試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】 作:珍歩意地郎_四五四五
「バカなッ!──バカなッ!」
小男の顔が醜悪に歪み、ねぢれた唇の端はアワを
「いったい、この素材に──どれだけの「カネ!」「モノ!」「時間!」を費やしたか!」
おなじく“レイカ王女”も、高貴ただよう面差しをどことなく青くして、
「そうですね……これは意外でした。もしや──あの
「ちょっと!」
自己喪失したように虚ろな姉を抱きかかえたまま、『美月』はワメいた。
「お姉チャンに、ナニしてくれたのよ!あのイヤらしいバニー・コート着せて、なんでも言うこと聞く“お人形”にしちゃったの……?もとに、戻しなさいよォ!」
「うん?イヤらしいバニー・コートですと」
やつれた『小男』の面に、ようやく
「あぁ『拘束服6号』のコトですか……ンふふふ。そのムスメに施したモノは、そんな
「じゃぁ!どんなヘンタイ的なコトしたのよ!?」
「人体の構造を根底から造り替え、
「チカン?チカンなんてドウでもイイわよ!じゃァお姉チャンは、ずっとこのままなの!?」
「逆に、“紅いウサギ”は……」
突然。
レイカは硬い面差しのまま、シレッと恐ろしいことを言いだした。
「
「え……アタシに……ですって?」
「貴女を調教して──洗脳して──奉仕用
その生意気な口を、
「そして、貴女とお姉さま。一対の奉仕ドール・ペアとして売り込みをかけるはずでした」
「そんな……」
『美月』は、ダッチワイフじみた姿にされてしまった姉の身体を抱いた。
みょうにカルいような感触。
残酷にもアチコチを彩るピアス。
全身を彩る、これ以上ない
そのとき、彼女は思いだした。
自分も、悪夢の中で同じような改造手術を受けたこと。
姉と同じく額に宝石を埋めこまれ『
同じような姿にされてしまった自分たち姉妹が、執拗に革拘束をされたこと。
さらに互いの股間をナメ合う “69” のカタチで厳重に梱包されてしまったこと。
──それと……。
あの悪夢から覚める直前、なにか言われた気がして『美月』は首をひねるも思いだせない。
ただ──糾弾するように一斉に鳴り響いたするどい鈴の音だけは、いまでも記憶に鮮明だった。
「けれど肝心な“お姉さま”のほうが、こうなってしまっては台無しですわね」
ジロリ!レイカ王女が、わきに立つ『小男』を
「この小娘に
「
『小男』は、レイカの方を見ずに
「あたしが!この店を立ちあげたのは!ひとえに『女たちの幸せを願って』の一念です。イイ女には、金持ちで気骨のあるイイ男をあてがってやろうと!ひと肌ぬぐための“紅いウサギ”です!そうぢゃありませんか、えぇ!?」
めずらしくイキリたつ『小男』だった。
そして硬く握りしめた拳を、パチン!もう一方の手のひらに打ちつけ、
「イヤがる女を!ムリに手術し
「だそうですよ……命びろいしましたね?あなたたち」
「さて……そうとなったら、貴女たち姉妹に、
****
音楽室のほうから、合唱部の歌声が聞こえてきた。
難度の高いソプラノの曲を歌いこなす『美月』からしてみれば、それは音痴な
──貴女たち姉妹に、
静かだが、有無を言わさぬ声音。
その
「はぁ……っ」
『美月』は先ほどのダンスで打ちつけた腰の部分をさすった。
ジンワリとした鈍痛。ウサギの豊尻施術のおかげで、脂肪がクッションになったっぽい。
彼女は座ったままスカートのホックを外してズリ下ろし、ノーパンのしりを丸出しにして、アザになってないか、身をよじって確認。
「わっ!」
頭上から、素っトンきょうな声が降ってきた。
あわててスカートを引き上げると、白い胴着に胸当て、
「ごっ──ゴメんねミッキー!お
そう言って、あわてて顔をそむけ、
「わたし見てない!なぁ~~~んにも見てなかったから、安心して!」
はぁッ!?クラスメイトの言葉に『美月』はキレぎみで、
「学校でオナニーするほど、アタシ飢えてないわよッ!
「え……な……なぁんだ。わたし、てっきり……」
「失礼しちゃうワねぇ、ホント!んで──なに?」
ジト目の『美月』に、
「あの、美香子。ひょっとして──ショーツ、盗られなかった?」
「……どーして知ってるのよアンタが」
「さっき、第二写真部の上級生たちが『これで新しい機材ゲットね!』とか言ってるの、物かげで聞いたのよ……赤いショーツやブラにぎりしめて」
「3年が?……ンモー、信じらンない!
「でね?陸上部の知り合いにタノんで、新品のレーシング・ブルマー譲ってもらったんだ」
紙袋をガサガサさせ、真琴はタグがついたままなブルーの決戦用・ハイレグ・ブルマーを取り出した。次いで彼女は同じフクロから胸にまくサラシを取りだして、
「アンタのオッパイじゃ大きすぎて、サイズの合うアッパーなんて無いから、サラシも」
「……用意イイわねぇ。それに、なんでアタシがココにいるって、ワかったワケ?」
だって……。と真琴はフト、暗い目になって、
「わたしも悩みゴトがあるとき、ココ使うんだ……ずっとまえ来たとき、美香っチが体育座りで寝てたから。きょう、職員室そばの階段上がってくの見えて、ピンときたの。第二写真部の上級生たちが話してるの聞いたのは、そのすぐあと」
──ふぅん。
『美月』はスクバから例のベアンスフレ長財布を取り出すと、中に入ってた
ヒクリ。真琴の顔が、するどいモノに
「なに?──これ」
「ナニって……ブルマ持ってきてくれたでしょ?」
憤然と真琴は色をなした。
そして弓道用の胸当てに縛められた道着のまえで腕をくみ、
「ふぅん……あんた、ヒトの善意に値段つけるんだ……」
そう言ってクルリ!
しまった!という思いが、電撃のごとく『美月』の脳裏をよぎった。
いつの間にか、完全に『夜の女』に染まってしまったという自責。
間一髪!スカートがずり下がった半ケツのまま、彼女はクラスメイトに追いすがると、危ういところで捕まえた。
「待って、待ってヨ!そうじゃナイ──そうじゃないの!」
「なにがよ!」
キッ!
振り向いて冷たい目をしようとした真琴。
だが、スカートがヒザまでズリ落ちたシマらないすがた。
おまけに大判の傷パッドを貼った大陰唇が丸見えとなっている相手を目の当たりでは、
「ぶフォぉぉぉ!」
装った怒りはたちまち崩れ、思いきり吹き出さざるを得ない。
「ちょっ!何てカッコしてるのよ!ホラ!早くスカートもどして!はいて!」
あぁもう!世話の焼ける子ね!?と真琴は相手のスカートを直し、ホックを留める。
「ゴメン!マコっち!そうじゃないの!」
「はいはい、ワかったわよ……けどあんた、お金持ってるのねぇ……」
もとの踊り場に2人してもどりながら、真琴はクラスメイトの顔をのぞき込む。
「夜のお店って、そんなに儲かるんだ……」
「まぁ、おカネだけなら、ね?」
「あたしも
「……」
「そうすれば『お貰いサン』みたく参拝者にお金めぐんでもらわなくて済むモンね」
どうかナァ……と、『美月』は友人の傍らで天井をあおぎ、
「アタシは、いまの境遇が、ちょーどイヤんなって。イラついてたトコ」
「夜のお店もタイヘン、ってコト?」
「……まぁ、ね」
「それで──憂さ晴らしに、あんな激しいダンスを?」
「ウサ晴らし……マコっちには、そう見えた?」
「なんかさ “剣を振るってる” みたいな創作ダンスだったよね」
「うん……まぁ、そうなのよ……ネ」
彼女の頭に、ふたたびレイカの言葉が還ってきた。
****
「さて……そうとなったら、貴女たち姉妹に、
冷たく取り澄ました相手の顔に、ヤバげなものがよぎるのを察知する『美月』。
彼女とて、ダテに接客商売を重ねてきたワケではないのだ。
そこには、明らかに不利な“ギブテイ”のにおい。
「やってもらいたいコト……って、ナニよ」
「なに、アタマの弱い貴女でも、かんたんなことです」
「……ナンですって?」
「今度の『万聖節の宴』には、余興として『モルギアナ』に──貴女のお姉さまに、アリアを唱わせます。それに併せて『美月』さん。貴女には
剣舞?と『美月』は首をかしげる。
彼女とてまるっきりのアホではないから、剣舞ぐらいは知っていた。
牛のヨダレのようなジィさんの
「ただし!ステージではなく、テーブルの間を縫うようにしてね」
そして、その場で壁に
踊りは “ユルユル” などというものではなく、過激な
抜け殻のようになった姉の身体をギュッと抱きしめ、
「こんなの!刃物もったまま、サロンで踊れってェの──アブないわよ!?」
「だからイイんですよ、キミ」
わきから『小男』は、相変わらずの薄笑いを隠そうともせず、
「相手のノドもと!それをギリギリで刃先をかすめる。言ってみれば、これは招待客の度胸を試すこころみですよ。この程度で怖気をふるっては“紅いウサギ”のお得意サマにはなれません」
店主は意義をただし、顔つきを改めて、
「度胸があり──財力があり──人間的にも優れている!」
これがアタシの店で働く女たちを
だが“レイカ王女”は反対に、まるで(
「万聖節まで3週間あります。それまでに!この踊りをマスターなさい。音源と映像は貸与します。店を引けたあとは、ホールでも体育館でも、どこでも宜しい。場所を借りて、身体を馴らすのです。成功すれば、貴女の姉の
失敗すれば……?と『美月』は恐るおそる聞かざるをえない。
人形にされた姉を抱く腕に、ますますチカラがこめられる。
「失敗すれば──貴女は、ご来賓の方々から袋だたきに
レイカの凄絶な美貌のうちで
「そして貴女の身体は、その奉仕ドールのように生体改造され、オークション行きでしょう」
「え……」
「貴女の抱く、半壊した
──アタシも……こんなカラダに……。
『美月』は、腕のなかの姉を見やった。
すこし揺すると、もの
ただし口もとは、まるでオトコの肉棒をもとめるように、肉厚な唇をひらいて。
砕けた額の宝石は?と見れば、台座部分が何かの電子基板めくものを露出させている。
「──いかが?」
まるで『美月』の度胸を試すかのような、挑発めいた口調。
それにノせられて “おもての歌姫” は思わず口走った。
「……わかったワ──
****
「
気がつけば。
クラスメイトが、自分の顔をのぞき込むのを見る『美月』だった。
「どうしたのよ……まぁたボンヤリして」
相変わらず女子校の階段踊り場。
彼方から流れよせる合唱部の曲目は変わり──彼女は知らなかったが──グレゴリオ聖歌のレクイエムである『怒リノ日』となっている。
──
──
「べつに。こんどバイト先で、大きなセレモニーあってサ。そこで
「イイなぁ……とうぜんバイト代も割り増しなんでしょ?」
真琴は、弓道用の胸当てが縛める道着の胸もとを緩めながら、
「アタシも、お運びさんに雇ってくんないかなぁ……」
「……」
『美月』は黙ってスカートを脱ぎ、おマンコにはりつけた傷パット一枚の下半身となる。
そしておもむろに、クラスメイトが目を白黒させるのもかまわずM字開脚となると、大陰唇をおおう傷パットをペリペリと
「い"……ッ!」
真琴の口から、みじかい悲鳴とも
ツルツルの無毛にされたピンクの女陰には──
『美月』は、あえてそれを見せつけるように、グニグニと調教仕込みの三段締めを披露。
モグモグ、まるでおマンコが生き物のように蠢き“ナニか”を
「どッ……どうしちゃったの!ソレ?」
“紅いウサギ”の歌姫は、友人の驚き声をムシして立ち上がると、素足に陸上競技用のブルマを通し、グィッ!豊かな腰上に引き上げた。
ブルマは素股にコレでもかとばかり食い込み、ひづめのような谷間を浮かび上がらせる。
当然、股間に穿たれたピアスも、薄い生地にシルエットがモロ浮かびとなって。
「うわ……エッろ……」
真琴の口から、おもわずそんなセリフが吐息として漏れるほどの情景。
つぎに『美月』は、
思わず口に手を当てた神社の娘の目が、さらに驚きに見ひらかれる。
ピンクの
非情にも屹立した乳首の根もとを刺し貫かれ、つねにボッキ状態を強いるリング・ピアス。
それらクロームの
「なっ!……美香ッチ……痛くないの……それ?」
「痛いわよ?──はじめのうちはネ」
ワザとキョトンとした顔で、なんでも無いように『美月』は言ってのける。
そして淫らに装飾された己の巨乳をすくいあげ、長い舌で乳頭をレロレロと転がしてみせ、
「でも……コレに慣れると、もうアタシは“お店の持ち物”だという自覚が湧くの……」
「……」
「ドウしようもなく
「……」
「アタシはもう、完全に夜の女だという現実を、忘れないようにされるの……」
どぅ──コレでもアタシのバイト先のお運びさん、
「イヤよ──そんなの!」
「どうしてぇ?おカネは……儲かるわよ?」
100万、200万なんてゴミね、という友人を前に、神社の娘は声を荒げ、
「あたし、そんなんなってまで、お金かせぎしたくない!」
「あら、そ!ザンネンね!!せっかくお店に口利いてやろうと思ったのに!」
そう言いつつ『美月』は心中 “念レス成功♪” とばかりニンマリ。
「さァ──マコっち。サラシ巻くの、手伝ってよね?」
そう言ってブラウスを
真琴は複雑な思いで “夜の蝶” となったクラスメイトの胸に、サラシを巻き付けてゆく……。
*****
灯りを落とした酒場のカウンターで、大柄な男がひとり。
テーブルにヒジをつき、封をあけたウイスキー瓶を横に、氷を浮かべたグラスを鳴らす。
細めに開けた木製ブラインドの向こうには、事故と火事で半壊した『ジーミの店』。
いまだに警察の立ち入り禁止テープが貼られたまま、無惨な姿をさらしていた。
深夜の通りを行き交うヒトは絶え、ときおりパトライトの光が通るだけ……。
と──テーブルに置いた男の携帯が振動し、SNSの画面を浮かべる。
ナナ【いまナニしてるの?】
アジトのソファーで全裸にネグリジェをまとい、だらしなく横たわる女の姿が目にうかぶ。
気のない手つきで、男は携帯の画面を操作した。
【1918で呑んでる】V
ナナ【アタシも行ってイイかぃ?」
【来客があるからダメだ】V
ナナ【つれないネェ】
【その後、『連合』のイヌから連絡は?】V
ナナ【『武蔵』の方からも『黒龍』のほうからもナシ】
【ケッ!半グレども、アレだけ金ニギらせたのにな】V
ナナ【なんにせよ、せいぜい気をつけなよ】
男は既読無視のまま返信しない。
──ふん。
VはVindex。つまりラテン語で「復讐者」の意。
ドレッドは髪をかきあげ、グラスを鳴らして一口ふくむ。
度数の高い酒が、ロックにしてなお燃えるような感覚でノドを伝ってゆく……。
──今度こそ、
ノドを灼くウィスキーの感覚が、男の怒りを倍加した。
──この現代社会で……。
──そして前世のコンゴ動乱で……。
──なにより、あの剣と魔法の異世界で……。
重ね重ね、
冷たく閉ざされた扉。いくら叩いても開かれることは無かった。
上級国民、特権階級とやらに対する、凝り固まった憎悪。
それが、この男をして共産テロリストに
──肥え太ったブタどもは……。
そこまで考えたとき──いきなり暗い店内に影が差した。
ブラインド越しに外から差し込むの街灯の光り自体が力を喪ったかのよう。
男は春秋用ジャケットのふところに手を入れ、素早く
『やぁ──いい晩だね』
部屋に入ってきた煙のような影は巨大化し、男を呑み込むように。
大口をあけたところから、白い牙の鋭い並びが浮かぶ。
だが、ドレッドはいささかも動じることなく、
「お前ェか──来てくれると嬉しいと思ってたゼ」
すると黒い影は、たちまち空気を抜かれたように縮んでゆき、一匹の黒ネコに収束する。
そして片目となった金色の目を糸のように細め、
『嬉しいねぇ。だいたいボクは、キラわれものだからね』
「ふふん。じゃぁ世に
ドレッドは拳銃のハンマーをゆっくりと元にもどした。
『あいかわらず、ブッソウなモノ持ってるねぇ』
「なァに。用心のためサ。いつ
ドレッドは用心深く銃を握ったまま黒ネコを横目に、
「あの野郎に関する
上機嫌な口調でドレッドは、
「お前ェのおかげで、こちとらヤツに先手、先手を打てるんだから有り難ェ」
だが、意外にも黒ネコは小首をかしげ、
『マイケル氏に関することかい──いいや?』
カラン。
テーブルに置いたロック・グラスが鳴り、緊張感をいやが上にも高める。
「手前ェ……なら、なんでココに呼び出した」
『最近、あのヒトの守護がすごくてね。細かい動向は追えてないんだ』
「守護だァ?あの神社のヌシってヤツか。ヤツの
『愛人かどうかはともかく、向こうもそのコトで、キミを殺したがってるようだよ』
「上等だぜェ……そうこなくッちゃ。ンでェ?
ドレッドはスチェッキンの照準をピタリ、黒ネコに付けた。
「いっそ──あの神社ァ燃やしちまうか?このまえ鳥居をブッ倒したみてェに」
そうなれば……と黒ネコは前足でペロペロ顔をあらいながら、
『まちがいなくキミは
「ケッ!神サマとやらは腕が長い、ってワケかぃ」
『神様じゃァなくて、キミの宿業が
「まだるっこしいな……じゃァ、ナニしに来やがった」
『万聖節の宴、だよ』
ズバリ、それだけ言って黒ネコは沈黙。
そして
「ばんせいせつ、だァ?」
『“紅いウサギ”のことは、もう知ってるよね?そこで、こんど一般顧客を特待会員に引き上げるための
「ふぅん……で?」
『そこに、おそらくマイケル氏は現れるだろうね』
「ンだとォ?……おぃ、間違いネェだろうな!」
『オマケにキミたちが暴行した彼の女性も、奉仕用ダッチワイフに改造された姿で見られるよ』
ブヒャヒャヒャ!
ドレッドは、ウィスキーボトルを引っくりかえさんばかりの勢いで腹をかかえた。
イスを跳ね上げ、暗く静まりかえったBAR1918の空間に、男の下品な哄笑が響く。
「ウワサにァ聞くぜぇ……女を
そして、この男は拳銃をフラフラと動かし、心底面白そうに、
「するってェと、ナニかい?ヤツの情婦は、ダッチワイフに改造され
『そうさ?キミたちに手荒く暴行されたコトを、はかなんでね』
ケッ!鼻白みを隠すようなドレッドの一喝。
「あの
『恨みといえば、彼女もキミたちのこと、相当ウラんでいるだろうねぇ……』
「上等ョ。いっそ、そのダッチワイフを
『キミたちなら、やりかねないだろうねぇ……』
「あのジョージの野郎も喜ぶぜ。よぅし……キめた!」
ドレッドはハンマーを起こして再度、黒ネコに狙いをつけ、
「その招待状、手配してくんな。万聖節とかナンとやらの」
『いいんだね──ソレで?』
「うるせぇ、シのゴのヌカすな!
『それには “何があっても、自分の
「しつけぇな。さっさと寄越しやがれ!」
ブワ、ッ!!
突如!
黒ネコのカラダは爆発的に膨れ上がると、
素早くドレッドはスチェッキンを構えるが、前足から伸びた長い爪が拳銃を弾き飛ばした。
硬く、冷たく、鋭いその爪はドレッドのノド元に突きつけられ、ツツ……赤いスジを引く。
『何 が あ っ て も 自 分 の 業 の 所 為 で す……だよ?』
ヒヤリ。
不覚にもドレッドのわきを冷や汗が流れた。
しかし、持ち前の不敵さを発揮し、傲岸不遜な笑みをうかべると、
「オーケー、オーケー」
そして、この得体の知れない黒ネコに、言われた通りの言葉を、しぶしぶ復唱する。
『おおいに結構。それじゃ、のど元に指をおしつけて……そう、その指を、この
言われた通り、ドレッドが差し出された紙に指をおしつけると、それは血判となっていた。
あわてて自分のノドに手をやれば、すでにベッタリ血が流れているではないか。
「──
『契約は、すんだよ。一両日中、キミの手もとに招待状が届くだろう』
「夜会だろ?なにを着てったらイイんだぃ。タキシードでも着ろってェのか」
『詳細は、その招待状に書いてあるよ。キミたちは、身ひとつで会場に向かえばイイ』
いきなり気配は消えた。
あとには呆然とするドレッドが独り、とり残される。
連射の利く
そしてノド元にチリつく違和感と鉄さび臭さ。
これらが無かったら、今までのことは脳内の妄想かと思われるほどだった。
のど元に手をやれば、まるで
「野郎ォ……ナメたマネしやがって」
ドレッドの低い
拳銃を暗がりに向けブッ放したかったが、深夜の商店街のコトとてさすがに自制する。
さもなくとも『ジーミの店』の件で、周辺住民は爆発音のたぐいに敏感となっていた。
床板をゴトゴト踏みならしてシンクに行き、氷の溶けたロック・グラスをぶちまける。
鏡でノドの具合を確認してから血まみれの手を洗い、新たに氷とウィスキーを注いだ。
ふたたびドカドカ床板を踏みならし、背の高いイスに尻を持ち上げると、放心の一口。
「……『万聖節の宴』、か……」