※この作品はR-18です。

アポート~万物引力で望む女を全てこの手に~   作:gazerxxx

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前回までのあらすじ
 古城でのハロウィンパーティーで盛り上がっていた一手(いっしゅ)たちの前に、夢に見た悪魔美女(サキュバス)が乱入してくる。
 現実に(性的な意味で)身の危険を感じて、一手(いっしゅ)は万物引力(アポート)の力を使って戦いを挑む。


八ツ方(やつかた) 一手(いっしゅ):23歳
主人公。仕事が長続きしない引きこもり気味の元フリーター。物語は彼視点で進む。
超能力・万物引力(アポート)に目覚める。

ふわり/|布和(ふわ)六風(りっぷ):16歳 T160 B85(E)/W59/H822→New!! B87(E)/W59/H82
 女子高生グラビアアイドル。一人称は、芸名の「ふわり」
 家出して行く当てがない所を、ファンだった一手(いっしゅ)に助けられる。

月霜(つきのしも)日々美(ひびみ):20歳 T169/88(F)/62/90→New!! T169/B88(F)/W62/H92
 鍛えられた長身と身体能力を生かした窃盗常習犯。本職はスタント専門のアクション女優。
 その動機は、病気の妹の延命医療費を稼ぐため。
 シビアな動機で裏方を張っているので、夢見がちな六風とは馬が合わない。

 月霜(つきのしも)白夜(さよ):13歳 T142 80(D)/50 /76→New!! 81(D)/W50 /H76
 日々美の妹で、ただ一人の家族。
 難病で病室にこもり切り、自らの闘病生活を綴ったブログは有名。
 実はグラドルふわりのファン。

梅沼(うめぬま)=ピュアモンド=伴星(ともせ):22歳 T168/94(H)/65/86→New!!96(I)/W65/H86
大企業・梅沼製薬会長のご令嬢。
アメリカからのハーフ帰国子女で、現在は梅沼製薬の2代目会長。

羅雪(らせつ)桜李(おうり)

 年齢不詳 T190/B103(K)/W68/H90
 一人称:桜李(おうり)さん

 一手(いっしゅ)の前に現れた謎めいた女悪魔。
 吸精目当てで、いきなりお色気全開で誘惑してくる。
 万物引力(アポート)の力まで知ってるようだが…?



悪魔美女とマッチング!

夢の中では翼で飛翔して、あっという間に押し倒されてしまったサキュバスが相手だ。

 速攻で捕まえるに限る。

 

「万物引力(アポート)!」

 

 先手必勝とばかりにホルターネックが止められた首元を狙い、この右手で捕まえてやろうと念じた。

 だが、いくら念じても俺の手は空を掴むばかりだ。

 

「あっ、あれっ?夢じゃないよな、これ……」

 

 今度は目が覚めてるはずなのに、またしても夢魔相手に俺の能力が効かない。

 能力が機能せず困惑する俺を、ピンク髪の悪魔がクスリと笑う。

 

「この桜李(おうり)さんが与えた力で、捕まえられると思ったのかしら?万物引力(アポート)!」

 

 なんと女悪魔の方も、俺と同じ超能力を使ってきた。

 逆に俺の手首を掴むと、踊る様にクルリと反転して、俺の右手をねじり上げた。

 

「ほら、つ~か~ま~えたっ♪」

「ぐっ、何っ?痛ッ!」

 

 俺と同じ、万物引力(アポート)の使い手だった女悪魔は、握力も強…痛い痛い!俺の手がねじ切れる!

 手がもげそうな激痛に耐えながら、俺は振りかぶった左手で、ビール瓶を取り出して、殴りつける。

 

 ガラスが砕け散る音が響き、その攻撃は、いつの間にか取り出された中華鍋を盾にして防がれた。

 砕けたガラス片や溢れたビールが、鉄製の丸盾の表面を空しく零れ落ちていく。

 

「手の動きで、何かを使って、殴ろうとしてるのは分かったわぁ…そんな苦し紛れ、余裕で防げちゃう」

 

 盾の向こうから顔を出した悪魔美女が、さらに握力を込めると、押し返された俺はそのまま腕ごと床に押し倒されてしまう。床に這いつくばったところで、俺の目の前にボンテージスタイルの長身悪魔美女が仁王立ちする。

 黒いレーススカートの内側から伸びている、紫のタイツに包まれたムッチムチの両足。その奥には紫タイツに鼠径部のラインが浮かんでる上に、ボンテージのハイレグで強調された股間まで拝めてしまう。

 

「あらぁ、こんな時でも、足の方が気になるのね…」

 

【挿絵表示】

 

 190センチ美女を下半身から見上げる絶景に目を奪われてしまうが、ご褒美ばかりではなかった。

 紫の瞳で見下ろす女悪魔は、見せつけるように紫タイツをパンパンにした脚を、片足ずつ踏み出してくる。

 床に伏せた両手を尖ったヒールで踏みつけられ、刺すような痛みで床に固定された!

 

「いっ!?ぐああああっ!」

 

 サキュバス美女の下半身に気を取られたお仕置きとばかりに、グリグリと踏みつけられる。

 激痛が全身を支配して、床にピン止めされた両手は、もう能力を使うどころじゃない!

 力勝負でも、結局はサキュバスに押し倒されてしまった、なぜ?

 

「そんなっ、一手(いっしゅ)さんが負けるって、信じられない……」

「これは当然の結果よ?この男に万物引力(アポート)の力を与えたのは、この奪手の悪魔・桜李(おうり)さんなんだから」

 

 俺の敗北に唖然とする女の子たちに、サキュバスは得意げに語る。

 俺が気前よくふるっていた能力が悪魔由来だと知らされて、衝撃が走る。

 

「一手(いっしゅ)様、まさか以前にも、この悪魔を召喚したことが…?」

「いっ、いやっ、知らない!俺も今日、初めて会ったんだ!」

 

 悪魔伝承を知ってる帰国子女に、悪魔と契約したの?と目を丸くされても、身に覚えがなかった。

 

「悪魔召喚を知ってるとは、今時珍しい子ね。それなんだけど、この頃は召喚してくれる相手がいないのねぇ」

 

 悪魔召喚法の詳細も現代では知られていないせいか、とんと呼び出されない女悪魔は、どこか憂いを含んだ表情で、しみじみと語る。

 そりゃあ、こんな危険な悪魔を呼び出す方法、忘れたい人の方が多いだろうな……。

 

 じゃあ、なぜ全く知らない俺のところへ。

 俺がしたことと言えば、強く念じることで、万物引力(アポート)の力に目覚めただけ……。

 そう言えば、その万物引力(アポート)というネーミングは、どこから思いついたんだ?

 

 黒翼の悪魔はそこで妙案を思いついた、とでもいうように、ぽんと両手を叩いた。

 

「だ・か・ら・今回からは、力だけを先に送り付けたの」

「それってまさか、腹を空かせてラーメン来いって念じてた俺のところに……」

「そう!桜李(おうり)さんの力の一端と、起動の呪文を、念の強かったあなたに分け与えた」

 

 道理で向こうだけ俺を知っていたんだ。

 俺が呼んでもいないのに、超能力だけを勝手に与える送り付け商法。

 そして、俺が今まで使ってきた能力が、タダということはあるまい。

 

「力を使った時から、俺は契約してたことになるのか……一体、何のために、こんなことを……」

「キミが眠っていた欲望に目覚めて、万物引力(アポート)を使ってもらえれば、魂は欲望に染まる。そうして強くなった力と美味しくなった魂を、桜李(おうり)さんが回収させてもらうの」

 

 よく育った動物を愛でるような目線で見下ろされて、俺は言葉に詰まる。

 確かに俺はこの力を得て、欲望のままに行動してきた。

 悪魔が好む欲にまみれた魂、と言われると反論できない。

 

「人に召喚してもらう時よりも、随分と待たされたわぁ……魂が染まるだけじゃなく、力も桜李(おうり)さんを人間の世界(こっち)に呼び出せるレベルに達してもらわないといけなかったから。でもここまで出てこられたら、あとは用済み。キミの力で、もう桜李(おうり)さんの実体は捕まえられないわ」

「俺には捕まえられないのに、そっちは捕まえられるってありかよ……」

 

 この奪手の悪魔こそがパワーソースなら、自分だけ万物引力(アポート)の対象外にしておくことも可能。

 これじゃ、俺に勝ち目は…ない。

 

「さ~て、そろそろ完全に万物引力(アポート)を封じて、精魂食べつくしてあげる」

「ぐおおっ、痛い、やめろっ!」

 

 両手に突き刺さるヒールに体重が乗って、手が踏みつぶされそうになる!

 両手を潰されてしまえば、もはや能力が使えなくなるのは明らか。

 俺は何とか悪魔の足から逃れようと、じたばたするも、ヒールが深く食い込むばかりだ。

 

「そんなに暴れないの。この後は痛みも忘れる快楽で、魂を絶頂まで連れてイッてあげるから♪だから♡ねえっ、食べさせて……」

 

 最高のご馳走を前にして、嬉しそうに美貌をトロかせて迫ってくるサキュバス美女は、もはやヤンデレじみた怖さを感じさせる。

 

「よせっ、俺はまだっ、死にたくないっ、女の子を残して、死ねるかぁっ!」

 

 この魔乳サキュバスに身も心も委ねれば、この世のものと思えない快楽とともにイけるかもしれない。

 最初に力を手にした頃の何も持たない俺なら、間違いなく受け入れていた、悪魔な美女との契約。

 

 でも今の俺は理想とするハーレムを作り上げた。

 俺の欲望であり、居場所であり、宝。

 せっかくここまで、集めたというのに……。

 

「それも桜李(おうり)さんが与えた力で、手に入れたものでしょう?楽しい人生だったんだから、代償として私に捧げてね♪」

 

 この悪魔は持たざる者の望みをかなえて、生への執着が最大になった魂に、舌なめずりしている。

 まさしく悪魔な邪悪ヒロインが、魂の取り立てをしようと、両足裏に力を込めてくる。

 

 悔しさと激痛で涙がにじみ、視界が霞んでくる。

 このまま両手とも潰されて、魂まで取られるのか…絶望したその時。

 

「やめてくださいっ!どうしてこんな、酷いことができるんですか!」

 

 見ていられなくなった猫耳の魔法少女が、涙を浮かべて悲痛に叫ぶ。

 俺を踏んづけたままのボンテージ悪魔が、気怠そうに振り向く。

 逃げるどころか、なんで悪魔の正面に向かい合ってるんだ、白夜(さよ)ちゃん!

 

【挿絵表示】

 

「よせっ、白夜(さよ)ちゃんまで狙われ…」

「あらぁ、まだこの男を庇うの?この男は、この桜李(おうり)さんの力を借りていただけ…万物引力(アポート)の力なら私が上位互換よ?」

 

 俺が踏まれるままになってる構図が、その格付けを表している。

 しかし、女悪魔は白夜(さよ)ちゃんに力を振るう素振りはない。

 むしろ恐れず自分に近づいてきた少女に、度胸を見込んで提案する。

 

「この男の力、便利だったでしょう?力が欲しいなら、キミを次の契約者に選んであげてもいいけどな~……」

 

 契約満了者を足蹴にしながら、次期契約者を勧誘する。この悪魔め。

 万物引力(アポート)の力で栄華を手にした人間を間近で見てれば、欲しくなると見込んでの勧誘だ。

 

「違いますっ!力なんて、関係ありません!」

 

 その悪魔の誘惑を、可憐な13の少女が毅然として跳ね付ける。

 

「…関係ない?」

「お兄ちゃんは、わたしの命を救って、命の大切さを教えてくれた人……あなたには分かるんですか?限られた命の、大切さが」

「白夜(さよ)ちゃん、こんな俺を……」

 

 純潔と引き換えに難病から救った少女が、今度は俺を助けようとしてくれてる。

 落ち目な姿を晒してるにもかかわらず、白夜(さよ)ちゃんは俺を信じてくれてる。

 なんだこの娘、天使か。

 

 そして、元は短い寿命を大切に生きてきた難病少女の言葉は重い。

 古来から長きにわたって生きてきた悪魔の動きを止めるほどに。

 

「この不老不死の桜李(おうり)さんに命について聞くとは、生意気な小娘ねぇ…」

 

 女悪魔は、俺をしっかりと捕まえたままだが、手を止めて不愉快そうに、はるか年下の少女を見る。

 白夜(さよ)ちゃんが言葉を尽くして注意を引き付けてくれてるのはわかるが、このピンク髪の悪魔がその気になったら、少女一人もついでに始末されてしまう。

 女同士で、そんなに睨み合ってないで、早く逃げ……。

 

 その緊迫を破って、床が大きく揺れ始めた。

 大きな揺れは、俺を両足で踏んでいた女悪魔のバランスを崩して、大きくよろめかせる。

 足で固定していた俺から離れてしまい、予期せぬ妨害を受けた悪魔は、何とかバランスを取ろうとする。

 

「わっ、何よこれっ、地震っ?」

 

 いや、地震じゃない。

 床に這いつくばっていた俺は、一定の振動で床だけが揺れてる、と感じていた。

 

「ナイスタイミング、今のうちです!」

 

 何より白夜(さよ)ちゃんが、揺れが来ると分かっていたように、近くのソファにつかまりながらバランスを取り、俺を助けに来ようとしてる。

 その様子を見て、揺らされっぱなしの悪魔美女も、何か仕組まれてると気づく。

 

「くだらない話で気を引いて、何をしたの?」

「失礼しますわ、お客様。この城には、いくつかアトラクション用の仕掛けがしてありますのよ」

 

 どこからか、伴星(ともせ)さんのアナウンスが聞こえてくる。

 スキを見て管理室に移動した城主たるプリンセスが、お城の仕掛けを動かしているようだ。

 

【挿絵表示】

 

 そう考えると、この床の底からの不自然な揺れも納得。

 床に体が接してると、何となく仕掛けのイメージがつく。

 分厚い絨毯の下から振動させることで、床をグラグラと波打たせてるのか。

 

「こんなことで…」

 

 揺れる床に脚を取られかけた悪魔は、翼を広げて天井まで飛翔して、体勢を立て直す。

 そして上空から、呪文を高らかに唱える。

 

「万物引力(アポート)!」

 

 床に倒れていた俺も、再び悪魔の手に引き寄せられ、捕まってしまう。

 もう少しで救出できそうだった白夜(さよ)ちゃんも、どうしようもなく天井を見上げるばかり。

 

「ああっ、そんな…お兄ちゃん!」

「ここから突き落としてあげる。そうすれば、今度こそ両手は動かなくなるはずね」

 

 俺を床に突き落として、今度こそ両手を潰す気だ!

 受け身が取れず、両手から床に落ちるしかない角度に調整して、数メートルの高さから俺を墜落させようとする黒翼の悪魔。

 今度こそ終わりか!と思ったその時。

 

 突然照明を強くしたシャンデリアが、目もくらむような光を放つ。

 俺は落とされる床の方を向いていたから、まだ良かった。

 しかし天井近くまで飛んでいた悪魔は、まともに強い光線を受けて目を眩ませる。

 

「うっああっ、まぶしいっ!目がぁっ!」

 

 光にやられたアメジスト色の瞳を片手でこすりながら、捕まえた俺を手放そうとはしない。

 いや、今手放されても困るんだけど。

 

 恐らくこの光り過ぎるシャンデリアも、伴星(ともせ)さんの仕業だ。

 床を揺らして足場を悪くし、天井まで飛び上がったところで、近距離から照明による目つぶしを食らわせる。

 巧みなコンボに、さすがの悪魔も視界を奪われてしまってる。

 

「一手(いっしゅ)を返せっ!このコウモリ女!」

 

 揺れる床の上で上手くバランスをとった赤髪のガンナーが、上空の悪魔相手に発砲してくる。

 発砲音を聞いたサキュバスは、仕方なく残った左手をかざして、手の内に鉄板を出現させる。

 さらに能力を発動すると、発射された全弾はかざした悪魔の左手へと吸い込まれ、鈍い衝撃音とともに弾かれた。

 

 この女、目をつぶっていても、防げるレベルなのか。

 

「誰がコウモリよ、悪魔に銃弾なんて当たらな…えっ、何っ!」

「とりゃあああっ!」

 

 銃弾をしのいだかと思えば、ソファを踏み台にして勢いをつけた日々美(ひびみ)が、天井めがけて大ジャンプしてくる。

 

 両手を使わされて、防御手段が尽きた悪魔の翼めがけて飛び蹴りをかまして、蹴落としてしまう。

 

【挿絵表示】

 

 そして捕まっていた俺を、日々美(ひびみ)が空中で奪い返す。

巨乳美女にムギュッと抱きしめられて、胸板で潰れるおっぱいの感触に、一瞬ほっとするが、このままじゃ俺たちは落ちてしまう!

 

 しかし、そこは危険なスタントをこなしてきたアクション女優。

 空中でひねりを加えながら落ちると、落下地点は、ちょうどソファの上。

 下になった彼女が、大きくて弾力豊かなヒップから落ちて衝撃を受け止めると、俺ごとゴロゴロ転がって受け身を取る。

 ほとんど落下のダメージを受け流しなら、俺たちは絨毯の上に転げ落ちた。

 

「助かった……悪魔相手に、よく突っ込んできたな、日々美(ひびみ)」

「一手(いっしゅ)が前に出て戦ってるのに、アタシたちが何もしないわけには、いかないからさ」

 

 俺と抱き合いながら答える肉体派美女の瞳は、心強く輝いている。

 俺が夢魔相手に絶望してる間にも、反撃のチャンスを探してくれたんだ、この娘たちは。

 体一つで悪魔に向かっていった勇敢な美女の、ぴちぴちと張りつめた健康的な肉体を、ギュッと抱き返した。

 

 一方、視界を失い、広げた翼に痛烈な蹴りを食らった悪女は、まともに床に叩きつけられてしまい、打ち付けた両足をさすりながら、ぎこちなく翼を広げる。

 先ほどまでの余裕の笑みは消え、地に落ちた有翼の悪魔は痛みに美貌を歪める。

 

「いった~い…キミたち、よくも…」

「させないっ!」

 

 墜落した悪魔の片角を背後から捕まえたのは、ずっと待機していた踊り子だった。

 30センチ近い身長差がある少女につかまれても、目がくらみ、転落のショックが残る女悪魔は振りほどけなかった。

 

「えっ、ちょっと、何するのよ?」

「今だよ一手(いっしゅ)さん、ふわりと一緒に、この女を!」

 

【挿絵表示】

 

 六風(りっぷ)ちゃん、自分ごと引き寄せてもらえば、万物引力(アポート)が通用すると思って、自分から悪魔に近づくなんて……。

 本当に効くかどうかわからないが、六風(りっぷ)ちゃんが危険を冒してるからには、やるしかない。

 六風(りっぷ)ちゃんを女悪魔と一緒に、この手に取り返せるように、俺は声に出して念じる。

 

「戻って来い、六風(りっぷ)ちゃん、俺の手に…万物引力(アポート)!」

 

 ふわっ…と俺の手に抱かれながら戻ってきた黒髪の踊り子と、引っ張られる形で俺につかまった女悪魔。

 自分だけ対象外にしていた奪手の悪魔にも、万物引力(アポート)が効いた。

 

「よくやった六風(りっぷ)ちゃん、みんな、両手を抑えるぞ!」

 

 すかさず俺は捕獲したボンテージ悪魔のムチッとした下半身に乗り上げ、集まってきた女の子たちが4人がかりで両腕を抑え込む。

 

「ちょっと、離しなさいよっ…このっ…」

「よしっ、そのまま両手を使えないように握らせるんだ」

 

 拘束された悪魔がもがいている内に両手を握り合わせると、俺が万物引力(アポート)で取り出した巾着袋を被せて、ひもで口をきつく縛ってしまう。

 

 このサキュバスも、俺の両手を潰して無力化しようとしていた。

 これで能力が使えなくなるのは間違いないようで、両手を袋詰めにされてしまった悪魔美女は悔し気にため息をつく。

 

「はぁーっ、想定外ね…まさか、こうまでして、契約者を助けようとする人間が、いるなんて…」

「そんなに珍しいか、俺たちの関係は」

「力を手に入れた契約者は、信用できる相手がいないか、取り巻きがいても裏切るか、…人間なんて、そんなものだと思っていたわ…」

「ああ、悪魔を召喚する人間は、そうだろうな……」

 

 今までの万物引力(アポート)能力者は、同等以上に力を使える悪魔が襲ってきても、周りに助けてくれる人間がいなかった。

 力を振りかざして人を従えていても、より強い悪魔相手には全く役に立たないだろう。

 なぜなら、万物引力(アポート)の力に頼ってきた人間は、パワーソースである彼女の下位互換だから。

 

 しかし、俺はこの奪手の悪魔に勝っているところが、ひとつだけあった。

 

「でも一手(いっしゅ)様は、悪魔の力だけを頼みにする人間とは違いますわ」

「一手(いっしゅ)には、アタシたちがいる」

「ふわりは、もう一手(いっしゅ)さんのものだから……一生ついてくよ」

「お兄ちゃんを裏切るなんて、考えられません!」

 

 流れる金髪のプリンセスが、短い赤髪の射手(ガンナー)が、まっすぐ伸びた黒髪の踊り子が、三つ編みのしっぽを躍らせた魔法少女が、悪魔との戦いに協力してくれた。

 俺が違ったのはモノだけじゃなく……彼女たちの心を手に入れていたことだ。

 

「一手(いっしゅ)さん、この悪~い悪魔どうするの?」

 

 大きく湾曲した角をクルクルといじくりながら、六風(りっぷ)ちゃんが聞いてくる。

 俺が捕まえた女をどうするか、決まってる。

 

「もちろん、俺の性欲を刺激した罰として、犯してやる」

「フッ、何言ってるの?サキュバスを犯す気?」

 

 能力も動きも封じられてピンチの淫魔(サキュバス)も、セックスでは逆転のチャンスとばかりに鼻を鳴らす。

 確かに普通なら、搾り取られて死の危険があるが……。

 俺はニヤリとして、悪魔討伐パーティーの女の子たちと、ひそひそと密談して策を伝える。

 

「そこでみんなに協力してもらいたいんだけど…」

「あっ、そっかあ!」

「すごいです、それなら…」

「悪いこと考えますのね…」

「じゃあまずはアタシから…」

 

「えっ、何?いったい、どうするつもりなの…」

 

 目の前で作戦タイムが盛り上がると、美しき悪女は何か嫌な予感にかられた様子。

 そう、人間をあなどった淫魔には、ハーレムを手に入れた男の、エッチなお仕置きを、とくと味わってもらおう。

 

 




桜李(おうり)さん本人は万物引力(アポート)で捕まらないけど、他の人間と一緒なら巻き込まれて捕まる。

六風(りっぷ)ちゃんは身に着けた荷物まで同時に引き寄せてもらった経験があるので、この弱点にたどり着いたのですが、桜李(おうり)さん本人は今の今まで気づいていませんでした。
捨て身で悪魔につかまり、この対策を試そうとする人が、今までの相手にはいなかったようです。

直感と一手(いっしゅ)に身を託す六風(りっぷ)ちゃんすごい。

次回はサキュバスに対して、エッチなお仕置き。
しかも、ハーレム女子たちも、エッチに加わるようです。
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