ヴェネラナ・グレモリーはその日、面会のためにフェニックスの根城を訪れていた。
今日会う予定となっているのは、ライザー・フェニックス。フェニックス家の三男で、リアスの婚約者だ。つい最近、リアスの我が儘で解消しかけてしまった婚約関係だが、リアスもようやく自分の立場を理解してくれたようで、関係は修復された。
ライザーには多大な迷惑を掛けてしまった。主に謝罪の意味を込めて、ヴェネラナは挨拶のためにわざわざ足を運んだ次第だ。本来ならば当事者であるリアスと共に赴く予定だったが、本人はライザーの下に入り浸っている。毎日楽しんでいるようね、とはライザーの母であるリヴェル・フェニックスの言葉だ。先日、魔法陣を介して通話を行っていたのだった。
近々出産を控えているリヴェル。一か月前にも相手の姿を魔法陣に投影しながら話をしたが、大きくなった腹を撫でて柔らかく微笑む映像の彼女は一段と美しくなったように感じる。今がとても幸せなのだろう。何せ、産んだ息子が雄として立派に成長し、母である自分に子種を植えつけてくれたのだから。
リヴェルが息子と愛し合った末に形作られた愛の結晶。それについてヴェネラナが不思議に思うことはない。普通のことだろうと、自然と受け入れることができた。だからこそ、祝福の言葉は送っても疑問の声などあるはずもない。
羨ましい。ヴェネラナは素直に感じていた。
リヴェルから聞かされるライザーの話は、ヴェネラナの雌の部分を大いに刺激した。
魔王となってルシファーを世襲したサーゼクスと、グレモリー家の次期当主となる予定のリアスを産んだことで、夫であるジオティクスとの関係は昔と変わってしまった。以前は暇さえあれば性行為に耽るほどの熱い間柄は冷めていた。それでも、永遠の若さをほしいままとする悪魔のヴェネラナは、人間の熟年夫婦とは比較にならない程には夫と交わっているのだが、それでも足りない。
だから、惹かれてしまった。
リヴェルの語るライザーの逞しさ。見せられた映像の中でリヴェルに種付けを行うライザーの勇ましさ。リヴェルと同様に逃げられないように覆い被さられ、口づけで唇を塞がれながら種付けプレスを繰り出されれば、いったいどれほどの悦楽に身を沈めることができるのか。
『ライザーに会ってみてはどうかしら?』
ヴェネラナを誘うリヴェルの声。それは妙に楽しげで、ヴェネラナの脳内に浸透した。
意識が蕩ける。自分の中に何らかの意思が介入しつつあるという認識もできぬまま、ヴェネラナの常識はさらに曖昧になった。瞳からは光が薄れ、大勢の雌を食らうライザーの映像をただじっと網膜に焼きつける。
『ライザーに平伏し、謝罪しなさい。愚かな娘が犯した罪を、その体で贖うのよ』
親しい口調から一転して、リヴェルの冷ややかな言葉が耳を攻める。
リヴェルは静かに怒っていた。ライザーは心が広く、温厚であるためにリアスを許していたようだが、リヴェルは多少の不満を抱えていた。世のこともろくに知らぬ生意気な娘が自分の大切な息子、愛する夫を拒んだのだ。そのときの怒りは察して余りある。
リアスの行いは本当に無礼であったと、ヴェネラナは改めて恥じ入った。
そして、ライザーに謝罪すべく、フェニックスの城に足を運んだのだった。
供を連れず、メイドに案内されて一人で入城したヴェネラナがまず行ったのは、湯浴みだ。汚れた体でライザーに会わせるわけにはいかない。ライザーの眷属と思われるメイドたちに連れられ、ヴェネラナは強制的にその身を隅々まで清められた。
そのとき、ヴェネラナは床に出現した魔法陣によってその裸身を撮影されていたようだ。
リアスの母ではあるが、悪魔の魔力によって外見年齢は十代と二十代のちょうど境を保っている。目につく男を片端から虜にする穏やかな美貌と、綺麗な亜麻色のセミロングヘア。男の欲情を駆り立てる肉感的かつ均整の取れた色白い裸身は全て、映像資料として保存される。
その事実はメイドの口から語られたが、ヴェネラナに文句はない。裸体を撮影されることは恥ずかしいが、これもライザーに会うために必要なことなのだ。だからこそ、ヴェネラナは求められた際には自ら指で膣穴を開いてみせ、二人の子供を産んだとは思えない澄んだピンク色のおマンコを映像に収めることを許容した。
ヴェネラナは甘んじて全てを受け入れた。
足先から頭の天辺まで。元より汚れなどなかった体は、さらに磨きが掛かって芸術品の如く美しい。これだけ綺麗になれば十分だろう。洗い場の椅子に腰掛けてメイドに囲まれていたヴェネラナはおもむろに立ち上がった。
だが、まだ仕上げが残っているらしい。
「手マンでおマンコもほぐしまーす!」
「ぐちゅぐちゅにしてあげますね!」
立ったまま背中を別のメイドに羽交い締めにされ、テンションの高い双子の姉妹に指を膣穴に押し込まれた。洗うという行為とはおおよそ掛け離れた手つきで今も徹底的に膣中を解され、ぐちゅぐちゅと音を立てながら愛液を垂らしてしまっていたが、それも含めてヴェネラナという雌の魅力が映像に収められた。
身体情報も全て検査され、もはや隠すべきところはない。
「揉み応えのあるいい胸ですね。こうして、旦那様と最後に愛し合ったのはいつ頃ですか?」
ヴェネラナの背中に抱きついて囁くのは、ライザーの『
「一か月前に、少し……。んっ……ぁ……」
「まあ、一か月も……。それはお辛いですわね……。心中お察しいたしますわ……」
向けられたのは同情の眼差し。どうやら、周りを囲むこのメイドたちは、眷属でありながらライザーに愛される頻度は少ないようだった。たまに求められてベッドと快楽に沈められるときの至福を知るからこそ、余計に我慢が辛く感じていたらしく、最近では眷属全員でライザーに頼み込んでライザーの分身体に相手をしてもらえるようになって改善されたとのことだ。
分身体とは言っても性的行為時における感覚はライザーと繋がっているため、ほぼ本人と言っても過言ではないようだ。メイドとしての業務を終えて寝るまでの自由時間、それと週二日は必ず与えられる休暇の殆どを眷属たちは自室でライザーの分身体と愛し合うために費やしているらしい。
「お可哀想に。旦那様に飽きられてしまったようですね」
笑うように吐き捨てられたその言葉がヴェネラナの胸を鋭く突いた。
やはりそうなのか、とヴェネラナは思い知る。昔は、顔を合わせるごとに部屋に連れ込まれてセックスをしていた。当時の情熱は今のジオティクスにはない。ヴェネラナと違って外見年齢を壮年に保っている彼だが、悪魔としての本質である強い欲望は昔と変わらないはず。だというのにヴェネラナにあまり手を出してこないのは、ヴェネラナとのセックスに食傷してしまったということなのかもしれない。
「ライザー様でしたら、お気に入りの女は定期的に愛してくださるでしょうね。ただの眷属である我々にもその慈愛を与えてくださるほどですし。求めれば、望むだけの愛情で応えてくれるのが、我らが主です」
ライザー本人が忙しくとも、眷属たちにはライザー本人と何も変わらない分身体がいる。毎日、自室に戻って分身体に媚びるのを楽しみにしているらしい。たまに本人と入れ替わっているときもあって、眷属たちは自分たちが愛されているのだと実感できるようだ。
羨ましい。リヴェルに対して抱いた想いを、ヴェネラナはまた感じた。
羨ましい。振り払おうとしても、その想いは心の中に広がっていく。
羨ましい。心に定着し、ヴェネラナの真なる想いとなって彼女を縛る。
「ほら、そろそろイケッ!」
「っ、ぁああっ!」
双子の真っ直ぐ揃えられた人差し指と中指が、膣穴に勢いよく収まる。瞬間、ユーベルーナがヴェネラナの胸を掴む両手に力を込めたことで、ヴェネラナは二つの刺激を同時に受けて仰け反った。勢いよく天を向いて痙攣を始める。
それを見て、愉快そうに口許を緩める眷属たち。
「お姉ちゃん、次は私!」
「まさか、こんなに簡単に達するとは」
「性生活が満足していないというのは本当らしいわね」
「リヴェル様のお力で自慰すらも禁じられていたようだから、余計に心地いいのだろう。調整は程々にしておけよ? ほどよく蕩けた状態にして、ライザー様にご提供するんだ」
「はーい! ヴェネラナ様のキツキツおマンコに、指をずぷぷぅって挿入しちゃうからね!」
楽しむフェニックス眷属と、快楽に翻弄されるヴェネラナ。眷属たちの会話も耳に入らず、まるでしばらくオナ禁をした後の開放的な自慰のように乱れに乱れる。
「ん、くぅっ……!?」
遠慮も、敬意もない。眷属たちの攻めがヴェネラナを襲う。集団で愛される未知なる刺激と、こみ上げてくる絶頂の兆し。ヴェネラナは女たちに拘束されたまま絶頂を繰り返し、女として食べ頃な状態に仕込まれていった。