※この作品はR-18です。

試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】   作:珍歩意地郎_四五四五

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     〃    (10:重要回・その3/エロ中尉

 

 ――なんて夜だ……。

 

 一気にヤバい局面に、オレはギリっ、と歯をくいしばった。

 

 なぜかと言うに、一級淫魔と称するこの姐御。

 そこからは得体の知れないプレッシャーが放出され、なかばこちらを金縛り状態にするというありさま。少女から大人の“欲ばりボディ”となったコスプレ女は、見てくれや衣装もマンガに出てくる女魔王めく雰囲気でレベル・アップされ、周囲を傲睨(ごうげい)する気配。かわいげを演出していたシッポはロシア鞭のように長く凶々しい形状に変化し、白いフワフワの付いていた先端は黒エナメルの質感を持つハート型の小さな打撃パッドに変化している。

 

 ――ただコイツ……。

 

 どっかで会ったような気が――しないでもない。

 格好からすると『紅いウサギ』のような気もするが、こんな現実ばなれしたアニメチックなエロボディなど、その手の洋モノ画像でもお目にかかれないレベルだ。

 

 ――ドコだったかなぁ……。

 

 オレの凝視を受けてこの女は、

 

「やはり、ねェ……」

 

 ボッテリとふくらんだドぎつく紅いくちびるをペロリ。

 まるで獲物を前にした気色のまま、淫靡な紅舌(した)で舐めあげると、

 

「さすが、この三人中で一番の猛者(もさ)。アタぃが見込んだダケのコトはあるョ」

 

 いきなりそう言われても、オレのほうはピンとこない。

 はぁ?と言う顔で、さらに相手をニラむ。しかし相手は粘液質なベットリとした笑みをかえすだけ。

 なにもかも、向こうの手のひらというのがシャクにさわった。

 

 異世界でド派手な剣戟(けんげき)を行う特殊騎士団の団長。

 アフリカの“キリング・フィールド”で死線をかいくぐる傭兵隊長。

 

 そんなヤツラをさしおいて、なぜ一介のリーマン崩れなNTR轢殺トラック屋が猛者なんだ?γーGTPもそろそろ気になるくらいに身体にガタのきた中年……いや、後期青年なのに。

 オレの当惑をよそに、一級淫魔とやらは、タイツと革のハイレグに縛められた股間を両手でなで上げ、熱に浮かされる潤んだ瞳でコチラにジッと視線を注ぎながら、

 

「アンタを見ていると、ますます欲しくなッ了(ちま)うじゃなのサ」

 

 ハイレグの脇のラメ入りタイツからは、じんわり・キラキラと染み出るものが。

 “女の匂い”が濃くなり、また少しプレッシャーが強くなる雰囲気。

 うへぇ、とオレは内心ゲンナリしつつ、

 

「そりゃ……どうも。けど」

「……ケドぉ?なんだい、言ってごらんナ」

「アンタもたいしたモンだぜ?ただのアタマの弱いコスプレ姉ぇチャンじゃなかったワケだ」

(おぃキミ……)

 

 ヒソヒソと騎士団長がオレにささやきかけた。

 

(言葉づかいは、もっと丁寧にした方がよいぞ?なんたって“一級淫魔”なんだからな)

「――ハァ?」

 

 そのおもねる様な小役人チックな口ぶりは、オレの一番大嫌いなものだった。

 思わずイラっとして、この若返った騎士団長を怒鳴りつけようとする。

 しかし、それより早く傭兵隊長のカンシャクが爆(は)ぜた。

 

「ザけんな!按摩(あんま)だろうが淫魔(いんま)だろうが閻魔(えんま)だろうがカンケーあるかィ!」

 

 そしてコスプレ姐御(あねご)が鼻白むのもお構いなしに、

 

「いい加減にしやがれクソが。俺はこんなキチガイどもに付き合うのなんざまっぴらだ!」

 

 次いでオレの方を向き、

 

「行こうぜ?一杯引っかけなきゃ、とうてい気がすまねぇ」

「まった!金は――金は、あるのかね?」

 

 騎士団長が、傭兵とオレをあわてて引き留めるようにして、

 

「もうすこし、ファリス殿の説明を聞いてくれたら、私が奢(おご)ろうじゃないか」

 

 淫魔と騎士団長がアイコンタクトの気配――気に入らない。

 しかしオゴりと聞いて傭兵がうつむいた顔のまま、ほくそ笑むのをオレは見る。先ほどまでの勢いはどこへやら。まさに音速の手の平返し。

 コイツ本当、酒にキタないなとオレは呆れるが、まぁ、明日をもしれぬ命の生業(なりわい)なら、自分だってそうなるかと思いなおす。

 

「ふん……そうだな、この世界の酒を味見してから帰るのもイイか」

 

 早くしてくンな、と傭兵は草むらの中にあった大きな石の台座に腰かける。

 それを見た騎士団長は面白そうに、

 

「ちなみに。キミがいま腰かけている石の平台座は……」

「なんでェ。このテーブルが、どうかしたかえ?」

「処刑者の心臓を取りだすための俎板(まないた)だ」

 

 どうだ驚けと言わんばかりに、騎士団長はドヤ声で説明する。

 なるほど、よくみれば四方に手と足の拘束を繋ぐためと思える輪があった。

 あふれ出る血を流すためか、台自体も微妙に傾斜した造りとなっている。しかし傭兵は、

 

「……ふゥん。どおりで座り心地がイイとおもったぜ。おい、おめェも来てみなよ」

 

 毛ほども動じる気配がない。

 

「どれどれ、それじゃぁ……」

 

 傭兵から誘われたオレも、ヒンヤリとする石板に腰をかけ、足を組んだ。

 一級淫魔と騎士団長が、こんどは呆れたように顔を見合わせる気配。

 少しばかり相手から受けるプレッシャーも弱まった気がする。

 

「で――?説明してくれよ。オレたちを良いように小突き回す存在ってヤツを」

 

 ズパァン!

 

 空気を切り裂き、凶悪な仕様に変化した淫魔のシッポが一閃する。

 その音は“牛追い鞭”のように、先端が音速をこえたことを証していた。

 オレと彼女の視線が、はげしい意志を戦わせ、一歩も引くまいと切り結んで。

 

 ややあって。

 こんども先にチカラを抜いたのは淫魔の方だった。

 フン、と憎らし気にソッポを向くと豊乳の下で腕組みをし、更に――スパァン……!

 

 ――なんてことだ……。

 

 ひかえめに言って私は驚かざるを得ない。

 光かがやく摩天楼が林立していた、馬も翼竜もいない異世界。

 そこで天空に架けられた石の路を“トラック”とやらで走る私の分身が、こともあろうに1級淫魔に対して『戦術呪術師』の援護もなく気合勝ちするとは……あんな凄い男が、本当にわたしの“映し身”なのだろうか。

 私は意を新たにし、固く決意を込めた。

 

 ――この皇国を救うという、あの“異世界の私”を。何としてもコチラの世界に引き込まねば。

 

 この国の民が助かるなら、私はなんだってするだろう。

 地面に這いつくばり、汚泥(ドロ)をすするなどは、お安い御用だ。

 人倫にもとることも、自分の手をよごすことも、まったく厭(いと)わない。

 

 私は絞首台にぶら下がるホナミ副長を仰ぎ見た。

 身体は若返ったが、感性は老いたままなのか。悲嘆も、慟哭も、どこか錆びたように動かず、激情からはほど遠い。こんな光景を本当に若い時分に目の当たりにしたら、なにを仕出かしたか分からなかっただろう。だが彼女の犠牲を目の当たりにした己(おのれ)の決意だけは、ますます強固なものとなる自覚がある。

 

 ――あぁ……そうだとも……。

 

 さもなくば彼女の、そしていまも大噴水で水を吐きながら性的に責められて苦しむ王宮民の――否々(イヤイヤ)そんなちっぽけな話ではない……動乱で塗炭(とたん)の苦しみをなめる全皇民が救われぬ。そうだ、虐げられた国民を救うそのためなら!……私は悪魔に魂だって売ってやるのだ!

 

 私の決意を確認するかのように、月が、叢雲(むらくも)から顔をのぞかせた。

 苦悶を残すホナミ副長の哀れな顔が、末期(まつご)の断末魔が、哀しみが、ふたたびあきらかになった。

 彼女の虚ろな眼窩に恨みがましく睨まれたせいか、おどろいた月はすぐに隠れてしまう。 

 

「ッハ!――もちろん教えてやるともさ。でもねェ……」

 

 ファリスと名乗るコスプレ姐御は、ユサリ、と腕ぐみで豊満な乳をゆすりあげ、そのポーズのままビシィッ!極めて長いムチ状のシッポを棒のように硬直させ、スペード型の末端でオレを指すと、

 

「それは――人を異世界に飛ばす因業なハンドル握るアンタの方が、もう答えを知ってるハズだヨ!」

 

 このセリフとシッポの動きで、傭兵と騎士団長の視線がオレに集まった。

 なぜだ!?と説明をもとめ、ふたりの視線をコスプレ娘のほうにハネ返す。

 

「覚えてるはずだよ?あの神社」

「神社……って?」

「そう。あのイマイマしい『お札』と『お守り』をアンタに授けた神社サ!」

 

 記憶を共有した傭兵のほうが先に思い当たった。

 

「アレだ。あの世でみた神社だ!オレがFALで鍵をブッ壊したヤツ」

 

 一瞬、淫魔ファリスの瞳が、これ以上無いほど憎々しげに傭兵をニラむ。

 

「あ。ひょっとして、あの『縁結び神社』のことか?」

「……そうサ」

 

 彼女は重々しくうなづいて、

 

「あの“理(ことわり)サマ”がぁ、アンタを女下僕の“番”(つがい)に欲しがってるのサ」

 

 女下僕ってマコトの母親のコトだよな。その伴侶(はんりょ)にさせる?……なんのことやら。

 

「……よくわからないな。理サマって、あの洞窟で出会った巫女姿の女神のことか?」

「そうに違ェねぇよ。鍵を一生懸命、コワそうとしてたじゃん」

 

 どうも傭兵の方が、記憶をハッキリさせている。

 

「あの“セーラー服”とかいうヒヒ爺ぃ受けしそうなハイスクールの制服(ユニフォーム)?それを着たガキが出会ったソイツの死んだ母親がイタぶられてたじゃねぇか……」

「よく覚えてるなァ。オレはどうもハッキリしない」

 

 とうぜんサ!と淫魔のシッポが鳴った。

 

「“理(ことわり)サマ”は、アンタの記憶を消しちまうんだ。たぶんこの夜のコトも」

「なんでだ?」

「それも、あのイケ好かない“理(ことわり)サマ”の手のウチなんだろ」

 

 三たび彼女の腕は振られ、画面は暗転する。

 

 とたん、オレたち“3マイケル”は、また別の場所にいた。

 四方を頑丈な朱色の木格子にかこまれた、四畳半ほどの部屋。

 座敷牢だろうか?太い格子のむこうは、暗く静まりかえって何も見えない。

 中央には白いふとんがしかれ、ほかには小箪笥と、ロウソクが灯ると見える行燈(あんどん)ひとつ……。

 格子と同じ色合いの紅い行燈は、ユラユラと頼りない明かりを投げかけ、それが絹と見える布団の表面をキラキラ・チリチリと照り輝かせている。

 部屋に敷かれる青畳(たたみ)は真新しいのだろう、い草の匂いが芬々(ふんぷん)として清々しい。

 

 そんな情景を、奇妙なことにわれわれの視線は俯瞰状態でながめている……。

 ちょうど天井から見おろす位置で。あたかも幽体離脱したような案配に……。

 この気配。この幽明模糊とした雰囲気。まさかあのときの洞窟だろうか……。

 

 ――なんだ……ファリス殿は、吾々(われわれ)に何を見せようというのだ?

 ――ケッ!どーせあのイカれ娼婦(オンナ)のやることだ。ロクなもんじゃあんめぇよ。

 ――叱ッ、静かに……ホラ、聞こえないか?足音が近づいてくるぞ?どうやらふた組……。

 

 木の廊下をふむ乱れた足音とともに、太い木格子の一方が開かれ、ひとりの女が突き飛ばされるようにして中に入れられ、布団の上にはげしく倒れこんだ。 

 

 肩のあたりまではだけた白衣(びゃくえ)。

 なんと。首のまわりと肩口には、縄文式文様めくものがうかがえる。

 糊の効いた緋袴(ひばかま)からのびる足袋をはく白々とした脚にも、おなじような模様が。

 

 年齢は――三十路なかばだろうか。

 いくぶんムッチリとした、ふくよかな肌。

 熟れた体つきが女として脂が乗り切った頃合いを示して。

 

 絹の照り栄(は)う布団(ふとん)の上に、斯(か)かる容姿(すがた)の人物が、手弱女(たをやめ)ぶりもなよなよと、妖しく蠢(うごめ)く其(そ)の情景(さま)は、さながら一幅の錦絵(にしきえ)か、はたまた好事(こうず)の“あぶな絵”か。

 

 つづいて、女を突きとばしたと思われる藍(あい)染めの作務衣(さむえ)を着た男が入って来た。

 荒々しい気配をまとったまま、横たわる女を素足の足先でかるく蹴り、

 

「――起きろ……」 

 

 ふとんの上に倒れた婦人。

 乱れた黒髪を紅い口唇(くちびる)に食み、かたくなに動こうとしない。

 と、作務衣の男は衣納(かくし)のなかに手を差し入れ、何やらモゾモゾと操作する。

 

 ンツ”ィィィィィィィィィ…………。

 

「あはァ……う!」

 

 とたん、布団のうえで女は躯を身もだえするように艶(なま)めかしく肢体(からだ)を蠢(うごめ)かせる。

 

「嗚呼ッ――どうか!……どうかお止めになって!」

 

 その声。

 

 幽明の境を救った、美香子の同級生であるマコト。

 鎖された洞窟の中で聞いた、その女子高生の母親の声そのものだった。

 

「あぁっ!おシリがぁッ……お尻が辛いのぉ……ッ!」

「フフフ。辛いのはシリだけか。では前の方は具合がよいのだな……?答えろ」

「そんな……そんなコト……言えませんッ」

 

 パァン!

 

 婦人の頬が男の平手打ちに鳴った。

 ついでこの作務衣の男は、みじかく悲鳴をあげて抵抗する女をちから尽くで圧倒し、白衣を引きほどく。

 とたんに顕(あらわ)れる、抜けるように白い肌。 

 肉感的な乳房がまろび出るその肌には、先ほどからチラ見えていた縄目のあとが、全身を蛇(へみ)のごとく幾重にもめぐり、絡みついているのが分かった。

 

 ――首筋。 

 ――二の腕。

 ――乳房の上下。

 ――太ももや鼠径部(オマタ)

 

 さらには怪しからぬコトに、彼女の背中には幾筋ものミミズ腫れな痕が。

 

「――しゃぶれ!」

 

 ボロン♪

 

 男が太いサオを作務衣の下履きからひねり出した。

 その太く長い軸には、血管のあいまに大豆のようなイボが幾つも浮き出ている。

 

「――使えるように、しろッ!」

 

 婦人の口先に、いかにも女を泣かせてきたと見える、その半勃ちな紫色の逸物を突き出す。

 紅を刷いた口をオズオズと開きかける婦人に、

 

「――ウムぅッ!」

 

 くぐもった悲鳴を上げさせ、むりやり突き入れる男。

 20センチ以上はあろうかという逸物がヌロロロロォォ……ッとマコトの母親の口腔(くち)を犯してゆき、細い喉首がチンポのかたちにふくらんで。

 完全に奥まで達したとき、母親のノドが二度、三度、精を絞るように動いた。

 

 むふぅっ、と満足げな男。

 背中を反り、上を向いていかにも恍惚とした表情(かお)。

 

 ――あぁっ!

 

 天井からフワフワと観察していたオレたちは、そのとき初めてこの下衆の素顔を見た。

 

(――鬼畜やな~~~!!騎士団長さんよォ!)

 

 傭兵がささやき声で叫んだ。

 

(――チンコにあんなシリコン入れて!シュミわる~~)

 

 そう、作務衣の男は騎士団長ソックリだったのだ。

 ふだんの謹厳そうな顔を好色にゆがめ、婦人の口腔奉仕にう~む、と満足げな面持ち。

 しかし、傭兵の難詰に、奇妙にも騎士団長の方は(ドコがだね!?)と憤然、色をなす気色で、

 

(――この男は『トラック』の御者だというキミに、ソックリではないか!)

((――はァ!!?))

 

 俺とトラックの運ちゃんは、ブチきれたように反応した。

 

(――ナニ言ってやがンだ、この変態野郎!どうみてもオメーじゃねぇか)

(そーだ!そーだ!マジメそうな顔してるクセに、このムッツリが!)

(失敬な!だれがムッツリだね!だれが!)

 

 だんだんヒートアップする俺ら。

 

 だが……妙なコトにゃ、下で婦(おんな)を責める、この騎士団長づらしたヘンタイ男にコッチの声が聞こえねェらしい。ヘンなハナシだが、俺たちも、こう、身体の感覚がねェんだよ。ひょっとして魂とやらになってンのかね……?

 

 人妻のノド奥で果てたこの野郎はズルリ、イボ付きのチンポを抜いて、咳きこむ彼女に“お掃除フェラ”を要求しやがる。紅で彩ったエロい口唇(くちびる)に“カリ高”な亀頭を吸わせたときの、またダラしねェ面(ツラ)ったらねぇモンだ。

 

 ンツ”ィィィィィィィィィ…………。

 

 また、あの音。

 

 イヤイヤをするように人妻は尻をふりたて、チンポを舐めながら上目遣いに懇願する。

 

「あぁッ……どうか、どうかお慈悲でございます!」

「フフフフ。どうやらおぬしも、ようやく尻穴で感じるようになってきたようぢゃなぅ」

 

(なーにがフフフだ、この変体ヤローが!)

(だから、私ではないというに!)

(本性が出ただけでは?)

(君のほうこそ!)

 

 天井のほうでわれわれが言い争っているうちに、男は“お掃除フェラ”をされた挙げ句、またもやムクク……と屹立する淫水焼けした紫色のチンポをマコトの母親に見せ付けるや、

 

「どうれ――後ろを向け!」

「あぁっ……かんにん!」

 

 ふた昔ばかりのエロ小説めいたセリフを発するや、未亡人……ではない“亡人”である母親は、布団のうえで体を艶かしくネジらせて方向転換すると、布団に頬をつけ、緋袴(ひばかま)をはく下半身を男にむけて高く持ち上げた。

 

 作務衣の男が手荒く袴をひきはぐと――やはり。

 

 マコトの母親の肛門(アヌス)。

 そこにはやはり大ぶりの道具が挿入されていた。

 さらに非情にも、尻まわりには刺青が施され、大輪の牡丹が花をさかせている。

 花弁の位置には、挿入された電動プラグが尾部を振動させながら卑猥にクネらせて。

 愛液をたらす前のほうにもコードが埋没しているところを見ると、やはりコチラも何かの器具をムリヤリ入れられているらしい。作務衣の男は牡丹の花咲く母親のシリに咥(くわ)えさせた道具を、淫靡な音をたてて前後左右、ネットリとコネくりまわしながら、焦(ジ)らすように、焦(ジ)らすように。ゆっくり、ゆっくり引き抜いてゆく。

 

「あぁぁぁぁ……ッ!」

 

 驚くほど長い、ピンク色をしたイボ付きのディルドー。

 完全に抜き終わったあとも、花弁のなかの肛門は、もの欲しそうにヒクヒクと蠢いて。

 そのまま、ローション香料が匂うその場所を、太い指でヌメヌメ、いぢいぢと責め苛みつつ、

 

「ほぅれ。ココを、ドウして欲しいんだ?」

「そんな……ひどい!」

 

(ナニが“ドウして欲しいんだ?”だよ、このスケベ!)

(だから私ではないだろう!――よく見てみたまえ、彼ではないか!)

 

 言い争う騎士団長と傭兵の気配をきいて、オレは首をかしげた。

 

 ――なにか、おかしい。

 

 傭兵とオレには、この男が騎士団長に見えているし、騎士団長はオレに見えるという。

 そもそも、ココは本当にあの幽冥(ゆうめい)の境にあった神社の洞窟なのか……。

 

「――ンッ!」

 

 軽くイッたか、ピクピクっと母親がふるえた。

 ひざ立ちで持ち上げていた豊かな尻が、グタリと横にたおれる。

 そこを男は容赦なく平手で何度もうちすえた。白い肌は赤い手形でみるみる染まる。

 かるい飛沫と愛液のしたたり。まくらに顔をうずめ、よがり咽ぶ“開発済み”な女の淫声(こえ)。

 

「あぁっ!どうか、どうか後生ですから!」

「後生ですから……どうされたいのだ?」

「別当サマの……別当サマのたくましい“アレ”をわたくしの……わたくしのアソコに……」

「アレだと?それに、アソコとはどこだぇ?」

「その、オマ……オマ……」

「ん~~?聞こえんなぁ~~~」

 

 ニヤニヤと無精ヒゲの生えるアゴをなでながら作務衣の男は、

 

「オマ……だと?ふぅ~~ん……オマーン国際空港かぇ?」

 

(――うっわ!最悪!)

(――オヤジくさ~~北斗の○の悪役かよ!)

(――だから!そんな眼で私を見るなと言っておろうが!)

 

 しかし、そんなダサい男の焦らしにも元・人妻(というのか?)は呆気なく陥落してしまう。

 

「ワタシの恥知らずな女陰(ピー)に、別当サマの太くてたくましい陽物(ピー)を……下さい……ッ!」

 

 ふたたび尻を持ち上げ、白い肌身を赤く恥じらいに染めながらマコトの母親は叫んだ。

 

「フフフフ……奥さん。ようやく素直になれたようだな。だが……」

 

 作務衣の男はイボ付きの凶悪なチンポを、マコトの母親の肛門にあてがった。

 すでにそこは調教によって使い込まれたらしく、花弁の真ん中、おちょぼ口であるはずの出し入れ場所はあまりに大きなモノを咥えさせられたせいか延びきってタテ割れとなり、腸液が刺青の染料を犯して茶色く沈んでいる。

 

「あぁッ……其処(そこ)は、ッ!」

「姫ィさまの奴婢(ぬひ)であるオマエは、ココがお似合いだ!……ッ」

 

 そう言うや、男はマコトの母親の肛門(アヌス)に、その凶暴な逸物(チンポ)をズヌゥッ!とばかり突き入れた。

 

「あぅ!……ッ!!」

 

 『別当』と呼ばれる男の太物を、スンナリと受け入れてしまう母親の牡丹。

 やがて彼女自身、快楽をむさぼるように、自ら腰を動かしはじめる。

 

「ほぅ……オマエもようやくココの味を覚えたようだの」

「あぁっ、そんな……そんな、違います……ッ!」

「そうはいっても、體(カラダ)は正直なものよ。熟れた肉体が男の精を求めて、紅色に色づきおるわ」

「ウソっ……そんな、ウソです……あぅっ!」

 

 緩やかな前後運動は、やがて激しいものになった。

 緊縛痕の縄目とムチのミミズ腫れがのこるなよやかな背中は、ほんのりサクラ色に染まって。

 むせび泣きにも似たよがり声が、だんだんリズミカルになってゆく。

 オレの隣で傭兵がモゾモゾする気配。やwめwろwよw。

 やがて作務衣の男は、ラストスパートにはいった。

 母親の悶えもこれまでにないほど高まって。

 

「ふん!これがJKの母親とは、信じられんわ!」

「そんな、こんな、淫らな、体に、したのは、別当、サマぢゃ、ありませんか」

「ふんっ!ふんっ!ふんっ!よく言うわ!オマエの血に混ざるマゾの因子が、オマエを狂わせるのだて!ふんっ!ふんっ!ふんっ!」

 

 ひぐぅっ!

 

 ひときわ激しく突き入れられ、よがりむせび泣く母親。

 いや。もはや彼女はマコトの母親ではない。貞淑な妻でもなかった。

 ゆがんだ衝動を、淫楽をむさぼる、単なる一匹のメスのケモノとなり果てていた。

 

「おまえの娘、マコトとやらも、いずれこちらに連れてきて、チンポ中毒にさせてやろうぞ!母親ゆずりのマゾの血を、縄とムチ。それに本草(薬草)で盛大に開花させ、男狂いの淫乱な牝下僕に開花させてやるわ!」

「いやッ!どうか……それだけは……どうか!」

「もうおそいわ。すでに同級生の美香子とやらを、手はじめに調教済みよ!」

「あぁ……ウソよ……そんな……みーちゃん……真琴……逃げて!」

 

 ――な ん だ と ?

 

 オレの心にイラっとしたものが湧き起こる。

 『紅いウサギ』でショーガールにされつつある詩愛の妹、美香子。

 この作務衣姿なゲス野郎は、なぜアイツを知っているのか。

 先ほどから、どうもナニかヘンだ。

 

「そうら!イけ!恥知らずにも尻の穴で!盛大にヨガり狂ってイって了(しま)え!!」 

「あぁ……っ!貴方ァ――!助けて貴方ァァァ――!」

 

 グッ!グッ!グッ!グッ!

 組んずほぐれつな女の尻と男のチンポの接合部は、ゆらめく行灯の明かりの後ろとなって、その昔の“日活ロマンポルノ”状態なアングルめいて定かにはうかがえない。

(注:珍歩はそんなにジジィではないので、念のため)

 

 ローションの香りが……。

 女の上気した汗が……。

 愛液の匂いが……。

 

 閉塞感のある緋格子な座敷牢の四畳半に横溢(おういつ)する。

 

 やがて。

 とどめを刺される牝鹿のような一声をあげ、母親は激しく痙攣し――そして果てた。

 作務衣の男もさすがに疲れたとみえ、肩を上下させて息をあえがせる。

 ぬちいぃぃっ、粘液性の音をたて、凶悪なチンポも引き抜かれて。

 

(ダンナと死に別れたとはいえ人妻に、こんな行為(コト)しやがって!) 

(実に浅ましいモノだな。騎士団長ドノはこんなのがお好みかね)

(この男はどうみてもトラックの御者である君なのだがなぁ……)

 

 その時だった。

 コトをおえ、白絹の布団に裸体を放置した男は、はじめて天井の方を向き、我々にたいし、金色の瞳でニヤリわらってみせる。

 

 卒然。

 そのときオレは、何事かを悟った。

 

(――中尉!コイツだ!――コイツを撃て!!)

 

 意識がシンクロしていたせいだろうか。

 危機感を共有したコンゴ傭兵隊長の動きは迅(はや)かった。

 腰のホルスターからワルサーPPを抜き出すや、性格無比に両目と鼻の下が形づくる三角形――脳幹を破壊する、俗に言う『死の三角形』――をねらう。

 

「チョッ!ちょっと待ったァ!」

 

 男が手を我々の方に突き出した。

 瞬間、古いアングラのエロ映画めく重苦しい情景はかわり、夜風が吹き抜けるもとの絞首台の傍らにもどる。

 

「ヤレヤレ。やっぱアンタら冷や汗をかかせてくれるねェ……」

 

 傭兵の照準は、正確に淫魔の『死の三角形』を狙ったままだった。

 どうやら男は、淫魔が化けていたものらしい。

 

 絞首台の死臭と、枯れ骨の気配、うち捨てられた場所に生える草の匂い。

 叢雲にかくれがちな皎月と夜風に混じるなんとなくコゲ臭い雰囲気が、現実感をよぶ。

 一級淫魔のファリスとやらは、相変わらず豊かな乳の下で腕組みをして。金色な瞳でコチラを見ている。

 

「ほら。ヤッパリな……オマエが見せいていた幻影だったか」

 

 照れ隠しのつもりか、シッポがふたたび鳴った。

 そしてちょっとぷくれっ面(つら)をして、オレの方を見て、

 

「そりゃ、アタイが見せていた幻影さ?でもね?」

「でも、なんだ」

「コッチの世界に来なかったら、アンタは轢殺ドライバーとして“事故死”したあと、あそこに連れて行かれ、あの理サマが飼う下僕の番(つが)いになるんだよ」

「うそをつけ!」

「ウソなものかィ。理サマはね?貸したものは、必ず取り立てるよ――絶対に、ね?」

「オレは、何も借りていない!」

「ハ!よく言うヨ」

 

 淫魔は小癪にも肩をすくめてソッポを向き、

 

「あの理サマの守護がなかったら、アンタなんかとっくに事故死か、さもなきゃあの曰く付きの店に取り込まれて、たんなる肉チンポ奴隷に仕立てられてたンだ――感謝するんだネ」

 

 そうだった。

 単なるラウンジというにはあまりに規模がデカい『紅いウサギ』。

 “小男”と呼ばれるオーナーの不気味な笑みが、目の前にチラつく。

 

「――さ、どうする?」

 

 淫魔はふたたびシッポをフリフリしながら、

 

「この世界に来る?それとも現実世界でハデに事故を演出されて、あの理サマの調教係に成り下がるかィ?」

 

 騎士団長が、戦場刀を抜き、ズイ、とオレの前に出た。

 

「失礼ながら――貴殿」

 

 まだ第二憲兵隊(セカンド)の血糊が残る刃が、青眼の構えでオレの鼻先に突きつけられた。

 

「なんとしても、コチラの世界に来ていただく」

「ふぅん……嫌だといったら?」

「――是非(ぜひ)もなし」

 

 本気の迫力をもった戦場刀の間合いが、さらに詰められた。

 オレは何とか笑いでごまかそうと、ことさらお気楽な調子で、

 

「ったく。人妻の尻穴(アヌス)は犯すし、若返ったコトで淫魔の姐サンに媚び売るしで、たいしたタマだよ、アンタは」

「何とでも言え!どんな汚名も――甘んじて受けよう。貴殿がコチラに来ないとあらば……」

 

 戦場刀が振りかぶられる。

 

「ちょィ待ちなァ!」

 

 ジャキッ!

 拳銃の滑動体(スライド)を動かす音が、闇夜に冷たく響いた。

 見れば傭兵がワルサーをピタリ、騎士団長に向けている。

 

「それ以上ソイツに近づいたら、ど(・)タ(・)マ(・)を月のウラ側までぶっ飛ばすぜェ」

 

 しかし、さすがは歴戦の騎士団長。

 泰然自若。いささかも慌てる気配がない。

 コンゴの血まみれな記憶を、傭兵と共有したはずだ。

 拳銃の威力も、じゅうぶんに承知しているにちがいない。

 にもかかわらず、死の照準を前にしても落ち着いたものだった。

 

「我を――殺すなら殺せ」

 

 そう言うや、彼は戦場刀を傍らに置き、ガバと絞首台の草地にひれ伏し、土下座した。

 

「伏して請う!――“トラック”を御する異世界の自身よ!」

 

 顔をわずかにあげたとき、その眼には本気の底光りが灯っているのをオレは看た。

 

「乃公(オレ)は……オレはこの皇国(くに)を救いたい。どうか、どうかこの異世界にご来臨いただきたく!そのためならば――この命!」

 

 騎士団長は、戦場刀の刀身を持ち、切っ先を自分の喉に突き当てた。

 

「阿呆(アホ)ォォォォォ――――ッッッ!」

 

 傭兵隊長の跳び蹴りが、戦場刀を月夜の空に舞いあげた。

 少し離れた場所にグサリ、反りをうたせた血糊の遺る刀は突き刺さる。

 そして返す挙動でワルサーが二度吠え、ホナミ副長を吊す綱は断ち切られた。

 

「――あぁっ!」

 

 騎士団長は、ヨロヨロと立ち上がった。

 見れば、その容(すがた)は、いつのまにか老人のものに戻っているのだった。

 腐肉で汚れるのもかまわず、彼は地べたに手ひどく叩きつけられた遺体を抱きかかえる。

 そして胎児と母親を一緒にすると、愛おしげになでさすり、涙目でオレと傭兵のほうをニラんだ。

 

「……かに……たしかに小生は、不甲斐(ふがい)ない皇国の防人(さきもり)でありました……しかし老骨となった今でも、この国の民を、その平安を、願う気持ちにいささかの変わりはないのであります」

 

 傭兵は、装填された380ACP(9mmショート)の弾丸を薬室から抜いた。

 そしてオレの方を見るやアゴを振って、

 

「イこうぜ?運ちゃん――ココにいると、気がヘンにならァ」

 

 同感だな、とオレは歩きかける。

 

「どうか!――どうか!」

 

 騎士団長は死骸を抱きかかえる土下座のまま食い下がった。

 みれば、しわの刻まれた面差しには、光るモノが流れている。

 

「何卒(なにとぞ)、何卒この哀れな皇国に、お力を――」

 

 傭兵とオレは、肩をすくめる。

 

 すべてが信用できなかった。

 このコスプレ姉ぇチャンも。

 いままでの説明と茶番劇も。

 レジスタンスの騎士団長も。

 

「よし――行くか……」

 

 そう言いかけた時、一級淫魔とやらはフッ、とふたたび先ほどの二級淫魔な小娘にもどるや、

 

「ほらほらぁ♪見てみてぇ~~」

 

 絞首台を頂く丘のはしから、彼方に見える皇都の夜景を、フワフワ付きのシッポふりふり、たのしげに指し示した。

 

「――あッ!」

 

 オレたち3人は、眼を見張った。

 皇都が。宏大な都市(まち)が炎上していた。

 夜目にも明らかに映る華々しい紅蓮の焔

 風向きのちがいで気付くのが遅れたのだろう。

 それでも煙の気配は、わずかながらこちらにも漂って。

 先ほどから感じたキナ臭い気配は、都市の断末魔だったのだ。

 

「わかる?」

 

 少女となった二級淫魔のコスプレ女はニッコリとオレたちに微笑んで、

 

「アナタたちが来てくれないとォ、この世界はぁ――こうなるワケ♪」

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