リアスは今、最悪な気分だった。
ライザーの自室と思しき部屋で、ベッドで横になるライザーに裸で奉仕する夢を見ている。ライザーの腹に自身の乳房を乗せ、ライザーの右側の乳首に舌を這わせる。同時に右手で極太の肉棒を掴んで扱き、延々と精液を絞り出すという内容だ。
自らが毛嫌いしている男に性奉仕する夢を望むわけもない。では、なぜこのような夢を見てしまったのか。原因を考えるが、思い当たる要素はなかった。
一昨日行われたレーティングゲームでは、辛くもライザー陣営を打ち破った。朱乃や小猫、アーシアはライザーの炎に包まれて脱落してしまったが、残った祐斗や一誠と連携し、不死鳥のライザーの精神力を削りきって地に沈めた。
全員で掴んだ勝利。脱落した三人も怪我の治療を終えてこれまでの日常が戻ってきたというのに、その後に味わう美酒としては最低だ。
「くっ……」
リアスは嫌悪感を露わにし、ライザーを睨みつける。だが、ライザーの軽薄な笑みは消えない。リアスが口から伸ばした舌で乳首をこねくり回し、射精後の精液にまみれた肉棒を休まず扱いている光景を嬉しそうに眺めている。
リアスが見ている夢とはいえ、ライザーのことがさらに嫌いになりそうだ。
リアスは昔からライザーが少し苦手だった。気安く、いつもチャラチャラしていて、人前でも平然と眷属とスキンシップを交わしていた。それだけならばまだ、嫌いと断定できるほどではなく、本格的に嫌いになったのはつい最近のことだ。
一年ほど前だろうか。突然、ライザーの言動に、女は男に従っていればいいという思想が透けて見えるようになったのは。リアスを見る目にも計り知れない欲望が渦巻いているようで、リアスは女として身の危険を感じていた。
今のライザーの傍にいては何をされるかわからない。社交界で顔を合わせたときは他の出席者の目もあって最低限の友好的な態度で接していたが、それ以外では口も聞きたくないほどに生理的に受け付けなくなってしまった。
親に決められた結婚は勿論、間違ってもライザーと夫婦にはなりたくはなかった。だから、眷属たちの力を借りてでも全てを白紙に戻した。我が儘な姫だと噂されようとも構わなかった。これだけは譲るわけにはいかなかった。
「ちゅっ、くちゅっ、れろ、れろ……」
ツンと立った小さな乳首を舌で倒し、ゴシッ、ゴシッと肉棒を擦る。摩擦によって精液が白い泡状になって肉棒全体に広がって、濃い臭いをリアスまで届ける。この臭いを嗅いでいると頭がくらくらする。リアスはできるだけ臭いを嗅がないように努め、夢が覚めるのを待ちながらただ手を動かした。
夢だと認識しておきながら、リアスは自身の行動を殆ど操作できない。自由にできるのは表情や声くらいで、残された全身はライザーを気持ちよくさせるために最善な行動を選択してしまう。
「こんなこと、いつまで続ければいいのかしら……?」
リアスは手コキを中断し、精液の泡に濡れた手の平をライザーに見せる。自分の行動に反吐が出そうだったが、夢ならば仕方がない。せめて、この夢が早く醒めてくれることを望みつつ、心を無にして精神の摩耗を防ぐほかない。
「いつでもやめていいぞ? 別に俺から頼んでいるわけではないしな」
「私が望んでいるとでも? 馬鹿にしないでちょうだい」
駄目だ。夢だとわかってはいても、この男に対する怒りが溢れ、感情が逆立ってしまう。リアスはドス黒い魔力のオーラを全身から滲みだして引き続き睨めつけながら、ライザーへの乳首舐め手コキを続行した。乳首を上から舌で押し潰し、肉棒を乱暴に扱く。体を自由に動かせない状態ではあるものの、自分の感情が行動にある程度の影響は与えるようだ。
回数を重ねることで、乳首舐め手コキに関する技術がどんどんあがっていく。リアスは元々年相応に性行為に興味があった。書物による情報を基に、将来愛する人と出会って行為に及んだときを妄想し、様々なプレイを妄想の中で体験していた。乳首舐め手コキもそれには含まれていた。
夢とはいえ、こんな形で実践に移したくはなかった。
相手にするのならば、自分にわかりやすい好意を向けてくれる一誠を相手にしたかった。きっと喜んでくれるだろう。いい声を聞かせてくれるだろう。主でありながら眷属を性的に可愛がる背徳感を覚えつつ、リアスも満たされるはずだ。
可愛い眷属のことを思い出し、多少は緩んでいた心が、直後には硬直した。
ライザーがニヤリと笑うと、肉棒が膨れながら震え、精液を噴き上げた。肉棒が熱を高め、脈打っている。信じられないほどの大量の精液。股間に落下して、肉棒やリアスの手を白濁に染め上げる。
これで三発目。しかし、股間を濡らす精液の量はとてもそうは思えない。
これが普通なのか。ライザーが異常なのか。文字情報ばかりで映像からの知識が乏しいリアスには、精液の量の平均まではわからない。だが、きっと、ライザーは特別なのだろう。精液の臭いに鼻を犯され、呆然とした頭で何となく思った。
いつ終わってくれるのか。あと何回射精するのか。
覚めない夢の中で、リアスは引き続きライザーに奉仕を続けていた。射精回数は既に二桁を超えている。リアスは場所を移し、ライザーの左乳首を唾液に濡らしながら左手で未だ元気な肉棒を扱き、どぴゅどぴゅと精液をコキ捨てさせる。
化け物だ。調べたところによると、男は一日に四、五発の射精ができるだけで精力的に強いとされていた。ライザーは二桁を超えてなお、まだ肉棒をいきり立たせている。むしろ、最初見た時よりも大きく、威圧感を振りまいているような。
リアスは得体の知れないものに対する畏れを抱くとともに、奇妙な感覚に襲われていた。雄として優れたライザーと接しているからなのか、臍の下が疼く。鼻が勝手に濃すぎる性臭を嗅いでしまい、理性が削れる。これは、何? 思いながらも、リアスは深呼吸を止められず、素早い動作で舌と手を動かしていた。
「ぬちゅっ、ぷちゅっ、ちゅるっ、くちゅっ、れろっ、ぐちゅ、ぐちゅ!」
熟練度は上昇し続け、どこに出してもいやらしい乳首舐め手コキを習得した。動きに緩急をつけ、肉棒を翻弄することもできる。寸止めをして、突然動きを再開させてライザーを射精に導いたときには達成感すらあった。
段々と頭がおかしくなっていく。認識していても、どうにもならない。早く、早く目を覚まして。リアスは言い聞かせるが、思うようにはいかず、金玉で古くなった不死鳥精液を搾り出すための道具として過ごした。
「はぁ、あぁっ、んっ、くぅっ、ぁ、あっ……!」
夢から解放されても、リアスの疼きは抑えられなかった。目覚めて早々、ベッドの上で日課である自慰に耽る。妄想の相手はライザーだった。嫌だと思っても、なぜかライザーの逞しい体が脳裏を過ぎり、その相手をする自分を妄想してしまう。
今度は自分からではなく、ライザーから求められる内容。ランジェリーを纏う肉体で膝を突いて尻を突き出し、顔を枕に埋めるような体勢を取る。両手は膣口と陰核を重点的に弄っているが、膣穴には指を入れなかった。
リアスは処女だ。膜も破けずに残っていて、これを自慰で破くことは許されない。
将来の夫に奪ってもらう大切なもの。そう思っても、やはりライザーの姿が思い浮かんでしまった。それを否定しながらも指は止まらない。くちゅくちゅと水音が立つほどに女陰を擦り、皮を被ってなお敏感な陰核を指で軽く圧迫する。
「ん、ふぅっ……!?」
波のように押し寄せてきた快楽。リアスは一瞬にしてそれに呑まれ、見開いた目の内側で翡翠の瞳を震わせる。枕に埋めた口から熱い吐息を吐き、我が儘に育った乳房や尻を震わせ、至福の時間を噛み締めた。
頭空っぽのまま味わった絶頂は、リアスを獣にした。
学校の準備をしなければ、という考えは欲望の前では無力で、リアスは様々な体勢で自慰をした。処女膜を破かないという前提の下、仮想の夫と交わる妄想をして、ただ喘いでイキ狂う。もしも傍に男がいれば、誰彼構わず求めていたかもしれない。そう思えるくらいに、リアスは淫らに乱れていた。
時計の針は進み、学校ではもう授業が始まっている頃。リアスは連絡も入れずに授業を無断欠席し、ただ雌の快楽に耽る。これほどまでに嵌ってしまった原因は、先ほどから際限なくリアスの頭に入り込んでくる性的な知識、映像だ。自分の知らないセックスに関する情報が脳を支配し、リアスの原動力となっている。
明らかな異常事態だ。それに気がついていながら、リアスは抵抗できなかった。
男の上で腰を振る高校生ほどの少女。同じ男に一方的に犯される人妻。他にも大勢の美少女、美女たちがライザーを彷彿とさせる笑みを浮かべるその男に犯されていた。映像とともに彼女たちが感じた快楽も与えられ、リアスは雄に使い潰される雌の一生を追体験した。
最初は無理矢理犯され、ハメ撮り動画などで弱味を握られ、なし崩し的に男の相手をさせられた。苦痛の日々が続き、何度枕を涙で濡らしたかはわからない。
枕を濡らしていた涙が、段々と涎に変わっていった。幾人もの男の相手をしつつ、肉体的な調教によって快感を抱けるようにされ、あとは数の暴力だった。
わずかばかりの休みがあるくらいで、四六時中男に犯される。これではただの性欲処理道具だ。だというのに、一度雄に靡いた雌は制御できず、甘んじてそれを受け入れた。
リアスは知らない記憶の中にいる大勢の雌に自身の姿を重ね、擬似的に性欲処理道具として生きた。背後から男、ライザーにチンポで膣内を突かれるのを想像し、膣口を指を擦る。
ただそれを繰り返した。時間も忘れ、己を慰める。この場に誰かが来て止めに入ったとしてもやめたくはない。満たされたい。この乾きにも似た欲望を満たすまで、他のことはどうでも良かった。
「っ……!? あぁっ……!?」
念願の絶頂。リアスは意識を丸呑みにするような快感に襲われ、口の端を上げた。やっときた。痙攣しながらリアスが受けたそれはしかし、期待よりも劣る絶頂だった。
「はぁっ……! はぁっ……! なんで、この程度……」
実体験に近い記憶がありながら、リアスは完全には満たされなかった。それもそのはず。膣の外から刺激を与えるのと、中からもたらされる刺激とでは後者が上回るのは自明の理。
わかってはいる。だが、それを実行するわけにはいかない。
男が欲しい。処女膜を引き裂き、中をこれでもかと満たしてくれる逞しい雄が。リアスはすぐに身近な男の顔を思い浮かべたが、誰も彼も頼りなく思えた。
そんな中、再びライザーの顔が浮かぶ。雄の頂点に立てるであろう立派な肉棒と、無限とも思える精力。夢の中でリアスが勝手に想像したライザーの肉体のはずだが、なぜか現実のライザーも相違ないだろうという確信に至った。
少しだけなら。一回だけの気の迷いくらい、許されるはず。
「だ、駄目……」
あまりにも愚かな考えを直後には否定し、リアスは自慰を再開する。もっと気持ちよくなれれば、変なことも考えなくなるだろう。そう思い、乳房を握りしめ、愛液を垂らす膣口を解す。
「ライ、ザー……。やめなさい……。こんな……」
気の迷いを正しても、脳にしっかりと刻みつけられてしまったライザーの姿は消し去れない。ライザーにバックで乱暴に犯され、何度も種付けされながら絶頂する妄想から得る快楽は心地よく、リアスは自覚しないうちに堕ちていった。