なので先に本編を読んでからこの話を読む事を強く勧めます。
「ホーネットッ! 俺は今からお前を抱く!! 覚悟はいいな!!!」
そんな宣言をしてくる彼に向けて。
彼女は感じた事の無い羞恥と緊張の中、精一杯の笑みでそれに応えようとして。
「──はい」
と呟いたのを切っ掛けに、その男の手が伸びてきたその瞬間。
この時ホーネットの思考は目の前で始まる行為からふと離れて、とある事を考えていた。
何故、自分はランスを好きになったのだろうか。
それこそがホーネットにとって一番の謎。
彼女が自分の恋心を自覚して以降、これだけは終ぞ答えを出せなかった最大の疑問。
誰かを好きになるのには理由がいる。そのはずだろうとホーネットは考えている。
何故なら自分がこの魔王城で生まれ育ってきた約100年という長い期間、誰かに対してこんな想いを抱く事など一度たりとも無かった。
それなのにランスという人間だけにはこのような想いを抱いてしまった以上、そこには何らかの理由があるはずだと思う。
ならばとその理由を見つけようとした時、彼女の思考は毎回そこで止まってしまう。
どうしても自分がランスを好きになる理由が見つけられない。それは何故かと言うと──
「ぐへへへ、これが魔人筆頭! 魔物界の姫様、ホーネットのまんこかーっ!」
「……っ」
何故ならランスという男はこういう事を言う。
ベッドの上で両腕を上げて横たわる自分。その両脚を勝手に大きく広げて、そして股の間を食い入るように観察してくる。
これが初体験となる女性に対して非常にデリカシーの無い行為、言われたホーネットは沸騰しそうな程に顔が熱くなってしまう。
「ほんとに何度風呂場でお前のまんこを目にして、何度今すぐに突っ込みてぇなぁと思った事か。ようやくその夢が叶うって訳だ」
「……ランス、そういう口上は結構ですから早く事を済ませて下さい」
「早くなんてとんでもない! ようやくのご馳走をパッと食べちゃうなんて勿体ないからな。今日はじっくりと、目一杯楽しませて貰うからな。覚悟しろよぉホーネットちゃん、がははははーっ!!」
そして気遣いの心も足りていない。
こっちはあらゆる全てが初めてだというのに、この人はこういう勝手な事を言ってくる。
じっくりと目一杯だなんて、そんな初体験に自分は果たして耐えきれるのだろうか。
更に言えば良識も足りないと思う。
実に楽しそうに笑っていて結構だが、しかしその高笑いはこの状況にあっているのか。
自分は性行為というものについて詳しくは無い。無いのだが、しかしこういった行為はもっと清閑な雰囲気の中で行うものではないのだろうか。
「さーて、どっちから行くかなー! やっぱ最初はこっちかなー! どうかなー!」
そんなデリカシーと気遣いと良識に欠ける男、ランス。
彼は鼻歌でも歌いそうな気分のまま、シミひとつ無い真っ白な肌へと手を伸ばす。
「そーれ、足先からつつつつーっと!」
「……ん」
その細い足首から太もも、そして腰から腹にかけての滑らかな曲線、更に脇腹から二の腕へと。
くすぐるようにいやらしく触りながら、その肢体の上を徐々に通過していく。
「……ん、んん……」
そうやって触れる度、ホーネットは蚊の鳴くような細い声を口から漏らす。
その小さな反応が興奮を誘い、すぐに肌を撫でているだけでは満足出来なくなったのか、その両手が彼女の繊細な箇所に辿り着く。
「よーし、やっぱ最初はここだーっ!」
「あっ──」
するとホーネットは口を開いてしまい、はっきりとした女の反応を見せてしまう。
寝転がった状態でもはっきりと自己主張する大きな乳房。それをランスの両手でぎゅっと鷲掴みにされていた。
「ん、っあ……、だ、め……」
そして指先で乳首をくりくりと弄ばれる度、その口から抑える事の出来ない声が漏れ出す。
「あ、ぅ……、ラン、ス……」
「ほほーう? ホーネットちゃん、きみ中々の反応をするじゃないか。もしかしてこういう事をされたの初めてじゃないんじゃねーの?」
「それは……、貴方がこれまでに何度か……」
「がははは、そうだな。お前のおっぱいは何のかんの言って結構触ってきたからな。こっちに関しては初めてとは言えんかもしれんな」
その感触、指の間からはみ出る程に大きいこの胸はこれまで何度か触ってきたもの。
目の前にあるそれをランスは思いのままに揺さぶってみる。すると乳房は上下左右へとこれ見よがしに大きく暴れる。
「ふ……っ、ふぅ……」
「だがこんなふうに好き放題出来るのは今日が初めて! 俺様ほんとーに生きてて良かった!」
指が沈む程に柔らかで、それでいて跳ね返すような弾力、そして高級なシルクのような肌触り。
彼女と会う度、薄布一枚のドレスの先でこれ見よがしにぶら下がっていた果実。それを片方の手のひら全体であえて乱雑に揉みしだき、もう片方の手では鞠つきのようにぺたぺたと叩く。
「わーいわーい、ホーネットのおっぱいだー! ぽよんぽよーん!」
「っ……、だから、そういう……」
よほど楽しいのか、ランスは新しいオモチャを買って貰った子供のように喜びに浸って。
その都度胸元から伝わる快感を堪えながら、ホーネットはほんの少しだけ唇を噛む。
こういう見境の無さというか、子供っぽい所もどうなのかと思ってしまう。
こちらに合わせろとまでは言わないが、もう少し落ち着いた振る舞いをしてくれないものか。
その天真爛漫さは逆にこちらの羞恥心を煽る。こういう点も好きになれない理由だ。
……などと、ホーネットはそんな事を考えて。
(……いえ。ランスのこういう……子供のように無邪気なところは……別に嫌いでは、ない、のかもしれませんが……)
ふと考えたのち、見方によってはむしろ好意的な要素に入るのかも? と思い直す。
だがそんな思考を重ねている間も勿論、その胸を自由にこね回すランスの愛撫は継続中で。
「うむ、実にグッドな揉み心地。ホーネットよ、余はまことに満足じゃ」
「そう、ですか……、ぁ、ん……それなら良かったです……んんっ!」
ふいに乳首を強めに引っ張られ、その表情が少しの苦痛とそれを上回る快楽に歪む。
「くくくっ、いい反応するなぁホーネット。普段もこんな感じなら可愛いのに」
常日頃は冷然とした顔しか見せない魔人筆頭。
その仮面を自分の指先一つでこうも簡単に剥がしてしまえるのが楽しく、なにより男としての優越感を大いに抱かせる。
ランスは歯を立てて笑いながら、片手を胸から離して下腹部へと滑らせていく。
「さてさて。んじゃこっちの具合はどんなもんかなーっと」
「あっ、ランス、そこは──」
遠慮なくその花弁を撫でて、初めて触れる事となったその箇所の状態を確かめる。
すると指先に伝わるのは渇いた感触では無く、確かな湿り気のある感触。
「……お、ほんのりとだがもう濡れてるな」
「っ、そ、れは……!」
自分の秘所がすでに濡れている。
しっとりとした愛液を吐き出しランスの指先を汚している。
女性の身体としては自然な反応、しかし経験した事の無かったその反応に、ホーネットは恥ずかしいよりも情けないような思いが先に来てしまう。
「ぐふふふ~、ホーネットちゃんもしっかりと感じているようで結構結構こけこっこー!」
一方のランスは大満足。
そもそも固い性格をしている上、彼女にとっては今日が初体験。緊張などが邪魔をして中々高ぶってこないのではとの懸念もあったが、初めてでここまでの反応を見せるなら上々だろう。
「では遠慮なく。うりゃうりゃ」
「ふぁっ、ぁ……ふぅ……んっ!」
そしてランスの指先が動き出す。
大きく開かれた脚の中心、産毛一つ見当たらない綺麗なワレメを縦横無尽に愛撫していく。
「はぁ……! っは、はぁ、ん……っふ……っ」
「どうだホーネット、おっぱいよりもこっちの方が気持ちいいだろ?」
「そんな、の……あっ、は……うぅ……知りま、せん……っ」
ホーネットは堪えるように顔を背ける。だが確かにこちらの快感は胸よりも強烈。
より繊細でより敏感な場所。そこをランスの見事な指捌きが弄る。すると抑えようとしても抑えられない声が、れっきとした喘ぎ声がどうしても漏れ出してしまう。
「ほーれほーれ」
「や、んぅっ! ……らん、す、待って……!」
そして漏れ出してしまうのは声だけでは無く、より顕著になってくるその反応も同様で。
始めはくちゅくちゅと、聞こえてくるのは小さな水音だけだったのが、
「待たーん! そーりゃそーりゃっとぉ!」
「あっ、あっ、あぅっ、く……っ、はぁっ!」
次第にぐちょぐちょと、よりはっきりといやらしい水音が聞こえてくる。
「っく、ぁあっ、私、どうして、こんな……!」
身体が震えるような快感の中、ホーネットは胸が詰まるような声で鳴く。
自分はこういう行為が初めてだと言うのに、そうとは思えない程に反応してしまっている。
今も心音はドクドクと鳴り、身体はどんどん熱を帯び、花弁から垂れる愛液の量も増してくる。
まるで自らの本性が淫らな女だと突き付けられているかのような心境、特にそれをランスによって明かされているというのが耐え難く、ホーネットは羞恥でおかしくなりそうになる。
実のところ、それは彼女がその胸の内に秘めていた深い情愛の影響。
自分の好きな人に触れられている。その事実は時として媚薬よりも身体を高揚させるもの。
特にその想いを自覚してからこうして触れ合うまでに掛かった期間、その間に抑圧された感情が快楽という形で発散され、結果このように顕著な女の反応を見せてしまっていた。
「おぉー、すごいなホーネット。もうこんなに濡れ濡れだぞ」
処女としては珍しい位の馴染み方にランスも少なからず驚いたのか、そのワレメの内からぐいっと愛液を掻き出す。
「ほれ、こんなに」
「そんな、の……見せないで……」
そうして見せつけられたもの。ランスの指に絡みつく粘り気のある液体。
それは自らの身体が淫らな反応をしている証。ホーネットはすでに赤い顔を更に紅潮させ、目に入れたくないとばかりに限界まで真横を向く。
「なんだ、もしかして恥ずかしいのか?」
「……悪い、ですか?」
「いや別に悪くはねーけど。ただホーネット、お前って恥ずかしいっつー感情があったのか。俺様はそっちの方にビックリだぞ」
「……どういう意味です、それは」
「だってほら、お前って普段このスケスケの服しか着ねーじゃねーか」
言いながらランスは今も彼女が着ているその服、布一枚の紫紺色のドレスを摘み上げてひらひらと揺する。
「これおっぱいもまんこも殆どスケスケだし。こんなもんを普段から着ている以上、あぁコイツはきっと恥ずかしいっつー感情などとは無縁の生き物なんだろうなって……」
「っ、……ランス。私だって、恥ずかしいと思う事くらいあります……」
正直的外れとは言い難いランスの指摘に、ホーネットは控えめに反論するしかないのだが、それでも頭の中ではやっぱり考えてしまう。
(……この人は、本当に……)
そういうデリカシーの無い言葉。それは先に挙げた通りだが、こういう鈍い所もどうかと思う。
自分がこの格好をする事に、愛用のドレスを着る事に何も感じていないとでも思っているのか。
勿論以前は何とも思わなかった。しかし彼への気持ちを自覚して以降どうにも気恥ずかしくなってしまい、せめて下着くらいは付けようかと考えた事だって何度もあるのに。
「そーかそーか。まぁ俺様からしてもそっちの方が助かる。お前がそんなふうに真っ赤な顔で恥ずかしがってる姿は見ていて楽しいからな」
勿論そんな事などつゆ知らず、ランスは再度その花弁に手を回すと内側へと指を沈めていく。
「んあ……あっ! ……そういう事を、は、ふぁっ、んっ……楽しむのは……性格が良いとはいえま、せん……っ!」
「それはお前が普段からド真面目な顔しか見せねーのが悪い。だからここをこーしたり、こっちをこーしたりしたくなるのだ!」
そして反対の手は胸に回し、再びその先っぽをくいくいと引っ張る。
「んんっ! あ、あっ……そういう、意地の悪い、所も……どうかと思いま……あぁっ!」
上と下両方からの責め。乳首と秘所からの快感に耐えかねホーネットの身体が跳ねる。
そんな性格の悪い所。そして意地の悪い所。それは自分にとってランスを好きになれない理由に入るのか、それとも。
「うーむ、実にエロい。本当に良い反応だし、本当に良い顔をするなぁホーネットよ」
「だからそのような事、んっ、いちいち、言わなくても……本当に、あっ、意地が悪い……」
「がははは、それはそーいうもんだ。男っつーのは好きな子には意地悪したくなるものなのだ」
「えっ──」
そしてこういう所も。そういう何気ない一言で自分の心を大きく揺さぶってくる所。
これは好きな理由に入れればいいのか、それとも嫌いな理由に入れればいいのか。
ホーネットにはもうよく分からないのだが、先程の言葉だけで更に下腹部が熱を増してきて。
「ラン、ス……」
それは目の前に居る相手を求める気持ちが臨界点に──この身体が性行為を受け入れる準備を終えた事だけは何となく分かってしまって。
(私、は……やっぱり……)
デリカシーと気遣いと良識に欠けていて、子供っぽくて鈍くて性格が悪くて底意地の悪い人。
こうして考えれば考える程、好きになる理由など見当たらない人なのに。それなのに。
(ランスの事が……好き)
考えれば考える程、その想いだけは強くなってしまって。
「ん? どした?」
「……いえ。それより……貴方は本当に楽しそう……ですね」
「そりゃあそうだろ。待ちに待ちまくったお前とのセックスなのだからな」
「……ならば、貴方は……私を抱く事が出来て……嬉しいですか?」
「だからそりゃそうだろっての。お前とのセックスが嬉しくないはずがあるか、がははははっ!」
そう言って大きく笑うランスの表情は、本当に嬉しそうな明るい表情で。
「……そうですか」
自分にとってはこんなにも恥ずかしくて、こんなにも耐え難い交わりだというのに。
それなのにこの人が喜んでいると知った途端、それだけで悪くないかもと思えてきてしまって。
(このような気持ちにさせるのは……きっと……)
きっとこの世界でランスただ一人だけ。
だから自分は彼を好きになったのだろう。何やら順序が逆になっているような気もするが、この気持ちの前でそれはもう些末な事だと感じた。
(私がこのような気持ちになっている事を……ランスは気付いているのでしょうか)
自分の胸の奥。そこにはこれ程までに大きな想いがあるという事を。
会う度に普段通りでいる自分の態度だって、そうと取り繕っているだけだという事を。
そしてこうして目を合わせているだけで、自然と重ねたくなってくる箇所があるという事も。
(……そう言えば、今日はまだ……)
そうして欲しい、と言えば彼は素直にそうしてくれるだろうか。
それとも底意地が悪い彼の事、敢えてそうしてくれないかもしれない。
十分に火照った身体、火照った頭の中でそんな事を考えたホーネットは、
「──ん」
その瞼をそっと閉じて、その顎を少しだけ前に持ち上げた。
「お」
それは言うまでも無く口付けを求める仕草。
そういやまだしてなかったっけなぁと、ランスは何ら気負う事無くその顔を近付けていく。
「ん……」
そして互いの唇が触れ合う。
それはホーネットの求めていた柔らかい感触。
「……ん、んん!?」
だがその直後、すぐに唇の間をむんずと割って相手の舌が侵入してくる。
「んっ、んっ…、ふぅ、ん……!」
舌と舌を幾度も絡ませ合う、ホーネットにとっては初めてとなるディープキス。
相手の舌の動きに合わせるのが精一杯で、いつしか満足に呼吸する事すらも忘れてしまう。
「んむっ、んふ……ぷはっ! はぁ、は……っ」
やがて限界とばかりに覆い被さるランスの身体を押しのけて、二人の口先が離れる。
「っと。おいホーネット、お前まさか息を止めてたのか? こういう時は上手く呼吸を──」
そこでランスは思わず言葉を止めてしまう。
何故ならその眼に映ったもの。濃厚な口付けを終えた直後のホーネットの表情が。
「はぁっ、はっ、はぁ、はっ……ん……っ」
「……うおっ」
その胸を思う存分弄んだ時よりも。未だ触れた事のなかった秘所を弄った時よりも。
そのように蕩けきった顔で物欲しげに熱い呼吸を繰り返す、ホーネットの今の表情が一番ランスの興奮を誘った。
「駄目だ、もう我慢できーん! とーーう!」
「あ……」
下腹部に力を入れるまでも無く完全に勃起しきった状態、まだかまだかと挿入の時を待つランスのペニスがホーネットの眼前に現れる。
「……最後に聞くぞ、ホーネット。本当に抱いていいんだな?」
「……やっぱり駄目です。……と、ここで私がそう言ったら……止めてくれるのですか?」
「無理」
──ならばこの問答に意味など無いのでは。
その即答を受けてホーネットは内心大いにそう思ったのだが、しかしこういう無茶苦茶な事を言ってくるのもランスらしくて。
そういう所が好きなのか嫌いなのかはよく分からないが、しかしすんなりと受け入れられる。
きっとこういう部分を含めたランスという人間全体を好きになったのだろうと、ホーネットはずっと分からなかった謎が一つ解けた気分になって。
「でしたらどうしようもありませんね。……はい、どうぞ。貴方の好きに抱いて下さい」
そう答えた瞬間、それはすぐに入ってきた。
「んっ、んぐっ、んんんんっ!」
相手が腰を前に突き出す。すると膣内に勃起しきったペニスがねじ込まれていく。
身体を裂くような痛みと共に感じる、ほんの僅かな快楽の熱。
「おぉおおおおおっ! 遂に入った!! 遂に入れてやったぞ、ホーネットのおまんこ!!」
「らん、す……!」
「初めてな分さすがにキツい、けど……これならいけそうだ……!」
その膣内は若干の固さを残してはいたものの、十分な程に愛液が分泌されており、このまま奥まで挿入するのに何ら問題は無し。
ランスはぐりぐりとえぐるようにしながら、膣肉を掻き分けて奥の方を目指していく。
「……ッ、ん……ッ……ふっ、く……!」
(こ、こんな……大きいのが、私の、中に……、ほ、本当に、入ってしまう……なんて……)
自分を貫いてくるもの。強烈な異物感と破瓜の痛みに押され、目も開ける事の出来ないホーネットは苦しそうに呻く。
「はっ、あ……! ん、んんっ……!」
「よーしホーネット! もう少しだ、もう少し……もう少しで……!」
最後の一押しにランスは思い切り腰を突き出す。
そして、遂に──
「あっ……、は……は……は……」
「入ったぁぁぁぁーーーーーーッ!」
これ以上の先は無いという感触。互いの下腹部と下腹部が接触する感覚。
その男の他人より大きなペニス、その全てがその魔人の膣内に埋まっていた。
「遂に! 遂に! 遂に! 遂にホーネットの処女を頂いたぞーーーッ!」
歓喜の叫びを上げるランス。
その結合部からはどろりと破瓜の血が溢れ、真っ白なシーツを紅く汚していた。
「……はっ、は……、はい、ったの……ですか?」
「おぉ、もう完全に入ってるぞ! ……はーー、これがホーネットの中の感触か……」
息も絶え絶えなホーネットをよそに、ランスはようやく辿り着いたその感触、魔人筆頭の中の心地にその身を委ねる。
「あへあへ……こ、これはうっとりと来る気持ち良さだ……。まさか処女でこれほどとは……これはとんでもない名器だぞ……!」
魔物界の姫、誉れ高き魔人筆頭。その高みに違わぬ程にそこは逸品であったのか。
まだ動いてもないのにペニス全体がホーネットの膣内にぎゅうぎゅうと絡みつかれ、ただ入れているだけでゆっくりとしごかれているようだった。
「もう我慢できん! 動くぞ、ホーネット!」
「く、うぅ……!」
相手の返事を待たずに、ランスは思いのままにペニスの抽送を開始する。
すると前後に動く度に膣内の襞々が蠢き、ペニス全体ににゅるにゅると絡みつき直してくる。その快楽は数多くの女性を抱いてきたランスが「とんでもない」と評する程に格別な味。
「ホーネットのまんこの中、ほっかほかー! にゅるにゅるー!」
「ランス、そういう事、は、言わないで……!」
「知らーん!! がははははー!!」
その快楽、そして魔人筆頭を組み敷いて自身のペニスで貫いているという優越感に我を忘れ、ランスは一心不乱に腰を振る。
「そーれそーれ!」
「ふぁ……! っんぐ、っあぁ……! んんッ!」
その一突きごとにホーネットは甲高い声で喘ぐ。
もはや冷然とした仮面は見るも無罪に壊れ、口の端からはだらしなく涎を落とす。
(……声、我慢、したいのに……! こんなの、とても……!)
先程まであった痛みはとうに薄れ、その何倍もの量で迫る快楽の波。
その気持ちよさに自然と喘いでしまう。自らを律する事も出来ずに乱れてしまう。
「おぉ、きゅうきゅうと締め付けてくるぞ! どうだホーネット、気持ちいいかー!?」
「はぁ! くぁっ、あっ、あぁ…ッ!!」
そうして繰り返しの抽送で貫かれて。
耳に届いてくるランスの声も、今まで聞いた事の無い程に興奮していて。
(あ、あぁ……わたし、の中に……、ランスっ、の、ランス、が……!)
互いに触れ会う箇所、互いに繋がり合う箇所から伝わるもの。
想い人の体温と熱を感じながら、そのなすがままにされていると、
(……え? な……なに……?)
ふいにホーネットが気付いた感覚、その身体中で感じ取った何かがあった。
(なに……これ……!?)
それは快楽、では無い。今も下腹部から止めどなく伝わってくるその快楽以上に強烈なもの。
それは彼女の胸の奥から。そこから彼女の全身を覆って、そしてその脳内を支配するもの。
(わたし……こ、れ……こんな……!)
特にそれはランスと目を合わせると、そしてこの行為の意味を思うと更に強まってきて。
感じた事の無かった圧倒的な心地に囚われ、ホーネットの身体と心が大きく震える。
「ここがええか? それともこっちかー!?」
「あっ、んんあっ! あ、んっ、だ、め……んんっ……!」
そして勿論快楽の方も止むこと無く迫る。
激しい抽送にビクビクとその身体が跳ね、彼女を絶頂の高みへと押し上げていく。
「よしホーネット、そろそろラストスパートだ! このまま一気にいくぞー!」
同じようにランスの限界も近かったのか、その動きが更に速く、小刻みなものに変わる。
互いの身体も熱を増し、結合している箇所は火傷しそうな程に熱くなる。
「うりゃうりゃうりゃ!!」
「ん、ふああああ! あっ、あぁ!!」
「とう、とう、とーーう!」
「んっ、んっ……! あ、な、にか、来て……! あ、あ、あ、あぁ……!」
ランスの激しい抽送に合わせて、その華奢な身体がゆさゆさと揺れる。
迫り上がってくる快楽を前に、ホーネットはもう快楽の声を断続的に上げることしか出来ない。
「ああっ、だめ、だめ、らん、すっ! だ、め、あっ、お、おかしくな、る!」
「がはははははは! いけ! ホーネット!」
そしてズン! と、一気に奥深くまでペニスがねじ込まれる。
「あ、あ、あ──!」
それで最後の堰が決壊して、
「ああああぁあぁぁぁぁあぁあああああ!」
遂に絶頂の高みへと届き、ホーネットは甘い嬌声を高らかに上げて喘いだ。
「うおおおおっ、俺もむらっと来たー! イクぞ、イクぞ、イクぞーーー!」
その直後にランスの方も達する。
大きく膨らんだペニスが膣内でビクンビクンと上下に弾み、大量の精液を吐き出していく。
「くーっ、出る出る出るー!」
「んくあっ……! あっ、ああっ……! んんんっ!」
ホーネットもまた絶頂の中、何度も身体をビクビクと跳ねさせていて。
そうやって動く度、その膣内がランスのペニスにぎゅうと絡みついてくる。
「おおおっ、最後の一滴まで絞られてるぞー……、くうぅぅ……!」
「んくあっ……はあっ……は、あっ……あああああ……」
「……はー、出た出た。すげー出た」
そしてずるりとペニスを引き抜くと、膣内から白濁色の液体が大量に溢れ出した。
「がはははははは! すっきりー! いやー、気持ちよすぎてたっぷり出しちまったぜ」
遂に味わう事の出来た魔人筆頭とのセックス。
長い期間を要しただけの事はあった快感と達成感に包まれ、ホクホク顔のランスの一方。
「……はぁ、はぁ、はっ……はぁ……」
ホーネットは完全に力を抜いて横たわったまま、荒い呼吸だけを繰り返す。
(あ……ようやく終わった……。わたし、最後の方は意識が飛んで……あんなに乱れて……)
未だ余韻の残る身体。初めて絶頂を感じたその身体は熱く、玉のような汗が浮かんでいる。
今まで自慰すらした事の無かった彼女にとって、初めての性行為は何から何まで衝撃の連続。
(これが……セックス……)
これが自分の知らなかったもの。
今までずっとランスが自分に対して求め、ようやくその求めに応えてあげる事が出来たもの。
(……でも、あれは……あの感覚は……)
そしてその最中に感じたもの。
快楽以上の強烈な何かについて、ホーネットがぼんやりとした頭で考えようとしたその時。
「よし、ホーネット。このまま二回戦と行くぞ」
「……え?」
「がはははは、俺のハイパー兵器はまだまだびんびんだぞ! やっぱしお前との初セックスがたった一回で終わる訳がないよな! つー訳でもっかいいただきまーっすっ!!」
「あ……」
すぐに二回戦が始まって、彼女はその思考を中断させられてしまった。
そして。
二人の性交は二回戦どころか三回戦と続いて。
「はー……ちょっと休憩……」
さすがのランスもバテたのか、ベッドの上にごろんと横になる。
「…………ふぅ」
その隣、こちらもすでにくたくたのホーネット。
気だるげな表情で呼吸を落ち着けながら、その頭で考えるのは先程中断してしまった思考。
(……わたしは……あの時……)
あの時。初めてランスの事をこの身体の中に受け入れた時。
そして繰り返される抽送と共に、全身を快楽の波に襲われていたあの時。
(あの時、私は……幸せだと……感じていた……)
あの時のホーネットが感じていたもの。
それは全身に巡る快楽の熱を優に超える、圧倒的な程の多幸感。
(……ランスの息遣いを感じて……ランスの熱を感じられて……それが、とても幸せだと……幸せな事だと思ってしまった……)
自分との行為にランスが感激してくれていて、そんなランスを受け入れる事が出来たあの時、これまで感じた事の無い幸せな心地の中にいた。
この身を包むその幸福感が強すぎて、眦からは涙さえ流れそうになってしまった。
(これが……セックス……なのでしょうか)
性交という行い。その中で感じるものと言えば単純な快楽だけだと思っていた。
だからこそ自分には必要の無い行為なのだと思っていた。魔王の娘として己を律するよう厳しい教育を受けたこの自分が、ただ快楽だけを求める行為など必要とする訳が無いと。
(……けど、これがセックスだと言うのなら……)
しかし単純な快楽だけでは無く、これ程の幸福感が得られるというのなら。
多くの魔物や人間、そしてランスがこれを求める気持ちもちょっとは理解出来てしまう。
(……この幸せな心地は皆が感じている事なのでしょうか。……あるいは、ランスも……)
彼も自分と同じように、少しでも幸せな心地になってくれたのだろうか。
ホーネットがそんな事を考えていると──
「……ぅ、うぐっ……」
すぐ隣から涙混じりの声が聞こえてきて。
「……ランス。まさか泣いているのですか?」
そう尋ねながらホーネットは隣を向いた。