※この作品はR-18です。

試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】   作:珍歩意地郎_四五四五

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第77話:『美月』/非情の性奉仕人形(ラブ・ドール)・手術(オペ)(1・微エロ注意

 * * *

 

 ──うっ……。

 

 薄暗い部屋の中で──『美月』は目を覚ました。

 

 なにか激しく、イヤな夢をみていたような気がするが……思い出せない。

 全身がドロをつめられたように重く、心臓はバクバクと。なにより頭が痛かった。

 失神するまえのことを懸命に振り返ろうとするが、どこか霧がかかったようにボンヤリする。

 

 エナメルのバニー・コートを着た性悪なふたり組……。

 その『しをん』と『まほと』から飲まされたクスリ……。

 革酔(かわよ)いしそうな新品の全頭マスクと、股間(おまた)への責め具……。

 悪夢のような、張り型(ディルドー)2本で苛まれながらの車椅子移動……。

 視界を奪われるなかで、ふいにアチコチから触られる恐怖……。

 ムリヤリ高められる発情と、そのなかで味わせられるアクメ……。

 

 しかし、今となっては、それらが遠い出来事のような、なんとなく現実感をともなわない経験のように思える。そう……まるで夢のような……。

 みょうに力の入らない目をこらしてあたりを見ると、そこは明かりの落ちた手術室であることが分かった。

 

 ステンレスのキャスターに載った薬品棚。

 バイタルが規則的に波形を描く心電図モニター。

 滴下する電子制御の点滴棒。酸素吸入器。麻酔用設備。

 

 そしてなによりも……。

 

 二つの無影灯の下に置かれた、濃い緑色をする手術用ケープにおおわれた手術台……。

 そこには不規則な盛り上がりがあって、いろいろなチューブがケープの下に消えていた。なにより、覆いの規則的なユックリとした上下動が、その下に生きもののカラダが隠されていることを物語っている。

 

 ──人の……カラダ?

 

 でも、それにしては丈が、ずいぶんと短かくみえるような。

 ある程度の厚みをもっているので、子供ということもないだろう。

 上下動は、まちがいなく人のものだ。大型犬などは、あんな呼吸をしない……。

 

 そして消毒液が濃く匂う薄暗い空気のなか、それら全てがムラサキ色の殺菌灯に照らされて、無機質な輪郭を薄暗がりの中、するどく不気味に浮かび上がらせている。

 『美月』は改めて自分の置かれた状況を見ようとした。しかし……。

 

 ──ナニ……なんなの……?

 

 身体は、何かにガッチリと固定されているようで、ピクリとも動かない。それどころか、自分の身体さえ、まったく見ることができなかった。眼球、いや視界すらも広角気味に固定されたまま、フリーにならない。

 

(──あぉぉォォ……)

 

 声を出そうにも、くちびるが動かなかった。

 いや、声を出すため動かそうとすると、その気がなくなってしまう。

 だが心は妙に穏(おだ)やかで、この状態をまるで他人事のように考えている自分がいる。

 

 パッ!

 

 いきなり!手術室の壁面にある大型モニターの灯がついた。

 映し出された画像は、この手術室が“生きて”いる状態で、各医療機器の表示LEDは今よりもReady状態となっており、手術台上の無影灯も点灯して、居ならぶ執刀スタッフは何ごとか待ちつつスタンバイしているといった風。

 

 バン!

 

 と──両開きとなった手術室の扉がひらくや、数人が車椅子を囲んで入ってきた。

 

 一人はミラー・サングラスをかけた“サード”だ。

 相変わらずの下品なニヤつき。入ってくるなり手術着のスタッフたちにうなずいて。

 車椅子を押すのは、見なれない強そうな黒服。たぶん“ウラ”のスタッフだろう。ひょっとしてキャストの監視役かもしれない。そのわきには、深紅(しんく)なイヴニング・ドレスを着たプラチナ・ブロンドの、一見して“性奉仕役”風(Sex-Toyコンパニオン)な、エロい感じを漂わせるオンナがつきそっている。

 

 ──だいぶ、手術(いぢ)られたみたいね……。

 

 『美月』も、いまは初心(ねんね)ではないから、その女を看てイッパツで分かった。

 “表(オモテ)”のエリア所属とはいえ、あの“紅いウサギ”で、いろいろな性奴(モノ)を見てきたのだ。

 

 もとは理知的だったような顔。

 いまは、どこかトロンとした眼差し。

 おしゃぶり用に成形された肉厚なくちびる。

 

 おまたの部分がスケスケの、自分さえ着ない、見るからにイヤらしいドレスをまとい、ショートヘアーに載せられた大きな額飾り(ティアラ)の中央に填まるルビーを、手術室の明かりにキラめかせている。

 

 それに対して──。

 

 車椅子に載せられた人物は、脚と腕。それに首をイスのアームで固定されていた。着ているのは“ウラ”の仕様である高級な素材をつかったシルクのバニー・コート。ボディの凹凸も、脚のメリハリも、申し分なしのスタイル(体型)。

 

 ──あ……。

 

 『美月』は車椅子に拘束される女のお股(また)に目をそそぐ。

 ヒザもベルトで両脇に固定されているため、U字型の広い座面を持つイスの上で太モモは大きく広げられていた。その奥では、挿入されたディルドーがヴァギナに押し出されぎみとなりながら、性具の丸い尾部を、バニーコートのクロッチへ丸くクッキリと浮き出している。

 

 そして、アタマは──。

 

 黒革製の、後頭部が編み上げとなった全頭マスクでギッチリと覆われている有様。おまけに目を──口もとを──アゴを。備えつけの革ベルトで、あるいはボール状の猿ぐつわで、無慈悲にも限界までキツく締めあげられたような格好である。

 

 ──アタシのときも、ああなってたのかしら……。

 

「おぃ、ソイツのマスクを外してやんな」

 

 “サード”が、車椅子を押してきた男に命令する。

 その黒服のゴツい手でも、ほどくのに苦労するその全頭マスクだった。

 取り去ってみると、ほつれた髪を汗まみれした、20台前半の美貌があらわれる。

 咥(くわ)えさせられていたボール型猿ぐつわのうしろは胃まで届くかと思われるほどの長いチンポ状となっており、最後に黒服の手で、それをヌヌヌ……ヌゥゥゥゥ……ッッ、と抜き出されるとき、亀頭まで吐き出し終えたこの女は、はげしくむせかえった。

 

 ひとしきり咳き込んだあと、このバニー・ガールはキッ!目つきをケワしくして、

 

「ヒャイひゅんのは(ナニすんのサ)!ヒホぉひぃなり(ヒトぉイキナリ)拉致(はひ)って!アネージャーに言(ひ)いふへへひゃる!」

 

 よほど長い間猿ぐつわを噛まされていたとみえて、舌がまわっていない。声も、ノド奥までシリコン・チンポに犯されていたので、若干カスれ気味だった。

 

「──ナニをするってェぇぇ?」

 

 下品なグラサンの三番マネージャーは、そんな彼女の剣幕にも余裕めかした笑みで、おどけた身ぶりをしたあと、

 

「ナ(・)ニ(・)を(・)す(・)る(・)のよ。お前(め)ェを上物の性奴人形(ドール)に改造してやるってワケ」

 

 一瞬、この美貌の裏バニー・ガールは絶句するが、すぐに眦(まなじり)を険(けわ)しくして、

 

「はぁ!?ひょんなホホ(コト)しはら、店主がラマ(ダマ)っちゃひないおッ!」

「あの留守ギミな『小男(チビ)』にァ、ナイショにするさァ。心配ェすンな。お前(め)ェは無断欠勤で“飛ンだ”コトになってッから。お前(め)ェのロッカーん中のモンも、すでにキレイにカタしてあるョ」

「ほんは……ひょっほ待(あ)っへよ!」

 

 事ココにいたって、ようやく本格的にヤバめな状況を悟った、この美貌系バニーは呆然としながら顔色を変えた。

 

「フぁけんひゃあいあよ!ひょんなほほって……ヒヤっ!」

 

 言葉が言い終わるのを待たず、黒服が彼女を車椅子の拘束から解くと、手術台の上にお姫サマだっこで軽々と載せる。どうやらあらかじめクスリを打たれているらしく、四肢はダランとして、まるでチカラが入っていない。

 周りのスタッフも手伝って、あっという間にバニー・ガールの衣装(コス)は脱がされ、一糸まとわぬ全裸に剥(む)かれてしまった。一本の毛もないツルン、とした恥丘が“紅いウサギ”で経営するエステ・サロンの確かな仕事ぶりを語っている。

 

「ひゃめ……ヒャめろッへンあろ!……アハイ(アタい)をおうひようっへンあよ(ドウしようってンだよ)!?」

「おい『ヘッケル』?『ジャッケル』よぅ」

 

 ──はぁ?『ヘッケル』、『ジャッケル』ですって……!

 

 このヘンタイ双子医師に、大林製薬の『アホニナール・点滴静注液』をODで入れられ、危うくニンフォマニア(色情狂)にされかけたのを思い出した『美月』は、胸の中で(──チッ!)と苦々しく舌打ち。※1

 いまでも自分が多少、チンポに色目をつかう『あばずれ女』気味になったのは、あのクスリの後遺症が影響してると彼女はニラんでいた。

 

 『美月』のムカつきをよそに、目で促(うなが)されたメインの執刀医らしき男ふたりは、術衣帽子とマスクの奥からギョロつかせる目をさらに大きくして、手術台わきの大型モニター(いま『美月』が見ているモニター)に、施術部分のモデル図を浮かべた。

 

「まず股間の部分ですが──」

 

 いきなり元・バニーの股間が大写しに。

 

「既存の女性器を──」

「腟(ちつ)から子宮頸部(けいぶ)まで除去」

「かわりに今回は被験者が女性ですので──」

「メス型の『神経自己接合型・感覚憑依タイプ交接体』を──」

「完全同化手術で性器をえぐり取り、入れ替わりに移植します」

 

 そういって、この執刀医の片方は、そばにあった保冷ボックスから、ゴム手袋をはめた手で肌色のナマコめいた円錐形状の生々しいモノをとりだした。φのふとい側は、タテにスジ目が一本入り、ちょっと見にはオナホールのよう。だが、その胴体には触手めいたものがいくつも生え、温度が上がったことを敏感に感知したのか、早くもウネウネと妖しく蠢(うごめ)きはじめている……。

 

「これをえぐり取った部分に接合してやりますと──」

「自分で傷口を補修・宿主の細胞に自己変容して同化」

「つづいて寄生先の神経に自分が持つ感覚器を接続して──」

「軸索伝いに脊髄をさかのぼり寄生主の脳まで侵食し──」

「受容細胞も入れ替わって──」

「完全に宿主と感覚融合します」

 

 モニター画面では、その異様な軟体生物めくものが、おマンコのかわりに居座った。

 ウネウネと蠕動し、たてスジの中からいくつもの触手がチラチラと。

 

「栄養素は人間の体液……はやく言えば──」

「男性のカウパー腺液(ガマン汁)やスペルマ(精液)──」

「女性のバルトリン腺液や腟分泌液(ラブジュース)──」

「あるいは(効率が悪いですが)尿でもかまいません」

 

 まるで卓球のラリーを思わせる言葉の応酬。

 新参者一行が完全に追いついていないのをヨソに、双子医者の説明はつづく。

 

「この交接器を持つ“憑依体(ひよういたい)”を移植された女性は──」

「男性の精液、あるいは女性の愛液を定期的に摂取する必要が生じ──」

「あまり長期間にわたって他人との性的交渉がなされないと──」

「憑依体が脳を刺激して、性的な興奮を強制的にうながし、結果“離脱症状”──」

「むかしの用語で言うところの“禁断症状”を発症します」

「ただし、憑依体自体は敏感で、なおかつ極上の“名器”でもあり──」

「男性、ないし女性のパートナーに不足するコトはないでしょう」

 

 モニターの中では、移植された“色情狂的なガン細胞”が触手を一つ、またひとつと各神経細胞に接続させてゆき、それを背骨の中の神経をさかのぼって脳下垂体にまでのばすCGが映し出される。乗っ取られた脳はピンク色に染まってゆき、大きなハートがオーバーラップ。

 

 手術台の元・バニーは、身に降りかかった斜め上の現実と、あまりに専門的な言葉のためか、己のことが文字通り俎上(まな板)に上げられているのにも関わらず目を白黒させポカンとしている。

 “サード”は、そんな女を見下ろしつつ、下卑(げび)たニヤつきをいっそう深めながら、

 

「つまりはお前(め)ェのマンコをエグって、かわりに『ヘッケル』が持つソレを、空いたトコにくッつけるってワケ。最終的にお前ェは、脳ミソまでチンポ狂いな本能に染め変えられて、シマリのいい極上おマンコを持つ“ヤリまんの色キチガイ”……つまりニンフォマニアになっ了(ちま)う、って寸法だゼェェェ!」

 

 さすがにココまでズバリ、言われると誰にでも分かる。

 元・バニーは顔を蒼白くして、くちびるをわなわなとふるえさせた。

 

「さ、とりあえず第一弾は、ココまで……先生がた、お願いしマスよ?」

「フザケないでよ!」

 

 元・バニーは、どうやら滑舌のもどったらしい口で叫んだ。

 

「こんなコト──“紅いウサギ”で許されると思ってるの!?」

 

 あァそうそう、と“サード”はワザとらしい演技で、

 

「この手術(オペ)……神経が麻痺した状態では寄生体がくっつかないんですワ」

「……なに?……ナニを言ってるの?」

「だから……おマンコをえぐり奪(と)るのは、麻酔なし」

 

 こんどこそ“被術者(クランケ)”である元・バニーの顔は真っ青になる。

 

「んで、そのまえに、ちょっと全員でお前ェを輪姦(まわ)して、接合するおマンコ周辺(まわり)の交感神経を昂(タカ)ぶらせなきゃなんねンだ。もちろん子宮にもタップリ精液ブチ込んで、寄生体に癒着する場所ォ教えてやんねェと……」

 

 ボロン。

 ~ボロン。

 ~~ボロン。

 ~~~~ボロン。

 (ゴソゴソ)~ボロン。

 

 グリーンの手術着を着た、オペ室には場違いとみえる“ガタイの良いスタッフ”が一斉にチンコを出した。

 ただし、一団のなかで執刀に関わると見えるスタッフと双子の医師は、そんな光景に辟易(ウンザリ)と背を向けて。

 

「ナンでぇ。お前ェ等(ら)は姦(や)ンねェってか」

「執刀対象は──」

「あくまで美術品です」

「自分の体液で──」

「穢す気になりません」

 

 テッ、勝手にしやがれ、と三番マネージャーは面白くなさそうに。

 さすがにコレから起こる状況を悟り、元・バニーは恐怖に顔をゆがめた。

 

「ヤッ!ちょっと!!ダレか──ダレか助けてェェェェェっっつ!!!!!!」

 

 彼女は泣き叫ぶが、四肢は何かの処置がされているのか、ピクリとも動かせない。

 脚を拘束した手術台が、ゆっくりとハの字に開いてゆき、その空間に列をつくるスタッフたち。

 

「いやァァァァ──ぁぁぁっ!」

 

 すると“サード”がウンザリ顔をして、一団の傍らですまし返って控えていた紅いドレスの女に、

 

「おい、ミッチー。いや『魔ほと』。お前ェの出番だ──濡(ぬ)らしてやんな」

「──はい……閣下」

 

 ここで、イヴニング・ドレスを着た改造済み奉仕女が、裳裾(もすそ)をさばき手術台に歩み寄る。

 そしてプラチナ・ブロンドの頭を元・バニーの股間に寄せると、丸めた舌先で器用にクリトリスの皮を剥くのが見えた。

 

「ンはぁッ!ぅ…………ッ!」

 

 手術台の上で元・バニーが唐突にヨガり声をあげる。

 ドレス女の頭が細かく前後するのは、おそらく舌を最大限にのばして、元・バニーの膣壁を刺激しているのだろう。

 

「イヤっ!いやいやいやぁッ……あふぅ!……ん」

 

 ここでふと、ミッチーとよばれたプラチナ・ブロンドの女は、ツと顔をあげるや愛液にまみれた自分の顔をドレスの胸もとに挿したスカーフで祓ってから、元・バニーの涙ぐんだ面(おもて)に自分の顔を寄せ、

 

「可哀想なコ……貴女(アナタ)も、従順なメス人形になるのね……」

「──いやぁぁぁッ!」

 

 

 暗転する大型モニター……。 

 

 

 ……。

 

 

 …………。

 

 

 ………………。

 

 

 ……………………。

 

 

 ──アタシは……なにを見せられているんだろう。

 

 うす暗い手術室のなか、『美月』は手術台で息づく物体を眺めながら考えた。

 状況から言って、あの手術台に横たわるのは、モニターに映っていた元・裏バニーなんだろうと察しがつく。たぶんクスリの効果や傷口の処置が落ちつくまで、しばらくアソコで放置されているに違いない。

 そこでふと、彼女はゾッとした。

 

 ──なら、あの丈の短さは……?

 

 頭は分かる。谷をへだてて、二つの小山。そして胴体。

 しかし、そこからしばらくいって、ストンとケープが真っ平らになっているのだ。

 どうみても両脚が半分足りない。それどころじゃない。気のせいか、両腕までもが……。

 

 

 やがて、ふたたび点灯するモニター画面。

 

 つぎに映ったのは、彼女がひとり、おなじ手術台のうえに拘束されている姿だった。画面の右上に『DAY7』とあるので1週間がすぎた頃合いなのだろう。視点は、やや天井寄りにシフトし、大の字に拘束された元・バニーの姿がよくわかる。手枷・足枷に繋がれているミジメな姿とはいえ、『美月』は彼女の手脚がちゃんとそろっていることに、まずはホッ、とする。

 

 ──でも……なんてカッコなの?

 

 なんと今回は。

 全裸にオムツ姿の彼女。

 手脚の感覚は、もどされたらしい。

 革ベルトで手術台に拘束された肢体(カラダ)をモジモジと、切なげに。

 様々な点滴がシャントで全身に輸液され、身体を動かすたびカテーテルが揺れる……。

 

 と……またも手術室の扉がひらかれ、映画『レオン』で玉のれんを両手でひろげるゲイリー・オールドマンの仕草をまね“サード”が手術着の一行を引きつれて入ってきた。

 

「どうでェ……おマンコできなくて、寂しかったんじゃねぇのか」

「だっ、ダレがそんなこと!」

「ンん~~~~?匂うぞ……匂うぞぉぉ~~」

 

 そう言ってミラーグラスは、オムツを装着した彼女の股間をクンクン……。

 次いで「ご開帳ぉぉ~~~♪」と言いながら、オムツのマジック・テープをベリベリ。

 

「支払いなら任せろーーー!!」

「やめてーーー!!」

 

 ベシャリ!

 すでに汁まみれになっていたのか、重い音を立ててオムツが手術室の床に棄てられる。

 ごくわずかに、股間からホンワリ立ちのぼる湯気。

 おもらしか、あるいは愛液(ラブジュース)か……。

 

 そこに現れたのは……。

 

 すでに傷口が完全にふさがり、大陰唇の奥にプルン♪と(i)の字をみせるおマンコ。

 ラビア(小陰唇)のないことが、デキのわるい手抜き製品なラブ・ドールめいて見える。

 そして、その挿入口は、まるで肉棒を求めるかのようにヨダレを垂らし──ヒクヒクと。

 すでに脳をのっとられ、オナニー好きの淫乱女に、洗脳されてしまったんだろうか……。

 

「そろそろ、次のステップに進んでやろうと思ってな」

「もうイイでしょ……アタイを返して!」

 

 ──このオンナ……。

 

 そーとーなヤンキー姉さんらしい、と『美月』は舌を巻く。

 麻酔なしの手術にも心が折れることなく、まだ反抗心が残っているとは。

 目には険(けん)を宿し、底光りのする瞳で攻撃的な視線を“サード”に注いで。

 手術が済んだらナ、とグラサン男はニベもなく双子の医者にアゴをしゃくり指示をだした。

 

 大型モニターが、またも彼女の模式図を浮かべる。

 

 こんどは彼女の顔を精密に合成した、やや手の込んだCGだった。

 『ヘッケル』だか『ジャッケル』だか──目だけが出る手術着のうえに、声まで似てるので分からないどちらかが、カーソルでモニターの部位を示しつつ、

 

「性奉仕用・交接器も無事に正常定着し──」

「宿主に対して人格憑依活動をはじめたので──」

「奴隷人形化・および改変施術は──」

「遅滞なく第2ステージへと移ります」

 

 モニターが映す人体の視点が、ゆるやかに下半身へとパン(首ふり)する。

 “オムツかぶれ”と床ずれが合わさったらしく、尻がスレて赤くなっていた。

 緑色の手術マットに、黒ずんだシミが下半身を中心としてゆるやかに広がっている。

 

「まず臀部(でんぶ)、ウェスト、および乳房の改変施術ですが……」

 

 1週間ぶりに、執刀医達の冷酷な術前説明(オリエンテーション)は開始された。

 

「臀部は専用のホルモン剤────」

「および骨盤拡張手術で“豊尻”化させます」

 

 むりむりむり……ぶりゅンっ!

 

 モニター上の全身像では、尻が極端に肥大化。

 レントゲン画像がワイプで入り、骨盤が浸透性セラミック部品を当てられて大型化する。骨と接合した部分の融合時間は、約一週間と表示が浮かび上がった。ついでレントゲン画面は上に移って胸部を映した。

 

「同時にウェストは“肋骨・肋軟骨の切除形成で────」

「ハチの胴体よろしく狭窄(せば)め、肥大化させた臀部(シリ)を印象づけます」

 

 肋骨の下のほう、第11,12番目が赤く点滅し、消去される。

 

「……ウエストは、だいたい何センチになるんだィ?」

 

 無精ヒゲをなでながら“サード”が、ちょっとばかり興味ありげに。

 

「狭窄施術の目標は──」

「おおよそ40cmをめざします」

「それじゃ昔の貴婦人よろしく、コトあるごとに失神だナァ」

 

 しゅるるるぅぅ……ギュっ!

 

 彼女の胴は19世紀のドレスを着ることが出来るほどに、驚くばかりクビれてしまう。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「さらに同じく、胸部専用のホルモン剤で────」

「巨乳化、乳首の肥大化、および乳輪の脱色を同時進行で施術」

 

 んぐぐぐぅぅっっ……バルんッ!

 

 二つの胸は倍ほど大きくなって。

 ピンク色の乳首(ニップル)がその頂を飾り、まるで牛乳プリンのよう。

 

「頸部(けいぶ)は、ひとまず飛ばしまして──」

「さきに頭部の説明をします」

 

 その言葉に、バニーの顔が大写し。

 

「頭髪は毛根に至るまで除去し────」

「かわりにウィッグ用のネオジム・ユニット(留め具)を贅沢に6点埋設」

 

 バニーの頭が、あっという間にスキンヘッドとなった。

 そこにサイコロの⚄のカタチで留め具があらわれる。

 いやぁッ!という元・バニー嬢の悲痛なさけび。

 

「ハゲになるなんて、イヤよ!」

「ウルサいですね。つづいてフェイス部分ですが──」

「まず細胞増殖剤を用いて口淫奉仕用に口唇(くちびる)の肥大化を行います」

 

 んむむむむ……むりゅん!

 

 モニター上のバニーの口は、タラコくちびるを通りこし、完全にドーナツ状に。

 完全にチンポをしゃぶるための、アタマがワルそうなフェラチオ女顔になってしまう。

 

「こんな……こんな姿になるなんて……」

 

 自分の非情な未来予想図に、とうとう心が折れて目を潤ませてしまう元バニー。

 

「イヤよ、こんなバカ女の顔にされるなんて……オネガイ……助けて」

 

 ふたりの医師たちは、そんな彼女におかまいなく

 

「さて、その一番大事な──」

「フェイス部の改変ですが──」

 

 と、容赦なく非情な肢体改変計画の先を、感情のこもらぬ姿勢でズンズン説明しつづけた。

 

「顔面の皮膚下層に、入れ墨の要領で──」

「本人の細胞遺伝子を改変した色素胞を──」

「要所・要所にわたって均一に」

「ムラのないよう注入します──」

 

 なんだィ、そのゥ“色素胞”ってェのは。

 見学している『美月』も?マークを浮かべたところを“サード”がナイス質問。

 

「“色素胞”というのは本人の細胞を遺伝子改変し──」

「当該細胞に、発色機能をもたせたしたものです」

 

 細胞に色なんかつけてドウすンだよ、とグラサン男の不満げな声。

 しかし、医師たちは動じることなく、

 

「これを顔面皮膚下にムラなく埋設すれば──」

「ありとあらゆる化粧を、リモートで瞬時に行えるようにします」

「てっとり早く言えば──」

「イカなどが色を変える原理と同じですね」

 

 ひゅっ!

 

 モニター上で、バニーの美貌は瞬時にケバい化粧をされたかと思うと、すぐに黒人になり、あるいは未開民族の入れ墨模様が入るなど、めまぐるしく入れ変わった。ドーナツくちびるの色も、ドぎつい赤や漆黒、あるいは虹色のグラデーションを耀(かがや)かせて。

 

「この施術は刺青(いれずみ)と同じく非常な痛みを伴いますが──」

「化粧が不要になり、肌へのダメージも少なくなります」

「ふぅん──マ、どうでもイイや」

 

 と“サード”の気の無さそうな声。

 

「オレぁ“おマンコ人形”として巧(ウマ)く機能してくれりゃ、問題ねぇ」

「なんともまぁ──」

「張り合いのない話で」

「ウルセェ。さ──それぢゃ、ヤっちまってくれ、」

「あぁ……オネガイ、ヤメてよぅ……」

 

 麻酔吸入器のマスクが、いやがる元・バニーの口もとにあてられ、ほどなく彼女は静かになる。

 

 悪魔の料理人たちは麻酔医の合図を確認。

 そして一つ、うなづくと、まな板の上の美しい肢体(カラダ)にかがみこんだ……。

 

【挿絵表示】

 

 




※1:第21話/夜の訪問者を参照。
  OD/オーバードーズ→クスリの過剰服用・投与の事。


はぁ……コイツら、また何か脱線はじめました。
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