試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】 作:珍歩意地郎_四五四五
灼熱した金属が冷えるように。
額の宝石が赤みを消し、しだいに黒くなってゆく……。
ステージのほうから上級『フェティマ』が二体。台車付きの木馬を押しながら、スカートのすそをなびかせやってきた。よく見れば、またがる位置には凶悪なイボ付き
『フェティマ』たちは左右から木馬の上に『モルギアナ』を抱え上げ、おマンコと肛門の位置を合わせるとズブズブ……ズブゥゥゥッ!そのまま“奉仕人形”を鞍の上にのせ、ベルトで拘束したものである。条件反射か、ビクビクっ!カラダをゆする『モルギアナ』。人形たちはドリフの舞台回しのときにかかる演奏をバックに、いそいで花道をもどってゆき、ステージ袖に消えた。
「はぁい。ちょォ~~っと、サービスが過ぎたようですねェ!」
代わってそこから現れた先のMCは、満面の笑みを張りつかせ、
「じつはアノ個体、あえて未調整の部分を残してありマス。いかがですかァ?皆サン!落札したあかつきには、ご自分で施術や調教をくわえ、お好みのメス人形に仕立てあげるもよし、手脚を生体分割して調度品にするもよし、なかなかオツなモノですよ?」
すると、ステージ上の隅にある電光掲示板が¥100,000,000.-と点滅した。
すぐに数字は3千万、5千万と上積みで、またたくまに競り上がってゆく……。
「おっとっとォッ!!さすがは来賓の皆サマ、お手が速い!しかし極上の逸品を前に、はやるお気持ちは重々承知でございますが、入札は正式にオークションが始まるまで、どうかお待ち下さい……ッ!」
イヤな汗を全身にかいたまま、オレはそのアナウンスをどこか遠くに聞いていた。
あの詩愛が、奉仕用ドールに生体改造され……しかもオークションで売られてゆく。
初手の金額からして、とてもオレの手の届く額ではない。落札額はいくらになるのか。
──なんとしても……阻止せねば!
だが。そう思う反面(……それからどうするのだ?)という考えも浮かぶ。
愛玩人形に生体改造された今、まさか彼女を親元にもどすわけにもいくまい。
──いや。そもそも……。
彼女を、もとの人間に戻せるのだろうか。
再手術代や薬の費用。そうとう金が入りそうな気がする。
もしドールのままとなった場合、ボディの維持は、どうやるのだろう?
特殊な栄養剤はもちろん、体をメンテするために、ある程度の設備すら必要な気がする。
──ひょっとして、詩愛をオークションの出品から守ったあとは、
この店で飼い殺しにされるのが……彼女にとって……一番の幸せなのか?
ふと気がつけば。
オレを照らしていたスポットライトは消えていた。
肩をつつかれてふり返れば、着替えを捧げ持つ『フェティマ』がふたり。
いまだ呆然とするオレのカラダを器用にあつかい、『モルギアナ』の愛液で濡れそぼったド派手な芸人夜会服を慣れた手つきで脱がせ、代わりにふつうの黒いシックなテール・コートに着替えさせる。
オレは胸ポケットに入れていたSAIとのコネクターを新しい服に移しながら、さりげなくウデをまわし、身をねじって。
──お……さすが紅いウサギ。
仕立ても上物、サイズも着心地もドンピシャだ。
一礼して去ってゆく2体をいまだショックの去りやらぬ眼でボンヤリ見送ってると、
「──いいカゲンすわったら?」
「──もう出番はお仕舞いよ?」
まくりあげたドレスのスソからのびる、4本の美脚。
ガーターベルトで吊られたストッキングの脚をテーブルにのせ、だらしなく『ユリ』と『ケイ』がフルート・グラスをゆらしていた。薄暗がりに、すんなりと延びたメリハリのいい脚が白く映え、それが現実感をよぶ。
「──これでも呑んでサ」
「──ねぇン、ほらぁ♪」
両脇から手を引っ張られ、オレはむりやりソファーに座らされるとシャンパンを満たしたグラスを押しつけられた。
「キミらは……分かっていたのか?」
「──分かっていたって?」
「──いったいナニをサ?」
「オレと……あの“奉仕人形”が、知り合いだったことを」
『詩愛』という名前を、この2体の『フェティマ』の前で出すのが、なんとなくためらわれた。大事なモノを、むざむざ汚されるような気がして、しかたない。
すると、このイケイケ『フェティマ』たちはイタズラっぽい顔を一瞬見合わせ、
「あぁ、当然サ?あのジイさんの娘であることは、もちろん」
「アナタの同居人で、元カノだったコトも、みんな承知よ♪」
やはり。まわりの席からの好奇な視線は、気のせいじゃなかった。
ひとつ聞きたい、とオレは目をスゴませ、
「今夜のこの下品な茶番劇を書いたのは──ダレだ?
「部外者にショーの内幕は──」
「おしえられませんねぇ~──」
そのとき『ユリ』のイヤリングが
『ユリ』は
「はぃ──えぇ──かしこまりました……だってサ?『ケイ』」
「やれやれ。ねぇ?アンタって、いったいどういうヒトなの?」
なにか2体の間には特殊な情報リンクでもあるのか、『ケイ』のほうも驚いたように。
2体は手にしていたフルート・グラスを大理石のテーブルに置くと、オレの方に身を乗り出し、しげしげと見つめてきた。
不思議な匂いの香水が相手の胸もとから薫る。
足もとで満足げにノドを鳴らしていたメスケモも、爛々たる瞳でこちらを見上げて。
「どういう……ッて。ただの陰キャな兄さんサ」
『フェティマ』たちは顔を見合わせ、フゥ、とため息をついて肩をすくめると、
「さ、陰キャなオッサンは
「これから別の場所に行ってもらうわ」
オレは景気づけに飲みかけのサロンを煽ると、上級奉仕人形たちに促されて立ち上がり、ホールを出ようとする。
と──その足が止まった。
遠くの扉から、新たに『フェティマ』2体を伴い入ってきた長身の男。
それが……どこか、銭高警部補に似ているようでオレは眼を細める。しかし、
「ホラ、兄サンはやくしなよ」
「ワタシたちが怒られちゃう」
背中を小突かれ、むりやり外に押し出された……。
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「あんまひ……あんまひでゃ、あひまへんか!……んはぁぅぅぅ……ッ!」
オマンコと、アヌス。
二本刺しにされた木馬の上から、ぬぷぬぷ……っ!控え室でホイストを使って下ろされた『モルギアナ』は、そばに用意された分娩台の上に、M字開脚の姿でバチン・バチン!金属枷で固定された。と──すかさず鼻輪を付けられたメスケモの『お舐めイヌ』が、引き縄で彼女の股間にみちびかれ、淫液にまみれ、物欲しげに濡れそぼった人形の女陰をペチャペチャと舐め清める。
『モルギアナ』が強制的なアクメに身悶えするたび。
ミジメにも鼻の穴に通されたクロームの鼻輪がキラキラと輝いて。
「ホントに……タイヘンな失態だねェ!せっかくの
淫らな踊り子コスチュームの上からシルクのガウンを羽織った『サロメ』が、それまでとは打って変わったハスっ葉なアネゴの口調で、みじめな姿のまま分娩台に拘束された『モルギアナ』を冷たく見下ろした。
「やっぱり最初から『人形モード』で
「
「ナニを今さら!とんだ大ポカじゃないか。あんなトコで!ブザマに取り乱すなんてサ」
「らっへ……」
長舌化に施術されたため、回らない舌を懸命に操りながら、
「あらひは、へっひり、
「マジックミラーの仕掛けに、ビックリしちまったってワケかい?」
『サロメ』は妹分である『モルギアナ』の神経を、わざと逆なでするように、
「ご臨席のお客サマに、オマエのハレンチな踊りはもちろん、おマンコや淫具が
「あぁ……ろうか、おっひゃらはいへ……はう"かひィ……」
「“詩愛”って声が掛かったの、分からなかったかい?」
「ひぃあ……
ふふっ♪
それを聞いた『サロメ』は、さも愛おしそうに、妹分の『モルギアナ』に穿たれる額の宝石にキス。そして彼女の長い舌を呑み込むと、ングングノド奥でしごいて愛撫する。
いまだ嘔吐反応が微妙にのこる、この新参・奉仕ドールにくらべ、『サロメ』の方はディープ・スロートなどお手のものだった。
ぷはぁ……淫口を離したとき、2体のあいだで|煌めく糸をひいて。
「そして“元カレ”との運命的な出会い♪──どうだった?久々にお会いして」
性感帯に改造された長舌を吸われ、しばし
「まだシャバっ気が──ヌケてないようだねェ」
「……」
『モルギアナ』の眼からこぼれる、ひとすじの涙。
奴隷人形の手術など受けてしまったことを、このときほど後悔したことは無い、元は『 詩 愛 』とよばれた女性型・奉仕ドールである。
分娩台の前には大きな姿見がおかれ、股間を舐め上げられ、クロームの大きな鼻輪をキラめかせる自分の姿が映っていた。
──恥ずかしい……情けない……哀しい……そして、なんてミジメな……。
だが、そのはしから、人形となった彼女は
「まだまだオマエには、もっと恥ずかしい目に遭ってもらわなきゃ……『モルギアナ/B』」
「──B、え"ふっへ?」
「えぇ、そうよ?貴女は『B』。アタぃの愛玩品の“二代目”だもの」
「ほんは……はぁぅぅ……ッ!」
「アハハハ!またイッたのかい?まったくシマりのないマンコだねぇ!」
またもや涙目で、新参の奉仕人形はうつむいた。
乱暴者たちに輪姦され、よごされ、蹂躙された自分の身体。
それならば、あの半グレどもが知らない、まったく新たな
しかし──いざ苦しい手術や調教を、幾度も幾度もくりかえして淫らな奉仕用ドールに改造されてみれば、姉貴分の『サロメ』はそれまでの態度を一変させ、『モルギアナ』となった彼女を“お舐めイヌ”よりはすこしマシな“レズのネコ役”“新しい淫具の実験台”はては“自分の性のはけ口な抱き枕”としてしか見なさないようになっていた。
トラの身体に少女の頭を移植したようなメスケモは、大股開きに固定されたそんな彼女の股間を、さも美味しそうに舐め続けて……。
「いっそ、あのオトコをココに呼んで、オマエの調教映像、みせつけてやろうか?」
元・詩愛の脳裏に、自分が受けた過酷な調教の情景が浮かび上がった。
おぞけをふるう恐ろしさ……だがどういうワケだろうか。いまは当時のことを思いだすと、全身を甘いさざ波が走り抜け、チクビはムズムズとうずき、口腔はモノ欲しげにあ~ん、と開かれ、長舌化された舌はディルドーを求めるようにうねり。そして股間は、はしたなくも蜜を垂らしてしまうというありさま……。
──あぁ……わたしは本当に、ミダらな“お人形”にされてしまったのね……。
「それとも、あの革の矯正用・全身ブタスーツに、またオマエをギッチリ包みこんで、元カレに披露するかィ……そうだ!」
『サロメ』は顔を輝かせ、乳首の鳴りモノをシャラン!
涼やかに音を立てさせるほどの勢いで手を打つと、
「どうせなら!いま調教中の
元・詩愛は、洗脳用の苦しい黒ブタスーツに包まれた時のコトを思いだす……。
…。
……。
………。
…………。
……………。
…………………。
ウデと脚を折り曲げられ、ヒジとヒザで四つんばいの姿にされた後は、ガボッ!上から全身を包み込むように黒い革のスーツでおおわれ、内側に入れられた。その冷たさにおののく間もなく、編み上げをひとつ、またひとつ。手あらく左右に揺すられながら、ギュッ!ギュッ!丁寧に引き絞られてゆく……。
ウィッグを取られた坊主アタマには、目と鼻の孔、そして口をのこし、耳の穴にイヤホンが接着されたあとは全体を包む「全頭マスク」でおおわれる。それはブタの耳がつけられ、やはり後頭部の編み上げでキツく締め上げられる仕組みだった。また鼻の部分に備わったフックが鼻を強制的に上へと吊り上げ、まるでホンモノのブタのように顔を醜くゆがめてしまう……。
(あんっ♪あんっ……あんっ♪)
最後にブタのシッポがクルンと生えた肛門用の太いプラグを呑み込まされ、ジジジ……と強力なジッパーを締められた時。
『モルギアナ』にされつつある詩愛は、自分がブタの鋳型に“封印”されたことを知り、心から
──これが……ワタシ……?
差し出されたモニターのまえでは、一匹の異様な黒ブタがうごめいていた。
ブタ鼻をさらす全頭マスクの奥から“封印されたメス”が哀しげに
横にあるモニターは、カメラが彼女の回りを動いてるのか、淫具を呑み込んだ股間や、早くも責め具が微振動をはじめた、残酷に根元からクビりだされる巨乳まわりを映して。
『──牝ブタ
そのとき、いきなり全頭マスクの中で声が響いた。
オゴォ!(あぎぃ!)──目のおくで火花が散る。
肛門と性器に差し込まれた責め具が、活動を開始。
女の敏感な核芽にあたる金具が、容赦なく電極を。
『舌でヤサしく
必死に舌を動かす詩愛。
そのうち目の開口部すらゴーグルで塞がれる。
首。乳房まわり。腰のくびれ。それに股間といった身体の要所。
これらもギュッ!ギュッ!もう一段、さらにしんなりとキツく締め上げられて。
完全な暗闇のなかでの性技レクチャー。
鼻を通り脳の奥まで犯されるような、猛烈な革のにおい。
昼も夜も無く、女性の声で繰りかえされる、性技指導と洗脳用とみえる言葉。
のど奥にディルドーがさらに入り込み、えづきそうになると自動的に流し込まれる麻酔。
(アナタは奉仕用ドール……インランな手術を全身にほどこされ、単なる“モノ”なった哀れなSEX人形……)
(おクチやおマンコ、おシリのアナを犯されたくて仕方ない、情けない、けれどお客さまに愛されるカワイイ存在……)
(クリトリスや勃起チクビを責められるのが大好きな……そして殿方のおチンポや、淑女のおマンコをナメるのが大好きな……見さげ果てた……マゾ奴隷……)
(恥知らずでどうしようもない、知能を消された単なる“ご奉仕用のメス人形”になったのよ?……それがアナタ)
(『モルギアナ』というペットネームをつけられ、SEX用の備品として生まれ変わったの……もう後戻りはできない……)
暗闇の中、ビジネススーツを着た自分の姿がゴーグルの裏に浮かび上がるのが見えた。
と──それは次第に溶けてゆき、かわって淫らな踊り子すがたの自分が浮かび上がる。
『──アナタは『モルギアナ』……邪性の伝道巫女……淫乱で悖徳な、かわいい踊り子……』
こんどは『詩愛』という文字が、暗闇の中に浮かび上がった。
今度はそれが燃え上がり、灰になってしまう。だがその中からフェニックスのように、輝かんばかりの勢いで『モルギアナ』という文字が。
調教中の彼女の口の中に、苦いものが流れ込んできた。
するとたちまち思考はもつれ、なにも考えられなくなってしまう。
反面、まるで脳がスポンジとなったように、浮かび上がる映像をドンドン吸い込んで。
──ワタシは……『モルギアナ』……淫乱な……おどり子……下品なメス人形……。
眠りそうになると、おまたの淫具が振動し、強制的に奉仕を継続させた。
すこしでも舌の動きがユルくなれば、容赦なくクリトリスと乳首に電撃が飛ぶ。
呑み込まされるディルドーは、舌の動きが合格点になるとドプッ……甘い蜜を吐いて。
朦朧とした意識のなか。いつしか彼女は『洗脳モード』のなかで幾つもの性技をマスターし、自分が単なる奉仕用のドールであることに、喜びと恍惚さえ抱くようになっていた……。
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「まったく。“紅いウサギ”の地下が、こんなに広いなんて……」
前後を『ユリ』と『ケイ』に挟まれて、天井の高い真っ白な廊下を歩きながら、オレは両方の壁を交互に見回しつつあるく。
「建築基準法、通してないだろ……ま、人体改造やるような店だ。ムリもないか」
壁に埋め込まれたアクリル・ガラスのケースには、まるで博物館のように、さまざまな女性が、改造された姿で展示されていた。
おそらく剥製なのだろう。展示物たちはニコやかな笑みを凝固させたまま、さまざまに扇情的かつ蠱惑的なポーズのまま、微動だにしない……。
正面に据えられたプレートには、
──【個体性別】
──【愛玩名称】
──【施術動機】
──【術時年齢】
──【術式部位】
──【手術費用】
──【作成納期】
──【維持費用】
──ナンのことは無い……。
これは愛玩品を購入するときの、見本品みたいなものだ。
ヒマな大金持ちどもが、奴隷を自分好みに改造するとき、手本にするんだろう。
先ほどの会場で落札された愛玩品たちの行く末は、こんな風にされてしまうのか……。
──オレもだいぶ感覚がマヒしてきたな。
以前ならこんなものを見せられた日にゃ、人身売買だ、違法な医療行為だと色めきたったものだが、今では ( ´_ゝ`)フーン としか思わなくなっている。
その理由が【個体性別】と【施術動機】だ。
ほとんどが、もとは若い男で、犯罪者だった。
詐欺──恐喝──婦女暴行──殺人
これだけ見れば、義憤どころかザマァwwwぐらいの気持ちしか湧かない。
だが『フェティマ』のあとをついて行くうち、ふたたび足をとめた。オレの背中にブチあたり、鼻をおさえる『ユリ』の「ちょっとォ!」という抗議もムシして、ひときわ大きな展示ガラスの前に立つ。
【モルギアナ/A】
クジャクが羽を広げた豪華な踊り子の衣装は、サンバ・ダンサーを模したモノだろう。
褐色の美女が笑顔で目を虚空に、両腕をひろげ乳首ピアスをした豊かな胸を拡げている。
どうやらこちらは生まれたときから女だったらしいが、少々やりすぎてココに飾られたか。
【有印私文書偽造。および“頂き女子”行為による詐欺】
「モルギアナって、あのステージで見た『モルギアナ』と同じ名前だな……A?」
「アナタの彼女の──いや元カノさん……かな?」
「その前任者。『サロメ』さん裏切ったからポイ」
「……裏切ったって?」
「客のオトコと駆け落ちしようとしたのヨ」
「でもロマンよネェ。愛する2人の逃避行」
「客の男のほうは……どうした?」
ふふっ♪
またもや、顔を見合わせて笑う2体。
だが今度の笑みは、どこか底意地が悪く。
「女体化されてウデを切断手術されたあと、ハイレグ・レオタードを着せられて……」
「となりの檻で、大きな蝶の羽根ぇ拡げてる。彼女と一緒なのがよっぽど嬉しいのね」
げぇッ!孔明!──と、オレは横のガラスケースを見た。
なるほど。美貌の女性が片翼タタミ2畳はあるオオムラサキの瑠璃色な
ピッチリしたエナメル・レオタードを着せられ、頭には触覚の代わりにナゼかバニーの耳。
「それで最終的に2人とも
ブ厚そうなガラスごしにマジマジ。
コレが、もとは男だったとは信じられん。
例によって巨乳・細腰・巨尻の、砂時計型な体型。
肉厚にされたくちびるが微笑のまま、精巧に剥製化されている。
だが、そんなオレの言葉に『フェティマ』たちは恐ろしいことを言い出した。
「──あら、そんなことないワ」
「──死んでないよ?コイツら」
──え……。
「──商品見本の子たちは……」
「──永遠に、美しいママ……」
あらためて展示物の『女性型ドール』たちを見てみる。
言われてはじめて気がついた。ここに並ぶ展示物たちには確かに“気配”がある。
股間にレオタードを食い込ませ、晴れやかな笑みをうかべて鱗翅を拡げる女体化美女。
──まさに……お蝶夫人。
あまりな状況に、くだらないギャグすら浮かぶ。
たぶんヒステリックな感情の裏返し。心理的・防衛反応。
プレートのデータを確認すれば、もう1年以上経っているようだ。
廊下を行く流し見で気づいたが、10年以上まえの展示物すらあった。
そのあいだ、この見本たちは老化もせず、美しさを保ったママ……なのか?
まぁ、石化魔法じみた施術さえ、技術的に可能とする“ウサギ”の医療部だが……。
「しかし……いったいどうやって?……こんな時間停止じみた……」
「あ~ン、ホラもう!」
「刻限に遅れちまうョ」
オレは
やがて、白地に金色の象眼唐草模様でおおわれた扉の前で、この人間クサくも生意気な『フェティマ』・ペアは左右に分かれ、ふかぶかと頭を下げた。
「──なんだいイマさら。オマエら、似合わないってーの」
「ウッサイわネー。コレも仕事よ!仕方ないデショ!」
「『ユリ』より本部。ただいま御賓客お連れしました」
そう言ってリモコンを鳴らし、両開きである扉の左右を開けた。
オレは、この奥で待っているであろう『小男』にむかい、何と言ってやろうか。
罵詈雑言の
次回、この作品で最も難しいパート。
【女の戰い・Ⅱ】