朝食を済ませた兵藤一誠は、他のグレモリー眷属と共に修行へと移った。
昨日に引き続き、一誠は仲間である木場祐斗と接近戦の訓練だ。約一ヶ月前の四月に人間から悪魔へと転生を果たしたばかりの一誠には戦闘経験が足りていない。日本という平和な国で平凡な日常を送って来たために当然ではあるが、小さい頃から戦闘訓練を積んできた祐斗の足元にも及ばない状況が続いている。
「そこだっ!」
一誠は木刀を構えて正面に立っていた祐斗に向かって木刀を振り下ろす。自身にとっては渾身の力を込めた最速の一撃であったが、祐斗からすれば止まって見える速度だったのかもしれない。一瞬前まで捉えていた祐斗の姿が目の前から消え、真横から真剣目味を帯びた声が耳を打つ。
「隙だらけだよ」
「うわっ!?」
木刀の根本付近に強い衝撃が走り、柄から手を離してしまう。
直後、首筋に近づけられた木刀の切っ先。横を見れば木刀を握る祐斗の姿があった。
「まいった……」
「これで三勝零敗だね」
一誠が両手を上げると、祐斗はそう言って軽く微笑んだ。一誠は既に汗を掻き始めているのだが、祐斗の方は涼しげな様子だった。この程度は準備運動にすらならないのだろう。青い空と大自然を背景に立つ金髪の美少年からは、爽やかな雰囲気は一縷も損なわれていなかった。
それもそのはず。まだ修行が始まって一刻と経っていない。だというのに、一誠は既に三回も敗北を喫している。しかも、どれも似たような流れだ。小手先の連撃ですら触れることも叶わないというのに、焦って大振りを放ってしまい、その隙に祐斗の攻撃を受けて敗北。
もう少し考えて行動をしなければ、と一誠は自分でも理解していた。だが、考えることはできても上手く行動に反映できない。戦闘が始まると視野が急速に狭まり、ただ無作為に攻撃を繰り出してしまう。
これではいけない。もっと冷静に立ち回らないと。
修行の時間は無限にはない。今日を含めてあと九日後に、レーティングゲームが行われる。少し前まで人間だった一誠は詳しく知らないが、レーティングゲームは悪魔界隈では人気のある娯楽のようだ。二つの陣営に分かれて戦い、条件を満たしたほうが勝者となる。
そのゲームの結果如何で、一誠の主であるリアス・グレモリーの運命が決まる。
もしも、リアス率いるグレモリー陣営が、対戦相手であるライザー・フェニックスという男が率いるフェニックス陣営に敗北することになれば、リアスはライザーと婚約することになる。好きでもない相手の妻になり、やがて純潔を奪われ、子を産むのだろう。
一誠はライザーのことをよく知らないが、部室で出会ったライザーの印象は悪かった。リアスとアーシア・アルジェントからの「挨拶」に応えるだけの礼儀はあるようだが、終始非常に横柄な態度だった。
あの男と結婚しても、部長は幸せにはなれない。
それに、単純にリアスを誰かに奪われることを想像すると嫌な気分だった。
だから一誠は、ライザーに勝つことだけを考えていた。
絶対に負けてはいけない。負けないために、少しでも強くならないといけない。
再び木刀を手にした一誠は、祐斗へと距離を取って向き直った。
「木場、もう一回頼む」
「勿論。いつでもいいよ、イッセー君」
上手く行動できないのも、視野が狭まるのも、経験が足りていないからだ。もっと数をこなして、もっとよく考えて、地道に感覚を掴んでいくしかない。それが一番の近道だと一誠は思っていた。
部長、俺強くなります。強くなって、あの男から守ってみせます。
一誠は想いを込めるように木刀を強く握りしめ、気合の声とともに祐斗へと肉薄した。
一誠と祐斗が修行に励む中、リアスは別荘の居間で自慰に耽っていた。
「んっ、あっ……」
衣服を脱ぎ、全裸のままソファーの上でM字に足を開いたリアスは、股の中心を指で弄る。くちゅ、くちゅと膣口を指が穿る度に声を上げ、身震いする。過去にしてきた自慰の中で、今が一番気持ちいい。そう断言できるほどの快楽を味わい、また甘い声を漏らした。
「あっ、んっ、んんっ……」
リアスの隣では、リアスと同じ格好で姫島朱乃も自慰を繰り返していた。艶のある声は同性からしても卑猥で、リアスよりも激しいと思える指遣いによって繰り出される水音が興奮を促す。
そして、何より、目の前で行われている光景が、リアスの自慰を加速させた。
「ぶぢゅっ、ぢゅぼっ、ぐぷっ、ぐぽぉっ、ぢゅるっ、ぐちゅっ!」
少女の股間で屹立する分厚い肉棒を、一人の少女が咥える異様な光景。
肉棒の持ち主は、リアスの眷属である塔城小猫だ。普段は無口で無表情なことが多いが、今の小猫の表情にはリアスが見たこともないような邪な笑顔を浮かんでいた。幼く綺麗な裸身を震わせ、少女の頭を両手で掴んでいる。
「その調子です、アーシア先輩……」
小猫にそう言われた少女、アーシアは、床にしゃがみ込んでガニ股になったまま、肉棒に絶え間ない口淫を施していた。長い金色の髪と発育途中の胸を揺らし、発情しきった表情で一物をしゃぶる様はまるで娼婦だ。
「ぶぢゅっ、ぢゅっぽっ、ぐぽぉっ、ぢゅぶっ、ぐちゅっ、ぢゅるっ!」
激しすぎる音が居間に響く。その音には負けてしまうが、リアスと朱乃の自慰もまた騒がしかった。陰核を虐める手とはもう片方の手で陰部を弄り回し、愛液の音を立てながらでソファーや床を濡らす。
どうして修行中に皆で裸になって自慰をしているのか。
どうして小猫の股間に肉棒が生えているのか。
どうしてアーシアが小猫の肉棒をしゃぶっているのか。
自慰の途中でいくつか疑問は浮かんだが、即座に消え失せた。代わりにと植えつけられた認識が脳内を占拠し、リアスはその認識を正しいものとして受け入れ、突き動かされるように指を動かす。
今は訓練中だ。九日後に控えたレーティングゲームで、ライザーに敗れそうになったときに繰り出す奥義の習得に全力を注いでいる。ライザーの前で女性陣が自慰を披露しつつ、一人がライザーの肉棒をしゃぶる。そうすればライザーは動揺し、思わず動きを止めるだろう。
その隙に一誠と祐斗が攻撃をする、という奥義だ。
完璧だった。こんな技を思いつくことができて良かった。
この奥義の完成度を高めておけば、ライザーに負けることはない。
「あんっ、あっ、んっ……」
「くぅっ、あっ、あっ、あぁっ……」
「ぶぢゅっ、ぢゅるるっ、ぢゅぞぞぉっ、ぢゅぶっ、ぐぷっ、ぢゅぼっ!」
だから、リアスは、リアスたちは訓練を続ける。誰がどの役割を担い、どういう陣形を作るか。試行錯誤する。ソファーから立ち上がったリアスは、ライザーに見立てた小猫の傍でしゃがみ、アーシアのようにガニ股になって自慰をする。
そうしていると、朱乃も小猫の傍で同じ体勢を取り、膣を穿る。
小猫の肉棒を咥えるアーシアとともに、三人で小猫を囲む布陣が完成した。これで、どの方向を向いても盛った雌しか映らない。ライザーはその場で立ち尽くすしかなく、一誠たちの攻撃を受け続けるだろう。
これなら、いける。
不死鳥と同じ不死身の体を持つフェニックス家の三男、ライザー・フェニックス。いかに不死身といっても、心までは不死身ではない。このグレモリー流発情雌犬包囲網で身動きを止めさせ、一誠と祐斗の二人に攻撃させ続ければ、心が疲弊して膝を屈するに違いない。
その証拠に、仮想ライザーである小猫の表情が歪んだ。
「すごい作戦です……。これでは、負けてしまいます……」
やけに棒読みなのは、小猫に演技力がないからだろう。リアスは小猫の大根役者ぶりを目の当たりにしてくすりと笑いながら、高ぶってきた感情に身を任せる。今までしたこともないような荒々しい自慰。足元に水たまりができるほどの。
雌の匂いが周囲に立ち込める。
それでも、鼻から吸い込むだけでわかる、濃い雄の匂い。小猫の肉棒から漂う匂いはリアスの全身を喜ばせ、心を魅了しようとしてくる。気を抜けば全裸土下座で永遠の忠誠を誓ってしまいそうになるが、どうにか跳ねのけ、リアスは達した。
ぷしゅっ、ぷしゃっ、と潮を吹く。ちょうど、朱乃も潮吹きに至ったようだ。小猫の足を濡らすようにリアスと朱乃のダブル潮吹きが披露され、そのタイミングに合わせるようにアーシアが肉棒に強く吸いついた。
その瞬間、小猫の表情が蕩けたかと思えば、射精を始めた。
びゅるるるっ、びゅるるっ、びゅーっ、どびゅーっ、どぷっ、どびゅっ、どくっ!
「んっ!? あっ、んぐっ!?」
喉奥まで肉棒を収納し、精液を口内に浴びるアーシア。呻き声を漏らし、必死に精液を啜っているが、如何せん量が多すぎたようだ。口の隙間から、鼻の穴から、精液が逆流する。遂には我慢できなくなったアーシアが肉棒から口を離し、アーシアの全身に精液がぶちまけられた。
びゅるるっ、どびゅーっ、びゅーっ、どぴゅっ、どぷっ、びゅる!
「はっ、はっ、はっ……」
犬のような呼吸を繰り返すアーシアの体が白濁に彩られていく。その顔はとても嬉しそうで、男に媚びる雌犬に相応しかった。これならば、あのライザーの油断も誘えるだろう。眷属の立派な姿に満足感を抱きつつ、リアスは射精のような潮吹きを繰り返す。
完成した。あとは、これを本番でもできるように練習を積むだけ。
待っていなさい、ライザー。これがあれば、あなたに負けることはないわ。
「ばーか……」
小猫が笑うようにして何かを言っていたが、自分に浸っていたリアスの耳には届かなかった。