ぼくがビッチになったワケ 作:ピジョン@アスクラピアの子一巻発売中!
二時間目が終わり、休み時間。
スッ、と席を立ったシュウがこちらに真っ直ぐ歩いて来た。
やだなぁ、もう。シュウは本当にしつこい。
「御影、張り出しもの手伝ってくれないか?」
救いの手は唐突に差しのべられた。
声を掛けてきたのは、ぼくのすぐ後ろの座席にいる国崎君だった。
うっ、とシュウが立ち止まる。
全治一年の事故に遭ってダブった国崎君は、ぼくらの一つ歳上になる。無茶苦茶浮いていて、クラスではぼっちさんだ。
曰く。
ボクシング部の元、超エース。去年の選抜大会ダントツ一位。テストでは常に3位以内。噂じゃ、英語ペラペラだとか。
そんな国崎君は、クラスの誰もが無視できない。
「悪い、御影借りる」
「あ、ああ……」
シュウが悔しそうに引き下がった。
日頃の行いの賜物だね。
国崎君と二人で教室の壁に貼ってある掲示物を張り替えて行く。
「なあ、御影。お前って、秋月と付き合ってたんじゃなかったのか?」
「え、なんで?」
「一緒にメシ食ったりしてたろ?」
「ああ……そんなこともあったかも」
「後、新城のヤツに授業中は手紙回すの止めろって言っておいてくれ。あいつ、俺に思い切り投げ付けやがる。集中できねえよ」
結局、こっちも因縁だった。
「っつーか、御影は新城と秋月、どっちと付き合ってるんだ?」
うるさいなぁ、このダブりは。
「国崎君こそ、生物の折笠先生と付き合ってるの?」
あくまでも噂だ。
ぼくらは、ニッと笑い合って、それからは無言だった。
そんな感じで休み時間の度に掲示物の張り替えをした。
◇◇◇◇
昼休み。
シュウが真っ直ぐやって来た。
「オリモノくさい」
シュウは般若のような表情でぼくを睨み付けていたけど、ややあって、険しい表情を緩め、ついっと2000円を机の上に置いた。
「話がある」
「ぼくにはない。何、これ?」
ぼくは机の上のお札を指で差した。
シュウは鼻を鳴らす。
「何って、2000円だろ?」
偉そうに。
葛城といい、ムカつくなぁコイツ。
「全然足りない。一万円なら話くらいは聞くけど」
「なっ……」
驚いて目を剥くシュウの前で、ぼくは席を立った。
「話したいなら10K。遊びたいなら20Kから」
「なんで……!? あの下級生だってそんなにしなかったろ?」
そんなの決まってる。
「キライだから」
「…………」
シュウは俯いて……それきり、口を噤んだ。
ちょっとだけ、スッとした。
◇◇◇◇
『奥の部屋』では、葛城が正座して待っていた。
「御影さん、遅いです」
ぷうっと頬を膨らませる葛城は、紺のスパッツに上は体操服という格好だった。
ぼくは答える。
「午後はサボるから、それでいいでしょ」
「やったあ!!」
おまえをメチャクチャにしてあげる。
そんなぼくの黒い腹のうちを知りもせず、葛城は嬉しそうに笑った。
「んじゃんじゃ……まず、ちゅーしていいですか?」
「いいよ」
言って、ぼくは壁を背に腰を下ろした。
「……」
部屋の中が、しんと静まり返り、葛城が息を飲む音がやけに大きく響いた。
そっと肩に置かれた葛城の手は、少しだけ震えている。
唇が重なる。
カオル以外の女の子とキスするのは、これが始めて。
「ん……」
葛城は触れ合うだけのキスをしたあと、唇を押さえて俯いた。
うなじまで赤く染まっている。
「……しちゃいました」
「カオルにバレたら殺されるよ」
「バレなきゃいいんですよ」
今度は、引き寄せられて深いキスを交わす。
ぴちゃぴちゃと水音をさせて唇を舐めたあと、おずおずと小さな舌が口腔に侵入して来る。
男が苦手。
そう言っていたのを思い出し、ぼくは身体の力を抜いた。
そのまま倒れ込むように横になったぼくに、葛城がのし掛かってきた。
頬を真っ赤に染め、葛城は熱い息を吐き出した。ぼくに馬乗りになり、少し腰を揺らして股間を擦り付ける。
葛城が体操服を脱ぎ捨て、躊躇わずブラも外して放り捨てた。
ピンク色の乳首は固く尖っていて、痛みを感じるんじゃないかと不安になるくらいだった。
「胸、してください……」
掠れる声の要望を聞き入れ、ぼくはピンク色の果実を啄む。
「あは……かわいい……」
おそらくはAのカップを優しく包むように揉みながら、舌で乳首を転がす。
「んふっ、ンフッ……!」
声にならない喘ぎを上げて、また葛城がキスを求めて来る。
スパッツの上から薄いお尻を撫で回す。
葛城はキスに夢中で、喉を鳴らしてぼくの唾液を飲み込んだ。
膝立ちになり、スパッツごとパンティを引き下ろすと、ぴったり閉じた陰唇から、つうっと銀の糸を引く。
「……あの、ここは、優しく……」
ぼくは黙って頷いた。
不意に、カオルのときはどうだったろうと考える。
最初の内こそ、あれやこれと注文に忙しかったカオルだけど、半月もした頃には、快感を貪るのに夢中で口を利かなくなったことを思い出した。
集中する。
葛城を横にして、カモシカのように伸びた脚を撫で上げる。太股を焦らすように擦り、なるべくそっと陰部に手を置いた。
ぎくっ、と葛城が固まった。
陰部に触れたまま、葛城と深いキスを交わす。口腔を舌で混ぜ込み、唾液を流し込んで嚥下させる。
葛城の瞳が蕩け、くてりと脱力した。
ぴったりと閉じた陰裂の内側は、灼熱の熔岩のように熱く燃えていた。
指を差し込んで、内側をゆっくりと愛撫すると、たちまち滑る粘液で潤った。
葛城の膣は久し振りの感触に濃い蜜液を流して応えていたが、それとは裏腹に内部は狭く閉じている。
愛液をまぶした指で、クリトリスを押すように軽く揉む。
「ひぃ……ひぃんっ……!」
鼻にかかった嬌声が耳を擽る。
行為に慣れてない。或いは久し振りであるせいか、カオルに比べたら濡れ具合が悪い。潤滑をよくする愛液の出がよくない。
おそらく、日頃の経験に比例するのだろう。カオルも最初の頃はあまり濡れなかった。
濡れているけど、狭い膣道は挿入に痛みを感じるだろう。
「なめて、いい……?」
熱に魘されるひとのように顔を紅潮させた葛城が、小さく頷いた。
脚を割って、間に入り込んだ。
視線を下げると、大きくなったクリトリスは包皮につつまれて窮屈そうだった。
「み、ないでぇ……」
微かに上がる拒絶を無視して、クリトリスを包皮ごと口に含んだ。
「うっぐ……!」
未知の感触に、葛城の腰が跳ねた。
「あ、あ、あ、あ……!」
口の中で舌を動かして、狭苦しい包皮からクリトリスを解放してやった。
つるりと剥けた包皮から、磯の匂いがする。恥垢が溜まっていたのだろう。
軽い吐き気を感じた。それとは裏腹に――
「かはっ――――」
葛城が腰を波打たせて、強めの絶頂を迎える。
口中に癖のある粘液の味が広がった。
絶頂の余韻に浸り、ぼんやりする葛城を見下ろし、ぼくはズボンを脱ぎ捨てた。
固く勃起した陰茎を軽くしごく。
ネットで調べたけど、サイズは並。カオルは185cmも上背があるし、サイズ負けするんじゃないかと思っていたけど、ちゃんとコレでイかせることができた。
葛城は、とんでもない太平洋という訳でもないので、通用するだろう。
……アレのサイズにコンプレックスを感じるのは、男の宿命だろうか? 調べたところ、女性をエクスタシーに導く為に最低限必要なペニスの長さは、なんと5cmらしい。
もう、目からウロコだった。
「挿れるよ」
葛城は夢うつつでいるのか、視線をぼくのペニスに向けている。
「はぃ……どぅぞ……」
滑舌の怪しい葛城の陰裂を押し広げ、膣口にペニスを宛がう。
亀頭を愛液で濡らし、ゆっくりと挿入を開始した。
「ふんっ……んんん……あぁ……すごぉいいいィ……」
葛城が間の抜けた喘ぎを洩らし、ぼくのペニスが根元まで膣に埋まった。
亀頭の先に、こつんと行き止まる感触があった。
「うぐっ!」
と呻いた葛城は、口を魚みたいにパクパクさせていた。
抽挿を開始する。
陰茎を先っぽまで引き抜き、根元まで挿し込むと、強い粘りを持った愛液が、ズチョッといやらしい音を立てた。
後はこれを淡々と行うだけだ。
五分ほどして――
葛城は壊れた玩具になった。
陰茎が膣奥を叩く度に、小さい悲鳴が上がる。
「ひぃ、ひぃ、ひぃ、ひぃ!」
小さなぼくに制圧され、既に屈服した葛城を見下ろし、ぼくは不思議な感じだった。
(……そっか、正常位だから……)
カオルとの行為では、騎乗位が多かったことを思い出した。
ストロークを長めに伸ばし、変化を付ける。
「う~~~~っ、う~~~~っ!」
葛城の喘ぎが壊れた玩具からサイレンに変化した。
視線を下ろすと、陰裂から噴き出した愛液が畳に大きな染みを作っている。
やがて――
「ひいんっ!!」
がくんっ、と腰を突っ張るように跳ね上げて、葛城は最後のエクスタシーを迎えた。
◇◇◇◇
ぼんやりと薄目のまま涎を垂らし、時折痙攣する葛城を尻目に、着衣を整える。
焦点の定まらない視線を向け、葛城が言った。
「週末……会って、ください……」
「30K」
「はぃ……はらいましゅ……」
財布からお代を頂いて、葛城の後始末はせずに、ぼくはその場を去った。
射精はしてない。
葛城は、あんまりよくなかった。