※この作品はR-18です。

試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】   作:珍歩意地郎_四五四五

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     〃    (6:ちょっとエロ中位

「やッ、やめろぉッ!」

 

 ホナミ副長が、拘束の姿ながら精いっぱいの威厳で叫んだ。

 

「そんなコトをしたら!殿下が……殿下が、おかしくなられてしまう!」

「それが狙いであるが、ナニか?」

 

 シレッとドレイド卿は、憎たらしいスマし顔。

 

「もと主人の心配より我が身のほうを案ずるがよい」

「なにおっ!」

 

フフン。

 

ドレイド卿はニヤニヤお楽しみな口ぶりで、

 

「王女の恥部から伸びし、この忌まわしき青と赤なる導線が、邪術によって倍加された彼(あ)れなる淫女の快楽(けらく)を汝等に注ぎ込み、その身をむごたらしく変じさせ、生きながらにして、この大噴水の麗しき飾りとなるのであるからな」

「くっ!こ――」

「殺しはせん……殺しはせんぞ?」

 

 先回りしてドレイド卿は女騎士の言葉を封じた。

 

「生きたまま、肢体のそこかしこから永遠に水を流しつづける心持ちは、いかがなものであろうなぅ……あられもない姿勢を動かせぬまま、何世代にもわたって注視され、慰みモノとされるのぢゃから……」

 

 女騎士は口唇(くちびる)を噛んだ。

 依然、アヘ顔のまま己を慰めつづける王女の周囲で、巫術師たちのとなえる不吉な詠和の声がまたも高まってゆく。

 

 彼女は口唇(くちびる)を噛んだ。

 依然、アヘ顔のまま己を慰めつづける王女の周囲で、巫術師たちのとなえる不吉な詠和の声がまたも高まってゆく。

 

「ねぇねぇ?どんな気持ち?――どんな気持ち?」

 

 トントン、とステップを踏みながらドレイド卿は私のまわりをグルグルと、

 

「貴様が信奉していた小便くさいメス餓鬼がぁ、6本腕のヘンタイちっくな銅像に変わるのは」

「(……くっそムカつく…………)」

「たすけて――たすけてよぅ」

 

 大噴水の下段から、このやりとりを漏れ聞いた美少年のひとりが、ボッキしたチンポの尿道に挿入されたプラグをゆらしつつ、声変わり前のよく通る高音で弱々しく抗議した。

 

「銅像になるなんて、いやだよぅ……」

 

 フェミショタ施術され、半・女体化されたとなりの少年も、肛門を占拠する無慈悲な太さの青ケーブルつきディルドーをなんとかはずそうと、豊尻にされた臀部を艶めかしくふりたて、

 

「お尻のお性具(どうぐ)……はずしてよぅ」

 

 大噴水の高台からでも、その哀願に眼をギラつかせる婦人の一群は、よく分かった。

 老眼の遠視に、スカートの前、股間あたりでシミをつくる美貌の麗人が二、三人。

 いまやこの大噴水は、様々な欲望のるつぼとなり果てている。

 

 ドレイド卿は、槍を突きつけられたままな私に唾棄するような視線を投げた後、威容をただし、そして術師に声を拡声モードにするよう伝えてから、

 

『聴け――人民どもよ!』

 

 大音声(だいおんじょう)の一喝。

 次いで腰に手をやり周囲を傲然とながめ、ざわめきが幾分おさまるのを待ってから、

 

『かつての王女は、いまやこのような異形の体貌(すがた)に成り果てた!』

 

 わぁっ!わぁっ!と群衆の声。

 

『自分の欲望に抗えず、徒に己を慰めつづける王女の痴態(サマ)を観よ!』

 

 はやくコロしちゃってェェェ!という女の素っ頓狂な黄色いさけび。

 あるはそれに似た罵詈雑言が、散発的に湧きおこる。

 ドレイド卿は、それを悠々と片手で制し、

 

『諸君らの気持ちはわかる――だが贅(ぜい)ををつくし!私腹をこやしたが故に簒奪(さんだつ)された王位と都の現状を!この唾棄すべき少女に骨の髄まで悟らせたのち――意識のあるまま、永遠に銅像へと変じせしめるのも、懺悔させる方法としては一考の余地があるのではないか!』

 

 またもや群衆の喝采。喧噪。

 あるいはベクトルが不明な騒擾。

 私は敏感にさとる。これは情勢が不明だ。

 あしもとではそこココで、ケンカ混じりの議論が。

 しかしドレイド卿はそんなことには気付かぬのか、大仰な身ぶりで、

 

『では、王女の自我を覚まして自分の立場を、とくと知らしめようぞ――咒詛(じゅそ)長!』

 

 腕を一旋し、呪符の面紗(ヴェール)をかぶる男に合図。

 面紗の男は、王女の六本腕なる手首の枷(かせ)に、台座からのびる黄金(きん)の鎖をそれぞれ繋いだ。

 次いで、この最上段の台座を中心とする魔方陣のまわりに占め、なにやら低く呻る巫術者たちにうなづいてみせる。

 

 とたんに高まる、あの神経にさわる咒言。

 

 この度の詠唱は、哀れな人魚を銅像にかえたものよりも、さらにコタえた。

 それを機に、オナニーをする王女の手がとまり、トロンと惚けた顔がもどってゆく。

 

『王女よ!――かつては“皇女”の継承権をもつはずだった者よ!』

 

 いまやドレイド卿は得意の絶頂だった。

 足もとの群衆を、まるでブタを観るような目つきで睥睨(へいげい)し、人魚の吐く水しぶきの虹を傍らに大剣を抜き放ち天にかかげる。

 

『いざや自我を取りもどし――おのれのみじめな様を、とくと味わうがいい!』

 

 ――おぃ、どうする?このカンちがいヤローを。

 ――くっそう……オレのトラックがありゃ、まとめて処分するんだが。

 ――俺だって!FALがありゃァ、こんな連中。連射して薙ぎ倒してやるぜ!

 

 私のなかで、心象たちの意味不明な会話。

 高まる詠唱を背にドレイド卿は、足もとの群衆に向け、大剣をかざしてアピール。

 

『ものども、とくと観よ!圧制者の末路を!!』

 

 やがて――王女に動きがあった。

 

 6本の腕が、手首につながれた黄金(きん)の鎖を澄明と鳴らし、王女は全裸のまま、ゆっくりと台座の上に立ち上がり、姿勢をただす。

 

 少女にしては脂めいた肌。

 くびれた腰つき。

 豊かな乳房。

 

 つづいて湧き起こる、己の肢体がむざんに改変されたコトを知った時の、

 

 悲鳴。

 嗟歎(なげき)。

 躊躇(ためらい)、あるいは惑乱(わくらん)、狂奔(きょうほん)……。

 

 そんなものを、居ならぶ者たちは等しく予想していたはずだった。

 

 しかし、濃く化粧された面差しと、その口から流れでた言葉は意外なものだった。

 

『――愛すべき臣民たちよ……』

 

 おぉ……っ……。

 

 大噴水前広場の大群衆がどよめいた。

 これにはさすがの“ドレイド卿”もギョッとした表情。

 大剣を片手にしたまま、アングリと口をあけて台座を見上げて。

 

『長年における皇帝家のふがいなさ、申し訳なく想う……』

 

 王女は、裸体であることをいささかも恥ずる素振りをみせず、黄金の鎖をならし、無表情のまま6本腕を群衆にさしむけた。

 

『いまこの時にも愚政に耐える臣民たちよ。聖ジーブリールの御名において!汝等を圧政の軛から解き放たんと我はきたれり!』

 

  (王女さまだ……王女さまだぞ……!)

 

 群衆の中で、どよめきが海嘯(つなみ)のように伝わってゆく。

 拘束された身をよじり、女騎士官ホナミはすがるような声で、

 

『殿下……フィオーナ殿下!……小官であります。近衛の……白ユリの……』

『任務大儀である。ホナミ副長』

 

 悠然と王女は台座から見おろし、莞爾(ニッコリ)として、

 

『そなたの苦労、案じて居った』

『そんな……もったいないお言葉……』

 

 しかし、次いで彼女はハッと顔色を変え、水を吐く人魚像の方を指し示し、

 

『殿下!アルテラが……アルテラ係官が!』

『――案ずるな』

 

 異形な容(すがた)にされた己の身を寸毫(ちっと)も気にかけることなく、王女は悠揚迫(ゆうようせま)らぬ口ぶりで、

 

『彼(あ)れはひととき、この下衆(ゲス)なる邪法遣いによって形質(かたち)を替えられているだけよ』

 

 そういうやギロリ、少女らしからぬ眼光で、おのれの足もとを囲む巫術師たちをニラむ。

 魔方陣のふちに陣取ったこれら邪術の遣い手は、あまりのことに声もない。

 

『なに――なにをやってをる!詠唱を!禁咒(きんじゅ)の読経を続けるのぢゃ!』

『控えをれ!』

 

 王女の一喝に咒詛長はヘナヘナと腰をぬかし、尻餅をついた。

 

『痴(し)れ者が――ぬしなどの出る幕ではないわ』

『フィオーナ殿下、ですな』

 

 古びた革の鞘に大剣をおさめ、ドレイド卿が中央の台座に歩み寄る。

 まるで『真打ち登場』とでもいうかのように、余裕綽々、傲然とした笑みで。

 だが王女は、冷たい眼差しを投げたまま、この大コウモリのような男に応えない。

 それはまるで、この穢らわしい人間には、かける言葉など見当たらないとでも言うように。

 

 すこしばかり鼻白むドレイド卿は、いかにも恩着せがましく、

 

『それがしは殿下が、そのような惨めな“お姿”に施術されているあいだ、この貴族が平民を搾取する皇国を打ち壊し、平民のために治めてきた――』

『世迷い言を吐くのは、それくらいにしておけ』

 

 正当なる為政者の風格をもって、冷然とフィオーナ王女はドレイド卿のことばを打ち折った。

 

『そなた、国防部隊の武器納入業者と不自然な契約をむすび、多大なる賄(まいない)を己(おの)がふところにいれておろうが!』

『……なんの……ことですかな』

 

 癡(たわ)けが!と王女はまたも一喝し、

 

『政府御用達・気化燃料卸ジェリー・ボム社、執行役員コーチャン!

 同じく長距離狙撃用装備マクミラン社・交渉担当ディナール!

 その他あまた商人どもからせしめた裏金で!

 元老院・枢機員の議決を恣(ほしいまま)にうごかし!

 あるいは広告商店に資金を流して世論を醸成する!

 壟断(ろうだん)されし、その金額。今年度じつに6000万ドゥカ!

 なんじが執務室の隠し金庫にあるウラ帳簿!

 そこに記載された数字を――もはや否定すまいな?』

 

 ザワザワと群衆がざわめきだした。

 

『簒奪(さんだつ)された王位、と先にその方は申したな?』

 

 ふと、おかしそうに王女の口もとがゆるむや、転瞬、火のような口ぶりで、

 

『“簒奪”の意を繙(ひもと)いてみよ!――無教養(うつけ)が!』

 

(……おぃ!……おぃ!拡声魔法を切れ……切れぇッ!)

 

 水盤の最上段にあがってきた道化姿のジョージが、アセアセと巫術師たちに。

 

(それが……法陣を破いても術が!……術がとぎれません!)

(デキないコトあるけぇ!オメぇたちの始めたコトだ!なんとかしろッ!)

 

 火を吐くような王女の糾弾は、なおもつづいた。

 

『北辺に駐在せる兵士たちには薄い外套に身を凍えさせ!

 南方のキャラバン隊は毒麦に苦しみ、届かぬ水に渇死する。

 そのうえ遺族年金を食い荒らし、己(おの)が別宅(ダーチャ)の費用に充てるとは!』

 

 集まった数万の群衆の驚き声がひろまってゆく。

 

(……おいホントか?)

(どうりで。さいきん向こうからの逓信で、不安なことばかり)

(税もキツくなるハズさァ!金づかいの荒い子供が、さらにせびるようなモンだ!)

 

 どよめき立つ群衆の上を、さらに王女の言葉はつづいた。

 

『西方で拓かれる鉱山に医療品は支給されず!

 東方の外渉官は現地の公共をないがしろに、己が私腹を肥やすことで忙しい!

 獣人たちの保護なる名目で重労働を担わせ彼らを使い棄てにすれば!

 華美な晩餐会を開くために重税を課し、細民の安寧(やすらぎ)を根こそぎ奪う!

 斯様な外道のふるまいを――“圧制”といわずして、何と呼ぶのぢゃ!』

 

 そこには、たしかに“王女”の威厳があった。

 

 王権を横合いから奪(うば)った“成り上がり”にはない泰然自若(おちつき)。

 あるいは、淫靡異形の肢体にはされたが、それを押しのけて辺りを祓う威風。

 ドレイド卿は棒を吞んだようにつっ立ち、声もなく眼だけをギヨロつかせて。

 

『政(まつ)りごとに関わる者たちだけの罪ではないぞよ!?』

 

 王女はさらに声を高め、6本の腕を自在にふりまわし、鏘々(しょうしょう)と黄金の鎖を鳴らしながら、

 

『商人は秤をごまかし、不正な取引をする!

 保育舎は下賜金をごまかし、園児たちに満足な昼食を与えない!

 逓信(ゆうびん)夫は速達の任を厭い、衛士どもは民から難癖をつけて強請(ユス)ることに忙しい。

 風俗の紊乱(みだれ)!道徳の混乱!

 若者は老人を敬わず、老人は若者に経験を教えない。

 男女問わず淫を売ることを恥ともせず、それが身内同士であることも珍しくない。

 これは皇国の政治においては、絶えてなかったことである!』

 

 広場全体がビリビリとふるえるほどの迫力。

 集まった物見遊山きぶんの群集たちは、寂(せき)として声もない。

 ムリもない。政治を弾劾していた刃先が一転、自分たちの堕落を糾弾したのだから。

 

「王女サマ――王女サマ!」

 

 突然。

 

 群衆のなかから、幼い、舌足らずな声があがった。

 女の声。少女の声。よくとおる、真実の声。

 

「なぜ、王女サマは、そのようなコトをよくご存じなのですカ?」

 

 王女は、またもニッコリと、

 

『賢いマーヤ。“妾(わらわ)”はそなたの願いを何度も聞いたぞよ?』

 

 王女は、この小さな質問者の名前をズバリ、言い当てたようだった。

 群衆の注目を浴びる少女。

 おしゃまそうな顔が、驚きに見開かれる。

 それを王女はひとつ、うなづいてみせてから、

 

『妾は、白い人のすがたとなって。幻のかたちとなって。

 寝静まった街を。あまたの路地裏を。寒さに凍える細民街を。

 あるいは富貴に奢れる為政者たちの館を。民を食い物にする小役人の住処を。

 風となり、霧となって訪った。長い年月をかけ、このような姿にされているあいだに。

 そこでさまざまな事件を目撃し、さまざまな不正に憤り、さまざまな悲劇に泪(なみだ)したのぢゃ』

 

 私は赤ら顔をした中年男のことばを思い出した。

 もしや、あの幽霊騒動は、王女の生き霊だったのか……?

 荘重たる沈黙のなか、フィオーナの声は、さらに民衆へ語りかけた。

 

『この身体が穢(けが)らわしい手術を受けているあいだ。

 魂魄(たましい)は肉の牢(ひとや)をぬけ、幾千もの夜を彷徨(さまよ)い。

 さまざまな人の世のかたちを目の当たりにして。

 それゆえ、そなたたちの塵労は、みな分かっているつもりぢゃ……』

 

 ドレイド卿は、場を固める第二憲兵隊と巫術師たちに向かい、

 

『えぇぃ!ナニをしておる!はやく王女をダマらせろ!』

 

 バラバラっ、と槍を構える重装備の憲兵隊が王女を制圧しようとしたときだった。

 

『退がりをれ!――下臈(げろう)が!!』

 

 転瞬!

 

 大噴水の水盤を紫電(カミナリ)が奔(はし)り、金属の防具をつけた第二憲兵たちは電撃を手ひどく受けて痙攣(ビクビク)し、もんどりうった。

 台座の周囲に描かれた醜怪な印象の魔方陣からはメラメラとけむりが上がり、異様なコゲ臭いにおいが淫液の気配を打ち消しあたりに立ちこめる。

 

「あぁっ!封印式が!」

 

 咒詛長はオロオロと、妖しい陣から立ちのぼる青白い炎を消しにかかる。

 ドレイド卿は、黄色くにごった目を血走らせ、王女をにらむ。

 バチン、と大剣の鞘をはずす気配。

 

「ウラァァァァァァァ!!!!111」

 

 群衆の中から叫びが上がった。

 

「王女サマ、バンザァァァァイ!」

 

 それを機に、あちこちで上がる歓呼の声。

 やがてそれらは一つの大きなうねりとなり、大群衆を同化させていった。

 

「王女サマ!彌榮(いやさか)!」

「彌榮!フィオーナ殿下!彌榮!」

 

 あちこちで起こる、観客と衛士や憲兵隊との小競り合い。

 大噴水の水盤によじのぼり、拘束されるものたちを助けようとする一団を、憲兵隊は槍の台尻でけんめいに突き落とす。

 

 わぁっ!――わぁっ!

 

 脈動するような群衆の歓呼。

 そんな中、蹌踉とする道化服のジョージは、作り笑顔をひきつらせ、早くも逃げ道を探そうというのか視線を周囲に泳がせる。

 

 衛士や第二憲兵、巫術者たちで混乱する大噴水の最上水盤。

 そんな中にあってドレイドは、なにか銀色をした棒の先に青銅の大きな板がついた重そうな得物を手に、コッソリ王女の背後に近づいていた。

 

『フィー!』

 

 危険を感じた私は、警告の叫びを彼女に向ける。

 ハッ、と背後に身構える王女。

 だがそれより迅(はや)くドレイド卿は、やおら王女の背中にその古色蒼然たる青銅板を押し当てる。

 

『んぁぁぁぁぁぁああああああっ!』

 

 じゅぅぅっっ……っ!

 肉の焦げるときのような気配。

 ときならぬ王女の叫びに、広場の混乱は一瞬何ごとかと凝固した。

 

『おのれぇッ、ドレイド!そなたいったいナニを…………んほぉぉぉぉおおおっ!』

 

 卒然、広場にとどろきわたる王女のアヘ声。

 

(……もう一押し!今度は腹部にっ)

 

 咒詛長のささやきにドレイド卿は素早く前にまわりこむと、しばしピクピクと痙攣する王女の柔らかそうな腹にむけ、棒の先端にある例の青銅板を、槍をしごき出すごとく、真一文字にズイ!と再度おしあてた。

 

『はぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああん♪♪♬』

 

 黄金の鎖にて動きを制限される6本のうでをめいっぱい動かし、悶える王女。

 

 青銅板の板を押し当てられたところ。

 白銀の棒がはなれた腹部を見れば、そこには複雑な文様が溶岩のように赤く浮かび上がり、心臓の鼓動に併せるかのごとく明滅して。

 

『いまじゃ!』

 

 呪詛長の号令一下、ふたたび台座周囲に巫術師たちはすばやく駆けもどるや、それぞれの場所に陣取ると例のカンに障る詠唱を再開する。

 

『んほぉぉぉ~~っ!おシリが!おシリがぁぁぁあ!』

 

 いきなり!みさ○ら語を連呼し、せつなげに王女は身悶えする。

 少女にしては豊尻にされた臀部を前後にふるわせ、ビュルビュルと秘部から汁をとばして。

 その無様なありさまを見た咒詛長は、し(・)て(・)や(・)っ(・)た(・)り(・)と嗤(ワラ)いをもらし、

 

『フフフフ……幾千・幾万もの処女が、意に沿わぬ破瓜(処女喪失)により流した泪(なみだ)。其(そ)をもて練りあげた叫咒(のろい)の淫紋(いんもん)。これを烙印されて婬逸むさぼるメスに堕ちぬ女はおらぬわ……』

 

『いぐっ!いぐッ~~……んんん!んおのれへぇぇっ!!』

 

 王女は畏るべき精神力で、どうにか肛門にささる青いケーブルつきディルドーを、6本腕の一つで抜くことに成功した。

 

『おのれ等(ら)ァ!』

 

 水盤のうえに、またしても電撃が奔った。

 第二憲兵隊のひとりがモロに電撃をうけ、大噴水の下段までフッとんでゆく。

 肉と骨、そして金属がつぶれる胸の悪くなるような音。

 咒詛長のうろたえる声がそれにつづき、

 

(……不可(イカ)ん!誰かあのアヌス(肛門)用の呪具を、もういちど深く差し込むのぢゃ!)

 

『サルぅ!なんとかせいッ!』

 

 大剣をかざし、あしもとを踏んばって電撃に耐えながらドレイド卿は叫ぶ。

 

『彼(あ)の“メス餓鬼”のうごきを止めるのだ!』

 

 すると――何を考えたのか。

 

 道化服姿な“おサル”のジョージは、いきなり緑色をしたハデな房つきズボンを脱いだ。

 

 ボロン。

 

 子どもの前腕ほどもありそうな、巨大なチンコがあらわになる。

 割礼をしているためか、カリ高の亀頭が恐ろしいほど膨れあがって。

 そのうえ淫水ヤケをしているとみえる赤黒い胴体には、いくつものイボが。

 

 クモのように反復横とびをしながらジョージは、電撃をはなつことに忙しい王女の背後にまわりこむと、いきなり台座に駆けのぼるや王女の尻を“むんず”とつかんで左右にワリひらき、

 

 ズン!……ッッ!

 

 やおら彼女のアナルに、その凶悪な陽モノをぶち込んだものである。

 

『あはァっ!?……ああああぁぁぁぁ……!』

「へへへへ……」

 

 おサルのジョージは王女の耳もとで下卑た嗤いを吹きこみ、

 

「おいらのチンポにゃ強力なクスリが塗ってあるんだ。いままで散々JCやJKを中毒にしてきたワザモノさ。この魔性のチンポからは……もう逃げられねェよ?」

 

 そう言うや、まるでウサギが交尾するように残像レベルの激しいピストン運動を開始する。

 

『ゐッ!い”ぎぃぃぃぃぃ……!』

 

 しめた!と咒詛長は、配下に合図。

 さらに高まる、穢らわしい読経の斉唱。

 腹部に烙印された淫紋が輝かんばかりに妖しく赤熱し、明滅のいきおいを増して。

 おほぉっ!と王女は先ほどの威厳を雲散させ、上目づかいに舌をたらして夢ごごちな風。

 

『ドウだいオイラのチンポは!えぇ!?ハヤいトコ、イッちまいなァ!!』

『え”ッ!えげぇぇぇぇぇぇぇえぇぇえ!!111』

『ほぅぅぅるぁぁあ!逝くトキには“イキますジョージ様”と言うんだよォォ!!』

 

 そんな!という王女の面差し。

 だが、法術とクスリ。それに凶悪なチンポに、王女とは言え少女の肢体(カラダ)がどう抗うというのか。

 やがて。

 堪えていた精神の支柱が折れたのか。

 “メスと化した”可憐なフィオーナ殿下はジョージの支配にくだった。

 

『いぎィっ!――いぎますゥっ!……ぢょ~ぢサマぁぁぁぁあああ!』

 

 くやし涙だろうか。

 つつ……、と目尻からひと筋の滴を垂らしつつ。

 ビュッ!びゅっ!びゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~っ!!

 対して女陰のほうは、凶悪な太さのディルドーを挿入されるワキから盛大に淫露(つゆ)を吐いた。

 赤いケーブルに白濁した液が伝い、失禁した尿が台座に大きな水たまりをつくる。

 

『でかしだぞジョージ!さ、はやく王女のケツ穴に、性具をネジこむのだ!』

『まかしてくだせェ!……とと、アレ?……あれれれ……』

 

 ジョージは自分の陽モノを抜こうと、密着した王女の尻から離れようとする。

 しかし王女のアヌスは、この卑賤な男のチンポをがっぷりとほおばったまま、ピクリともしない。

 

『ありゃ?……ありゃりゃ……えげっ!?シマるっ!締まるゥゥゥッ』

 

 王女の背後でジョージはもがいた。

 なんとか彼女の尻から自身の逸物を抜こうとするが、そのうち本気でくるしみはじめる。

 

『痛ッ……イタタタ……ちょ、待って?マジでいてェ!』

『ナニを遊んでをる!サッサとそのロクでもないモノを抜かんか!』

『いや、遊んでなんか……あっ、ちょっ!痛ァァああああっ?あ――っ!!』

 

 やがて、ほどなくして……。

 

 ブツン。

 

 イヤな音とともに、股間をおさえたジョージの身体は弾かれたように台座の上に転がった。

 

『あぎゃぁぁぁぁァァァァァ!』

 

 押さえた手からあふれる鮮血。

 

『チンポが!……オレの自慢のチンポがぁぁぁぁぁぁ!』

 

 涙をながし、愛液と尿にまみれた水盤のうえをゴロゴロところがるジョージ。

 どうやら王女のアナルに陰茎を根もとから喰いちぎられたらしい。

 だがドレイド卿は、この情景に薄情にもうすく笑うと、

 

『いまだ!性具を王女のシリに――もと通りに!!』

 

 咒詛長は、王女に駆け寄るや、青いケーブル付きの長い張り型をズブリ!

 S字結腸の奥までとどけと言わんばかりに、容赦のない手つきで突き込んだ。

 

 ぶるるるっ!

 

 一瞬ふるえる王女。

 やがて彼女の貌(かお)はトロけるような、シマリのないものに。

 

『それ!詠唱をつづけよ!』

 

 高まる読経につれ、快楽をむさぼるようにガクガクと。

 王女の肢体(カラダ)は動物的な無惨さで前後左右にはげしくゆれる。

 

『あ”ヒャッ!あ”ひゃァァァッ!イグイグイグイグぅぅぅ!!111』

 

 支えていたものが取れてしまったのか。

 ヨダレをたらし“淫なる法悦(よろこび)”に全身をゆだねる王女。

 

 すると。

 

 このサマと拡声させた音声でのやりとりを見聴きしていた大群衆は一様にまゆをひそめ、あれほど有り難がって連呼していた万歳を引っこめるや、

 

「ナンだぃ……王女とか言ったって、しょせんはメス餓鬼じゃねぇか」

「ほ~んと。ただのイキ狂うヨガりブタだったなんて……サイテー」

「なんだよ!チェッ、期待させやがってバカバカしい」

「イヤだわ!見て?――あのハズかしい格好!ありえなぁ~い」

「はやく銅像にでもナンにでもなっちまいなさい?下品な小娘さん!」

 

『ちがうっ!ちがうのほぉぉォォオオオ!』

 

 民衆の思わぬ罵声にまみれ、快楽のつるべ打ちに遭いつつ、王女は必死に弁明する。

 

『あらひ(ワタシ)はッ!あらひは、ひんひゃにょ(みんなの)ためにひぃぃッ!』

 

「なにがミンナのためにだよ!このオナニー牝猿が!」

 

 群衆の中でメガホンを使った声。

 

「シリ穴ぁ犯されて、アヘってたじゃねぇか!」

 

 そうだ!そうだ!と群衆のアチコチから立ちのぼる罵声、怒号。

 奇妙なことに、それら罵声をあびせる者たちは、みなメガホンを使っていた。

 よく通るそれらの声を聞く王女の顔がゆがむ。

 

『ひょっ(そっ)!ひょんなぁぁぁァァッ!』

 

 カッ!

 

 水盤の下段のほうで、閃光が奔った。

 ケーブルを伝って王女から流れ出る邪術。

 その勢いに負け、一体が銅像と化したらしい。

 拘束された他の者たちからも、様々な悲鳴があがる。

 どうやら『絶望』が、この邪術の最後の引き金を果たすようだった。

 

「いやぁぁっ、オッパイが!おっぱいがぁぁぁ!」

「ボクのちんこに!ボクのちんこにアツいものが侵入(はい)ってくるよゥ」

「オシリが!オシリがイイのぉぉ!もっと、もっと滅茶滅茶にしてへぇぇぇ!」

 

 カッ!――カッ!

 

 術のためか、あられもない姿勢に強いられたまま、銅像と化してゆく美女・美少年たち。

 気のせいか赤と青のケーブルが、ドクドクと脈打って。

 

「どうだ――えぇ?キサマ。龍騎隊団長ドノ」

 

 淫術の阿鼻叫喚。

 そんななか、拡声魔法が切られた水盤上でドレイド卿はニヤリとわらうと、どこから取り出したものか巨大な斧を持ち出し、それをコチラに放った。ズシャァァッ!その大きな斧は、重そうに滑って私の足もとで止まる。

 

「赤と――青だ」

「……なに?」

「どちらかを切れば、虜囚どもの銅像化は止まる」

 

 それを聞いたすぐそばの女騎士は、流れ込む快楽呪術に身をふるわせて耐えながら、哀願を込めた眼で私をみつめる。

 

「ただし――ハズレの場合は、全員が真性の銅像となり、もはや還ること能わぬ……」

 

 私は、足もとに転がる重そうな斧ながめ、次いでイキ狂う王女の女陰と肛門からのびる赤と青のコードをジッとみつめた。

 

 閃光がだんだん近づいてくる。

 それに比して、悲鳴やヨガリ声も少なくなってきた。

 ホナミ副長の悶えも激しくなり、もはや銅像化も近いと思われる。

 

「ホレホレ……はやくせんと、全員が銅像になってしまうぞ?」

 

 私は巨大な斧をひろいあげた。

 

 戦斧といっていい重さだ。通常の市民では扱えないだろう。しかし経験を積んだ私なら、歳をとったとはいえ、いまだ扱えなくもない。

 

 ――と……。

 

 そのとき私は、ドレイド卿の眼が、ギラギラとこちらを睨んでいることに気づいた。

 まるでそれは、こちらを試しているような……値踏みしているような……。

 

 ――そうか……ッ!

 

 私は持ち上げた斧を、まるで重くてかなわないという風にとりおとす。

 そして首を力なく振りながら、

 

「こんなの……ジジィには、とてもムリですよぅ……」

 

 そう言って、ふるえる手で白髪をなでつけ、ため息をついた。

 ガクリ、女騎士がアクメと闘いながらうなだれる気配。

 

 ハハッ!……ははははっ!

 ドレイド卿は身を仰け反らせて哄笑した。

 

「やはり杞憂であったか!戦龍も老いては駑馬(どば)に如(し)かずであったか。ザンネンであったな。そのケーブルは、斧などでは切れんぞ?ハハッ、はははははっ!」

 

 やがて生身となるのは王女と女騎士だけになった。

 

『はァん♥️……はァん♥️……はァん♥️……』

 

 リズミカルにイキ狂うフィオーナ王女。

 その毒気にあてられ、淫楽を注ぎ込まれて性具を前後に挿入された下腹部から愛液をダラダラと滴らせる女騎士・ホナミ。

 ふたりとも、そこにはすでに知性の表情(かお)を宿していなかった。

 ただひたすら邪術で倍加された猥らな衝動をむさぼるだけの、哀れな生き物と成り果てていた。

 

「卿、もうじき術式が了ります……」

「そうか。地獄の土産に、よく看ておくがいいマイケル団長」

 

 やがて、いっそう激しいアクメが王女を襲った。

 

『いぐッ!♥️いぐッ!♥️いぐいぐいぐいぐぅぅ――!』

 

 王女のカラダが青黒く変色し始めた。

 金色の唐草めいた文様も、全身にジワジワ伸びてゆく。

 女騎士ホナミは、騎乗位めいた激しい腰づかいでフィニッシュに。

 やがて目もくらむ閃光があたりを圧し、一瞬、なにも見えなくなってしまう。

 

 オォォォォ……。

 

 長く尾を引く群衆の騒擾(とよもし)が耳にとどく。

 おそるおそる眼をあけてみれば……。

 

 大噴水の最上段なる台座の上には、変わり果てた王女の青黒い姿があった。

 

 2本の腕で後ろに倒したカラダを支え、Vの字に宙空へと突き出す美脚。

 さらに2本の腕で自分の女性器を拡げ、のこる2本の腕で己(おの)が豊乳をモミしだく。

 顔は空をあおぎ、口唇は、いまだに快楽の余韻にひたるがごとくポッカリと開いたまま。

 そんなカラダを、黄金の唐草文様が取り巻き、姿勢を除けば一流の芸術品に仕立て上げている。

 

 ――あの可憐で、清楚だった姿が……。

 

 いまでは場末のストリップ・ダンサーもやらないような下卑たポーズで固められて。

 貌つきもイヤらしく固定され、

 その不憫さに胸がふさがれ、まるで鉛を呑みこんだような心もちがする。

 

「これは……なんとしたコトぢゃ!」

 

 我知らず涙ぐんでいた私は、咒詛長の声にわれにかえった。

 その視線をたどると、なんと。

 ホナミ副長が膣と肛門に性具を挿入されたまま、アクメの余韻に玉のような汗を浮かべる全身を喘がせ、水盤のうえに白々と艶めかしく横たわっている。

 

「咒詛長。なんぢゃコレは」

「は。おそらく、先の王女の反抗で生じた術式の乱れによるものかと……」

 

 ふん、とドレイド卿は鼻を鳴らし、次なる作業をいそがせる。

 

 巫術師たちが、青銅像の仕上げに取りかかり始めた。

 像の局部に水道管が連結され、噴水の準備が整えられる。

 王女の像も、肛門からジョージのチンポを、まるで未消化のトウモロコシがのこるウンコのようにムリムリと排泄させられた後、そこにコネクターを接続された。

 

 キュッ――キュッ――キュッ……。

 

 あちこちからコックをひねるキシんだ音。

 

 やがて――。

 

 乳房から、いたいけなチンポから、あるいは性器から。

 銅像たちは勢いよく水を噴出しはじめる。

 王女も拡げた性器とモミしだく乳房、そして天を仰ぐ口唇から水を吐き始めた。

 眼じりから流れるかぼそい水流。それは、彼女の無念の証であろうか。

 

 飛沫(しぶき)は西日を浴び、幾重にも虹彩を形作り、それが群衆の歓声をよぶ。

 

 ドレイド卿ばんざぁい!

 元老院、枢機院ばんざぁぁぁぃ!

 

 保身本能を発揮した変わり身のハヤい群衆。

 現在の体制を褒めそやし、ウラーの歓呼をさけんだ。

 

 やがて、一番の見世物は終わったとみたのか、群衆はまわりの屋台の方に注意を向け始める。どこかで楽隊が演奏をはじめ、単なる祭りの様相を呈しはじめて。

 

 大噴水最上段の水盤は、目かくし用の板が並べられ、緊張した雰囲気が足もとの賑やかな祭りの雰囲気と遮断される。

 

「さて、この小生意気な女騎士……」

 

 ドレイド卿は、そんな叫びに鷹揚に応えたあと、相変わらず足もとにナヨナヨと横たわる女騎士を、白い目で見おろした。

 快楽の余韻が抜けきらぬのか、相変わらず呆けた表情のまま、クチュクチュと自分の股間を慰めつつ、彼女は大コウモリのような男をチカラなく見上げる。

 

 ドレイド卿は、いったん鞘に納めていた大剣を抜くや、

 

「使えぬ道具に未練はナイわ。余興の締めくくりに、斬首と致そうか」

 

 そう言うや、大剣を女騎士の頭上で振りかぶった。

 

「ま、待ってくだされぃ!」

 

 第二憲兵隊たちの警護をかきわけ、私は弱々しく杖を突きながら女騎士とドレイド卿のあいだに割って入った。

 

「もう十分でしょうテ……どうか。どうか彼女を、赦免してくだされぃ……」

「キサマ馬鹿か」

 

 呵々(かか)とドレイド卿は悪鬼の表情で笑った。

 

「どうれ、キサマの老骨と小生意気な女騎士。まとめて両断してくれるわ!」

 

 大剣が、唸りをあげてふりおろされる。

 

 瞬間、私の杖から光芒が奔り、大剣の刃筋は横に薙いで轟然と水盤に打ち当たった。

 

 “剛”の刃筋を小指一本の握力で受け流すことのできる、乱戦剣『柳水(りゅうすい)』!

 

 返す刀で、私の刃は相手の左手首内側を、深々と断ち切った。

 ドレイド卿は眼を凶悪に剥いて、ギョッとしたように私をニラむ。

 

「!!――こやつ!」

「――ばァか♪」

 

 この刻(とき)を待っていた。

 ようやく――こっちのターンだ!

 

 

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