通費を節約する為に歩いたりしていたけれど、全然、足らない。

 焦っていたところに――

 

「――新城から、話があった」

 

 シュウは言って、ぐりぐりと腰を擦り付けて来る。

 すっかり萎えてしまって、抜け落ちそうなぼくが気に入らないみたいだった。

 言った。

 

「助けないよ」

「……うん」

「切っ掛けがどうでも、悠希が自分から始めたことだからね。責任は取るんだ」

 

 

 ――怖い子なんだろ?

 

 

 何故か、父さんの言葉を思い出した。

 

「……終わりはあるの?」

 

「目標はあるよ。そのときは、スッパリ終わるつもり」

 

 ぼくが頷くと、シュウは少しホッとしたように頷き返した。でも――

 

「新城はよくない。あれには、ちゃんとケリを着けるんだ。出来るね?」

「…………」

 

 さっきからシュウが腰を揺するので、ぼくは少し妙な気分になってしまう。

 元気付けているつもりなんだろうか?

 

 ――この子の物差しは、父さんや悠くんとは違うと思う……

 

 父さんは、本当にプロなのかもしれない……。

 シュウが言った。

 

「好きだよ」

「……うん、あんがとね」

「厳しいことも言ったけど、いつでも好きだよ。だからね?」

「……?」

「もう駄目だって思った時は、私に言うんだ。私が全部――」

 

 ぼくの耳元で、こう囁いた。

 

「私が全部、リセットしてあげるから」

 

 そのとき、ぼくはどうなるんだろう。怖いシュウがタダで都合のいいことを言うと思えない。

 分かるのは、そのとき、シュウが全てを消してしまうということ。良いものも悪いものも、全て力で揉み消してしまうということ。

 

 ――強い子。……多分、強すぎる……。

 

 父さんは、教えてくれていた。

 ぼくは、一時の気紛れでとんでもない間違いをやらかしたのかもしれない。

 

 初めての体験で膣に思い切り流し込まれても、シュウは堪えてないみたいだった。

 

 ちょっぴり、寒気がした。

 

「最低、週に一度は来るんだ。お風呂に入っているときでも、トイレにいるときでもいい。いつでも買ってあげるよ?」

 

「わかった」

 

◇◇

 

 話が一段落したところで、さて、とシュウが立ち上がった。

 膣から萎えたぺニスが抜け、精液と愛液のカクテルが腿を伝い落ちる。

 なんだか、ぼくは恥ずかしくなって視線を落とすと、シーツには破瓜の『おしるし』があって、頬が熱くなった。

 シュウは眦を下げ、残念そうに言った。

 

「二回目、と行きたいところだけど、インターハイが近いから止めとくよ」

 

「あ、ごめん……」

 

「念のためだよ。あそこが痛くて本気が出せませんでした、じゃ締まらないからね」

 

 腿を伝う体液に構う素振りを見せず、シュウは踵を返した。

 

「どこに行くの?」

「ん、お風呂」

 

 深山が、シュウのことを『虎』と言った訳が分かった気がした。

 シュウ――秋月蛍は、おそらく豪傑と呼ばれるタイプの女性なんだと思う。

 八頭身の均整の取れた抜群のプロポーション。股間から精液を垂れ流していても、シュウはやっぱり凛々しく見えて。

 それがなんだか可笑しかった。

 でも、そういうことなら――

 シュウには特別メニューを用意してあげる。

 ぼくは笑った。

 骨の髄まで、めちゃめちゃにしてあげるから。

 

 

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