仮眠を取った俺は、着慣れたスーツに身を包み、自室でグレイフィアを待っていた。既にレイヴェルたちには席を外してもらっているため、部屋には誰もいない。静かな部屋で何をするでもなく、ベッドに腰掛けて時間を過ごす。
やがて部屋の前に近づく者の気配を感じ、直後に部屋の扉がノックされた。
「失礼いたします。ライザー様、入室してもよろしいでしょうか?」
「入れ」
グレイフィアの声が聞こえ、俺はすぐに許可を出した。
扉が開き、グレイフィアが現れた。普段通りのメイド服を身に着け、落ち着き払った態度を取っている。主人である俺を放置してまで夫と会っていた女とは思えない。一応は俺とリアスの婚約についての話をするのが用件だったようだが、それにしても長かった。
「待っていたぞ、こっちに来い」
俺に呼ばれ、グレイフィアの動きが怯む。俺が何もせずに部屋にいることがそんなに不気味に見えたのだろうか。しかし、警戒は一瞬だけだった。グレイフィアはすぐに歩みを始め、俺の前で止まった。
「随分遅かったな」
「申し訳ございません」
ただグレイフィアは深々と頭を下げた。言い訳をするつもりはないらしい。
「余計なことを話したんじゃないだろうな?」
「いえ、そのようなことはありません」
と、淡々とした声音でグレイフィアは言っている。嘘か本当かはわからない。あくまで映像だけで、二人が何を話していたかまではわざわざ確認していない。そこまでの厳重な監視はグレイフィアには必要ないと判断したからだ。
そうだ。もう必要なくなる。
「まあ、いいか」
少しの間グレイフィアの目を見つめた後、俺は引き下がった。これ以上問い詰めたところでグレイフィアは何も話さないだろう。この件に頓着するよりも、今は他にやることがある。それを進めるべきだと思った。
「グレイフィア。今日もお前に夜伽を頼みたい」
「かしこまりました」
グレイフィアは頷き、さらに俺へ身を寄せる。いつも通りそのままベッドで抱きたい衝動に駆られるが、今は我慢だ。せっかく整えた舞台を使わないのは勿体ない。俺はベッドから立ち上がり、部屋の隅にある転移用魔法陣の前に移動した。
振り返ると、グレイフィアは不思議そうに俺を見ていた。夜伽ではないのか、といった疑問の声が聞こえるようだ。そんなグレイフィアを疑問を解消させてやるべく、俺は魔法陣を指差して告げた。
「お前と愛し合うに相応しい場所を用意した」
俺の言葉に、グレイフィアは身構えるように肩を強張らせた。
「ついてこい」
しかし、いくら構えたところで意味はない。主人は俺だ。言うとおりにする他はない。
「はい」
はっきりと紡がれた一言には、覚悟が秘められていた。
俺はグレイフィアと共に魔法陣を介し、目的の場所へ転移した。
転移先は、仮眠前にアーシアと交わりながら俺が作った疑似空間。レーティングゲームで使う戦闘用のフィールドと同じ構造だ。実際に存在する空間ではない。ただ、元となった場所は実在する。
「ここは……」
グレイフィアは転移先の光景を見回す。思わず漏れた呟きには驚きが含まれていた。
それもそのはず。なにせこの空間はグレイフィアにとって馴染みの深い場所だ。
「グレモリー邸へようこそ。偽物だけどな」
ここはグレイフィアが仕えていたグレモリー家の邸宅。その中にある、サーゼクスとグレイフィアのために用意された二人だけの寝室だ。余計な調度品などはなく、部屋の中心には大きなベッドが据え置かれていた。
ここで、グレイフィアはサーゼクスと夫婦として何度も交わったのだろう。汗の滲む裸体を交わらせ、互いに愛を囁き、赤子の素を胎で受け止めた。子供ができるまで、何度も、何度も繋がった場所。
俺はこの場所で、これからグレイフィアを抱こうと思っている。
だが、グレイフィアの様子は少しおかしいようだ。珍しく表情は青ざめ、瞳は動揺に揺れている。愛する夫との想い出に満ちた空間を汚されるとは思っておらず、彼女の心を大きく揺さぶったらしい。
「この場所でないといけませんか……?」
「ああ、せっかく作ったんだ。使ってやらないとな」
「なぜ、グレモリー家を、この部屋を選ばれたのでしょうか……?」
「理由か。決まってるだろ?」
問われ、俺はすぐに答えた。
「サーゼクスと俺を比較してもらうためだ。どちらが優れた雄かを知ってもらいたくてな」
「そんな……」
グレイフィアが言って、すぐに言葉を止めた。そんな理由で、と言いたかったのかもしれない。だが、それ以上を言えば俺に対する侮辱だ。ああ、そうだ。グレイフィアのために一生懸命作ったのに、当の本人に否定されると非常に悲しい。
踏み止まってくれて良かったよ。
俺はグレイフィアの背後に回って両肩に手を置くと、ビクッと細い肩が震えた。
「さあ、始めるぞ」
グレイフィアの背を優しく押し、ゆっくりと前に歩かせていく。一歩、また一歩とベッドに近づいていく。その足取りは重かった。
「抵抗するなよ?」
グレイフィアの足が完全に歩みを止めてしまう前に、俺は釘を打っておく。
グレイフィアは進む。俺に抵抗できず、ベッドの前まで近づいた。そして、恐る恐るベッドの端に腰かけた。目の前に立つ俺を見上げたグレイフィアは普段よりも頼りなかった。大切なものを壊される恐怖に震えるか弱い少女のようだ。
俺はグレイフィアを落ち着かせようと、また肩に両手を置いた。
「安心しろ。これは偽物だ。本物じゃない。用が済めば壊れてなくなる使い捨てだ」
俺に言われ、グレイフィアが逡巡したようだった。俺の発言を素直に受け入れるかどうかを考えているのだろう。しかし、ただの偽物と割り切るには思い入れのある空間だったようで、気持ちの整理に時間がかかった。
「わかりました……」
それでも、グレイフィアは気丈だった。一度決心すると、これまでの動揺が嘘のように鳴りを潜めた。俺を見つめる目にも冷静さが戻り、全身に入っていた余分な力も完全に抜けていた。
余計なことをしてしまったとは思わない。グレイフィアのことだ。遅かれ早かれ割り切っていたはずだ。ここは作られた空間で、目の前にいるのは上辺だけの敬意を払った主人。心を擦り減らす必要はない、と。
そうだ。それでいい。悪魔には時間はたっぷりとあるんだ。この空間ではなおさらな。
ゆっくりと堕としていく。
肩を掴んだまま、俺はグレイフィアに顔を近づける。
そして、俺の唇を、グレイフィアの唇に重ねた。
「ん……」
そっと押し当てる口づけ。それを数十秒間続けた後、舌を伸ばした。柔らかい唇の間をこじ開けるように舌を動かし、中へと入っていく。すぐにグレイフィアの舌先と触れ合う。温かいそれは自ら俺へと舌を絡めた。
にゅる、ぬちゅ。唾液に濡れた舌同士が触れ合い、音を立てる。俺はその音を楽しみながらグレイフィアと戯れる。何度も舌で握手を交わし、唾液を擦らせる。溜まった唾液を全てグレイフィアに呑ませ、乾いた口内をまた唾液で湿らせた。
何も喋らず、ただ接吻を交わす空間は静かだった。部屋の壁に掛けられた時計は時を刻むこともなく、沈黙している。レーティングゲームの空間とは違い、冥界と同じ紫色の空を再現している。
これくらいにしておこう、と俺は舌を取り出した。俺から解放されたグレイフィアは俺の前で開いていた口を閉ざし、喉を鳴らす。小さく開いた口には俺の唾液はない。全部飲んだことを示し、忠誠を示す。
その忠誠は所詮、見掛けだけだ。それがわかっているから、俺は次の行動に出た。
「ぁ……」
グレイフィアを押し倒し、足へと手を伸ばした。足元まで届く長いスカートを捲り、現れたのは肌の白さが目立つ太股。むっちりと柔らかく程よい肉を纏った魅力的な足を左右に開き、下着を目に留めた。
今日は純白の下着だ。黒い下着もいいが、清純さを感じられる白もいい。
下着の上から指を這わせる。具合はいいようだ。指に触れただけで膣穴が反応を示す。さすがに俺を何度も受け入れただけのことはある。心では否定しても、ちゃんと体では俺を受け入れるべき雄として認識してしまったようだ。
普段の乱暴な手つきではなく、相手のことを考えて愛撫する。どこを触られるのがいいのか。よく反応を見て的確な速度で弄る。すると、膣はいい具合に解れてきた。そろそろいいか、と下着を横に捲り、中を直接視界に映した。
陰裂を開き、ピンク色の粘膜を晒した食べ頃マンコ。穴からは愛液をとろりと垂らし、穴が微かに動いている。男を受け入れる気満々だ。本当に、子供を産んだ穴とは思えない。この穴に膜がついていても、何ら不思議ではない。
そうだ。それはいい考えだな。
咄嗟に浮かんだ案を俺は即座に実行した。
指先に力を宿す。この空間を作ったものと同種の力だ。
俺は、俺の想いを集中させた指先を膣穴に向け、力を使用した。
「あっ……!? な、何を……!」
グレイフィアの体が跳ねる。反射的に逃げようとするが、俺は太股を掴んで動きを抑制させた。その間にも俺の願望に応じて力は発揮された。
膣穴にあった処女膜。サーゼクスが散らしたであろうそれを復元する。裂かれたそれは見る見るうちに再生を始め、十秒も経たずに本来の形を取り戻した。
「まるで初物だな」
俺にされたことを理解し、グレイフィアが言葉を失っていた。膣穴を舌で舐め上げ、愛液を拭い取っても声は出ない。一瞥した顔には驚愕と、得体の知れないものを見つめる嫌悪感が広がっていた。
主人に向けていい顔ではないが、今の俺は機嫌がいいから許してやる。
俺はこれからブチ破る処女膜をなるべく美味しくいただくために、膣穴を念入りに舌で嬲っておいた。穴に舌先をねじ込ませ、暴れ回す。きつい締めつけに押し出されそうになるが懸命に抗い、処女膜へと浅い道を撫でる。
愛液と唾液がぐちゃぐちゃに絡み合って、陰部が体液に塗れた。俺の唾液よりも、流れ出てくる愛液の量が多い。俺に抱かれ続ければこうなるのもおかしくはない。今日このために、グレイフィアを抱き続けてきたんだ。
「ん、くぅっ……!」
グレイフィアが声を上げる。乱暴なプレイの多い俺が見せる優しく、じっくりとした愛撫にじわじわと体の警戒は解けていった。抵抗するのとは違い、太股が抱いた快感に従ってビクビクと痙攣していた。
愛液の量もますます増えてきた。伸ばした舌で掬い取り、嚥下する。
蕩けるような体液。中に挿入すればさぞ気持ちいいだろう。
だが、グレイフィアはよくても、俺の準備はまだだ。
俺は一度顔を上げると、ズボンに手を掛けた。ベルトを外し、ズボンと下着を下ろす。
興奮を覚え、肉棒は既に臨戦態勢。上を向く肉竿を片手で掴み、グレイフィアに向ける。
「俺も気持ちよくしてくれ。今日は徹底的にな」
命じると、グレイフィアは身を起こし始めた。その動きは少し緩慢で、本人も不思議そうだった。それくらい、これまでにない愛撫に腰砕けになったのだろう。ほんの少し乱れた呼吸を繰り返し、肉棒へと口を近づけた。
ちゅっ、とグレイフィアは亀頭にキスを放つ。口を開き、舌で亀頭を舐め回す。亀頭の周囲をなぞるように円を描く軌道だ。それを時計周りで何周も繰り返し、今度は逆周りで舌を動かす。
亀頭は唾液に濡れ、肉棒がさらに緊張した状態となる。より硬くなった竿に手を掛け、もう片方の手は優しく金玉を包み込む。温かい手の平で揉まれ、精子の製造が捗る。
「んっ、ぐぷっ、ぬぷぷっ、ぢゅるっ、ぐぽっ、ぢゅぽっ」
グレイフィアは亀頭から竿まで口に含み、しゃぶりついた。竿を掴んでいた手を離し、両手の細い指先で金玉を撫で、揉み続けながら頭を前後に動かす。
窄めた口の内側が肉棒を擦る。舌の上で滑るように肉棒が前後に動き、喉の奥にこつこつと軽く当たる。グレイフィアは自分で招き入れているだけあって、えづきもせず、肉棒の表面に纏わりついた唾液を啜りながら深いフェラチオを行う。
その動きも反応もいつもとは少し違う。この場の雰囲気に中てられたか。それはつまり、サーゼクスにこういった奉仕をしたことがあるということであり、俺はわずかばかりの嫉妬を覚えた。
「ちゅぶっ、ぐちゅ、れろ、れろぉ、ぢゅるるっ、ぐぷっ!」
俺の気持ちを知ってか知らずか、動きが激しくなっていく。銀髪を揺らし、亀頭から竿の根本まで口に含む。俺のものを全て収めるために喉まで使い、隅々まで刺激をもたらしてくれる。
これはいい。俺は体を弛緩させ、グレイフィアに股間を委ねた。腰から背中へ駆け上っていく心地いい感覚に体を震わせ、どぷっ、どぷっと精液を放った。
「ちゅ、ぢゅるるっ、ぐぷっ、ちゅ、ぢゅぶっ、ごぷっ!」
精液が吸われていく。出した側から口に含まれ、飲み干されていく。喉に絡みつく粘度のそれを着実に処理し、グレイフィアは精液を一滴足りとも零すことなく味わい尽くした。
量が多く、少し疲れた様子を見せたものの、最後まで手抜かりのないフェラチオだった。少しぼうっとした顔で俺を見て、開いた口に溜まった精液を見せる。それを飲み干し、精液がなくなった報告も忘れない。
「ぢゅるるっ……」
尿道に溜まった精液も吸いつくされ、グレイフィアの口内から肉棒が取り出される。余分な唾液を吸い、薄く唾液に包まれた肉棒が現れた。
終わった直後、グレイフィアは少し後悔した様子で目線を俺から逸した。サーゼクスにしていた奉仕を思い出し、俺にしたことで罪悪感を抱いているようだ。無自覚で行ってしまうくらい、この場所で、数えるのも馬鹿らしくなるほどに愛し合ったのだろうか。
やはりこの場所を選んでよかった。ここでグレイフィアを堕とすことに意味がある。
一回射精してひと心地ついた俺は、しかしすぐに肉棒を勃起させた。それを見たグレイフィアに肉棒を両手で包まれ、ぬちぬちと音を立てて扱かれた。「どうされますか?」という問いに対し、俺は笑って答えた。
「お前の二回目の処女を頂こうか」
「はい……」
気乗りしないまま、グレイフィアは体をベッドに横たえた。事務的な態度は変えるつもりはないらしく、静かな銀色を湛える瞳が俺を見た。
いよいよだ。これから面白い催し物を披露するときがきた。処女を奪うのはおまけであって、メインはそれじゃない。俺はグレイフィアの腰を掴んで肉棒を股の中心に突きつけ、少しずつ腰を前へと押し出していった。