試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】 作:珍歩意地郎_四五四五
キャラが好き勝手に動きすぎです。
もうチョットだけ続きます。
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信じられないコトがおこった。
「いいんだ……もう、いい……」
そう言って、いきなり引き寄せられ、やわらかく抱きしめられる、自分の体。
マイケルさんの力強い腕。大きな胸。あたたかい声。あふれる優しさ。
それまでの悲壮感は一転、信じられないほどの喜びに包まれた。
「あぁ……マイケルさま……マイケルさま……」
胸のなかで結露し、凝り固まった冷たい感情が、またたくまに溶けてゆくのを感じる。
それほどまでに、ワタシの心は凍り付いていたのだと、この時あらためて思い知らされた。
おとこのヒトの、たくましい胸。
嗅ぎなれない、彼のカラダのドキドキする匂いと雰囲気。
ふとく、頑丈そうな腕に抱かれたときの、たとえようもない安心感。
ずっと気詰まりだった、ウシのような鼻輪をブラ下げていることも気にならなくなる。
「もうワタシ、ここで死んでもイイ……死にたい」
おもわず、そんな言葉が出てしまう。
たぶん、洗脳されているワタシが、額に穿たれる宝石の呪いから逃れた一瞬、その一瞬に感じた、“性奉仕人形”としてではなく“おんな”としての本心があふれたのだろう。
──次いで……。
イヤらしく改造されたワタシのカラダ。そこからチカラがぬけ、彼の胸によりそい、まるでメス猫がマーキングをするように……自身の身を恥ずかしげもなくスリ付けたのは、性奉仕人形として洗脳調教されたためか、あるいは自分の“おんな”としての本能なのか、ちょっとわからない。
そして……なんという予想外の幸せ!
ワタシのそんな行為に応えるかのように彼の手が!あさましく改造されたこの
──すると……。
自分の中でも驚くほどの喜びが、はげしい勢いでこみあげてくるのが分かった。
こんな情けないメス人形になっても、カレが私のカラダを求めたという誇らしさ。
もっと触って欲しい……。
もっとナデて欲しい……。
もっといぢって欲しい……。
からだ全体がフワフワとするなか、熱に浮かされたようなアタマは、次いで以前の自分だったら、とうてい考えられないことを
マイケルさまに、キスしていただきたい……。
おっぱいを、ハゲしくモンでいただきたい……。
初めてほおばる生おチンポは、彼のモノにしたい……。
お口に乱暴に挿入られて、ノドの奥まで突かれたい……。
アタマをワシづかみにされ、まるでお道具を扱うように……。
ウィッグが取れるほど、乱暴にアタマを前後に動かされたい……。
──そして……うふふふふ♪
イヤらしく新調された、ワタシの性奉仕用・極上おマンコに……。
マイケルさまの特濃・赤ちゃん汁を、ビュッ!ビュッ!びゅーーっ!
小陰唇からあふれかえるほど、性器を神聖なザーメンで満たしてほしい。
そのあとは──おチンポをワタシのお尻のアナに乱暴に突き入れて頂いて……。
名器にされた“ケツまんこ”でも、ご満足してもらい、ハゲしく射精して、アナという穴を清めて欲しい。仕方ないわよね?だって──おシリのアナも、性感帯にされてしまったんですもの……もうイヤらしいコト専用のカラダにされたワタシを、マイケルさまの『精液便所』に──!!
──イヤっ!
ようやく!
──ワタシったら……なんてコトを!!
やはり、洗脳と調教の影響はおおきいと、考えなくては……。
こんな、みだらな考えが、欲望が!ワタシの中に植え付けられたなんて!!
当惑し、絶望し、生体手術を了承した当時のウカツな自分をどこまでも呪いたくなる。
でも、次のマイケルさんの言葉は、そんなワタシの懊悩を地平の彼方に吹き飛ばしてしまう。
「スマんな……詩愛。もっとハヤく、こうすればよかった」
──そう。もしほんとうに、そうして頂けたら。たぶん今とは違っていたでしょう……。
「元妻から受けた仕打ちがトラウマとなって、女性になかなか心が開けなかった」
──お気持ちは分かりますが。残念ですが、過ぎてしまったコトですわ……。
「ましてや……気に入った女性にたいしては」
──えっ……えっ?……えぇぇ……っ!!?
おもわず自分の耳をうたがった。
そしてブルッと一度、自然にカラダがふるえてしまう。
この反応は洗脳のせいかしら……それとも、本当の自分のものかしら。
「遅きに失したが、イマなら言える……詩愛──キミを愛していると」
ナニを言われているのか、さっぱり分からなかった。
それに“シーア”ですって?ワタシの名前は『モルギアナ』ですよ?
でも……なんだか懐かしい名前のような……忘れてはイケないヒトのような……。
イギィィィッ!
『サロメ』さまが叫んでいた。
ヒトのモノとも思わない叫び声。
無惨な、イヤしい、品のない、
彼女の身につけた鳴り物が
──あ……。
コチラがボンヤリしている内に、マイケルさまの口づけ。
そんな……ワタシは“シーア”とかいう女性ではないのに。
そうは思いつつも、なぜか胸には
条件反射のように、ごく自然と涙が流れてビックリする。
もしや。まだワタシ、すこしは人間らしさがあるのかも。
あっ!マイケルさまの舌が……ワタシの
フェラチオ奉仕用に歯列が自動的にひっこむ気配がする。
うわアゴや頬の内に造られた肉ヒダや凸起が恥ずかしい。
完全に性処理用・ドールにされたのが、分かってしまう。
──ヘンに思われないかしら……気味悪いとお感じにならないかしら……。
互いのくちびるが離れたのをしおに。
ワタシは、ほっ……と吐息をつき、
「あぁ……アナタ……」
いっとき、下唇を噛む。
つぎに出す言葉は、血を吐くように苦しかった。
でも仕方ない。これは彼を愛した女としての、最大限のご奉仕……。
「マイケル
そして拾い上げたリモコンを片手にかざし、私たちをニラむ『サロメ』さまを見ながら、
「でもダメ!ワタシはもう、SEX奉仕ドール・『モルギアナ』ですもの」
「──詩愛!」
「そのシーアって方、どなたですの!お間違えではなくて!?」
イラッとして思わずそう叫んだ時、マイケルさんのお顔に、まじりっけのない驚きが浮かぶ。もしかして、コレは失敗してしまったのかと
「あさましいマゾ豚『モルギアナ』は、もう『サロメ』さまの妹分、『サロメ』さま専用の淫欲トイレ、『サロメ』さまの“抱き枕”ですのよ?──お
青ざめたマイケルさんのお顔。
だって、オマエは……と、未練たらしくなにやら口ごもって。
──コレでいい、コレでいいのよ……。
ワタシは胸に、
こうすればマイケルさんも、性風俗という苦海に堕ちたワタシを諦めてくれるでしょう。
──このヒトを巻き込んではイケない。
──“紅いウサギ”の養分に、犠牲者に……。
──なにより“備品”なんかにしてはイケない!
「どうかミーちゃん……美香子、このお店では『美月』と源氏名で通ってますけど、それとマイケル
ワタシがこう言うも、マイケルさまは「待ってくれ!」と往生際わるく、
「オレはココの店長と強力なコネがある!キミの……その、ダッチワイフに改造されたカラダだって、元に戻せるかも──」
「ッはァ!元に戻せる、だってェ!?」
なぜかコチラも真っ青なお顔をした『サロメ』さまが、大声を震わせて、
「いったんソコまで改造されちまッたら……元になンか、もどせっこないじゃないのサ!この子は死ぬまで快楽漬け!淫乱漬け!老化することもなく、イヤなこともなく……一生おマンコのことだけ考えてりゃイイんだよ……『モルギアナ』!……おいで!!」
そういうと、『サロメ』さまは相変わらず真っ青なお顔で、ブルブル震えながらワタシをさしまねく。ワタシがマイケルさまのお身体をおしのけ、『サロメ』さまの懐に入ると、みょうに冷たいお身体でお抱きになり、ゆっくりとワタシのオッパイを愛撫した。
その、手つき……。
まるで死んだ娘を愛撫する母親のような相手の手つきに、ワタシのなかで正体の見えないおののきが奔って……。
******
──アブなかった……危なかったよ……チクショウ!
あたィは、相変わらず震えの止まらないカラダで『モルギアナ』のカラダを撫でる。
そして手にしたリモコンに『安全装置』をかけ、腰のポーチに注意ぶかくしまった。
この
アタぃを裏切ったのが確実だったら、すぐさまホントウの人形にしてやるつもりだった。
──あとすこし……もう少しでスイッチを押すトコだったよ……ちくしょう!
まさか裏切ったのでは無くて、元カレに自分を諦めさせる演技だったとは!!
むしろ裏切ったのは──彼女を信用せずに人形化しようとしたコッチじゃないか!!
そう……“あたィ”が、その昔“わたくし”だった、こんなヤサぐれた自分になる
世間で言う、いっぱしのお嬢サマだったころのコトを、この娘は思い出させてくれる……。
この子の元カレが言うように“わたくし”だって!もう裏切られるのはゴメンだよ!
そんな思いをするくらいなら、この子を『モルギアナ/A』のとなりにならべるわ!?
意識のあるまま動けなくしてやる!永久に快楽漬けのまま、展示品にしてやる!
もう『モルギアナ/C』は要らないの!見たくないの!わたくしには、この子だけなの!
この子を
ショーウィンドウに、2人でみじめに並べられて、お客さまに視姦されましょう……!
そんなつもりだった……それなのに、まさか“わたくし”のほうが、裏切ってたなんて!
──でも……。
わたくしは、愛しい妹分を撫でながら、目の前で呆然とする元カレをみる。
夜会服をイキに着込んだ、三十路のオトコ……アブないわね。
──気が変わった『
──そうですわ!いっそ……このイケメンも、クスリでネムらせておいて。
──あのヘンタイ兄弟の“強制・女体化手術”を受けさせたら、どうかしら……?
──素材はいいもの、さぞかし妙齢の成熟美女になるにチガいないですわね。
──でも、待って!かなり幼くして、ロリにするのも、ありかも……。
──目が覚めたとき、変わり果てたご自分を鏡でみて絶望なさるの。
──髪を長くして……銀髪にして……フリフリなゴシック・ドレスを着せて。
──金持ちなヒヒじじぃどもの半勃ちチンポで!お口も!ヴァギナも!けつマンコも!
──寄ってたかって
──イケない。あたィ……“わたくし”ったら、また
──この娘も得たことですし。そろそろ言葉も、元にもどさないと……。
──ようし、いいワ……こうなったら、あの“お紅茶”で……。
******
オレは詩愛をじっと見つめた。
彼女は『サロメ』に横抱きの姿勢で、オッパイをやんわりと弄ばれている。
乳輪を指先でたどられ、乳首を弾かれるたびに、鳴り物がチリチリと涼しげに響いて。
「そうだねェ……やっぱり、そうしましょうかネェ」
踊り子は、卓上にあったラオコーン像の首をひねった。
ヘビに巻き付かれ、苦悶するトロイアの英雄が、ピッ、と悲鳴をあげる。
すると──壁の一部がスッ!音も無く奥へとひっこみ、次いでスライドして、厨房のような空間が現れる。そして中から出てきたのは、サイボーグ然とした白髪の女性だ。メイドが頭に付けるヒダ飾りのようなものの具合を直しながら、我々の方にすすみ出る。なぜか顔つきは不満げに、『サロメ』を
あきらかにメカニカルな手脚の関節。
豊乳をのぞいて精巧な機械類。
これも配膳ロボットなのか。
──それにしては……。
額の大きな宝石が気にかかる。
もしや……この娘も、元はヒトではないのか。
「ああ来たね、『レティシア』。あたィ……わたくしの
アンドロイドは青い眼を光らせ、ムッとしたまま、モーターくさい一礼をする。
「このお客さまと、あた……わたしたちに、お紅茶を持ってきとくれな」
「至高ナル舞姫『サロメ』サマ。銘柄ハ、イカガ、致シマショウ、カ」
「ダージリン……いえ、アール・グレイね。
『サロメ』の声に、今までの蓮っ葉な調子はなかった。
むしろ、どこか上品に──それでいてワクワクするような気味がある。
「それと……砂時計もつけてね?」
「オ時間ハ、
「5分……いいえ!完全を期するために15分にしましょう……」
「ウケタマワリ、マシタ。至高ナル舞姫『サロメ』サマ」
「ふふっ♪」
“至高ナル舞姫”は、そんなロボットじみた仏頂面に、いかにも機嫌よく微笑んで、
「イヤだねェ、『レティシア』……いえ『
「
ふん、と鼻でワラう“紅いウサギ”の踊り子。
そして彼女はオレの方に、なにやら“品定め”ぎみな視線をよこして、
「この子は、ウチのお父サマが社長をやっていた頃のメインバンクの頭取、その娘でね」
『レティシア』の顔が、よりいっそう曇った。
わきにあるモニターが、また勝手に息を吹きかえす。
退屈そうにしていた『ユリ』と『ケイ』も、このたびは画面に注目して。
──なんだ?これは。女子高生のふたり組?
映像には、チェックのブレザーに茶色のタイをユルく結んだ、茶髪縦ショートのJK。わずかに目の前のロボットの面影がある。そしてとなりで固い表情をするのは……なんと、若いころの『サロメ』らしい。ハーフらしい西洋風の顔立ち。ライオン・ヘァーではないが、金髪をしている。してみると、このライオンヘァーは地毛のようだ。おそらく同色の“入れ髪”をして髪のボリュームを増しているのだろう。
「親のチカラ関係から、女子校時代はズイブンとパシリにしてくれましたわよねェ……」
「……」
「挙げ句のはてに、お父さまの会社の経営が傾いたら、
「至高ナル舞姫『サロメ』サマ。ソレ、ハ……銀行ガ、経営判断デ、行ッタモノト、思ワレマス」
「ふぅん……そうかィ。ケドその経営判断とやらのおかげで、あんたらダフ屋のために、どんだけ泣いている経営者が居るか、知ってるかィ!?」
激高したせいか、蓮っ葉な口調に戻った『サロメ』の
「“貸し
思わずオレは口をはさんでしまう。
営業マン時代、銀行からヒドい目に遭わされ、血走った目をした中小企業の社長をよく見てきた。よく言われる『晴れた日に傘を貸し、雨が降ってきたら取り返す』そのままな仕打ちを受けた経営者もすくなくない。普段は金をウチから借りろ借りろ、さもなきゃ経営陣にウチの役員を送り込むぞとオドしておいて、いざ不景気になると、融資をひっこめる。信金だったらまだしも、銀行はやることがエゲつない。
『当社に資金の余力があったら、応接室で相手の顔に札束タタキ返してましたよ!』
そんな中小社長の、血を吐くような叫び……。
ふっ、と『サロメ』は、オレが口を挟んだのにも気分を害した風もなく、
「家財を売って、それに……
そして……と『サロメ』は機械人形の方を見ながら、
「コイツの……いえ、この娘の父親が、利益供与と組織ぐるみな経営書類の
「犯罪って……その子、なにをしたの?」
めずらしく『ケイ』が口を開いた。
どこから出したか、
『ケイ』の方は、さきほどの乱闘でみだれた自分の黒髪の手入れに余念がない。髪の房を小分けにして枝毛探しのようなことをしている。
──つーか、この2体。
高級クラスとはいえ『フェティマ』風情が勝手な質問をしたことに『サロメ』は驚いたようだが、すぐに薄笑いをうかべ、
「
モニターの画像が、また変わった。
2人のJKの姿は消え、かわりに拷問用の地下室めいた空間。
首輪をハメられた一人の女性が全裸のまま、二本の大きな金属柱のあいだに両腕・両脚を埋められ「土」のポーズで拘束。それを、なにやら“悪の幹部”めくコスプレをした『サロメ』が、銀のマントを肩口ではねて腕組みしつつ、かたわらでニヤニヤ眺めるシーン。
珍妙な蝶の触覚めいたカチューシャ。
ハチ女を模したようなスーツ(お尻には、大きなハチの胴体まで)。
おなじく黒と黄金がシマシマになったニーハイのピンヒール・ブーツ。
彼女の背後には、これも美女アンドロイドが2体。冷たく青い眼を光らせ、全裸の女性をうつろな視線で見つめている。むき出しの人工関節。胸に光るアストラル体めいたもの。真っ青な面差しの額中央には、お決まりの大きな洗脳用・宝石が据えられて……。
女性が手脚を埋め込まれる金属的な柱には得体の知れない補機類がならび、人間の、それも妙齢の女性というデリケートな“生モノ”を接続するにしては、見るからに凶悪な雰囲気を醸していた。
──まてよ?この金属柱にヒジ先、ヒザ下を埋め込まれた人物……。
少女から“女性”になっているが、もしや……えぇと『るりあ』?か。
水平に開かれた股間にはいくつものカテーテルが挿入され、尿道、腟口、肛門へと。
乳首や、首輪、それに両側の
画面のなかで、2人が言い争っている。
「はやくハズしなさいよコレ!アタシをこんなトコロに誘拐してきて、どうするつもりだよ?」
「おやおや、あいかわらず“ダフ屋”のアホ娘は、
カッ!
ニーハイ・ブーツのヒールを鳴らし、毒々しい化粧の『サロメ』はニンマリ
「なっ……あなた、アリサさん?」
ふぅん。
性悪な舞姫の本名は『ありさ』というらしい。
なるほど、なんとなくハーフっぽくはある。
「なんでアタシをこんなトコに──それに!そのイカれポンチな格好は、なによ!」
「べつに。コレはわたくし……いえ、アタぃの“復讐”だもの!」
「復讐!?アタシを──どうしようっての!」
「アナタは!ヤリすぎたのよ!」
どこから取り出したか、ドクロがついた黒いステッキ。
それをクルル……手もとで回転させ、ビシリ!拘束された『るりあ』の方に向けると、
「たった5億ばかりふところに入れるために、ずいぶん古くさい手を使ったモノね?」
「ハァ?ナニを言ってるの。いいからコレをハズしなよ!」
「ヒ素は“愚者の毒”なんて呼ばれているの、ご存じなかったかしら?」
「アタシは──」
「言いワケご無用!」
画面の中の『サロメ』はまたもステッキのドクロをズイ!相手の鼻先に突きつけて、
「アナタがタラしこんだジジィ……いえ、お爺さんのお孫サンたちから、アナタの処分を“クレグレもよろしく♪”……と言われてるの」
「そんな!あの孫たちはロクに介護もしないで!“トシちゃん”の遺産が目当ての──」
「アナタに
『サロメ』はチャキ!ステッキを中折れにすると、懐のポーチから弾丸めいたモノを装填。
「わたくし……いえ、
「はぁ?ナニ言ってるのよ!はやくコレをほどきなッての!」
「ふふふ……それはムリな相談ね。だって……」
そういうと、『サロメ』の後ろに立つアンドロイドの一体が、なにかをポイポイ……拘束される『るりあ』の前に投げ出した。
それは、切断された前腕とヒザ下だった。
ゴトリ!という音とともに、うち重なって転がる。
いずれも今しがた切り取られたばかりのように、生々しい。
切断面は、筒型をした黄金の金具が留められ、見えないようになっている。
手足の爪も、キレイにマニキュアなどが塗られ、まるで精巧な象牙の置物のようにも。
「アナタの手脚……
一瞬、無表情になる『るりあ』。
目の前に転がったモノを、脳が受け入れ拒否しているように見える。
へ……?という泣き笑いのような、微妙な
「アナタのカラダの中にはね、高電圧で
「ちょっ!ナニ言ってんの?ワケわかんない!馬鹿じゃないの?」
「そう。アナタはおバカになるの──もう難しいコトは考えなくてイイのよ♪」
床をスモークが流れはじめ、そこから巨大なスロットマシンのようなモノが浮かび上がる。
リールは3つ。それぞれ
|チ|ン|ポ|
|チ|ン|ポ|
|チ|ン|ポ|
と……同じモノがならんでいた。
荘厳なパイプ・オルガンの曲が響きはじめた。
アンドロイド達がスロットの両脇にモデル立ちとなり、
「さ、オマエも従順な奉仕用サイボーグにおなり!
──チンポ時空……発 ! 生 ! 」
ガッキョン!
リールが回り始めた。
そして、当然のコトながら
とたん……!
「んぎゃぁぁぁあああああああああ」
「土」の字に拘束されている『るりあ』の全身が、鬼娘の電撃を受けたように青白く盛大に発光した。
まるでアーク灯の輝きでも見ているように、まばゆいばかり。
パイプ・オルガンの音量が、ますます高まって……。
モニターの映像が消え、ブラック・アウト。
当時のコトを思い出したのか、『るりあ』こと『レティシア』が虚ろな表情でガクガクと。
「さ……お紅茶をお願いね」
相変わらず『詩愛』を愛撫しながら『サロメ』はロボット然とした彼女に命令する。
「砂時計を……15分計を、忘れないで」
元『るりあ』だったサイボーグは、みょうにギクシャクと去ってゆく。
これが生身だったら、
あるいはひょっとして、まだ少しばかり自我が残っているのかも知れなかった。
完全に相手の自我を消してしまっては、イタぶる愉しみがなくなってしまう……。
いかにも性悪な
ややあって──。
『レティシア』は、磨き立てた
『サモワール』とは──スラブ系、あるいは中央アジア系の団欒において中心的な役割をになう“湯沸かし器”で、茶葉をいれたポットをてっぺんに置き、濃く煮立たせた茶を、つねに胴で沸いているお湯を蛇口から流しだし、好みの濃さに薄めて飲むための器材である。家庭を預かるむこうの主婦の必需品とも言えようか……。
そんな大きなサモワールが載る台車を『レティシア』は一座の中央で停めると、テーブルに2人分のカップをならべ、チンチンとフタが景気よく鳴る最上段のポットを取り、それぞれに煮立たせた焦げ茶色の紅茶を注ぐ。
とたんにあふれる、
もちろんこの煮出された状態では濃すぎるので、このサイボーグは胴体にある蛇口から、正確な動作でカップにお湯を注ぐ。
大きなサモワールなのでふくらんだ胴には蛇口が“2つ”取り付けられていた。ロマノフ王宮で使われていたモノだと言われても驚かない、
「さ──どうぞ?」
『サロメ』も、元・同級生の手からサモワールに載せていたポットをうばい、余ったカップに自分の紅茶を注ぐと、詩愛側にある蛇口からのお湯でうすめ、優雅な手つきで口もとに持って行った。『詩愛』は先ほどからのアクシデントで疲れたのか、湯気の立つ紅茶を一息に飲み干してしまう。
──今夜“も”いろいろあったなぁ。
まったく。
“紅いウサギ”の晩は、いちいち神経がヘトヘトになる夜だった。
オレは年代物のマイセンらしきティーカップをボンヤリと眺めながら考える。
「お砂糖が宜しかったら──そこのシュガー・ポットを使うんだネ!」
『サロメ』がコチラの様子を気にするように、チラチラと紅茶カップの陰から見ている。
『詩愛』が紅茶のお代わりをした。それにつられ、オレも手もとのカップから少しばかりベルガモットの香りが立ちすぎる紅茶を飲んだ。温かい飲み物が、神経的に痛めつけられた胃にジンワリと効いてゆく……。
「もう一杯、どうだィ──いぇ、
相変わらず『サロメ』の口調はちぐはぐだった。
こちらのそぶりを見て、みょうに上機嫌なニコニコ顔をする。
そして、どこか熱に浮かされたような、不安定さを伴ったような口調で。
お嬢サマが水商売の苦界に身を沈め、かつての仇に逆襲するまでになった境遇。
その歴史がそのまま詰まったような、ジェット・コースターめいた躁鬱風の気味がある。
「いや──結構」
オレはそう言うと紅茶を飲み干し、カップを受け皿ごとワゴンにもどして元のソファーに座った。
「ところでわたしは『小男』……いや失礼、
「店長に?あたi……わたくしは、なにも聞かされてませんが?オマエたちは?」
『サロメ』は、砂時計をひっくり返しながら『フェティマ』たちに尋ねた。
例の“15分計”という砂時計だろうか。紅茶を煮出すタイミングを計るためだと思ったのだが、違ったようだ。舞姫の問いに、『ケイ』も『ユリ』も肩をすくめてみせる。
このとき、またモニターが点灯した。
画面には、先ほどの会場が映しだされている。
そして、どこかで聞いたような声がスピーカーから、
「だが──佐知子クン!わしァ、アンタのために!」
画面では、ステージの花道に立つベリー・ダンサー姿のプラチナ・ブロンドな女性が、スポットライトを浴びつつ、砂時計型をしたボディの腰に手を当て、下の客席を
上から下までカメラ視点がナメるようにパンしてゆく。
『サロメ』や『詩愛』よりも、さらに極端なボディ体型。
クビれた腰からふくらむ巨尻などはモノが載せられそうだ。
どうやら“あの兄弟”に、スタイルを相当いじられたらしい。
要所・要所にピアスや鳴り物。それに過激な刺青や性的な淫紋。
おそらく、これもリモコン一つで自在に現消操作できるんだろう。
スポットライトは、もう一本。すぐ近くにあるブース席を照らしていた。
その輪に、ソファーから立ち上がった長身の男が花道のダンサーを見上げて。
──げぇっ!銭高警部補!!すると……あのダンサーは……もしや?
記憶では、痩せぎすな筋肉質の女性だったハズだ。
ビジネス用のパンツ・スーツに身を包み、精悍な印象。
だが、いま見ればエロマンガじみた体型にされてしまって。
と──ここで、画面から副音声めいた男の声が割り込んできた。
『はい、みなサマ。お愉しみ頂けてますでしょうか?こちらは解説です』
こいつ、思い出した。あの眼鏡をかけたド派手なMCだ。
軽薄なしゃべりで、よどみなく現在の状況を解説してゆく。
『さきほどはァ──当店“紅いウサギ”の超絶・生体手術をうけ“奉仕用ドール”の舞姫に改造された『モルギアナ』嬢が、
──オレと『詩愛』が、あのホールで向かい合っているとき……。
こんなクソったれMCが、酒のサカナに副音声で他の観客に聞かれていたと思うと、ハラがたつ。鷺ノ内老人が、改造された愛娘の痴態を目の前にして倒れたときなど、どんなあけすけなアオリ文句が出たことやら。
『こんかいはァ──ナント!
ホールに、驚きのさざなみが
薄暗がりのボックス席で、老若男女が顔を見合わせるのが少しだけ映る。
だがスポット・ライトに切り出された2人は、そんな周囲などおかまいなしだった。
「わたしのために──ナンです?」
花道と客席から見つめ合う男と女。
女の視線は、どこまでも
男の視線は、変わり果てた部下の姿を目の前にして瞠目するように。
「アナタのために!言われたとおり、このラウンジの店員になりました──その結果が!」
ブリュン!
かつては『佐知子』、あるいは『サッチー』と呼ばれていた女。
それが、モノの見事に豊胸された胸を、あるいは巨尻にされた腰を、悩ましげにゆする。
「こんな──男好きのするダッチワイフ・ボディに改造されて!」
まるで欲情する熟れきった淫体の本能に内側から炙られるような、切なげな表情。
ちかくの席では少なからずの若い賓客が、腰を浮かせ、身を乗りだすのがみえた。
「分かった!もう十分だ!サッチー、佐知子クン!ワシと一緒に帰ろう」
「佐知子?サッチー?ですって!」
ムチのようにヒステリックな鋭い返答。
「どなたですの?それ!──新しい愛人でも、お作りになって?」
ワタシの名前も忘れるなんて!と、もと婦人警官は目に露骨な非難の色を込め、
「ワタシの名前は、『まほと』!おマンコの具合が極上の“愛玩ドール”なんです!」
「だって、オマエ……そんな……」
「この改造された弩エロな
ドッ!
ホールから抑えきれぬ失笑が沸いた。
「一緒にかえるですって?奥さまは、ドウなさいましたの!?」
「先日、ながい療養生活を終えたよ……」
「ハ!それでワタシに乗り換えるというワケ?バカにしないで!」
「そんなことはない。ワシぁ、いつもオマエのことを気にかけとった」
「それでこのザマですか!」
ユサリ、『まほと』に改造されたサッチーは、豊胸化されたオッパイを持ち上げた。
「ワタシはもう、お客サマみんなのモノですわ!おマンコもお尻のアナも、お
すると、この度はヤンヤの拍手がホールから沸き起こった。
「おやおや……むこうでも“女の戰い”がくり広げられてるねェ……」
『サロメ』は『まほと』の口上を聞きながら、視線は砂粒が今や落ちんとする砂時計に据え、それを熱っぽい
「そしてコチラも、どうやら決着がつきそうだよ……」
「貧相なカリしかないアナタの短小チンポは、安ッすいオナホールで十分ですわ!」
またも沸くホール。
そして、砂時計の最後の粒がおちた。
「オホホホホホホ!……オーッ、ホホゞゞゞゞ!」
時を同じくして『サロメ』の
※1:要は自分の保険金で会社を救うべく自殺してしまったわけです。
次回予告
『元・詩愛』の
試製・転生請負トラッカー日月抄・第191回!
『怒りをこめて、轢き殺せ!』
に、ご期待下さい!(CV:アニキ希望)