試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【18禁版】 作:珍歩意地郎_四五四五
本年も珍歩を何卒宜しくお願い致します。
2021年。精鋭読者の皆様に等しく健康と幸運を。
静寂の中、その音は、えらく騒々しかった。
まるでヤケクソのように芝生を踏み鳴らす気配。
そしてなにやらブツブツと、不満げな声が聞こえてくる。
(ホントにもう!……ナンなのよ!)
(足が痛いったら……こんなンなら、外履きはいてくるんだった……)
(あーぁ……お父さァん……)
(もう好きキライいしません……
(弓道部の部費をゴマかしたり……参考書を買うお金でカラオケ行ったりもしません……)
あっけに取られる俺の前を、セーラー服を着た女子高生が力なく通り過ぎてゆく。
よく見れば柔らかいゴム底の上履きは朱にそまり、おまけに後頭部からも血を流して。
――どこかで見た顔だ……どこかで……。
「……おィ」
(もうカンニングもしません……ともだちの悪口もいいません……)
「オィったら!」
(お父さんのヘソクリこっそり抜いて、
おぃ!とオレはセーラー服の袖をつかんだ。
だが、さっきサムのヤツをどやした時と同じく、まるで砂袋のように重い。
うっかりすると、こっちがズルズル引きずられ、列の中に組み入れられそうになる。
とっさにFALを使い、彼女に足払いをかけた。
すると、女子高生は
――いまだ!
よろけた拍子に、渾身の力で彼女を引っぱった。ちょうど負傷兵を瓦礫からひきだす要領で。すると相手はフラフラと列から離れ、背中から倒れこんだ俺の上に覆いかぶさってきた。リュックにグサグサと芝の葉が貫通するイヤな気配。
偵察装備満載なオレの胸の上で腹ばいになった女子高生は、やがて目にボンヤリと生気を取りもどす。
「あれ……どうなったのアタシ?」
そして、自分が騎乗位をしているこちらの顔を見て、
「え……ちょっ、オジさん!?」
そう言うや、オレの胸をグリグリと支えにして上半身を起こした。
めくれ上がったスカートと、白黒ストライプのパンツ。
こちらの戦闘服のズボンに直あたりして微妙な気分。
「やだ、オジさん!何してるのこんなトコで。それにそのカッコ……戦争にでも行くの?」
「アホ。だれがオジさんだ。オレは長距離偵察隊・第三中隊――」
「マイケルさんだよね?」
見知らぬ少女はズバリ、こちらのコンバット・ネームを言い当てる。
「美香子のお姉さんのカレシで、トラック・ドライバーの……」
俺の中で、また得体の知れない記憶が鮮明によみがえる。
古めかしい神社……雨漏り……現代風な日本の巫女さん……
「どうでもイイが、腹から下りてくれないか。そしてオレを引っ張り起こしてくれ……」
「あ、ゴメんなさい……パンツみないでくださいよ?」
「ダレが見るか!」
彼女をまず立ち上がらせ、次いでこちらを引っぱらせる。
JKの体力的にどうかなと思ったが、腐っても高校の運動部。彼女は意外な力を発揮して、なんとかオレは立ち上がることができた。
「やれやれ、どうにか成功したか」
「やだ!オジさんワキ腹ケガして……えぇッ!うそォ?ほーちょー、
「きみだって後頭部からだいぶ出血してるぞ。大丈夫か」
「あ……そうだった」
女子高生は悲しげに後頭部に手をやる。
しかし彼女の手のひらに血は付かなかった。
どうやらオレのわき腹と同じく、出血は止まっているらしい。
「教室移動のとき、階段のとちゅうでいきなり誰かに突き飛ばされたの。気づいたら、前の人に続いてこんなところを歩いていたわ……足が痛くて……」
そう言って、この女子高生は血まみれな自分の上履きを見る。
「でもヘンなんだ……ゼンゼン痛くない。オジさんのおなかも、そうなの?」
「あぁ……まァな」
彼女は目の前を延々と無言ですぎてゆく様々な人の列を眺めわたしながら、
「……ねぇ、ここってヤッパリ“死後のセカイ”だったりする?」
「残念ながら、そうらしいな」
しばしの沈黙。
「……アタシ、死んだの?」
少女の顔が、泣き顔にグシャっとゆがむ。
ココで泣かれてはやっかいだ。
オレは少女に現実を直視させようと、なるべくぶっきらぼうな口ぶりで石造りの大きな橋を指し示す。
「そうだ!そして見ろ、あれが
「……“れて”ってナァニ?」
ガックシ。
格好つけたつもりが、見事にスカされる。
「
「だって。弓道にカンケーないモン」
「えぇ~と、ナンだ。それを渡ったらもどって来れない……みたいな」
「あぁ……三途の川かぁ……でもずいぶん狭いのね。思ってたのとちがう」
「あのデカい橋を渡れば、たぶん“あの世”だな」
「……天国?」
「さぁて。地獄かもしれんよ」
「……そんなぁ」
「まぁ、食べ物の好き嫌いをしたり、実家の手伝いをしなかったり部費をゴマかしたり、参考書を買う金でカラオケに行くやつは、天国に行けない罠www」
フヒヒッ、と。
この非常時に笑いが出る。
彼女の泣き顔が、今度は膨れっ
バシッ!
オレは腕をかるくひっぱたかれる。
「……なによぅ」
「マ、いずれにせよ」
いつまでもこんなところに居るワケにもいかない。
オレはFALを抱えなおすと、
「天国だか地獄だか。とりあえず橋のたもとまで行って見ようや」
「そうだ!川辺に行ったら、先に死んだ親類とかが見えるんだよね?」
「ん?……まぁ、そんなハナシもたしかに聞くな」
「ヒョっとして、お母さんに会えるかな……」
「ご母堂、お亡くなりになったのか」
「やだ。この前そう言ったじゃん!……本当に忘れちゃったの?」
オレはセーラー服姿の女子高生を改めてマジマジと看た。
やはり。たしかに以前、どこかで会ったような気がする。
だが、いったいどこで?
こんな子が砂漠やジャングルを歩き回るワケはないし……ましてや酒場などにも縁がなさそうだ。
いくら考えても分からないのでオレはとうとう諦めて肩をすくめ、
「さァてネ――そのまえに、オレのリュックの中に足跡擬装用の靴底があるから。引っ張り出して、その上履きに縛り付けろ……あったか?よし足を出せ。血まみれだな。大丈夫か?そうか。コレはな、こうするんだ……」
* * *
すぐ近くに見えていた橋は、意外に遠くにあった。
亡者の列のかたわらを、ふたりしてバリバリ、ベキベキ。
芝生を踏み鳴らしながら騒々しくすすむ。
やがて大ぶりな橋のたもとに着くと大きな門がひらかれており、そこに亡者の列は無言のまま入ってゆくのだった。
まるで門そのものを支えるように門柱を背負う巨大な一対の像が、そんな哀れな魂たちをを見下ろしているポーズで。
「ねぇ――おじさん」
「オジサンじゃない。オレはそんな歳じゃないぞ」
「じゃぁ、なんて呼べばイイのよ」
「中尉どの、と呼べ」
「注意どのォ?なにを注意するの?」
「アホ、その注意じゃない……軍の階級で……」
そこまで言って、なにか急にどうでもよくなった。
「あーもう、オジさんでイイ!めんどくせ!!」
「なんですぐ怒るのぉ!……ね、それよりあの像。なんかコッチみてなィ?」
言われてみれば、たしかに。
筋骨隆々たる一対の半裸な男たちの像。
うつむいた顔は人々の列のほうを向くが、横目でこちらを
――チッ!うすッ気味悪い。
オレたちは門を迂回し、バキバキと芝を踏み鳴らしつつ小川の方へと歩み寄る。
水の音が、サラサラと聞こえるようになってきた。
「キャッ!」
一足先に水辺に近づいた彼女が後ろにとびすさり、危うく尻もちをつきそうになる。
「なんだ!気をつけろよ危ないな。どうした?」
「みず!――水のなか!」
どれ、と震える彼女のとなりから水面をのぞきこめば……なるほど。
恐ろしいほど透明な水が流れる小川。
そしてその底は、数しれぬほどの人骨で一面におおわれているのだった。
――ふぅん……?
似たような光景を過去に何度も見てきているので、べつに驚きはしない。
ただ、この川底の骨は、どの戦場の虐殺現場でみたものよりもキレイで、そこだけが強いて言えば驚きか。
「だれの骨だろうな。そもそも何のための人骨なのか……」
さらに観察しようと身を乗り出すオレの迷彩服を引っぱり、
「ねぇ、キモチ悪いよ――行こ?」
JKはそう言うや、バキバキと芝を踏みならして門のところに戻ろうとする。
その時だった。
彼方で、
鈴の鳴るような、そんな音がした。
オレは敵に近づいた斥候兵の要領で、全身を耳にする。
「おぃチョット待て――足音を立てるな、静かにしろ!」
さやさやと流れる水の気配を縫い、いくつもの鈴を同時に打ち鳴らすような音。
かぼそく、弱々しい調子だったが、たしかに鈴の音だ。
「……なにアレ」
「聞こえたか?」
「コッチの方から」
彼女が指差す方をみると、石橋のアーチ下からだった。
不思議なことに幅30mほどの橋のはずだが、アーチの奥が見通せない。
緩やかに風が吹き、何か木の香りのような匂いも幽かにただよってくる。
「いってみようか」
「イヤよ。コワい」
「じゃぁどうする」
しょうがないヤツだなとオレは様々な装備の下がる腰に手をやり、
「この橋を渡って、天国だか地獄だかに行ってみるか?」
「だって……お化けでも出てきたら……」
思わず笑ってしまう。
「お化けだァ?オレたちが、まさにそうじゃないか」
「えぇッ!……まぁ、言われてみれば。そう、だけど……」
「さ、リユックの中に
背中のほうでゴソゴソやっていた女子高生は、やがてL型ライトを取り出し、
「ナニコレ。ずいぶん古くさいライトねぇ。ちょ!LEDじゃなくて豆電球じゃないの?」
「古臭い?そうかな。ま、傭兵の支給品なんてそんなモンだ。さ、いくぞ」
思いのほかアーチの中は暗かった。
入っていくらもたたないうちに足もとは見えなくなる。
ただ、地面は石敷きの舗装となっており平坦で、あのイヤらしい芝生でなくなったのはありがたい。
いっとき座りこんで鉛のように重い足を少し休ませようかと考えるが、動き出すのがおっくうになりそうで、怖い。それでもしばらく立ち止まり、休憩がてらあたりの様子をうかがう。
暗がりの中では、かたわらを流れる小川の音が妙に大きく聞こえて。
ライトをつけ、周囲を確認。そして頭上を照らしたとき、ギョッとする。
あるはずのアーチの石組みが見えない。
光の帯は、まっすぐ虚空へと消えていた。
「あ~~~~。あ~~~~」
「……なによオジさん、ヘンな声だして」
「いやホラ。橋の下のクセに声が響かんナとおもって」
女子高生もマネをして高い声をあげるが、まったく反響がない。
オレはホルスターからワルサーを抜き出し、跳弾に注意しながら上に向けて撃とうとする。
そのときだった。
彼方で聞こえていた断続的な鈴の音が――
暗がりのなかで、思わず顔を見合わせる。
――もしや……警戒させた?
発砲を思いとどまり、ワルサーをホルスターにおさめる。
敵であれ味方であれ、こちらの接近は秘匿させるに越したことはない。
それに、この暗闇で進む目標がなくなるのは、つらい。
振りかえれば、アーチの入り口が彼方に輝点のような小ささで光っている。
胸ポケットから軍用コンパスを取り出してみるが、指針はグルグルと回るだけだ。
こんなとこで方向感覚を無くしたくない。入り口が分かるウチに引きかえすべきか?
――でも引き返したとして……どこに行く?
まさかこの上の橋をわたるわけにもいくまい、と考えていると、女子高生がオレの戦闘服をギュッとつかんでいるのに気付いた。
続いて不安気な声が、
「どうするの?オジ………マイケルさん」
「とりあえず、もう少し行ってみようか。なにか別の道があるかもしれん」
我々が歩き出すと、有り難いことに彼方からまた鈴の音が聞こえるようになった。
川のヘリにそってすすむうち、足もとはいつの間にか石敷きから板張りになる。
なるほど。アーチの入り口で嗅いだ木材の匂いは、これだ。
更にふたりでカタカタ、ゴトゴト歩いてゆくと、遠くに灯りが見えてきた。
近づいてみれば……。
なんと、それはヒトの背丈以上もある朱塗りの灯籠なのだった。
なかには蝋燭の炎らしきものが音もなくゆれ、あたりをチラチラと照らしている。
「見て、オジさん!向こうにも!」
JKが示す方を見ると、なるほど彼方にも。か細い灯りが鬼火のように点々と続いて。
それをたどると小川から離れるかたちとなるが、ここまで来たからには仕方ない。灯りを目当てに、板葺きの道をたどってゆく。
そのうちに灯籠の数は増え、両がわには玉ねぎのような
リュックの尻をその上に載せ、ようやくオレは肩をラクにすることができた。
「オジさん!祠がある……鳥居も!お稲荷サンかな……?」
手摺を越えた彼方の闇で、あたかもそれ自体がライトアップされているように、ポツンと朱塗りな祠が赤く浮かび上がっている。
気がつけば、それが遠近に幾つも並び建ち、一種幻想的な光景を呈して。
「オイナリサン?あぁ、日本の宗教か」
「おっかしなの。オジさん、もしかして日系人?」
ツケツケと言われ、すこしとまどう。
オレは、なんだ?
傭兵部隊の指揮官であり――。
特殊騎士団の団長であり――。
轢殺トラックの殺し屋?――。
忘れていた
忘れている
――まぁイイか……。
「行こう。長く休みすぎると、動けなくなる」
進むにしたがい、まわりはボンヤリと明るくなっていった。
あたりの雰囲気は、死者たちが力なく行進する荒涼とした芝生の丘とはちがって、何か神さびた気配を漂わせるように。
オレはホッとしてフラッシュライトを消した。
かぼそい鈴の音が、次第にハッキリとしてくる。
それはたとえてみれば、まるで最後の力をふりしぼって鳴らすような具合。
「あれ……神楽鈴の音色ね」
「カグラスズ?」
「そう……なによ、オジさんも教養ないのねぇ」
女子高生は、先ほどの仕返しとばかり、フン、と腰に手を当て、
「鈴がいくつも房状についている祭具よ。巫女舞をするときに使うの……げ、橋だ」
彼女のトーンが、急に落ちた。
大きな岩を曲がったとき、
またもや彼方に朱塗りな橋がかかり、行く手の視界をさえぎっている。
道は、どうもその橋に向けて続いているようだった。
足を止めたオレたちは、彼方を声もなくみつめる。
ややあって彼女が、
「どうするの?……わたるの?」
オレは大きくため息をついた。
また、背中の装備がズシリと重くなったような感覚。
肩に容赦なく食い込み、こちらの気力をヘシ折りにかかる。
だが、年上として、年少者のまえで弱った姿はみせられない。
「……しかたない。とりあえず行くだけ行ってみよう」
ちかづくとこれも大きな橋で、ほぼ半円状の急角度を形作っている。
橋の下は暗い谷となっており、ライトを照らしても光は届かず底をうかがうことはできない。
「キミ、よくオレは銃撃戦の影響で耳が少しわるい。谷底から水の音が聞こえないか、聴いてみてくれ」
「キミ、って……わたしの名前、忘れちゃったの?」
女子高生は赤いセーラーリボンの前で腕組みをして頬をふくらませる。
そんなこと言われても、なぁ?とオレは首をかしげ、
「こっちは東南アジアや中近東、それにアフリカで戦ってばかりいた。キミみたいな娘は知らんよ。オマーンやコンゴ、インドシナに居たことはないだろ?」
「なに?どこよソレ。オマーンコ?」
「オマーンだ、オマーン!混wぜwるwなw!」
しかし、よくよく考えると、やはりどこかに親しみがあるような。
サイフに痛かった
「じゃぁ、詩愛さんは?それに美香子も!」
「だれだ、それ」
そう言ってから、オレの中でまた別の心象がうまれる。
全騎が手練れの王立・特殊騎士団。
魔導師の炎をかいくぐり引き抜く剣。
肛門から口まで、串刺しにされた愛娘。
蹂躙された屋敷。オークに陵辱された妻。
そうかと思えば、
重量級のトラックがヒトを轢くタイヤの感覚。
深夜の張り込みと、
胃を絞られる朝会。上司の腰巾着である業務主任の殺したくなるようなツラ。
高級サロン。バニーガール。豊胸手術。調教施設。強制女体化改造された轢殺目標のガキ。
そんな、およそ脈絡のない心象が次々と。
考え込むオレをよそに、女子高生は朱塗りの欄干から危なっかしく身を乗り出して下のほうに耳をすましていたが、やがてパタパタとこちらに戻って、
「水の音はしないよ?ただ風がね!ヒューヒューわきあがってくんの!スゴいの!」
「匂いはどうだ?水の気配は?」
彼女はトコトコまた欄干の方に行って身を乗りだしてから戻ってくると、
「うぅん、無いみたい」
鈴の音は、あいかわらずこの橋のむこうから聞こえてくる。
「どうする?……この太鼓橋わたるの?」
ほかに道はなさそうだった。
まさか、あの死者の石橋を渡るワケにもいくまい。
それになにより……もう疲れ果てた。
「よし……いくぞ」
最初の傾斜があまりに急なので、まず彼女の尻を欄干づたいに上へと押し上げた。
「やぁん――エッチなオジさんですぅ!」
「仕方ないだろうが!それとも自分で登るか?」
次に自分も
「お
先にのぼったJKの言葉が降ってきた。
こちらもようやく“登攀”すると、目の前には灯籠をあちこちに配した壮麗な神社。
たしか『トリイ』とかいう門と、ヤケに立派な犬小屋も、あちこちに。
「……拝殿の方から音がきこえるよぉ?」
「
「ヒドゥン、じゃなくてハイデン!ぢゃぱにーづ・
「OK,
「もー、わかってンのかな?」
そう言うや、彼女は丸い橋を器用に滑り降りた。
FALの
キャハハッ、ダッさ。と彼女の明るい笑い声。
くそう。しかし良かった、部下にこんなカッコウを見られなくて。
しかし、すぐさまオレは相手の姿にニヤリとして、
「そういうキミだって、スカートがまくれあがって尻が丸見だぞ」
「ウソ――やだ、もう!」
彼女は、まくれあがったまま腰回りで引っかかっている短いスカートのスソをおろし、お尻をパンパンとはたいた。
「美香子みたいに、アタシは水商売に行くほど尻軽じゃないんですからね!」
「美香子……」
「だから。オジさんのお相手の詩愛さん、その妹だってば!」
美香子、という名前に違和感があった。
なにか、もっと別の名前があったような気がする。
それに詩愛という言葉にも。ふたりの女の
「まぁいい。とりあえず……」
オレはFALを杖にヨイセと立ち上がるや“ハイデン”とやらの方を凝視した。
「あそこに行って、鈴音の正体を確かめてみるか……」
そこまで言ったときだった。
突然、女子高生が愕然として動きをとめた。
「ウソ……そんな……」
「なんだ?どうした」
オレは顔色をかえて石化する若い横顔をのぞきこむ。
すると彼女は「あれ……あそこ」と、ややふるえる手で彼方をゆびさし、
「……お母さん?」
早いもので連載を始めて1年経ってしまいました。
(そのワリには進んでいないナ~と猛反省)
さてさて。
主人公たちとは別の黒い轢殺トラックとは?
そもそも、主人公たちの属する組織とは?
組織が【SAI】を作った本当の目的は?
小男と「紅いウサギ」の行く末は?
また詩愛と“美月”はどうなる?
宿敵ドレッドとの対決は?
……等々、まだまだ展開は2転、3転致します。
本年もまた海外出張がありそうですが、決してエタらせたりはしませんので、
精鋭読者の皆様におかれましては援護射撃を何卒、宜しくお願い申し上げます。
珍歩意地郎 四五四五 しるす。