試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】 作:珍歩意地郎_四五四五
──馬鹿ッ!
とっさにコンソール隅の非常ボタンに手が伸びる。
アクリルのクリアケースに収まったその赤いボタンは、押し破ってシステムを強制停止させるタイプだ。
──だが……コレを使っちまったら……ッ!
AIの暴走がバレてしまう。
ログを解析されたら【SAI】の存在すらも。
統括主任であるイタチ面の、あのしたり顔がチラついた。
あのネチっこい声とイヤミったらしい説教文句。当てこすり。
また状況聴取だ査問だと、役員のならぶ会議室でシボられるのも業腹だ。
それに、あの薄っ気味わるい『六道ビルヂング』に連行されるのも、不吉きわまりない。
この一瞬の
彼方でギシギシしていたハイエー○の動きがやみ、ややあって側面のスライド・ドアが開くと、スキンヘッドと髷野郎が、ぶっそうな得物を手に車外へ出てきた。スキン・ヘッドは鉄パイプ。髷のほうは短めの
パワー・ユニットをカットオフしようかとも考えるが、もうこうなっては手遅れだ。
「よぅし【ボニー】、キサマが撒いた種だぞ?お手並み拝見だ。【SAI】はフォローに回れ。ヌカるんじゃないぞ!キサマ
『女性の敵!容赦ハしまセンことヨ!!』
女性型AIのサウンドが露骨に殺気をはらむ。
『思いシらせてやりマスわ!!』
『【ボニー】、プロセスを重視。やみくもに処理を急いではイケない』
『そんなの!知ったことデハありまセン!
“イっちゃってる”AIというのを、はじめてオレは目の当たりにする。これなら『デイジー♪デイジー♪』と歌い出したほうがマシ──いや、それもコワいか。
「オラッ!出てこンかいコルァ!!」
ドカン!ゴキン!と金属音。
スキンヘッドがフロント部に鉄パイプを振り下ろしたのだ。
ついでサイド・ウィンドウにも一撃。しかしそんなコトで、このトラックはキズつかない。
「テツ──まてや」
髷野郎が、さらに鉄パイプをふりおろそうとする手下を止めた。
「コレ、ただのトラックちゃうぞ……まさか回状にある例の“轢殺車”やないか?」
「レキサツって……あの“人喰いトラック”のことですかィ」
──人喰いトラックかぁ……。
転生処置用システムのインジケーターが色とりどりに灯る、まるでイージス艦の
いいね……その発想はなかった。ふだんならイの一番に考えつくトコだがAIの手法があまりに凄惨、かつ下品なので、そこまで思い至らなかったのだ。
「この頑丈なボデー。パンクレスのタイヤ。あまりに頑丈すぎるデ」
そう言うや髷はポン刀でドアを軽くノックし、
「出てこんかいコルァ!居るのはワかってんねンぞ!」
フフッ。反社ふぜいが、と【ボニー】が含み笑いをもたせた声音で、
『では……処刑開始ですワ!』
「待て【ボニー】!キサマは待機してろ……【SAI】、バックアップをたのむ」
『了解しました』
『なんデス?ワタシじゃご不満と言うわけデスか』
ぶつぶつ何やら文句をいう女性型AIを無視して、オレは例の電撃つき特殊警棒を運転席側のグローブ・ボックスからとりだす。そしてチェッカーの入ったヒンヤリとする握り心地をたのみに、ドアのロックをはずし、ソロソロと慎重に開けた……。
「あッ、アニキぃ!運転席、あきましたゼ?」
「気ィつけや、出てくるぞ!」
ムワッとする外の夜気とともに、警戒する半グレどもの声が流れこんできた。
「なんやコルァ!ドコのモンじゃぃワレぇ!!」
スキンヘッドが鉄パイプを振りまわして威嚇する。
髷野郎の方は携帯を取り出し、背面を向けカメラでオレを撮影しようとした。
「【ボニー】……やれ!」
『はい?』
『はい、じゃないでしょ──こうするんです』
イヤホン型コネクターに【SAI】の声が伝わったかと思うと、ボヒュッ!髷の携帯が一瞬で火を噴いた。
「うぉ熱ちッ!なんやコレぇ!どなぃなってンねン!」
携帯を放り捨てておどろく髷野郎をよそに、オレはトラックのドアを閉めると遠くの寂しい街灯の明かりが二人の面相を照らす位置までゆっくり場所を移動する。
暗いキャビンにいたのでハナから闇に目が慣れており、この反社ふたりの顔つきはよく観察できた。
──なるほど、醜悪だ……。
男の顔は、くぐり抜けてきた経験がつくると言うが、このふたりの面相は“さもしさ”を通り越し“無惨”と“荒涼”で占められていた。おそらく「劣情」と「本能」のおもむくまま生きてきたのだろう。「知性」と「品性」がまるで感じられない。転生指数が高いのもうなずけた。物語はじめの方に轢き殺したヤクザふたりにくらべて、勝るとも劣らないありさま。
「なァにジロジロ見てんじゃ!をォ?」
出来損ないのカンフー映画よろしく振り回される鉄パイプ。
その
「てメェ──よゆーブッこいてんヤないぞコラぁ」
髷野郎のほうが
つーかコイツら、さっきまで女を犯していたせいか愛液臭い。
そのひそめた眉を、こちらがビビッたと勘ちがいしたものか、髷野郎の顔に余裕めいた尊大さがうかぶ。
「このトラ、オメェんか」
「……さて、どうでしょう?」
とりあえず、オレは下手に出ることにキメた。
コイツらの自尊心をくすぐって、反応を見るのもワルくない。
「おぅ、オッサン!……なんじゃいそのツラぁ……そういやオメェ、ウチの
「わたしは何も──」
「やかましワイ!」
ガン!とスキンヘッドが鉄パイプで、またもやトラックをぶっ叩いた。
とうとう【ボニー】がたまりかねたように、
『マイケル様!──もうガマンできまセンわ!』
「まぁ待て」
「待てもクソもあるかィ!」
『このような品性下劣の輩、はやく殺処分してやりまショウ』
「そりゃコイツら殺すったって、お前もっとうまく──」
「ほゥ、
『【SAI】様?殺処分の方法は、コチラに一任してくだサイ』
『だめです。処分担当はひとりずつです!ひとりずつ!』
このAI同士のアホっぷり。
思わずオレはガックリと落胆する。
これはもしや最悪・最凶のトリオが誕生したのでは。
そこをスキンヘッドは鉄パイプをもてあそびつつニヤニヤと、
「オッサンよ、ンなにガッカリするこたナイで。いまココで引導ワタしてやるさかい」
『もうイイでしょうマイケル様。このゲスの言うとおり引導を渡してやりマスわ』
「まァ待て。もう少し──」
「マテと言われてマツかァい!」
ワメきながら振りかぶられた鉄パイプが、横殴りに襲いかかる。
──そんな大振り喰らうかよ……。
オレはヒョイとステップ・バック。
鉄パイプを造作もなくやりすごす。
その時だった。
急に、懐かしい“
カッ!と全身の血が熱くなり、剣を手にした心象がまざまざと浮かぶ。
保革油と馬具の匂い。
刃鋼を研ぐときの
飼い葉と、軍馬と、はたまた修羅場と。
おぼえず口の端に笑みがうかび、力が
手にした得物が戦場刀でないのがザンネンだ──いや幸運、というべきか。
うっかり真剣など手にしてたら龍騎隊秘技“
身体が自由に動く喜び。
相手に引けをとらない
敵のうごきを完全に見切った優越感。
おぼえず口の端に微笑すら浮かんでくる。
──あぁ……そうだ。
処刑台の下、老いた
“傭われ兵”と“鉄の御者”ふぜいにヒザを屈した記憶……。
怖ろしい変貌をみせる小悪魔的な妖魔……。
高台から見下ろす皇都の大火……。
だが──今はちがう!
──
もはやおくれをとること許されぬ……。
オレは電撃付き警棒を握りしめた。
スイッチを押す。しかし回路にチャージされる音がしない。
しまった。バッテリー切れか。斯くなるうえは、物理攻撃あるのみ。
なにで殺ろう?そうだ、ひさしく遣ってなかった陽明剣“流水”は、どうだ。
初撃を偽装した“二の剣”で、このブタの禿げアタマをきれいに叩き割ってやる。
「ちょーしコイてるんやないでぇオッサン!」
目を怒らせ大上段から振り下ろされる鉄パイプを斜に受けた警棒で横にすべらせ、返す挙動で地面を叩いた相手の手首を思いっきり打ちすえる。
「ギャッ!」
獣のような声をあげ、スキンヘッドは手首を押さえて丸くしゃがみ込んだ。
「そら、ガラ空きであるぞ頭上が」
特殊警棒をふりかぶるところを、イヤホンに大音量で、
『マイケル様!ワタシの獲物デスわ!』
「またんかいコルァ!」
【ボニー】の抗議と髷野郎の叫びが重なった。
遠くの明かりに構える刀身をキラめかせ、相手はジリリとコチラにつめよる。
その緊急時に、あろうことか【ボニー】のヤツは、まるで媚びを売るような艶めかしい
『いま【SAI】様と話し合いをして、ハゲの方を頂いたのデスぅ。ワタクシの
声が一変。ヘンに鼻にヌケるような、甘ったるい声。
この短時間のあいだに、またもや幾分進化をとげたような気配。
変な危機感からオレは我に返った。所長の、重サンの言葉が思い出される。
曰く。
AIは友人ではない。味方でもない。
あくまで“道具”として扱い、つねに気を許すな…………。
「イヤな予感するなぁ……フツーに処分すればイイんだぞ?フツーに」
『そんなァ。マイケル様ったら、ホントい・ぢ・わ・る・ナンだからァ』
こいつ。
またしょうもない芸風を追加しやがって……。
「やかましいわ!」
「やかましいとは上等じゃボケェ!!」
「とにかくスプラッタはダメだぞスプラッタは!フツーにコイツらを処分すればイイんだ!」
ことココに及んで、ようやく髷野郎は会話がなにかヘンだと気づいたらしい。
一丁前に
「ナンや?ダレとしゃべッとるンや?もしや……」
そしてその顔は、すぐに
「あぁッ!……なんやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
オレの背後で……。
ミチミチ、ずりずり、ギチギチと。
柔らかく強靭な気配を漂わせ、なにかが
トラックのパワーユニットが勝手に二次駆動まで起動を進行。
タービンが唸りはじめ、転生トラックが獲物をまえに身ぶるいする様子。
そして髷野郎はダラリと腕をさげて、おれの背後の空間を虚けのように見上げている。
たぶんこの男の眼には、オレの背中から夜空に向け幾本もの触手がウネウネと伸びるのを見たことだろう。
オレは用心のため相手から視線をはなさず、背後のトラックに向かって、
「だれだ!!誰が勝手に処分を実行しろと言った?」
『ワタシじゃありませんよマイケル』
『ワタクシですワ!』
もはやイヤホンを通さず、外部スピーカーから高らかに勝利宣言めく声。
『このような下衆は、生かしておくに値しまセン!サッサと転生処分を提案いたしマス!!』
ヒィッ!ひィィィィィ……っっッ!!
髷野郎が腰を抜かし、乗ってきたハイエー○にむけ四つんばいで逃げ帰ろうとする。
オレは特殊警棒を手に、捨てられたポン刀を踏みつけて、そのあとを追った。
『どこまで行くのかなァァwww?……半グレぇぇぇwwww』
それを追いかけて【ボニー】が「カリ○ストロの城」の登場人物の声をまね、ごていねいに同じスピーカーから煽り文句をトバす。
──こりゃもう一つタチの悪い【SAI】が生まれたようなモンだな……。
ようやくのこと、髷野郎が乗ってきた車にたどりつき、腰をガクガク言わせながら側面のスライド・ドアに手をかける。と──その面前で、カコンッ!無情にもドアがロックされた。ガシガシと髷はノブをがむしゃらに動かすが、ドアはびくともしない。遠隔で【ボニー】がハ○エースのコントロールを制圧したのだろう。
特殊警棒を手にして髷野郎の背後に立ったとき、鏡と化したスモークのサイド・ウィンドウに、オレが触手を背負って仁王立ちになる姿が見えた。なるほど、コイツがビビるワケだ。
『マイケル。下がって』
イヤホンの中で【SAI】の声がしたかと思うと、ヒュン!
オレのほおをかすめ、触手の一本が髷の足にからみつき、グン!
髷野郎の姿を一瞬にして拉し去る。え?と上を見れば、高々と宙に浮く姿。
「……【SAI】、オレは転生処置の実行を命令した覚えはないが?」
『そうはいっても、あの
「キサマ、監督不行き届きだぞ!」
『システムの応答速度の問題です。ワタシのせいではありません』
こいつ。
シレッと言い訳をしやがって。
んぎゃァァァァァァぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっっっっっっl!!!!
闇夜にスキン・ヘッドの叫びが響いた。
いつのまにか、こちらも宙づりとなり、月夜を背景に浮かんでいる。
『オ
細い触手がスパァン!
スキンヘッドのニキビだらけな背中を、ムチのように打ち据える。
次いでさらに数本の捕獲用触手が、この宙づりになった三下に襲いかかった。
たちまちハーパンはズタズタに引きさかれ、だらしなくタルんだ下半身が丸だしとなる。
「下ろせ、どアホ!──おろさンかィ!」
髷野郎が触手に絡めとられた四肢をジタバタさせながらワメく。
「どなィなっとンのやコレ!こんなコトして、タダじゃ済ませへんぞ!」
『──お静かに』
聞き慣れない、【SAI】のドスを効かせた声。
車外のスピーカーから、明確に圧力をもった調子で。
ボディを傷つけられたことが、よほど腹に据えかねたと見える。
『おまえの手下のようになりたくなければ、黙って見ていなさい』
「アニキぃ……助けて兄きィ……」
すると、こんどは冷ややかなオンナの声で、
『オマエが過去に
ゾクリとするほど知性的な。
そしていかにも酷薄な気味があるよそよそしさで、
『かつて一度でも、哀れな女たちに慈悲を注いだコトがありマシたカ?』
「ジャかまし!この腐れマンコがぁッ!」
下半身を丸出しにして、スキンヘッドは夜空に暴れた。
「サッサとおろしたらんかィ!」
『上等デスわ!』
【ボニー】の口調が激変する。
サディスティックな喜びを含んだ、ワクテカなものへと。
そのとき、オレは確かにボンデージ衣装をまとう調教役の美女を見た。
いきなりスキンヘッドの両脚は大股にひらかれ、大の字になる。
次の瞬間、ぶっとい触手が一本突き出され、大を木に!
ズヴボォッ!!!!!
『ほォーーーーーほほほほほほ!そらそらァ……』
ズボズボと節くれ立った捕獲用触手が、前後運動をくりかえす。
対面で宙にぶら下げられている髷野郎は、そのあまりの情景に声もない。
『キモチいい?気持ちイイですわよねぇ?』
「あへぇ……あへぇぇぇぇぇぇ」
『この人非人!オマエが犯してきた女性たちは、もっと大きな苦しみを味わったんデスのよ?───そうだ』
シュルルル……。
新たに車体下部から奔りでた細身の捕獲用ワイヤー。
ソレが、スキンヘッドの小さめな“皮かむり”に巻き付いた。
『オマエのようなものは、男性器を付ける資格がありまセン!よってコレは没収します!』
ぶちン……ッッ!
イヤな音とともに、スキンヘッドの下腹部から、何かが引きちぎられた。
「ア”ア”ア”ア”えぶぅっ!えぶぅっ!えぶぅっ!」
絶叫は、触手の一本をむりやり口に突っ込まれたことで立ち消えとなる。
そのまま、こちらもズコズコと前後運動。
パタパタパタッと草むらに水滴が落ちる音がした。
雨か?とおもって夜空を見上げても
よく考えたら場所的に、どうやら髷が失禁したらしい──キタねぇッ!
──まったく。快楽殺人のAIかよ。冗談じゃねぇ。
「もうこれ以上は見るに耐えん……勝手に
『マイケル、ハイエースの中の女性は、アッ!コラッ!それはコチラの
『イイじゃありまセンこと?
闇のなか、ケラの鳴き声が横溢する、この初夏の
不様な宙づりとなるヤクザ二人を間に、獲物の取り合いをするAIたち。
昼間はらんだ熱気の名残にゆらめく、一面の都市の灯り。
それはどこか熱のあるときの悪夢めいた噛みあわない妄想の集合体じみて。
やがて宙に上げられたスキンヘッドはトラックの下部に。
ほどなくして“じゃがりこ”を食うときのような、ゴリゴリとした
──はぁ……っ。
気は進まないながら、オレは黒いハ○エースの方に近づいた。
カコン、とロックが外される。
そうだ、とおれはハンカチを取り出し、それを手に巻きつけて側面のスライドドアを引きあけた。指紋を残すのは、まずい。
『マイケル。その車両は後で焼却処分します。お気づかいは無用です』
「ココじゃダメだぞ?後腐れの無い場所でやらないと」
車内に上半身を突っ込んだとき、
──うっ……。
とたんに顔をうつ、女の愛液の匂い。
尿や精液、汗やローションなど、もろもろの生臭い気配。
オレは息をつめて携帯のライトをつけると、おそるおそる車内を照らす。
手錠。
ロープ。
ブルーシート。
床に転がるメガネ。
アメ色をしたカテーテル。
赤い球のついたボール・ギャグ
なにか透明な液体が入ったアヤしげな小瓶。
注射器と針が数本。ネックが折られたガラス製アンプル……。
そんなものに囲まれ、ひとりの若い女性が後部座席に横たわっていた。
フロアに転がされている黒い大きな袋に見覚えがある。
頑丈そうな“ブ厚い”黒革で出来たその袋には、執拗なまでにベルトやジッパーがつけられ、禍々しい印象でクロームの留め具を車内の闇に輝かせていた。
──そうだ!これは美香子が拉致されかかった時に包まれていた……。
オレはその“革製の
汗まみれ、ローションまみれの身体。
SM用のハーネスで淫らに
革製の目隠しをされ、口には男性器を強制的に咥えさせることができるよう、ドーナツ状の口枷を装着されている。こちらの気配を察してか、首輪を巻かれた頭をうごかし、ぽっかりとリング状にあいた口からオー、オー、と力のない声を出した。
──チェッ。これじゃ美香子の時と、まったく同じじゃないか。
だが、このまま放っとくワケにもいかない。
あの二人を処分したあと、事件性が考えられるこの車をどこかテキト-な場所に移動させ、【SAI】が言うように処理しなくては。
──焼却処分と言ってたが。あのトラック、火炎放射器でも装備してるのか。
とにかく、このお気に入りの高台が、警察の巡回路などにならないようにしなくては。
オレは後ろ手に拘束された女のハーネスを外そうとする。
すると、オッパイを
「ぁえへぇ…………ぉお、ぁえへぇ…………」
やめてぇ、と言っているのだろうか。
オレは女を安心させるために、
「だいじょうぶ!オレは味方だ。ヤツらは“追い払った”」
そう──追い払うのだ。日本どころか時空の彼方、異世界まで。
最果てのその場所で、己の“業”の精算をさせるのだ。
「……おごぉ……」
ガックリと女が安心したようにうなだれる。どうやら失神したらしい。
この間に、と思うが後ろ手にされた拘束はキツくてなかなか解けない。
──まぁ暴れられてもヤッカイだしな。このままにしておくか。
さらに女が咥えさせられた
と──ヨダレが淫猥に糸をひき、肥大化処置され、真っ赤に染められたくちびるが見えた。
──なんか……見たコトある施術だな。
ベルトで頑丈に固定され止められた目隠しに手をかける。
失神しているから大丈夫だろう。このままにしておけば敵意があると思われる。顔を見られそうになったら、命令して目をつぶらせればいい。
非情にも、目の下に革の跡がのこるほどキツく留められているそれを爪を割るほど苦労して取り去り、さて下から現れた女の顔を見たとき……。
──えッ……!?
更新遅れてスミマセン。