※この作品はR-18です。

ぼくがビッチになったワケ   作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!

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第6話

 奥の部屋の三畳のスペースで、ぼくはずっと新城のお腹の上に座り込み、その頭を抱えて抑え込んでいる。

 すっかり陽が落ちて、星が瞬くようになった頃、新城は漸く落ち着いた。

 ぽつりと呟いた。

 

「アイツ、ちゃんと死んだかな……」

「新城……」

 

 ドン引きのこの暴力性。

 良くも悪くも、新城には抑止力がある。――使える。

 女だということがなおいい。

 男は遠慮するだろう。客になる女は固く口を噤んで秘密を守るだろう。

 悪くない。

 ぼくは優しく新城の頭を撫でた。

 

「暴れてごめん、ユキ。怪我しなかった?」

「うん……」

 

 しっかりと落ち着いたのを確認して、ぼくは身体を起こすと、転がったままの新城の頭を膝の上に乗せる。

 

「ユキ、エッチしたい」

「いいよ……でも、ちょっと休ませて……」

 

 ぼくは小さく溜め息を吐く。長時間、無理な態勢でいたお陰で身体中が軋んでいる。

 新城が言った。

 

「ユキは、アタシには勿体ない男だと思う」

「どうしたの……藪から棒に……」

 

 ぼくの小さい身体で、新城の巨体を抑えるのは疲れる。

 

「お金、ちゃんと払うから」

「それはもういいよ……」

 

 どうせ新城には払えない。無理させれば、絶対によくない形で返って来る。だから、別の形で取り立てる。後は、エッチの練習台になってもらうくらいか。

 新城は頑なに首を振った。

 

「いや、払う。心配しないでも、カツアゲとかそんなんしないし」

「だからいいって」

 

 そんな殊勝なタマじゃないだろう新城。落ちてるものでも食べたのか?

 ぼくは、また深い溜め息を吐く。

 

「払うって。払わないとさ、ほら……」

「……?」

「ユキ、客取っちゃうだろ?」

 

 違和感。

 なんだろう。何かが、ちぐはぐな感じがする……。

 

「ユキの客はアタシ一人でいいんだ」

 

 つまり、新城にNTR属性はないと。

 ええ、分かってましたよ。

 

 でもね、新城。おまえ一人が払うお金じゃ、足らない。

 おまえがサイを投げたんだから、振り回すよ。最後まで、付いてこれたら、ちゃんと好きになってあげるから。

 

 ぼくは、それ以上、新城の意思に背くことはしなかった。くれるというのなら貰う。それだけ。

 

 ブラウスのボタンを外し、新城の薄い胸に触れると、尖端は固くなっていた。

 熱い吐息を洩らす唇に、大嫌いなキスをする。唾液を送り、舌を絡める。

 

 新城が跳ね起きて、あっという間に制服を脱ぎ捨てた。

 褐色の肌。薄い胸の尖りはセピア色。目元を潤ませて、下着まで脱ぎ去ると、生まれたままの姿になった。薄めの草むらは、銀の糸の雫を垂らして泣いている。

 

 髪をかき上げる仕草をする新城の草むらに顔を埋める。

 滑る陰裂を舌で舐め上げながら、膨れ上がったクリトリスに吸い付くと、新城は腰砕けになって膝を震わせた。

 

「あぁ……い、いいよユキ……」

 

 クリトリスを吸い上げながら、愛液をまぶした二本の指を膣口に侵入させる。抵抗は殆んどなく、目的地に到着すると円を描くように擦り付ける。

 

「カオル……今日はサービスするから、いっぱいイってね……」

 

「…………」

 

 陰裂から滲む液体が粘度を増した。

 カオルの口元から、だらっとだらしなく涎が垂れ下がった。イった。

 

「ユキ……ユキ……もっと、なまえ呼んで……」

 

 息も絶え絶えに呟くカオルの腰を引き付け、膣に舌を差し込む。もちろん、指での愛撫も忘れない。

 丹念に、淡々とカオルを追い詰める。より深いエクスタシーへと導く為の入念な作業。

 

 カオルはぼくの髪をまさぐり、膝を震わせて何度も小さい絶頂を迎える。

 

「カオル……綺麗だよ……もっと感じて……」

 

 そうしてカオルは腰を震わせて、ぽろぽろと涙を流す。

 

 もっと。

 もっと、もっと、深く堕ちてね。

 ぼくのカオル。

 

 

◇◇◇◇

 

 

 翌日、教室にカオルの姿はなかった。

 HRの時間、担任の坂本先生が黒板の隅に書き付けた。

 

 

 ――新城 馨 無期停学――

 

 

 やっちまった。

 

 黒板に書き込まれたそれを、じっとシュウが見つめていた。

 

 

◇◇◇◇

 

 

 ぼくの携帯は古臭いガラケーで、それにはカオルからのメールが頻繁に届く。

 

 

 ――無期停だって。ユキの名前は出てないから安心して。

 

 カオルのメールでは、向こう一ヶ月は登校できないようだ。それ以外は、

 

 ――逢いたい。

 ――キスしたい。

 ――エッチしたい。

 

 そんな感じ。

 ぼくは全部のメールに、一回2000円になります。って返信しといた。

 

 カオルは赤点の補習も含めれば、留年する危険すらある。それはさておき――

 

 ちょっと困ったことになった。

 前の座席のシュウが、再三振り返ってはキツい視線を浴びせて来る。

 何時もなら、ぼくにべったりなカオルがいない。言いたいことがあるようだ。

 さて、シュウはどうでるか。本当、面倒くさい。

 

 そして期待を裏切ることなく、HR終了直後に動きがあった。

 シュウは部活のとき以外は下ろしてある髪をポニーテールに纏めている。ぼくの座席の前で腕組みして言った。

 

「おはよう、淫売」

 

「おはようございます。御影さん!」

 

 シュウの横に、笑顔の葛城が立っている……。

 

「なんなのオマエは。ここは三年の教室なんだ。二年は出ていけ!」

「おはよ、葛城」

「御影さん、昨夜はずっと電話待ってたんですよ~?」

「こらっ、無視するな!」

 

 朝からうるさいめんどい。

 

 ぼくは、まずシュウからやっつけることにした。

 

「シュウ、オリモノ臭いからあっち行ってよ」

「なっ……」

 

 ついでに葛城にも釘を刺す。

 

「あのね、葛城。昨日のカオルの激おこを見なかったの?」

「昨日はお互い大変でしたね!」

 

 葛城もカオルのあれを見て、流石に引くだろうと思ってたけど、そうでもないようだ。シュウに楯突くだけのことはある。

 大物か。それとも、とんでもないバカか。

 

「カオル、無期停学だってさ。聞いてる?」

「……カオル、ですか」

 

 葛城の笑顔が曇る。

 

「御影さんは聞かなかったんですか?」

「聞くわけないでしょ」

 

 カオルは本気で怒っていた。その説明をさせることは、もう一度、その強い怒りを感じろと言うのと同じことだ。そんなことするわけがない。誰にだって聞かれたくないことがある。

 

「なんで新城センパイに直接聞かないで、自分に聞くんですか?」

 

 何故か葛城が食い下がって来て、ウザい。

 

「新城センパイ、御影さんが言えば何でも喜んでやると思いますよ」

 

 知ってる。

 

「御影さんにとって、新城センパイは特別っていうことですか?」

「…………」

 

 なにコイツ。すごくウザい。

 

「昨日、自分にはキスしてくれませんでしたよね?」

 

「……!」

 

 その問いに激しく反応したのはシュウだ。むきになって突っ掛かって来ると思ってたのに、黙ってぼくを睨み付けて来た。

 ムカつく……。

 

「キスありなら5K」

「はい、払います」

 

 こいつ……!

 葛城は澄ました表情だ。本当にそれがムカついた。

 

「昼休み、奥の部屋に来てください」

 

「……いいよ」

 

 葛城は、またニコッと笑った――けど目が笑ってない。

 

「絶対に来てくださいね」

 

 念を押してから、葛城は帰って行った。

 来たときと同じように勝手なやつ。カオルのことは答えずに帰った。

 後にはムカついたぼくとシュウが残った。

 

「御影、その……新城は――」

「オリモノくさいから、あっち行けよ」

 

 カオルが、ぼくの特別?

 

 誰に向かって言ってんだ。

 

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