※この作品はR-18です。

試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】   作:珍歩意地郎_四五四五

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ムカつくエロ注意です。


第69話:復讐Ⅰ・“おサル”の場合(微エロ中尉)

 サブソニック(亜音速)弾と消音器の組み合わせは威力抜群だった。

 満員電車の中で使われたとしても、まさか銃声だとは思われないだろう。

 しかもこのソビエト製。機関銃よろしく連射が効くぶっそうなシロモノなのだ。

 

 ──ぬかった……ッ!

 

 オレは自分のうかつさを呪った。

 なぜだ?この男、気配を殺して近づいてきた。

 一介のクズな半グレに、そんな芸当ができるのか?

 いや、そもそもなんでコイツが今になって出てくるのか?

 てっきり背後にいるのは、ジーミを脅していたチンピラ連中かと。

 詩愛を強姦した連中なら、こんな手の込んだ呼び出しをする必要は無かったハズだ。

 奪った彼女の携帯から、オレのアドレスを使えばよかったのに……完全にウラをかかれた。

 

 ──落ち着けよダンナ?至近距離で9mmにゃ勝てねぇ。ジジィもヘンな動きするンじゃねぇぞ?

 ──心配せずとも、あのミョウな飛び道具相手に、ムチャなことはせんよ……。

 

 歯噛みをするこちらに長身の宿敵は銃を構え、いかにも満足そうに見下ろしながら、

 

「さがしたぜェ、マイケルさんよぉ……いや“中尉”と言ったほうがお好みかぃ?」

「……“どの”をつけろよデコスケ野郎」

 

 ドレッドを──敵を、前にしたためだろうか。

 いまやアフリカ傭兵時代の記憶が以前にもまして鮮明によみがえってくる。

 

 マッド・マイクをはじめとして、ジャンやエグモント。

 それに敵を嗅ぎ分けることに驚異的な鼻をもつヨーク軍曹。

 コイツのドラグノフ型狙撃銃に撃ち斃された、女ったらしのラルゴ中尉まで。

 そして、今またジーミ伍長が、オレの腕の中で冷たくなってゆく……。

 

「まさかお前ェが、あんなメールの呼び出しでノコノコ現れるとはな」

「ソッチこそ。ずいぶん物騒なシロモノを持ってお出迎えとは、ねぇ」

 

 ドレッドは手にした得物にチラッと目を落とし、

 

「──フン。ちょっとイイだろ?北朝鮮のパチもんじゃねぇ。旧ソビエト製のホンモノだ」

 

 銃口が、冷覚にオレの鼻すじに向けられていた。

 

 両目と鼻の下を形づくる“死の三角形”。

 脳の中枢を確実に破壊する必殺の部位。

 そのド真ん中に、9mmマカロフ口径が微動だにせず照準される気配。

 コイツ。狙撃の腕だけじゃなく、拳銃もイケるのか……。

 

「やれやれ、神も笑覧あれ。コイツはちょっとヤバいことになってきたな」

『現在モニター継続中。対応策を取捨選択しております──ご安心を』

 

 耳の中で【ボニー】の声が頼もしく響いた。

 するとドレッドが馬鹿にしたような口ぶりで、

 

「“神”だと?貴様が、そんなものを信じているとはな」

 

 なるべく時間稼ぎをしようと、オレはいそがしく頭を働かせ、

 

「ヘェ?じゃぁお前は何を信じるっていうんだい」

「フフン。この世の“悪”ってヤツ、すべてをサ」

「──なんで、そんなコトをするんだ?」

 

 ドレッドはヒョイと眉毛をあげ、おどけたように唇をへの字にしてから、

 

「オレは世界に裏切られ続けてきた。だからこの世界ってヤツに復讐してやるのサ。混乱、悲惨、破壊と破滅。それらすべてを実践してやるぜ……」

 

 長身の男の眼が、ギラギラと光った。

 この禍々しい目つきには覚えがある。

 理不尽な怒りを腹の中にためこんだ男の眼だ。

 

「世の中の“持てる者”に対して、地獄の業火で灼き尽くしてやるのよ!」

「──アフリカの麻薬売人や(コカイン・モンキー)、異世界の王権簒奪(さんだつ)、それにこの世界での犯罪三昧……21世紀のモリアーティでも目指しているのかよ」

「もっと簡単な理由だ。そして根源的なモノだ」

「へぇ?──と、いうと?」

「……ハナシが長くなる」

 

 相手は渋面を浮かべ、

 

「ホントはもっとハヤく会いたかったんだが……そっちの連絡先が分からなくてナ」

「貴様らが“暴行”した彼女の身分証なり携帯なり、それをたぐれば、早かったろうに」

「オメェの情婦(イロ)。身分証も持ってねぇどころか、暴れたスキに携帯を放りなげたらしくてヨ」

「なに──」

「祭りの夜とはいえ、人けも灯りも少ない神社の奥だったンで、回収が出来なかったんだ……」

 

 オレは愕然とした。

 

 祭りのあとに神社の境内で拾ったスマホ。

 データーを解析するよう【SAI】に渡したっきりだったっけ。

 まさかアレが。犯される直前、抵抗する詩愛が放った携帯だったとは。

 オレは、連射用の武器を持つ相手を刺激しないよう、ゆっくり立ち上がると、

 

「たかが女ひとりに……よってたかって、か?それがお前の“復讐”とやらのやり方か?」

 

 ビキン!

 

 消音器つき拳銃のスライドが動き、傍らのウィスキーボトルを粉砕する。

 木の床を、カララララ……9mmの薬莢がコロがる気配。

 

「オメぇはナナを殺した!」

 

 ドレッドは貌(かお)つきを豹変させ、歯をむき出しにオレの方へスゴむと、

 

「……覚えているか?あのコンゴの貧民街の、うすぎたねぇ路地裏で!」

「前にも言ったが、アレは彼女がお前をかばったためにおきたことじゃないか」

「オレは女を失くした!だからお前に復讐してやったのさ!」

 

 まずい。

 

 銃を持った敵を相手に、どうしのぐか。

 思わせぶりなセリフで、インカムがライブなコトを相手に悟られてもマズい。

 そのインカムからは、何も反応がなかった。AIのアホども!この状況を理解してるのか。

 オレはくちびるをなめ、慎重に言葉を選んで、なんとか時間かせぎをする。

 

「──だからといって……関係のない女を、手にかけるコトはないだろ」

「オメーの情婦(イロ)だろぅが!」

「いゃ、単に知り合い、というだけだが?」

「ハァ?姦(や)ったコトねェってのか」

「ま、そうだな」

「ケッ!どうりで」

 

 割れたウィスキーの豊潤な香りが硝煙とともに、うす暗い店内の空気に漂っていた。

 ドレッドは何事かしばらく考えるようだったが、やがて大型拳銃を素早く持ち帰ると、

 

「オィ!キサマら!」

 

 店の奥にを仕切る衝立(ついたて)から、さらに目だし帽をかぶった数人がダレたような動きで現れた。

 信じられん。こんなに居るとは……まったく気配を感じなかった。

 そしてそのうちのひとりが、顔を覆っていたバラクラバ帽をむしりとる。

 懐かしい“おサル”のジョージ。

 相変わらずムカつくニヤつき顔が、そこにあらわれた。

 そしてバカにしたような小躍りで、コイツはヒョコヒョコ身体を動かすと、

 

「いよぅ、手前ェもイヨイヨ年(・)貢(・)の(・)お(・)さ(・)め(・)ど(・)き(・)だなァ。ザマぁみやがれ……」

 

 銃を構えたドレッドはオレから目を離さず配下のガキどもに、

 

「この死体をな、い(・)つ(・)も(・)の(・)店(・)に片付けさせろ。ほかの者は、ぶっ倒されたやつらを運びだせ。あぁ、死体はもうひとつ増えるから、店のやつらに忘れずそう伝えろ」

 

 命乞いをしていたガキが、ざまぁみやがれというような視線を投げ、一団とともに去ってゆく。

 

 おさるのジョージと、もう1人が残った。

 安っぽい一本線のジャージを着た、目だし帽の男がオレを警戒する位置で後ろに立つ。

 ジャージのポケットに突っ込んだ手が、何か固いモノを握っている。

 

 ──もしかして、コイツも小型の銃を持っているのか。

 

 あ。ジャージのガラに見覚えがあった。

 もしや、トラックの前に飛び出した転生指数81の、あのスクーター男じゃ……。

 

 ドレッドは店内に低く流れていたジャズを消す。

 酒瓶の並ぶフロアのうす暗い空気は、とたんに緊張感を増した。 

 

「奇妙なクサレ縁だったな……」

 

 ドレッドはカウンターにならぶ酒瓶からテキーラを勝手にとると封を切ってラッパ飲みした。

 手の甲でくちびるをふき、ニヤッと嗤(ワラ)い、

 

「1960年代のコンゴ……得体のしれねぇ王国……そして21世紀の今……」

「そっちは、全部おぼえているのか」

「王国ンときァ!手前ェらにチンポ切り取られたコト、忘れねぇぞ!」

 

 “おさる”がワメいた。

 

「王宮の女官たちを素材にして、噴水台に新しく水ゥ噴かせる銅像を魔術で造る【銅像変成式】ンとき!手前ェらのたくらみで王女のケツ穴に、なにか細工しやがったろうが!」

(※第117回参照)

「あれは自業自得だ、虚(うつ)けが」

 

 オレの口が、またもや勝手に動いて、ヤレヤレと首をふった。

 

「そ(・)の(・)方(・)が、あのような下司な行為をせねば、かような事態にはならなかった」

「うるせぇっ!あの真珠入りチンポにすンのに、どんだけ費用(かか)ったか、知ってンのか!」

「知るかアホが。キサマのようなヤツは、陰茎をもつ資格などないわ!」

 

 なにをぉっ!とジョージは顔をゆがめて憤る。

 そして殴りかからんばかりの勢いだったが、ふいに力を抜くと、

 

「マ、何とでもホザけや。なんたって、お前ェの情婦(イロ)の具合は“おマンコ”も“アヌス(肛門)”も“お口”も“手コキ”も、ぜェんぶ!バッチリ味見させてもらったからよォ。」

「……」

「“しーあチャン”だっけェェェ?い~ぃシ(・)マ(・)リ(・)してたぜェ」

「……」

「考えてみりゃコレが2度目か。最初は出すだけでオワったが、今度はタップリ時間かけて嬲(なぶ)ってヨ」

「……」

「ピンク色のおマンコが、こう、キュ・キュぅぅぅ……ってな?」

「……」

「なんせAVでも有名なウチのお抱え“竿師(さおし)”が1分もたねェでやんの」

「……」

「しかも“数の子天井”の“多段きんちゃく”おまけに使いこんでねぇ逸品ときたモンだ!」

「……」

「よっぽど男を欲しがっていたのか、おマンコがチンポに吸い付いて、放しゃしねぇ」

「……」

「あんなメスのフェロモンをプンプンさせてる女(スケ)ェ眺めるだけなんて、手前ェはインポか!」

「……」

「クソでけぇオッパイのボッキ乳首ベロベロ舐めまわして、寄って集(たか)ってザー汁まみれだぜ!!」

「……」

「アヘアヘ喘ぎまくってヨガり狂ってやがったモンだ」

 

 ここに至って自分は(……フフっ)と“おさる”を哀れみの目で見てしまう。

 騎士団長の心象が、詩愛ソックリな惨殺された彼の奥さんのイメージと共に流れ込んできた。

 

「このワタシを怒らせようとしたところで無駄なことだ。それに“貞淑”な彼女が、そんなことをするハズないではないか?」

 

 そのとたん。

 

 どういう理由か“おさる”が腹を抱えて笑い出した。

 ヒステリックなまでに笑って、笑って、笑いまくって。

 しまいには酒場の床にゴロゴロ転がり、脚をバタバタ爆笑する。

 ドレッドまでもが、自動拳銃を弄びながら口もとをほころばせ嬉しそうに。

 しかし、オレを監視するもう一人の若いヤツは、乾いた表情をピクリとも動かさない。

 

 やがて“おさる”がヒーヒーと顔をゆがませて涙をふき、

 

「お前ェよぉ……今まで女のナニを見て生きてきたんだァ?ソ(・)ッ(・)チ(・)の方にゃ、からっきしなんだなぁ。あんな具合のいい肉穴ペットをそばに置いときながら。ブタに真珠もイイとこだゼぇ」

 

 そういって、ドレッドの方をチラ見した。

 ドレッドもスチェッキンの銃口から消音器をクルクルとねじり外しながらニヤニヤ頷(うなず)いてみせる。

 

「まぁ、貴様みてェなヤツぁ、何回生まれ変わったって“女”ってモノが分からんだろうな……だから女房にも逃げられるンだよ。少しは学習しろ。寝取られ野郎め」

 

 カウンターの中に入っていたジョージは、カラオケ機材のようなものにかがみこみながら、

 

「でもお生憎。その学習とやらのチャンスは、もう無ェぜ。どうせお前ェは、今夜ココで死ぬんだし……」

「へぇ。そういうことになってるのか。ならドレッド、なぜ銃の消音器を外したんだ?」

「静かに殺すには──もったいないだろうが」

 

 ヤツは、大型拳銃の安全装置をON/Offカチカチ言わせながら答えた。

 

「この雨だ。サイレンサー無しでも3、4発ぐらいなら、誰も気にしない」

「じっくりイタぶって殺(バラ)してやるのさ。両足……両肩……キンタマ……おまけにチョットした余興もあるし」

「余興だと?」

「貴様の情婦(イロ)のアヘ顔を見ながらジワジワ死ねるって寸法よ──」

 

 ドレッドは、ジョージの方にアゴをしゃくって合図する。

 すると、今まで無音でMVを流していたプロジェクター画面が突然変わった。

 

「あぁっ!いやぁっ!やめて──やめてくださいっ!」

 

 いきなり女の悲痛な声が、うすぐらい店内に大音響で響きわたる。

顔を見ないでもわかった。詩愛の悲鳴だ。

 

 浴衣を着た女性の身体。

 そこに、飢えたハイエナのごとく群がる若い男たち。

 寄ってたかって腕をのばし、彼女の着物を引き剥(は)ごうという画像が大画面に。

 

 どこかの小屋の中だろうか。

 工事用のライトらしい、強力な一点照明と発電機の気配。

 さんざん男たちが生地を引き裂こうとするも、いい仕立ての浴衣らしくなかなか破れず、胸元を必死におさえる彼女を素肌に剥(む)くことはできない。

 だがそこに藍染めの柔道着を着た男がカットインで現れ、ナマイキにも慣れた手つきで浴衣の“お太鼓”をとき、帯をグィと引くや、

 

「あァ~~レぇぇぇぇぇ~~~~~~~~~~~」

 

 クルクルと女はコマのように回転し、ワラ束の積まれた床にナヨナヨと倒れ伏した。

 白足袋を履いた、シミひとつないムッチリな太ももが、浴衣の間からさらけ出る。

 

 ここで初めて女の顔のアップ。

 恐怖にひきつった詩愛の顔が、プロジェクターに大写しとなって。

 

「あっ、あなたたち!一体──」

「よぉ、久しぶりだなァ。おネェちゃん、おれだよぉ……忘れたかい」

 

 画面の外からジョージの声。

 血の引いた彼女の面(おもて)が、絶望的なものにかわる。

 

「また私を!こんどは、いったいどうするつもりです」

「ドゥもコウもあるものか!……先生、お願いしやス!」

 

 こうするのだ!とフレームの外から出てきた柔道着の男が、手渡された工事用の黄/黒なトラロープを取りだし、恐ろしいばかりな手際のよさで詩愛が暴れるのをものともせず、瞬(またた)く間に彼女を亀甲縛りでギリギリ拘束してしまった。

 おぉ!という、とり囲んだハイエナたちから、その素早い手際に称賛の声。

 そしてこの禿げかかった中年男は、大陰唇(おまた)に手荒く食いこむ結び目をつけたロープに、何やら粘性のある液体を塗りこんで。

 淫猥に固縛された詩愛はナヨナヨと暫く身じろぎさせていたが、そのうちに、

 

「いやぁぁぁぁぁッッ!熱いッ!痒(かゆ)ぃぃぃっ……!!」

 

 悶(もだ)えるように彼女は、ワラ束の上で芋虫のように身を動かした。

 とりまく男たちの中には我慢しきれないのか、ハヤくも自分のチンポを出して、コスりはじめた者もいる。

 柔道着の男は、周りの若者たちに手助けをさせ、彼女を膝立ちにすると後ろから股間を割るコブつきロープをジワジワ。嬲(なぶ)るようにクイクイとネチっこく引きつつ、

 

「そぅれ……そぅれ……ココがえぇか、えぇのンか……サィコ~か……」

 

 そう言って股間を割るロープをグイとずらし、現れた女の実を割り、中のボッキした核を、どこから持ち出したか毛筆でソヨソヨ愛撫する。

 

 ヒィッ……ヒィッ……ヒィッ……イヤッ……イヤッ……イヤッ……。

 

 目をとじ眉をしかめ、くちびるを噛んで必死に耐えていた詩愛だったが、ふいに、

 

「ヤメてっ!ヘンなところに指なんか入れないで!」

 

 キレたような、ヒステリックじみた調子で叫ぶ。

 しかし柔道着の男は動じずに、あくまでネットリとした口調で、

 

「ヘンなところ?……ヘンなところとは……ドコだえ?」

 

 ギリリ、くちびるを噛んで、その先を言わない詩愛。

 ただよく見れば、彼女の背後で中年男の中指が彼女の尻タブを割って淫猥(いんわい)に、リズミカルに動いている様子。

 

「ほぉ……ほぉぉ……こりゃ“うしろ”も逸品だ……ソリャ婦(をんな)ぁ!ここはナンと言うのだぇ」

 

 男の手の勢いにつれ、うっ……ぐっ……と息をこらえる彼女は、

 

「知り!……ません!……お願い!……だから!……触ら!……ないで……ッ!」

「言わんとコッチに“お薬”をたっぷりゴチソウする羽目になるがの……指をたてて……そりゃッ!」

「あぐっ!痛いィッ!お、おシリっです!お尻のあなですゥ……ッ!」

 

 涙目になる詩愛。

 男は肛門を嬲(なぶ)っていた茶色い中指を彼女の目の前でこれ見よがしに嗅ぎながら、

 

「ふん!さいしょっから素直にそう言えばイイものを!!ほうれ、これがお嬢サマの中にあったウンチだて」

 

  ウンチ出たので!

 

 周りのドコかで、ふたばの『株スレ』じみた声がかかり、ドッと湧いた。

 詩愛は真っ赤にした顔をそむけ、縛られた肢体をモジモジと縮こまらせる。

 工事用のライトに照らされ、柔道着の男のカッパ禿げにうっすら汗が浮かぶ。

 結い上げた髪が解け、乱れた髪を詩愛の肉感的なくちびるが悔(くや)しげに噛み締めた。

 

 やがて中年男は彼女の亀甲縛りを、うしろ手に回した腕の“高手小手”はそのままに、太ももを若手の半グレたちにおさえさせrw“あぐら縛り”に変化させてしまう。

 まんぐり返しにさせられて、大理石の芸術品めく尻が天を向いたとき、滑らかな無毛の恥丘とピンク色をした肛門が、まわりでギラつく飢えた視線の前にさらされた。

 

 おぉぉぉぉぉぉぉ……と今度は声にならないため息。

 

「サて──まずァ仕込みに入りますょ?」

 

 男は持ってきたらしい風呂敷包みの中から、アンプルのはいった小箱を取り出した。

 そして肛門を責め苛んでいた中指をアルコールで拭き清め、代わって禍々(まがまが)しい印象をな、黒い色をした何かの軟膏をタップリとつけると、

 

「“うしろの穴”も使えるように、まずは拡張しなくちゃ……」

 

 そういうや──フン!!

 ファッキューの手つきでズチュッ!穢(けが)れを知らぬピンクのアヌスに突き立てる。

 

「はぅっ!」

 

 亀甲型にく(・)び(・)り(・)だされた巨乳をゆらし、詩愛の顔が苦悶にゆがんだ。

 

 しかし──どうしたことだろうか……。

 

 やがて彼女の面(おもて)は恍惚(こうこつ)に惚(ほお)けてゆき、あれほど悔しがっていた唇は、ヨダレをたらしてシマりなく。

 

 ゆっくり……ねっとり……。

 

 中指で詩愛の肛門をホジる柔道着の男は、だれ聞かせる風でもなく、周りの劣情にギラついた熱い瞳とは一線を画す、冥(くら)い情念のこもった冽(つめ)たい眼差しで詩愛を凝(ジ)ッと見つめながら、

 

「フフフフ……苦心の末に編み出した此(こ)の秘薬を使いたる調教により、縄師としては外道だ邪道だと師匠より恫喝(どうかつ)され、破門されたワッちであるが、己の係累。信条。財産。すべてを犠牲に練(ね)り上げたるこの妖薬(くすり)。ダレが手放すものかぇ……コレがあらばこそ、聖なる祭の宵闇に、斯かる婉然(えんぜん)とした御令嬢を、淫味むさぼる奔放な美獣に錬成し得るのぢゃからなぅ……」

 

 やめて……もうやめて、と縛められた哀れな淫肉(カラダ)から、かぼそい声があがった。

 それを聞くや、このカッパ禿げな中年男は陰惨な笑みをうかべ、

 

「いまさらナニを言うのかなぅ……汝(うぬ)は穴という穴を犯される肉人形に、これから成り下がるのぢゃ」

 

 一瞬。この男の全身から、青白い妖気が立ち上るのが見えたような気がした。

 さすがの半グレ共も、男の放射する暗い情念に気圧されてか、言葉も無い。

 美貌の婦が半裸の姿でなすがまま、むさくるしい中年男に手も無く姦淫されるのを、ただ口を緘し、固唾をのんで見つめるだけだった……。

 

 うす暗い空間での、蒸し暑い熱気。

 今にも何かが弾けそうな、緊張感。

 飢えた瞳が交錯する、視姦と獣欲。

 

 やがて尻穴をなぶる男の指が二本になり、三本になり、くわえて前の穴もクチュクチュと陽モノを欲しがる淫音を立て始めた頃、まんぐりがえしの姿勢を若者たちに保持させて自分はツイと立ち上がるや、

 

「コレまでよ……あとはおのれら、好きにするがエエちゃ」

 

 詩愛は、どこか夢うつつのように、呆けたような顔をして。

 ザワッ。まわりでチンポをギン勃ちにするガキどもが色めき立った。

 一斉に飛びかかろうとするところを“おさる”がフレームINしてガキどもを蹴りとばす。

 

「がっつくんじゃネェよ、オメーラ!!」

 

 そしてやおらズボンをぬいで、ビュルン!

 むらさき色にマン汁灼けをした、イボまみれのカリ高なギンギン勃起チンポを露出させ、

 

「まずは『ジョージさんチェック』にキまっってンだろォがぁぁ!!」

 

 ガキ共から殺気立つ気配をモノともせず、ジョージは自分のチンポになにやら白い軟膏をタップリと塗りたくった。

 

「どんな貴婦人や気位の高いお嬢サマでも、一発でメス犬になっちまう代物だぁ……いくぜぇ」

 

 ジョージは充血する陰唇を両手のおやゆびで大きく引き開いて、充血して皮から芽吹くクリトリスに亀頭をヌルヌル押しつける。

 

 ウン……ヒッ……と夢うつつな詩愛。

 

 そこへ……。

 

 ずんっっっ!!!

 

 手マンされ、すでに濡れそぼっていた蜜壺に、うす黒く穢れたイボ付きの薬つきチンポが、まんぐりがえしな姿勢のまま、いきなり突き込まれたものである。

 

「はがぁぁぁぁぁァァ……つっ!」

 

 

 哀(あわ)れな絶叫が、小屋の中をゆるがした。

 そしてうつろだった詩愛の瞳にひかりがともり、目の前の光景を信じられないといった表情で眺める。

 永遠のような一拍。

      ────────やがて、

 

「いやぁぁァァ…………ッ!なんで!?なんで!?なんで!?」

「へへへ。なんで!?ぢゃねェよぅ。もぅオメーのマンコは、おれッちの女殺しな“イボつきチンポ”にズップリ犯(おか)され了(ちま)ってンだからよゥ」

 

 あぐら縛りにされ、女陰と肛門を空に晒(さら)される姿のまま、彼女はジタバタと肢体をゆすり、

 

「そんな!抜いて!抜いてくださいぃぃぃ……うむっ……ンッッ!」

 

 詩愛の悲痛な声を、さもジョージは気味よさげに眼を細めて聴きながら、ヨダレを垂らさんばかりの笑みをうかべ、彼女のくちびるにベットリ口づけをする。嫌がる女の顔をおさえつけ、しばらくそのままネットリと弄んでいたが、やがて、

 

「チッ!歯ァ喰い縛りゃがって!舌までは入れねぇか……よぉし。ンなら、こうでェ!」

「アッ……いやっ!……そんな!……うごか……動かさないでぇぇ!」

 

 やがて清らかな白鳥に覆い被さるドス黒いスライムのように、みょうに練れた動きで淫猥な前後運動をはじめる。

 

「──痛い!──痛い!──痛い!──痛い!」

「……ぅゥン……ぅぅん……ぅゥン……ぅぅん」

「……あっ♪……あっ♪……あっ♪……あっ♪」

 

 やがて、

 

 ──ひゃぁぁぁ……ぁああああ……ん。

 

 半泣きのような気配がして、プルルっ。詩愛は幽かに痙攣した。

 

「こうなったらコッチのモンだ。オイてめェら!──全員チンコだせ!」

 

 えっ、という気配がプロジェクターの大型画面からでも伝わった。

 やがて半グレどもは、百戦錬磨の罪深い色をしたものから、ナマっちろい皮かむりまで。

 いろいろな陰茎を酒場の大画面にさらけだす。

 

「オィ、そこの象さん!お前ぇだ!なに?ムケなくて完全ホーケー?そうかちょうどイイや。おまえ、このメスの尻(けつ)アナに入れろ。サイズも小さくて手ゴロだしな」

 

 ジョージに貫かれながらソレを聞いた詩愛の愕然とした顔。

 次いで彼女のピンク色なアヌスと“小象”が生意気にもオーバーラップした映像が。

 

「そんな……おシリなんて、ムリですぅ!」

 

 彼女の抗議など聞きもせず、周りからはやされ、この小象はフルボッキの皮かぶり勃起チンポを、

 

 ぬぬぬ……。

 

 詩愛のアヌスにゆっくり、おそるおそるといった風に差し入れた。

 

「あぁッ、非道いぃぃッ……ぅぅぅううううッ!んハぁ!」

 

 作務衣の男からじゅうぶんにほぐされていたせいか。

 それともこのガキのサイズが小さかったせいか、

 以外にスンナリと彼女のアヌスに収まって。

 ハァハァと苦しげに息をつく彼女。

 

「ほぅら♪おめぇの淫乱な尻(ケツ)マンコが、童貞チンポ咥(くわ)えこんぢまってるぜェェ」

 

 手下に携帯で撮らせ、彼女の目の前にかざすジョージ。

 

「あぁぁ……そんな……あんまりですぅッ……」

「うっ!」

 

 と……ガキがぷるぷるッ。

 腰を小便の後のように小刻みに動かして──それっきり。

 え!?という空白の一瞬。

 次いで周囲から爆笑とはやし立ての渦。

 

「はぇーヨ!」

「10秒もたってねぇだろ!」

「ダメだなー童貞ヤローは!!」

 

 まわりからさんざん囃されたこのガキは、真っ赤になって、

 

「チガうっすよ!そっ、そんなコト言ったって!」

「この馬鹿。ナニが違うんだ、クソ童貞野郎が」

「コイツの尻アナ、すごいッスよ!吸い取られましたヨ!」

 

 ガキの必死な様子に、そこでまた周りから爆笑。

 

「──よぉし次はおれが……」

 

 今度は罪深いドドメ色のチンポが参戦する。

 だがこのガキも詩愛の肛門に、

 

 “ぬぬぬぬ……ぬぅぅぅ……っっ”

 

 突き入れたとたん、

 

「おほぅ……っ♪」

 

 妙な声を出してプルル……ッ。

 萎びたチンポを引き抜き、鈴口から糸を引いてみせた。

 そして照れ隠しか、あるいは純粋な驚きか、スゴい剣幕で、

 

「ジョージさん、このケツまんこ、まじスゴいっすよ!魔女のマンコ、魔女マンコっスよ!」

 

 周りからブーイングと、けなし声。

 

「ダラしねぇな……貸してみ?」

「よぉし、オレのカリ高な長槍(ながやり)でひとつきじゃ!」

「ばぁか、おめぇのはカリ高な“マッチ”だ」

「おねがい……もうヤメて!もうおしりに穢(キタナ)いモノ注がないで……!」

 

 この悲痛な言葉を聞いたひとりが、なにを!と息巻くやコンドームをつけ、そこに何かの白い粉をうすくまぶした。そして、すでに精液をたらす“おちょぼ口”となった肛門へ、

 

 この悲痛な言葉を聞いたひとりが、なにを!と息巻く。

 次いでコンドームをつけ、そこに何か白い粉をうすくまぶした。

 そして、すでに精液のヨダレをたらす“おちょぼ口”となった肛門へ、

 

「うりゃっ!“精液便所”用の肉人形になっちゃえ!!」

 

 ずぶぅッ!

 激しいひと突き。 

 とたん、詩愛の気配が豹変した。

 

「あひゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!11」

 

 いきなりカッ!と目を大きく見開く詩愛。

 ビクビクッ!肢体をふるわせ、電流を流されたような風情。

 やがて次第にトロけたシマリのない顔つきになり、視線を宙に泳がせる。

 

「おっ♪いきなり腰ィ使い出したぞ、この淫乱人形」

「あ~ぁ、コーク(コカイン)使っちまいやがって、このバカ。強姦の楽しみが台無しだぜ」

「でっ、でもジョージさん!こーでもしなきゃ、たぶんこのダッチワイフ、とてもとても」

 

 あひっ、あひっ、あひっ。

 詩愛の激しい動き。縛られた状態で、目一杯に。

 全身がピンク色に染まり、汗が工事用ライトの強烈な光に煌めいて。

 

「いやぁぁっ!」

    あはぁ!あはぁ!

     イグっ!イグぅぅ!!」

 

 

ぷっしゃぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~っ!!

 

「!コイツ、潮吹きやがった!オメーがコークなんか使うからダロ!」

「すいやせん、ジョージさん」

「もういい、二穴責めでコイツをイカしちまえ!!調子ィ合わせッぞ」

 

 その言葉は、辛うじて詩愛の頭に理性を取り戻させたようだった。

 

「ヤダぁっ!膣内(なか)はダメぇッ!

     ……外に……おそとにィィ……ッ」

  

 彼女の必死な懇願にもかかわらず、肛門──膣──肛門──膣──。

 ジョージと半グレの奇妙なシーソーが、あぐら縛りの詩愛を蹂躙する。

 やがてウキィッ!と“おサル”が。次いで、ふぐゥっ!と肛門側が果てた。

 

「あぁ……いやぁ……膣内(なか)……膣内(なか)にいっぱい出てるぅぅ……」

 

 半泣きの声が、せまい小屋に力なく響いた。

 

「ちっ!ヤクなんか使うから興ざめだァ……ったく」

 

 ぬろん……。

 

 ジョージは詩愛の膣から凶悪なイボつきチンポを抜くと、まんぐり返しをさせていた彼女を手下どもに起こさせて、愛液と精液にぬれそぼる逸物を彼女のまえに突き出した。

 

「オラっ!しゃぶりな。オメーのマン汁で汚れた御チンコ様を、キレイにすンだよ!」

「…………」

 

 スパァン!

 

 放心して反応がない詩愛にむけビンタが飛んだ。

 無表情のまま、彼女は“おさる”のイボちんぽを咥える。

 と……ヤツは髪を両手で乱暴に鷲づかみにし、グッ!グッ!グッ!

 無情にも詩愛の頭をオナホのように乱暴に扱い、はげしく前後に動かした。

 

「おらッ!ジョージさまの精液を、脳髄(のう)の奥まで味わいな!」

 

 そう叫ぶや、イボつきチンポを彼女の鼻孔(はな)にあてがい──ドプッ!

 擬音の出るような勢いで盛大に射精した。

 

「ンはッ……はがぁぁぁ~~……」

 

 臭い精液のにおいが、詩愛の嗅覚神経から脳天に染みわたったのだろう。

 一瞬、彼女は白目をむいて失神しそうな風情をみせる。

 しかし、それを許さず次に“おさる”は詩愛のアヌスを激しく犯し、

 

「おほっ♪なるほど、こりゃぁタマんねェ!」

 

 乱暴にガン掘りして、彼女の肛門周囲がまくれ上がるまで堪能する。

 ようやく己の逸物を引き抜くと、周りで陰茎からガマン汁を垂らすガキ共にむかい、

 

「待たせたな。あとはスキにしねぇ。この女 『ダッチワイフ』 にしちまいな」

 

 ワッ!

 若い情欲が、詩愛めがけて一斉におそいかかった。

 あたかもそれは、一つの卵子におびただしい精液がむらがる顕微鏡写真にも似て。

 ──膣を──口を──肛門を。

 

 それどころか、

 

 折り曲げて緊縛された脚の太ももとふくらはぎの間に突っ込むもの2人。

 後ろ手に回された腕、左右の手のひらに己の陰茎をニギらせるもの2人。

みだらな菱形に緊縛されてくびれ出る乳房のボッキ乳首に亀頭をコスりつけるもの2人

 後ろ手に回された腕、左右の手のひらに己の陰茎をニギらせるもの2人。

 ばらけた髪に自分のチンポをこすりつけるもの2人。

 つごう、なんと11名が、彼女の豊満な肢体を使って自分勝手な性欲を満たそうとしていた。

 

「おぉっ!おぇぇぇっ!……ひぎッ!いぎぃぃぃぃぃぃぃ……ッ!」

 

 ノド奥まで突っ込まれたチンポを嘔吐反応で吐き出しながら彼女は「悲鳴」とも「嬌声」とも「よがり声」ともつかぬ叫びをあげた。

 

 獣のようなリズム。

 前後・上下・左右に激しい運動。

 そのうち、誰かがまたクスリでも使ったのだろう。

 壊れかけた自動人形のように、彼女はみずから狂奔する。

 勃起しきった乳首をいただく巨乳を、男たちに激しくモミしだかれ、

 前後の穴から精液をもらし、全身をピンクに紅潮させ、玉の汗を煌(キラ)めかせて、

 

「いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!いくッ!んうううううううう……ッッ!」

 

 へへっ、と彼女に群がる1人がリズミカルに息をあえがせながら、

 

「こうなっちまうと、お嬢サマも単なる“淫乱なメス”にすぎねぇな!!」

「ちげぇねェゃ。マジでオレたちの 『ダッチワイフ』 に成り下がっちまった」

「おい!“わたしはオマンコ奴隷デス”って言ってみな!!」

 

 パァン!肛門を激しく犯していたチンピラが、彼女の尻を叩く。

 ドピュッ!顔射を受けながら彼女は“白いヨダレ”をたらす唇で、

 

 

「はぃ!──はぃ!ワタシは、オッ、オマンコ!──オまんこ!──おマンコ!オマ!オマ!おマおマおマおマ……あぁっ!大きいの……大きいがクルっ!クルっ!クルっ!」

 

「──ンぎもっぢ、い"ィ"ィ"ィ"ィィっッッ、くぅぅぅぅぅゥゥゥッッ!!!」

 

 ぶるるるっ!と彼女の体が激しく震えた。

 だが半グレ男たちの獣欲は衰える気配がない。それどころか彼女の痴態を見て、ますます肉欲の炎にガソリンが注がれ、昂(たか)ぶるかのように。

 

「まったく!厚めのイボつきコンドームじゃなきゃ、そく昇天しちまうぜ!この淫乱マンコ!」

「パイずりさせろやパイずりィ」

「てめ!オレの目の前にキタねぇ尻むけるんじゃねぇ!」

「今度はジブンも挿入(いれ)たいっス。髪ばかりじゃ飽きちまいます」

「しかたねぇな、おい!お(・)し(・)ゃ(・)ぶ(・)り(・)と交代だ!」

「この女のクリトリス包皮、切っちめェましょうか?四六時中発情する人形のできあがりですぜ」

「黒人チンポに負けた女の証であるスペードのエースを首に入れ墨するってのは?」

「それなら腹に淫紋のほうがよくね?こう、子宮をかたどった、エロぃやつ……」

「マンコとクリトリスにピアスしてやるってのもアリだぜ」

 

 口々に勝手な事を言い合う周囲に、詩愛の危機本能が快楽を圧してよみがえったらしい。

 

 トラロープで淫猥に縛められた肢体をみじろぎさせ、おえぇぇぇ……っ、と彼女はゲロを吐いた。口から流れるそれは、見れば全部“真白な粘液”なのだった。いったいどれくらい喉奥(ノド)に注がれたモノか、二度、三度、おなじモノを吐き出して。まさに“精液便所”状態となってしまった詩愛だった。

 

 そして哀れにも、精液まみれとなった顔と髪をゆらし、彼女は力なく、

 

「もういやぁぁ……たすけて……助けてマイケルさぁん……」

(画像が早戻し)

「もういやぁぁ……たすけて……助けてマイケルさぁん……」

(画像が早戻し)

「もういやぁぁ……たすけて……助けてマイケルさぁん……」

(画像が一時停止)

 

 涙で流れたマスカラの黒さ。

 獣欲のはけ口として顔射された精液の白さ。

 赤いリップを刷いたくちびるから垂れる、糸をひく粘液。

 それらが混然一体となった“ダッチワイフ”の、涙目に呆(ほぉ)けた表情(かお)。

 

 高精細なプロジェクターなので、うす暗い酒場の中までも男たちの吐き出した欲望の匂いが漂ってきそうな勢い。先ほど9mm弾でブチ割られたウィスキーの香りが、辛うじてそれを中和している……。

 

 カウンターの上を、固い音をたて何かがスベってきた。

 よく見れば、詩愛にプレゼントしたイヤリングふたつ。

 

「お前ェの情婦(イロ)のだろ?おれたちが姦(や)ったダメ押しの証拠さ……」

 

 酒場のうす暗い雰囲気にも関わらず、偽ダイヤ(ジルコニア)は良く輝いた。

 まるで、持ち主の“無罪“と“純潔”を証(あか)すかのように。

 

 自分の中で騎士団長が苦悶していた。

 己の妻と娘をオークに蹂躙され、その上むごたらしく殺された光景が否応なく甦ってくる。

 ※第5話:団欒の無残な崩壊――そして“ブレヒト的”解決(2)参照。

 

 同じく精液まみれにされた彼女たちとプロジェクターの映像がダブったのだろう。

 キレかかるところを懸命に傭兵中尉が抑え込む気配。

 胸のなかでは“激昂”と“冷徹”がないまぜになり、オレの神経がドウにかなりそうだ。

 

「お前ェも意外と冷たい人間だな。いや──考えてみれば、同じ修羅場をくぐった仲か」

 

 こちらが彼女の凌辱画面に眉ひとつ動かさないのを見たのか、ドレッドが舌を巻く気配。

 

「お愉しみが半分になっちまう。もっと悔しがらせて殺したかったのに」

 

 チキリ。

 

 スチェッキンの安全装置を動かす硬質な音。

 長身の男は数歩下がると、オレの方へ慎重に狙いをつけた。

 【SAI】のやつ、ナニやってんだ!まさか、また【ボニー】とケンカを……?

 

「そんな大型拳銃なんか使って。いくら雨とはいえ、銃声は聞こえるぞ」

「言ったろ?2,3発じゃダレも驚かん。そしておれは、もっと貴様に9mmをブチこみたい」

「じゃぁどうするんだ?」

「コウするのサ……おィ」

 

 ドレッドはカウンターの中に居る“おサル”に合図した。

 

「がってンでさァ!兄貴ィ、やっぱ用意しといてヨかったッスね」

 

 “おサル”は映像機材らしきスロットにUSBを差し込んでリモコンを操作する。

 ──とたん。

 ロバート・パーマーの『Simply Irresistible』が重低音の大音量で流れ始めた。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=UrGw_cOgwa8

 

 リズムに合わせ、詩愛の蹂躙は再開されていた。

 注射器のアップ──それも何回も。

 

 ──首。

   ──オッパイ。

      ──おマンコ。

 

 いくどもキラめく針が突き立てられ、悶絶する彼女。

 どうやら映像はプロの手によって絶妙に編集されているらしい。

 まるでノリのいい彼女の輪姦ミュージック・ビデオの感を呈している。

 

 白目をむき。アヘ顔でヨダレを垂らし。

 みずから進んで男たちのキタないチンポをしゃぶり舐め。

 緊縛され、括(クビ)り出される乳房(オッパイ)を揺らし、貪欲に腰を動かす詩愛。

 つぎつぎと選手交代するガキ共だが、挿入して間もなく果ててゆく。

 もはや彼女は人間ではなく、単なる『精液・バキューム人形』と化していた。

 

 曲にはさまれる、

 

 「シャキーン♪」

 

 のところで激しくぶっかけられ、法悦(よろこび)の顔をする彼女。

 

 そしてドレッドはといえば、身体をゆらし、リズムに乗って、あろうことか演奏の音が大きくなる箇所で単発モードにしたスチェッキンを天井──姿見──店内の什器──ありとあらゆる所に向け、景気よく何度もぶっぱなした。まるでそれ自体が、アイツ流の“射精”であるかのように。

 

「どうでェ!自慢の彼女が『ラブ・ドール』にされちまった気分はァ?」

 

 大音量と硝煙ただよう気配のなか、“おサル”がし(・)た(・)り(・)顔(・)で叫んだ。

 

「あンだけシャブ注射(うた)れりゃ、もう“シャブSex”ナシにゃァ生きられねェぜ、ザマぁみやがれ!」

 

 またドレッドの持つ自動拳銃が吠える。

 次々とコナゴナになってゆくウィスキー瓶。

 

 この曲は何分だったか。

 たしか5分も無かったように思う。

 つまり──オレの命は、それまでと言うコトだ。

 

「やれやれ、オレにもっと──【SAI】能があったらなァ!」

 

 大音量に負けじと、オレは怒鳴った。

 だが……インカムから反応はない。

 

「こんなところで人生を──【ボニー】に振ることも無かったろうに!なにやってやがんだ!」

「へへっ、お生憎サマ、だ」

 

 “おさる”がおれから距離をとっておどけ面をしてみせた。

 後ろにいた安ジャージ姿の小僧も、数歩下がる気配。

 曲の音量がさらにあがり、ドレッドの照準がまっすぐこちらを向いた。

 

「嬲(なぶ)り殺そうと思ったが──気が変わった」

 

 冷たい笑みを浮かべたドレッドの口元が、そう動いたように見えた。

 そして9mm口径が、まっすぐオレの頭を狙う。

 曲が終わりの方に近づいてゆく。

 

「アバよ……」

 

 酒場に据えられたBOSEのスピーカーが最後に叫んだ。

 

 『♪Simply Irresistible!!』

 

 




週一を目指していましたが、今回いろいろ
メンドくさい仕様にしたおかげで遅れました。
つくづく自分はエロのセンスが無いなぁ、と自覚。
正直“向いてない”んですね……。
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